- 258. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:04:00.30 ID:qWjAk7mm0
-
いちご「は、はなせ」
私は全力でことぶきさんを押しのけようとした。
しかし、恐ろしい力で両腕を押さえ込まれ、締め上げられてしまう。
いちご「い、やああ」
痛みのあまり悲鳴をあげる。
ことぶきさんは一旦私の手を放すと、本気で私の頬を叩いた。
パン、という渇いた音と共に、頬に焼け付く痛みを感じる。
ことぶきさんは何も喋らず、そのまま私の体を押さえ込む。
私は涙をこらえて抵抗するが、再び頬を叩かれた。
いちご「……い、痛い!」
突然胸に鋭い痛みを感じた。
ことぶきさんが刃物で、私のジャージを切り裂いたのだ。
闇の中で半月沢庵が笑みを浮かべる。
- 260. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:11:19.08 ID:qWjAk7mm0
- ことぶきさんが破れた服に手をかける。
暗闇の中で再び刃物が光った。
このままでは、殺されてしまう!
なんとかして反撃しなくては!
いちご(私は……)
1.刃物を奪い取ろうとする。
2.体をよじって抜け出す
3.ポケットをさぐる
>>265
- 265. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:14:12.46 ID:UlV/Ydg6O
- 3
- 266. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:19:52.43 ID:qWjAk7mm0
- 私は、片手をよじって自由にし、ポケットをさぐった。
いちご「キーアイテムは……」
『割り箸』が入っていた。
私は、割り箸を掴むと、
空中に浮かぶ沢庵の隙間に突き出した!
紬「!!?」
一瞬、体が自由になった。
私はその隙に体の下から抜け出し、ことぶきさんと対峙しする。
- 268. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:26:43.53 ID:qWjAk7mm0
- 暗闇の中、二つの沢庵がぽっかりと浮かぶ。
私の手には割り箸。彼女には刃物。
このままでは間違いなく死ぬ。それもマトモじゃない死に方で。
私がゆっくりと近付くと、なぜかことぶきさんは後退った。
いちご「……?」
…………
いちご「そうか」
暗闇。
私には彼女の位置が判るが、彼女には私が見えていないのだ。
彼女は今まさに、電気のスイッチを入れようとしている。
させるか!
私は割り箸を二つに割り、闇に浮かぶ沢庵に向かって夢中で突き刺した。
- 273. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:36:27.76 ID:qWjAk7mm0
- ずぶり。
両手に嫌な感触が響く。
同時にこの世の物とは思えない、恐ろしい絶叫が響き渡る。
私は思わず耳を塞ぎ、後退った。
いちご「うあ……」
むき出しの肩を、銀色に輝く刃物が襲う。
ことぶきさんはめちゃくちゃに刃物を振り回しながら、こちらへと突き進んでくる。
半月沢庵の下から水滴が光をきらきらろ反射させ、
まるで沢庵が泣いているように見える。
私は姿勢を低くして、ことぶきさんに体当たりをくらわせた。
背中にまた痛みを感じる。
私は体育倉庫から飛び出すと、扉を閉め、入り口を封鎖した。
- 274. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:40:17.98 ID:qWjAk7mm0
- 体中が痛い。頭もくらくらする。
着ているジャージもズタズタだし、惨めなものだ。
渡り廊下、体育倉庫でアンプルを探すことは出来なかった。
あそこにあったのなら、あきらめよう。
……あきらめるって、何を?
