梓「いや、まずいですって」

律「そんなこと言っていいのか?」

唯「このままだとあずにゃんの負けだね」

紬「罰は・・・覚えてるわよね?」

梓「・・・律先輩、早いとこやっちゃって下さい」

律「寝返るの早っ!」

唯「りっちゃんしー!澪ちゃんが起きちゃうよ」

律「おう・・・!んじゃ、行くぞ?」


どうも、中野です。みんなのアイドルあずにゃんです。

私達が何をしているか。

事の発端は約2時間前まで遡ります。


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ちょっと前



澪「・・・」コックリコックリ

律「みお?」

澪「・・・」コックリコックリ

唯「澪ちゃん、おねむ?」

澪「うん・・・」ムニャ

律「澪ちゃん、おむね?」

澪「うっさい・・・」

律「おぉっ。こんな眠たそうな時でも私のボケに反応するとは」

紬「つまり、二人は夫婦ってことでいいわね?」

律「あ、それあんまりよくないわ」

梓「あの、もし具合悪いなら帰った方が・・・」

澪「平気だよ。昨日ちょっと作詞で行き詰まっちゃって、あまり寝れなかっただけだから」

梓「そうですか。でも辛そうですよ?」

澪「うん・・・」

律「そこのベンチでちょっと寝てったらどうだ?」

澪「えぇ?律じゃないんだから・・・」

紬「でもそんな状態じゃ私達も心配よ」

澪「う・・・」

唯「後でちゃんと起こしてあげるから寝てて大丈夫だよ?」

律「そうそう。それとも、私に澪を担いで帰れって言うのか?」

澪「う、わ、わかったよ」ガタンッ

律「下校時間になったら起こしてやるからなー?」

澪「あぁ、頼む。それじゃ・・・」ゴロンッ


唯「おやすみー」

梓「おやすみなさい」

澪「あぁ。おやすみ」


そうして澪先輩は眠りにつきました。
普段はどうなのか知りませんが、このときの澪先輩の寝付きの良さは凄まじかったです。
横になったと思ったらすぐに寝息が聞こえてきたんですから。

そしてしばらく他愛のない話をして時間を潰しました。

澪先輩を起こしたら悪いという理由から楽器の音出しはしません。
ここは何部なのか、いよいよもってわからなくなってきます。

今日は仕方ないだろー?なんて嬉しそうに言う律先輩を訝しげに見つめつつ、ケータイを開きます。


梓「あ、もうこんな時間・・・そろそろ澪先輩起こしましょうか?」

唯「うん。ちょっと早いけど、いいと思う」

紬「そうね、そろそろかしらね」

律「オッケー。それじゃ私が起こしてくるよ」ヨット

唯「私も起こすー!」ダッ

ベッド代わりにしているベンチはお世辞にも奥行きがあるとは言えないので、ちょっと寝にくそうです。

少しだけ開いた口。
そこから漏れる寝息。
腕は胸の上に置かれ、左手は何故か親指を隠すようにグーになっています。
子供ってよくこういう意味のない手の形して寝てますよね。

はい、注目。
私が何を言いたいかわかりますか?

今の先輩を一言で言い表すとしたら『THE無防備』。
THEキッチン、THE収納、THE無防備。
ダイソーにコーナーが設けられてもおかしくないくらい。

やっばい、澪先輩可愛過ぎでしょ。
私は冷静に、そして強くこう思いました。

『イタズラしたい。』

梓「・・・」チラッ

律「さーて、どうやって起こそうか?」ニヤニヤ

なんだか嬉しそうです。
そしてどこかサディスティックとも言える表情を浮かべています。
口元は笑ってますけど目がマジです。
心の何処かで、こんな律先輩知りたくなかったと後悔したりしなかったり。

