―――帰り道―――

唯(私がいたから……私がいるから……憂は私がいたから傷ついちゃったのかな?私がいるから憂を傷つけちゃうのかな?)

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私が頑張れたのはお姉ちゃんのおかげだよ

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唯(私も憂がいれば頑張れるのかな?憂は頑張ってる私を見て喜んでくれるのかな?)

唯(立派なお姉ちゃんになれば許してもらえるのかな?私がどれだけ謝ったら憂に届くかな?)

唯(………)
―――
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医師『妹さんはっ!今闘っているんだ!今だけじゃない!!この状態に追い込まれるまで色んな事と闘ってきたんだ!』

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唯(憂はいったいどれだけの物を背負ってたんだろ……しっかり者だなんて言われて……私が荷物をおろせる場所にならなきゃいけなかったのに……)


唯(私は闘ってきたのかな?憂とも向き合わずに、あずにゃんの好意に甘えて……結果として憂を追い込んで……)

唯(私は逃げてばっかりだ、憂は勇気を出して私に話がしたいって言ったんだろうな……今にならないと気付かないなんて……それを踏みにじるなんて……)

唯(………)

―――
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純『ふざけんな!!憂は道具や玩具なんかじゃないんだよ!!憂がどれだけ唯先輩の事好きだったか知ってるの!!?
  お前達みたいに遊びでやったんじゃないんだよ!!どれだけ苦しんでたか……そんな事もわかんないの……!?』

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唯(純ちゃん……とってもかっこよかったな。憂のために怒ってくれたんだよね……あんなに真剣に……)

唯(………)

―――
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純『本当に心当たりは無いんですか?唯先輩……?』

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唯(…………)

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梓『唯先輩!話して下さい!私達なら唯先輩を救えます!』

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唯(うぅ……でも……でも)

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女3『あははっ、そういえばさあ、こいつこの前帰った後、愛しのお姉ちゃんに泣きついたらしいよ?』

女4『へー、それでどうだったの?』

女3『駄目だったらしいよ?レイプした相手に泣きつくなんてばっかじゃねーの?って話だよね』


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―――

唯(何であの子達は知ってたの?憂が……言う訳ない……)


唯(……あずにゃん…………)

―――
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憂『お姉ちゃん!?待って!行かないでっ!』
憂『…そう。蚊は嫌だもんね。心配してくれてありがとう。でも何でもないよ』
憂『違うの!お姉ちゃん…グスッ…話を聞いてほしいの!何もしない!!……何もしないからぁ……』
憂『オネェチャン……ゴメンネ…ゴメ…ン…ネ……モウ……ニドトシナイ……カラ……ユ……ル…シテ』

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―――

唯(憂……今まで守ってあげなくてごめんね?傷つけてばかりでごめんね?……私闘うから……)


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純『任せてください!唯先輩も、頑張ってくださいね?』

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―――

唯(憂はずっと一人で闘ってきたんだよね?でも、それは違うんだよ……治ったら教えてあげよう、きっと喜ぶはずだから)

唯(純ちゃん……私も憂の味方だから……頑張るよ)

唯(よし!……もう逃げない!絶対に……絶対に……)



……

梓(いまごろ憂はどうなってるかな?…ふふっ、きっとお嫁に行けないような体になってるんだろうな)

梓(頼みの唯先輩は、憂を怖がってるし……まさかあんなに上手くいくなんてね)

梓(そもそも私の唯先輩を汚したんだ……それくらいの制裁はあってしかるべきだよね?)

梓(あ、そろそろ唯先輩に二回目の電話をかけよう……前回でだいぶ参ってるみたいだし今回はもっと大げさに言っても大丈夫そうかな)

梓(もう少しで私のものになる……私だけ……私だけの唯先輩を手に入れたい……そのためなら何だってしてやる)



……

プルプルプルプル ガチャ

唯『……もしもし?どうしたのあずにゃん?』

梓「はい、実は今日帰り際に電話した時学校での憂に何か変わったことは無いかって聞かれたじゃないですか?」

唯『……うん』

梓「憂の目がいよいよやばくなってきたです。一緒に喋ってたんですけど、今日あたりまた唯先輩を襲うんじゃないかと心配で……」

唯『……うん、気をつけるよ』

梓「唯先輩……聞いてます?大事な話なんですよ?」

唯『うん、聞いてるから、大丈夫だよ』

梓「とにかく気をつけるべきです!なんなら今からでもうちに……」

唯『大丈夫、鍵は閉めとくから。じゃあね、あずにゃん……』

梓「?はいです、気を付けてください」


ヴー…ヴー

梓「憂から着信?……何だろ」

ピッ

梓「どうしたの?憂?」

憂「あ……梓ちゃん?あのね?ちょっと大事な話があるんだけど……明日の放課後会えないかな?」

梓「放課後?別にいいけど……何時にどこで会う?」

憂「そうだなあ……11時に校庭でいいかな?お姉ちゃんの昼御飯とか作らなきゃいけないから……時間はそんなにとらないよ」

梓「……まだ唯先輩のお世話してるんだ……」

憂「え?」

梓「……なんでもないよ。わかった11時に校庭だね。じゃ、忙しいから切るね」

憂「うん、ごめんね。バイバイ」

梓(憂から話したいことがあるなんて珍しいな……ま……どうせ唯先輩の事でしょ)

梓(もう何をやっても無駄なのになー、ふふふっ)



