律「澪。そういうのは流行らないぞ」

澪「にゅ?」

律「」


― ほうかご!

梓「律先輩受験勉強とかいいんですか?」

律「きこえなーい」

ガチャ

和「ちょ、ちょっと、澪」

澪「ん?」

和「澪が深夜徘徊してたって噂があるみたいよ…」

律「え?」

澪「え?なんで私?」

律「お…おお…ちょっと…今のは痛かった…」

梓「なんかイイ角度で入ってましたからね」


澪「…で、どういう話なのかもうちょっと詳しく教えてくれ」

和「ええ。最初の目撃情報は一昨日の晩らしいんだけど。

何をするわけでもなくフラフラと深夜に澪先輩がいた、って二年生の一部で噂になったらしいのよ。

で、今日になって学校祭かなんかで澪の顔を知ってる保護者がそれを目撃したらしく

学校に電話してきたから、先生達もいよいよ見過ごせなくなったみたいよ」

澪「でも私じゃないぞ。大体深夜徘徊する趣味なんて持ってない」

律「まぁ澪のことだからまず玄関までも行けなそうだ」

澪「…律」

和「とにかく今の―」

ガチャ

唯「あ、澪ちゃん」

紬「澪ちゃん…」

さわ子「澪ちゃん…ちょっと確認したいことがあるんだけど」

澪「私が深夜徘徊ってことですか?」

さわ子「やっぱ知ってるわよね。違うんでしょ?」

澪「はい」

さわ子「だよねぇー」

唯「よかったー違うってムギちゃん」

紬「よかったー。じゃ、お茶にしましょ」


― しんや!

唯「ふぇ…ふぇっくし!」ガバァッ

唯「おおう…寒い…」ブルルッ


唯「…あ、なんだ。まだ夜中だよ~」

唯「おやすみ!」バタン

唯「…」

唯「…」

唯「眠れなくなっちゃった…」

唯(…月明かりきれいだな)

唯「よいしょ」

唯(う…窓がちっちゃいのってこういう時困るな)

唯(…あれ?)

唯「み…澪ちゃん」

唯(時計時計時計)バッ

唯「夜中の1時半!?」

(さわ子「澪ちゃんが深夜徘徊してたって電話が入ってね―」)

唯(ああああああどうしよう!)

唯(いや、まだ澪ちゃんじゃないかもしんない!)ジーッ

唯(…どうみても澪ちゃんだよ!)

(さわ子「え?深夜徘徊してたらどうなるのって…そりゃお巡りさんに見つかったら補導だしタダじゃ―」)

唯「ととととりあえず電話しよう!」バッ

ピッ ポッポッピッパッ

プルルルルル プルルルル プルルルルル プルルルル

澪『…も…もしもし…?唯か…?』

唯「み、澪ちゃんダメだよ!夜中に出歩いたら!」

澪『…ん…んんっ?…寝てたよ…今…知らないって…』

唯「…え」

澪『…おやすみ寝る』プッ

ツー ツー ツー

唯「…あれー?」ガタッ

唯(…そ、そうだ!み、見失っちゃう!)ダッ



― そと

バダムッ

唯「」タッタッタッ

バッ

唯「澪ちゃん!」

澪「…」スッ

唯(…振り返ったってことは!)

唯(やっぱり澪ちゃん!?)タタッ

唯「ダメだよ!夜中になんか出歩いたら!怒られるよ!」タッタッタッ

澪「…」スタスタ

唯「澪ちゃんってば!」ガシッ

澪「…うるさい」バシィッ

唯「あっ!」デッ

澪「…」スタスタスタ


憂「お姉ちゃん!お姉ちゃんどうしたの!?」タッタッタッ

憂「お姉ちゃん大丈夫!?」

唯「み、澪ちゃんが…」

憂「え?」

澪「…」スタスタスタ


―― すうふんご!


ビッチ「ってかさー、マジでないよねー」ノロノロ

   「死ねばいいんじゃね?って…」

澪「…」ザッ

ビッチ「な、なんだよ…お前…」

澪「…」スッ

ビッチ「っ!」ドサッ

澪「…」


酔っ払い「あ…あ…!?」ザッ

澪「…」

酔っ払い「ひゃ、ひゃっ、ひゃああああああああ!!」ダダッ



― あさ!


憂「どういうつもりですか!?」

唯「う、憂…落ち着いて…」

澪「だからそんなこと言われても…」

律「澪がいくら暴力的だからってまさか…」

和「さすがにそれはおかしいわ。憂」

紬「ねぇ唯ちゃん。その澪ちゃんはどんな感じだったの?

例えばどんなことを話していたとか」

唯「うん。なんか冷たい感じで…」

和「…服装は?」

唯「覚えてないや…」

澪「あっ!待て私の無実を証明できるぞ!」

唯「携帯!そうだ!澪ちゃんに電話したもん」

澪「そうだ。私は寝ぼけて話してたんだ」

和「待って。全然物証になってないわ」

憂「とにかく!澪さん!どう落とし前を!」

キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン

律「あの、憂ちゃん。チャイム鳴ったし教室に…」

憂「また来ます」チッ

ズカズカズカズカ バタン!