梓「・・・」チラッ

唯「澪ちゃん、服はだけてるよ?えっちぃよー」アハハ

私は見逃しませんでした。
唯先輩が澪先輩のスカートを少したくしあげたところを。
えっちぃのはどっちですか。

梓「それじゃ、律先輩。早く起こしてあげましょうよ」チラッ

言いながら私はムギ先輩を見ました。
何やら真剣な表情で考え事をしているみたい。

梓「ムギ先輩?」

紬「あ、あの。私も澪ちゃん起こしてみたい、な?」

律「へ?い、いいけど・・・?」

唯「ちょっと待って。私も起こしたい」

梓「唯先輩まで何言ってるんですか」

唯「むー、あずにゃんは澪ちゃん起こしたくないの?」

梓「私は別に・・・ただ」

律「ん?ただ?」

紬「なぁに?」

梓「こんなに可愛い寝顔見たら・・・ちょっとイタズラしたくなっちゃいました」アハハ

唯「」

紬「」

梓「あ、気を悪くしないで下さいね!そ、それくらい可愛いって言いたかっただけで決してs」

律「あずさぁ!」

梓「はい!?」

律唯紬「それだぁぁぁ!!!」

梓「」

梓「え?何が?」

唯「私、やっぱり澪ちゃん起こしたくない!」

紬「私もよ!」

律「奇遇だなー?私も澪を起こすの嫌になっちゃったよ」アッハッハッ

梓「いや、でもそういうわけにもいかないじゃないですか」

唯「あずにゃんの言うとおりだけど・・・」チラッ

唯「何かイタズラしてから起こさない?」

駄目だ、この人。

紬「マジックは油性しかなかったんだけど・・・いいわよね?」ニコッ

もっと駄目だ、この人。

律「待て待て。ここは一つ、勝負しないか?」

唯「勝負?」

律「あぁ。砂で山を作って、その上に木の枝を差して、枝が倒れないようにして砂を取っていく遊びを知ってるか?」

唯「うん、砂崩しでしょ?昔よくやったよー」

梓「それがどうしたんですか?」

律「それ、やろうぜ」

唯「・・・」ポカーン

私は見てしまったいました。
普段はお日様みたいな雰囲気を纏っている唯先輩の・・・

唯「いいね・・・やろっか」

目が据わる瞬間を。

っていうかうっわ、唯先輩かっこいい。

紬「それだけじゃつまらないから。ルールを決めましょう」

律「澪を起こしたヤツが負けでいいだろ?」

紬「それじゃ足りないわ」

梓「も、もしかして・・・」

紬「えぇ。負けたときの罰ゲームを考えたんだけど・・・どう?」

唯「へー、どんなの?」

紬「私達がそれまで澪ちゃんにしたことを全部される」

律唯梓「」

紬「例えば順番にまずりっちゃんが足をくすぐり、唯ちゃんが頭を叩き、梓ちゃんが胸を揉んだとするでしょ?」

梓「待って下さい。なんで私だけそんな変態くさいことしてるんですか」

紬「イメージよ」

梓「わお、てっきり『例え話よ?』とか言われると思ってたのに、まさかのイメージ」


紬「それでもし私が澪ちゃんを起こしちゃったら・・・
私はりっちゃん達がやってきたこと、自分がしようとしたこと、やってきたこと。全部されちゃうの」

梓「え、そ・・・それは、ちょっと・・・」

律「・・・いいぜ」

唯「それくらいしないと面白くないよね」

梓「」

なんでこの人達はこんなに全力なんだろう。
あの顔は多分・・・律先輩も唯先輩も負けたときのことなんて一切考えてないだろうな・・・。

紬「梓ちゃんは?」

考えろ、考えるんだ私。
二つ返事でこのゲームに乗るのはまずい。

梓「・・・」チラッ

澪「・・・」スースー

梓「もちろんやります」

って、何言ってるの私。
いや、だって寝てる澪先輩可愛かったんだもん。

律「おぉ!?梓もなかなかノリいいなぁ?」

梓「どうもです」

紬「あ、あと一つ」

唯「なぁに?」

紬「誰かのイタズラを止めるようなことをしたら、その人は失格の上、
負けた人と同じ目に合ってもらうっていうのはどうかしら」

梓「」

律「いいぜ、確かに邪魔されちゃつまんないしなー」

唯「さんせー!」

梓「・・・」

これは・・・後戻り出来ないってことか・・・。

