梓「唯先輩があの日あそこにいなかったことを証明することが出来れば……」

和「唯、あなたはあの日何処で何をしてたの?」

唯「えーっと……部活もないし暇だったから外で時間潰してたんだよ」

憂「お姉ちゃん、もっと詳しく!」

梓「外って具体的に何処ですか?」

唯「う~ん……確か……」

和「確か?」


唯「う~ん、コンビニの前通って……アイス食べたくなったからアイス買って~そこから……」

憂梓和「!!!」

梓「そのコンビニの店員さんが証言してくれれば!」

憂「う~ん、でも覚えてるかなぁ……」

和「その必要はないわ!
唯、ブレザーのポケットの中裏返してみなさい」


唯「ほぇ?ポケット?こう?」
ガサガサ

梓「うわ、プリントやらなんやらいっぱいでてきましたよ……」

憂「もう、お姉ちゃんゴミはポケットに入れたままにしちゃ駄目って言ってるじゃない」

唯「えへへ、つい癖で」

和「……」ガサガサ


和「……あった!」


和「唯あったわ!やったわよ!
あなたの無実が証明できるわ!」

唯「えっ?どうやって?」

和「ほら、これ」バッ

梓「コンビニの……」

憂「レシート?」

梓憂「あっ!」

唯「えっ?えっ?どういうこと?」

梓「!!時間も写真と20分差です!」

和「このコンビニから律が撮られた場所までは最低でも40分はかかるわ!
唯やったわよ!」



――次の朝!教室前
唯「これを……皆に見せれば私の疑いは晴れるんだよね…!」ギュッ

和「えぇ、そうよ
今までやりたい放題やってた連中をギャフンといわせましょ!」

梓「私や憂も一緒にいきます!」

憂「お姉ちゃん頑張ろう!」

唯「――いや、私一人でいくよ!」

憂「えっ!」

唯「これは私の問題だから……最後ぐらい自分でカタつけないと」

和「……唯」

梓「でも……」

唯「大丈夫だよ、あずにゃん!和ちゃん、憂!」

和「……そうね!頑張ってきなさい唯」

梓「先輩がそこまで言うなら……」

唯「じゃあ、行ってくるね!」


―――ガラッ


唯「み、みんなおはようっ!」

ざわ ざわ

「犯罪者がきたわよ」「はぁ、朝からうるさい……」「どうせ今日も泣くんでしょ」

律「……唯」

唯「りっちゃんおはよう、私この問題と決着つけるね」

律「えっ!?」

唯(ムギちゃんは……まだきてないか)キョロキョロ

唯(でも……!やらなきゃ)ギュ

唯「みんな!聞いてほしいの」

「犯罪者さんがなんかうちらに言いたいことあるらしいよー」「またどうせ‘私はやってない’でしょ」
「学習能力がないよね」
ギャハハハハハ

律「……」

唯(落ち着け私……我慢だよ)

唯「そうだよね……言葉だけじゃこのクラスの人は私のことなんて信じてくれないよね」

唯「だから……だから今日は私がやってないという証拠を持ってきました!」

律「しょ、証拠!?」

ざわ ざわ

唯「私はあの日、○△コンビニにいました!その証拠にこのレシートの日付と時間をみてほしいの!」バッ

ざわ ざわ ざわ
「レシートなんかが証拠だって」「……でも日付もあってるよ」「確かに○△コンビニって書いてる」「確か○△コンビニってあの写真の場所から……」「でも田井中さんの証言は?」
ざわ ざわ ざわ


唯(やったあ、大成功だよぉ)

律「じ、じつは―――」

「これ平沢さんが買ったって嘘だじゃないの?」「あ、確かに」「絶対拾ったレシートだよねぇ」「話がよすぎるんだよ」

唯「えっ……?そ、そんな!これは私が――

「だいたい今頃証拠出すってのが怪しいんだよ」「なにより田井中さんは平沢さんの口からきいたって言うし」「また嘘かー」


「本当卑怯だよねー」「さっさと認めればいいのに」「うわ、ちょっと私悪いことしちゃったかもって思っちゃったじゃん!」「ねぇ田井中さん?」

律(……ごめん唯)「あぁ……」


唯「うっ、ほ、本当なのに……」


「犯罪者様がまた泣くぞー」「めんどくさいなぁ」「この写真どうみても平沢さんです!本当にありがとうございました!」
ざわ ざわ ざわ

ガラッ
「万引き犯は唯ちゃんじゃないわ!」

唯(あれ……この声……)