もうそろそろ、刻限が近い。
いちご「……ん」
1.教室
2.職員室
3.トイレ
>>280
- 280. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:43:35.39 ID:5qqL7Plq0
- 2
- 282. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:47:36.36 ID:qWjAk7mm0
- 【職員室】
再び職員室へと辿り着いた。
扉が開かない。鍵がかかっているのだろうか。
中に入れば、電話などが使えるかもしれないのに……
この扉を開けるには……
いちご「使えるかも知れない」
私は『レスポール』を振りかぶった。
職員室の窓が叩き割れる。
誰か、周囲の人間に聞こえたかもしれない。
私はすばやく職員室に忍び込んだ。
- 284. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:53:32.10 ID:qWjAk7mm0
- 教職員のテーブル隙間を、私は慎重に歩く。
職員室は意外にも乱雑で、散らかっている。
これはけいおん部が荒らしたからだろうか。だとすればここに……
アンプルがあるかも知れない。
私は慎重に探し歩いた。
そして………
いちご「あ」
いちご「あった……」
山中先生の机の上。
その小瓶は、置いてあった。
- 286. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 21:58:19.89 ID:qWjAk7mm0
- 「うわああああああああああああっっ!!」
同時に、後ろから叫び声が聞こえる。
振り返れば、けいおん部の鈴木が向かってくる。
やはりあの音は聞かれていたのだろう。
鈴木はトイレのモップを振りかぶり、突き進んでくる。
いちご「決断ね」
1.アンプルを置いて、鈴木を先に倒す。
2.アンプルを先に飲み干す。
3.アンプルを持って逃げる。
>>290
- 290. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:01:13.80 ID:4Uwcrekx0
- 2
- 299. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:07:16.85 ID:qWjAk7mm0
- 私は素早く、アンプルを飲み干した。
……味がしない。 偽物ならどうしよう。
そんな考えを、突然の頭への一撃が吹き飛ばす。
いちご「……つ」
純「あ、あれ?」
鈴木は再びモップを振り上げ、打ちかかってきた。
私はそれを受けとめると、鈴木の手から奪い取った。
- 301. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:13:50.89 ID:qWjAk7mm0
- 純「あ、かえせ……」
私はゆっくりとモップを回す。
そして飛び込んできた鈴木の腹に突き立てる!
鈴木「ぐえっ!」
腹をおさえてうずくまる鈴木を蹴り、一回転させる。
私に棒競技で勝てるとでも思っているのか。
鈴木の後頭部にモップを押し当てると、そのまま激しく擦る。
純「い、いだっ、汚、やめてっ」
もう一度鈴木を蹴ると、こんどは仰向けでモップを押し当てる。
純「ひぃ……」
いちご「お顔、磨いてみない?」
- 305. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:21:22.91 ID:qWjAk7mm0
- 純「お、お願いします! 許してください!」
鈴木は泣き出した。
純「私、クラブになんて入りたくなかったんです!」
「でも梓が、一年が少ないからどうしてもって……」
「ほんとは、ジャズ研を続けたかったんです! ほんとです!」
「両親を人質にとられてて……しかたなかったんです!」
なんだかけいおん部――いや、殺人クラブにも複雑な事情があるようだ。
もしかしたら、選択によってはだれも傷つかない道があったかもしれない。
まあ……
いちご「私には関係ないけど」
- 312. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:26:17.79 ID:qWjAk7mm0
- 鈴木の顔が蒼白に変わっていく。
純「見逃してください! 見逃してください!」
純「許して……」
いちご「やだ」
私は鈴木の襟首を掴み、引き起こす。
暴れる体を蹴りつけ脅し、高く吊り上げる。
そして、勢いよく助走をつけ、
扉の割れていない方へと叩き付けた。
絶叫、衝撃、破壊音。
窓ガラスが飛び散り、鈴木の体は廊下へと消える。
私はそれを確認したあと、窓から校庭へと飛び降りた。
- 314. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:31:10.13 ID:qWjAk7mm0
- 終わった。全て終わったんだ。
夜空には満点の星が輝く。
校庭の時計を見れば、ちょうど三時近くを過ぎた頃だった。
もう、六時間もたった。私は生きている。
ふらつく足と頭、目線。
体のあちらこちらが痛む。
これからどうすればいいんだろう。
警察……病院……?
全てが無意味に感じてくる。
私は、ゆっくりと歩き続ける。
最終更新:2011年04月26日 18:15