梓「・・・」ニヤッ

いいよ、私だって澪先輩にイタズラしたいしね。

唯「いい顔してるね、あずにゃん」

梓「どうもです」


そうして私たちの砂崩しは始まりました。


・・・

・・・


唯「じゃあ私から行きます!」

律「おう、何するんだ?」

梓「・・・」ドキドキ

紬「起こしちゃ駄目よ?順序よく行きましょ」

唯「へへー」ゴソゴソ

律「って、おい。何をするつもりだ」

唯「軽いジャブだよー。よいしょっと・・・」スッ

梓「先輩、何をするのかは大体想像つきましたから今すぐそのギターを置いてください」

唯「え?何?聞こえないよ」ガシャ・・・クイッ


キィィィ・・・


紬「唯ちゃん、ハウってるハウってる」

梓「ちょっと、その状態で音出すなんt」

唯「いっくよー!」


ギュィィィン!!!!


律梓紬「!!?!?!?」

律「うるっせぇ!!」

梓「唯先輩、私達の耳までおかしくなりますよ!!?」

唯「もうちょっと我慢してよ。あと少しで澪ちゃん起きると思うから」

律「おまっ、負けだぞ!?いいのか!?」

唯「いいよ。これくらい別にされても平気だし。澪ちゃんにイタズラも楽しそうだけどさー」ギュイイィィンン!!

梓「唯、せんぱい・・・?」

唯「私、気づいちゃったんだよねー」ギャイィィィン!!

紬「な、何に?」

唯「りっちゃん達から楽しみ奪う方が楽しそうだなーって」エヘッ

鬼だ、この人。
鬼というか、修羅だ。


紬「そうは、させない・・・!」ダッ

律「ムギ!」

唯「ほら、澪ちゃん。起きなよ」ジャカジャカジャカジャカ

ジャカジャカジャカ・・・シーン・・・

唯「!!?」

紬「アンプのボリューム、下げさせてもらったわ」

律「よくやった!」

唯「邪魔はしないルールじゃなかったの?」

梓「どっちかっていうと、このゲームの邪魔をしているのは唯先輩ですよ」

律「そうだ。私達が何かする前に故意に澪を起こすだなんて、酷いヤツだぜ」

唯「ちぇー」

梓「ほら、ギター下ろしてください」

唯「わかったよー」

紬「唯ちゃんがまさかそう来るとは思わなかったわ。でも、それよりも何よりも・・・」


律「あぁ。澪だよな?」

紬「うん・・・」チラッ

澪「・・・」スースー

梓「何事もなかったように寝てる、だと・・・?」

安らか過ぎる。
あ、手をぎゅって握りなおした。
可愛い・・・。

唯「まさかこれで起きないとはね・・・それじゃ、次の人いいよ」

紬「澪ちゃん、よっぽど疲れてたのね」

律「よっしゃ、次は私だ!」

梓「何するんですか?」

唯「どうせえっちぃことするんでしょ?」

律「『どうせ』ってどういうことだ。聞き捨てならないな」

梓「え?違うんですか?」

律「ちがわい!・・・多分」

紬「え?今なんて?」

律「ちょっと待ってろよー」ゴソゴソ

唯「何?スティックで頭叩いたりするの?」

律「まさか」スッ

梓「それは流石にやめなさい」

唯「あずにゃん、敬語、敬語」

律先輩が取り出したるは・・・マジック。
こんな綺麗な顔に落書きするなんて許せない。

紬「りっちゃん、何するつもり?」

律「わからないか?これで澪に落書きするんだよ」

唯「りっちゃん!」

律「うお!?と、止めるなよ?」

唯「それ、油性?」

律「いんや、水性」

唯「じゃあいいよっ!」

梓「よくない!」

紬「そうよ、肌が荒れたら可哀想だわ」

律「口出しはしないルールだろ?」

梓「そりゃ、そうですけど・・・」

紬「でも、女の子の顔に・・・」

律「前に私がデコに『目』って書かれたときは誰も止めてくれなかったのに・・・っていうか」

唯「なに?」

律「顔じゃないし」

梓「・・・え?」

律「まあ見てろって」キュポッ

そう言うと律先輩は澪先輩のスカートを上げました。
包み隠さずに言います。
無茶苦茶エロいです。


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