紬「その写真は唯ちゃんじゃないの!」

唯「ムギちゃん!!」

律「む、ムギ!?」

ざわ ざわ ざわ
「えっ?何いってるの?ムギちゃん」「この写真が平沢さんじゃない?」「目悪くなったの?」

紬「えぇ、これは唯ちゃんじゃないわ!」

唯「ムギちゃん……!?」

「どこが違うんだよ」「ほら、あれでしょ?平沢さんとムギちゃん仲良かったから」「今頃庇ってもねぇ」

唯「もういいよ、ムギちゃん!無理に私を庇わなくても……」

律「お、おい、ムギ 認めたくないのはわかるけどさ……どうみても唯じゃん」

紬「いいえ、無理になんて庇ってないわ この写真の人物と唯ちゃんには決定的な違いがあるの」

ざわ ざわ ざわ ざわ


唯「決定的な」

律「違い……!?」
「どこにあるんだよ!」「ギャグでも笑えないわ」

紬「少ししか写ってないから気づかなかったけれどほら
みんなこの写真の人の足をみて」

「足がどうしたんだよ」「なになに?」
ざわ ざわ ざわ ざわ
紬「次に唯ちゃんの足を見てちょうだい」

唯「私の……足?」

律「!!」

紬「何かが違うわよね」

「何かって……」「写真の平沢は……白のソックス?」「ここにいる平沢さんは黒タイツ」「あれ……平沢さんって黒タイツが基本だったような」「あー、確かにそうだよね」「で、でもそれはたまたまあの日が白のソックスの日で」」
ざわ ざわ ざわ

紬「えぇ、黒タイツは唯ちゃんのトレードマークだといっていいほどのものよ」
律「で、でもそんなの唯だって毎日って訳じゃないじゃないか!」

「あっ……確かあの日体育があって着替えの時唯ちゃんと黒タイツだと蒸れるよねーって話したよ私」

唯「あの日は確かに黒タイツだったよ私!」

「そう言われると」「……確かに」


「そんなの特定されないように履き替えたのかも……」

紬「特定されたくないためにわざわざ靴下なんて変える人いるでしょうか?」
律「……」

紬「やはりこの写真の人物は唯ちゃんじゃないわ!」

唯「ムギちゃん……!」

紬「唯ちゃん……本当にごめんなさい!
私……私……混乱しちゃって聞いた話を鵜呑みにして唯ちゃんの言葉に耳をかたむけようとしなかった……

本当にひどいことをしたわ……私は友達失格ね……」

唯「……許さないよ!」

紬「……」

唯「友達失格だなんて私が許さないんだから!」

紬「えっ?」

唯「この前私のこと“平沢さん”なんて言ったのも許さないんだからね!罰としてこれからも私と友達でいること!」ニコッ
紬「……唯ちゃん……私……私」ポロポロ

ざわ ざわ ざわ
「私も謝らなくちゃ……」「でもほら、田井中さんが唯ちゃんから聞いたっていうのは?」


「ホントだよねー私達は田井中さんのこと信じただけだし」
紬「……そうね……まだ泣いちゃいけないのに……グス

ごめんなさい」

紬「りっちゃん……なんであんなこと……嘘だったんでしょ?」

律「……」

「うわ……ダンマリしちゃったよ」「あれ?田井中さん黒幕?」

唯(……りっちゃん)

紬「待って!皆
これじゃ唯ちゃんの時と変わらないじゃない!私が言えることではないですけれど……
ちゃんとりっちゃんの話を聞いてあげましょ
りっちゃんだって何かあったはずよ」

シ-ン

律「……」



―――その頃廊下!

ざわ ざわ ざわ

澪「なんだ?いつもより騒がしいな」

澪(また……唯のことかな?見に行ったほうが……いいよな)

澪(唯には悪いけど……律の為なら……)

梓「澪先輩……おはようございます」

澪「梓…おはよう
どうしたんだ
2年生の階なんかに来て」

梓「……今たたかっているんですよ
唯先輩が 」

澪「あぁ……万引き事件か」

梓「あれ……本当は犯人律先輩なんですよね?」

澪「!!!」

澪「何を言ってるんだ?
誰がそんなこと言った」

梓「……」

澪「……唯か?

梓、梓が唯のことを慕っているのは分かるけどな――――」

梓「そんなことを聞きたいんじゃないです!
もう唯先輩じゃないっていう証拠も出ました!」

梓「紬先輩が唯先輩の無実を証明しました」

澪「!!そんな……じゃあ律の嘘が……」

梓「……やっぱり澪先輩は律先輩を庇っていたんですか……」

澪「……」


梓「……今さっき唯先輩の疑いは晴れました

そうなると次に叩かれるのは確実に律先輩です」

澪「!!」

梓「私はもう律先輩を許せませんし、かばう気にもなれません
多分これからも……澪先輩のした行為も許せません……
ただ今律先輩を守ることが出来るのは澪先輩だけでしょうね」


澪(……律!)ダッ


――教室!