………

さわ子「みんなおはよう。それじゃあHRを始めます」


さわ子「えーと。まず最初に重要なお話です。

今日未明、学校近くで女性を狙った傷害事件が相次ぎました。

学校帰り、アルバイト帰りの夜道は気を付けて。当然、深夜の出歩きはもっての外です。

不審な人物を見かけたりしたらすぐに助けを求めたり、警察に連絡しましょう。」

さわ子「続いて―」


………
……

ザワザワ

律「話を戻すけどホントに澪じゃないんだな?」

澪「当たり前だろ!」

唯「うーん」

和「広い世の中、ひとり位そっくりな人間がいないわけじゃないし」

紬「でも不思議な話―」


ガラッ

先生「はーいチャイム鳴ってるぞーお前らー」



― ほうかご!


純「家帰ってもやることないしさー」

憂「あ。私買い物して帰るからここでね」

純「うん。じゃあね。憂」フリフリ


刑事A「こんにちは」ザッ

刑事B「こんにちは。桜高の子だね。桜ヶ丘警察署です」

純「え?」

刑事A「あ、僕ら刑事だよ。ホラ」

純(警察手帳…)

刑事B「ちょっと聞きたいんだけどね?この写真の女の子知らないかな?」スッ

純「…え」

刑事A「誰か心当たりないかな?」

純「…み、澪先輩?」

刑事B「ん?澪先輩?」

純「秋山澪…先輩ですかね…」

刑事A「ごめん、もうちょっと詳しく教えてくれる?」



― ふくめんぱとかーしゃない!


刑事A「秋山澪、17歳。桜高の3年生ですね」

刑事B「この写真とそっくりってか…夜でも家行ってみるか」

刑事A「そういえば…この子の件って上から一方的にやれって来てるじゃないですか―」

刑事B「ん?いらんことは詮索するな。出世から脱線だぞ」

刑事A「…はい」

刑事B「ほれ、行くぞ」

ガッ、ブロロンオオン



― ゆうがた!


憂「あとはクリーニング屋さんか…」

澪「…」スッ


憂「…澪さん?」


憂「…」タタッ


憂(どこ行くんだろ…?)

憂「…」コソコソ

憂(なんかこの道人気ないなぁ…)

澪「…」

澪「うぐっ!?」


憂「!?」

憂(え?頭押さえて―)

澪「…ああっ…ぐっ」

憂(…ちょ、ちょっと何!?)


澪「にゅ?」


憂「は?」


憂「…」

澪「にゅ…」フルフル

憂「…嘘でしょ?」

ピッ ポッポッポッ



― ぶしつ!


律「なんだか変な一日だったなー」

澪「はぁぁ…さすがにあそこまで言われるとショックだよ」

紬「でも見間違えるってことは結構そっくりだったんだね」

梓「唯先輩だけならともかく、憂まで見間違えるって相当ですね」

唯「うん。憂は―」

ヴーッ ヴーッ ヴーッ

唯「ん?」

唯「あれ?憂だ」

律「ん」

唯「もしもし~?」

憂『お姉ちゃん!澪先輩がおかしくなってるよ!?』

唯「え?またまたぁ。澪ちゃんならここにいるよ!」

憂『え…?』


…………

…………

澪「…」ボーッ


憂「こっちですこっちです!」ボソボソ


唯「あ!憂!」ボソッ

澪「なんなんだ一体…」ボソ

律「はいはいそこで立ち止まらない!」ボソボソ

タタタッ


律「げっ!」

唯「澪ちゃんだ!」

紬「ウソ…」

梓「ふ、双子だったんですか!?」

澪「ば、バカ言えっ!」


憂「澪先輩…私めの今朝の失礼をお許しください」バッ

澪「え…あ、ああ…いいよ…」

唯「あ、あの澪ちゃんだよ!夕べ見たのって!」

律「あれか…」

紬「そっくり…」

律「…な、なぁ。頭のあれ…角か?」

澪「え?」

梓「…髪飾りじゃないですか?」

紬「変わってるね~」

澪「にゅ…」テクテク


憂「動いた!」ゴソゴソ

澪「な、なんで私そっくりなんだ」ゴソゴソ


梓「…ホントに親戚でも何でもないんですか?」カサコソカサコソ

澪「当たり前だ!」ゴソゴソ

紬「…りっちゃん。どうする?」

律「どうするもこうするも…」

憂「ドッペルゲンガー…」

唯「あ!動きだしたよ!りっちゃん!」ドンッ

律「ゆ、唯!押すな!」

ガラガラガラン


澪(?)「にゅう…?」

律「えへへへ…」

澪「にゅ!」スッ


律「うっ、うわああ!?」ガバッ ガッターン

紬「」アタフタ

唯憂「「!!」」

梓「…あー」

澪「私がもう一人いる…」


澪(?)「にゅっ」ダキッ

澪「うわっ!」


律「み、澪から離れろ!」ガバッ

澪「ちょ、離せ!離せええ!!」ジタバタ

唯「み、澪ちゃん!?」

紬「澪ちゃん!」グイッ

憂「澪さん!」グイイッ

澪「うわっ」ドサッ

澪(?)「にゅっ!」ガン!

梓「あ、頭打った」

澪(?)「」

律「…き、気を失ったのか?」

澪「どうしよう」

紬「き、救急車呼ぶ?」

澪「待て待てそれは大事になるぞ!」


澪(?)「あ…」パチッ

唯「ひょえ!?」

律「うわわわ!!?」

紬「落ち着いて!」

澪(?)「姉さん…」


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