―――平沢家―――

唯(……よし)

唯「私、闘うよ。りっちゃん、みおちゃん、ムギちゃん、純ちゃん、うい……私に力を貸してね?」

 カサッ

唯(これ……憂からの手紙……何回見ても……泣いちゃうなあ)グスッ

唯(私の気持ち……私の……伝えたいこと……)

唯「憂の携帯……そうだ、純ちゃんに電話しとこうかな……」

プルプルプルプル ガチャリ

純『どうしたの憂?何かあった?』

唯「純ちゃん私だよ、唯。」

純『あー、そういえばそうですね、すみませんでした。で、何かあったんですか?』

唯「ん、憂の病室を教えておこうと思ってさ。憂は東棟の324号室だから、良ければお見舞いに行ってあげて?」

純『わっかりました!唯先輩も明日一緒に行きません?私は朝行きますけど」

唯「そだね、明日は学校も休みだし二人で行こうか」

純『ですね、じゃあ10時に病院前集合で!』

唯「……うん。そうだね」

純『じゃあ、私はもう寝ますね!』

唯「ん、今日はありがとね?とってもかっこよかったよ」

純『照れますね///また明日会いましょう』

唯「うん、また明日ね」

唯(私も……寝よう。どんな結果になっても後悔なんてないよ。私が選んだ道だから……)

唯(zzz)


――――――――――――――――――

唯「んー……今何時だろ……げ、10時まであとちょっとしかないじゃん……」

プルルルルル プルルルルル 

唯(純ちゃんからだ、怒ってるかな……?)

ピッ

唯「もしもし……?」

純『唯先輩ですか?今どこにいるんですか?』

唯「ごめんね純ちゃん、さっき起きたところなんだ」

純『もう、唯先輩らしいっていえばらしいですけど……』

唯「あはは……で、私を起こしてくれるために電話くれたの?」

純『あ、そうでした、実はですね、憂が目を覚ましてるんですよ!』

唯「えっ……?ほんとに?」

純『はい!嘘なんかじゃないです!是非早くきてください!』

唯「う、うん!わかったよ!!私急いで行くよ!!」

純『了解です!憂にも伝えときますね!』

唯「うん!ありがとう純ちゃん!!」ピッ

唯(憂が生きてた!憂に謝れる……ごめんねって言って抱き締めて……そうだ虐めも無くなったって教えてあげなきゃ!)

唯「えへへ……グスッ……へへ」ポロポロ

唯(行ってきます!!)



―――病室―――

純「……え?唯先輩に会いたくないってどういう事なの?憂……」

憂「……そのまんまの意味だよ?私お姉ちゃんには会いたくない」

純「何で……?唯先輩、憂のために必死に頑張ってたんだよ?ねえ……何で?」

憂「…………」

ドタドタドタ

ガラガラ

唯「憂!目が覚めたの!?」

憂「っ!!」バッ

純「憂……」

唯「憂……?どうしたの?まだどこか痛いの?ねえ、憂……顔、見せてよ……」

憂「……って」

唯「……え?どうしたの憂……?」


憂「帰ってよ!!お姉ちゃん!!!お姉ちゃんの顔なんて見たくない!!出てって!!!早く!!!」

唯「……憂……なんで……?お姉ちゃんとお話しようよ……お話したいよ……」ポロポロ

憂「私は……したくないの!!帰って!!いいから早く帰ってよ!!おねがいだから……!!」

唯「……そっか。でもね、憂?私はもう逃げないって決めたの。あの時、私はすっごく後悔した。憂が家からいなくなって初めて気付いた。」

憂「いいから帰って!!早く帰ってよ!!出てってよ!!」

唯「私、憂がくれた手紙の返事を持ってきてるんだ。私の顔が見たくないなら見なくてもいい……でもこの手紙だけは読んで欲しいな……」

憂「うるさい!!黙れ!!帰って!!!帰れ!!!」

唯「ここに置いとくから……憂……またね?」ポロポロ

純「あ……」


バタン

憂(……)ハアハア

純「憂……何で?唯先輩、本当に頑張ってたんだよ?憂……唯先輩が可哀相すぎるよ……」

憂「……いいの、別に。私が選んだ事だから……。」

純「憂……」

憂「そんな事より純ちゃん……、純ちゃんって私の事好きなの……?」

純「え?///あ、いや!!別にその///……あの……」

憂「どっちなの?好き?嫌い?はっきりしてほしいな」

純「…………好き……だよ?///」

憂「そっか……ねえ、純ちゃん?私たち付き合わない……?」

純「……え?」

憂「私はいいから、あとは純ちゃんが決めるだけだよ?」

純「憂……」




―――通学路―――

唯(憂……なんで、あんな事……もう仲直りできないのかな……?顔も見たくないって……)グスッ

唯(っ!!!だめだめ!どんな結果になっても受け入れるって決めたじゃん私!そうだよ……私にあずにゃんがいたみたいに憂には純ちゃんがいるから大丈夫だよ……)

唯(でも……何でかな、覚悟はできてたはずなのに……心が痛いよ……憂……)ズキッ

唯(そっか……私、憂の事……大好きなんだ……気付いたのが早ければ、もっと別の結末になってたかな?)ズキズキ

唯(だめだめ!まだ私の闘いはこれからが本番なんだから……)

唯(あずにゃん……あずにゃんは、憂にひどい事してないよね……?)

唯(私、信じてるよ……?あずにゃん……)


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