紬「ねぇりっちゃん本当のことを聞かせてよ……」

律「……はめたんだよ私が唯を
唯じゃないって分かっててさ」

ざわ ざわ ざわ

唯「……」

紬「何でなの?どうして?どうして……そんなこと」

律「……」

紬「答えて!」

唯「ムギちゃん…」

律「こうするしかなかったんだよ
私が私を守るためには……

なんたって私が万引き犯なんだからさ」

ざわわざわざわ
「えっ?今の聞いた?」「マジで?」「うわぁ……」「ひどすぎー」「信じらんない」


紬「!!!そ、そんな……」

律「軽い気持ちでやったんだよ

 たかが漫画くらい ってさ

そして次の日学校にくるとさ、私がやったのに唯が疑われてやんの

唯ならさ……なれてるだろうと思って
こんなことぐらい笑い飛ばすんじゃないかって……

それでだよ
唯に罪を擦り付けたのは」


ざわ ざわ ざわ ざわ ざわ ざわ ざわ

「うわぁ……」「死ねよ犯罪者!」「まんまと騙されちゃったよ」「考え方がもはや常人じゃないよねー」「平沢さんがカワイソー」

ガラッ

澪「違うんだ!」

唯「澪ちゃん!?」
律「!!!澪!?」

「なんだなんだ?」「あれ田井中容疑者の幼なじみじゃない?」


澪「律だけが悪いんじゃないんだ!」

澪「私も……私も共犯者なんだ」

紬「嘘でしょ?澪ちゃん……」

律「おい、澪お前何言って―――

澪「私は知ってたんだ、最初から唯じゃなくて律が犯人なんだって…………それを知りながら和や私のクラスメイトに犯人が唯だって流したのも私だ」

澪「本当は親友が道を踏み外したら咎めなければいけないんだろうけど……私には出来なかったんだ……」

律「……澪」

澪「もう絶対許してもらえないのは分かってる……

でもこれだけは言わせてほしい


本当にすみませんでした」


唯「りっちゃん……澪ちゃん……」


  「お前ら罪償いとしてさ、血でるまで土下座しながら地面にデコぶつけろよ」
「どげーざ」「どげーざ」「どげーざ」


唯「も う 止 めて ! ! !」

 「!!!」


唯「もう止めてよ……これ以上私達を苦しめないでよ……」

澪律「唯……」

「そんな、私達は平沢さんの為にね?ねぇ」「そうだよ!平沢さんが味わった痛みをこいつらにも――

紬「狂ってる……!
唯ちゃんに痛みをあたえたのは誰?

私 達 じゃない!

それなのに……りっちゃんや澪ちゃんに全て責任転換して……
なによりあなた達はまず唯ちゃんに謝るべきだわ!!

それに私を含めてここにいる人でりっちゃんや澪ちゃんを裁くことができるのは唯ちゃんだけなはずよ!!!」


シ-ン…………

「平沢さんごめんなさい……」「本当にごめんね、唯ちゃん……私……」

唯「もう……いいよ……
もう いいから

澪ちゃんやりっちゃんに私にしたようなことはしないで……」


澪「唯……本当に……本当に……」

律「…………」

唯「私ね、もうりっちゃんと澪ちゃんとはこれまで通りの関係には戻れないよ」

唯「こんなことがあっても私軽音部にはいって本当によかったと思うんだ……

今まで本当にありがとう
りっちゃん、澪ちゃん……」

唯「本当に……ありがとう」ボロボロ


紬「唯ちゃん……」




こんにちわ 平沢 憂です!

あの事件から1ヶ月が経ちました

たった1ヶ月しかたってないけれど…いろんなことが起きた1ヶ月でした

まずついこの1週間前澪さんと律さんは学校をやめました

大きな虐めはなかったけれどやはり小さな嫌がらせや陰口が絶えることはなかったようです

私はあの人達がした事を許せませんでしたがやはり心は痛みました

それから当然のごとく軽音部はなくなってしまいました

残念だけれどあの状態から部活を続行するのは……無理だよね……

お姉ちゃんは時々軽音部の写真やギー太を眺めては寂しそうな顔をしますが

「これからムギちゃんや和ちゃん、憂、あずにゃんと軽音部の思い出に負けないぐらい思い出を作るんだー!」って意気込んでいます!

今日もみんなをよんで闇鍋パーティーを開きます!


ふとしたことで絆は壊れてしまうことがあるけれど私達はもう大丈夫だよね?
なんたってお互いを誰よりも信頼しているんだから

END