- 1. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:01:47.03 ID:qWjAk7mm0
- 律「いちご連れてきたぞー」
唯「やったあ! 私の勝ちだよ澪ちゃん!」
澪「やっぱりそっちを選んだのか……」
紬「今お菓子出すわね〜」
いちご「……ちょっと待って」
- 2. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:02:27.66 ID:qWjAk7mm0
- いちご「私、さわ子先生に呼ばれてるって聞いたんだけど」
いちご「どこ?」
澪「……」
律「あれ、そんなこと言ったっけ?」
唯「いちごちゃーんケーキあるよ〜」
紬「お茶しましょ〜」
いちご「帰る」
律「まあ待て」
- 5. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:04:24.10 ID:qWjAk7mm0
-
律「どうせな、来ちゃったんだろおい! 楽しんでかなきゃ損だろおーい!」
唯「イエスりっちゃん! ウェルカムいちごちゃん!」
いちご「やめて。私部活あるから」
律「私達だって部活だぜ!」
いちご「これが?」
澪「これからだよ」
いちご「?」
- 6. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:05:52.54 ID:qWjAk7mm0
- ガチャ
梓「遅くなってすいません。掃除が長引いてしまって……」
いちご「増えた」
唯「ぁぁあああずうぅにぃやぁぅぉああいおjphにじょzsxdcっfvbっhgんじょみぼぼぼ」
梓「ひゃあああゆいせんぱおおじmlzおぱkfんbfはvsdなjばばばばば」
紬「微笑ましいわー」
いちご「けいおん部の後輩」
律「そう、なかのあずさにゃんだ」
いちご「聞いてない」
- 10. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:08:41.66 ID:qWjAk7mm0
-
梓「もう、唯先輩ったら……」ハアハア
いちご「……」ジー
梓「……」
梓(何見てんだよ……てか誰)
梓「あ、二年の中野梓です。どうもよろしく……」
梓「パートはギターを担当しています。好きなアーティストは……」
いちご「中野、私を助けなさい」
梓「そりゃできないですね」
- 11. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:10:35.95 ID:qWjAk7mm0
-
唯「いちごちゃんぎゅー!」
いちご「やめて」
律「写真撮ろうぜ写真!」
紬「もうカメラまわってるわよ」
唯「ほおらぁ、モンブランだよぉ〜 日本語では栗きんとんだよぉ〜」
澪「それ、たぶん違うぞ」
いちご「もぐもぐ」
澪「普通に食べてるし……」
律「よろしい、喰いおったぞこやつめ」
- 12. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:13:35.11 ID:qWjAk7mm0
- 律「それでは本日の放課後ティータイム、インいちごを開始しまーす!」
「意義なし!」「異議なし!」「異議なし!」
いちご「やめて」
澪「おいおい、ちゃんとクラブの活動を忘れるなよ」
梓「先輩、このモンブランおいしいですよ」
いちご「いま食べた」
紬「お味のほうは〜」
いちご「意外にクリーミー」
唯「ふむ」
- 14. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:17:36.29 ID:qWjAk7mm0
- 梓「ていうか、なんでここにいるんですか――先輩?」
いちご「拉致された」
梓「どんくさいですね。名前は?」
いちご「若王子」
梓「じゃあ若先輩、なんでジャージなんですか?」
いちご「部活の途中だった」
梓「ああ、だから汗臭いんですね。納得しました」
いちご「ちょっと」
- 15. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:20:31.67 ID:qWjAk7mm0
-
ドンッ
いちご「うあっ」ドサッ
律「今日はさわちゃんがいないから、そこがいちごの席だな」
いちご(痛い……)
いちご「……」
いちご(逃がさないように取り囲んでる……)
いちご(こわい……)
梓「喉が渇きました」ゴクゴク
いちご(私のお茶)
- 16. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:22:31.90 ID:qWjAk7mm0
- 唯「いちごちゃん、ほらあ〜ん」
いちご「もぐもぐ」
紬「お茶もあるのよ〜」
いちご「飲まれた」
律「いちご〜! ほら、ヒゲッ!」
いちご「つまんない」
澪「遠慮しなくてもいいんだぞ……」
いちご「してない」
梓「どうせだから演奏聞いて行ってください!」
いちご「なにこいつ」
いちご「けいおん部に拉致された……」
- 17. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:24:17.72 ID:qWjAk7mm0
- 澪「部活は心配しなくてもいいよ。後で話を通しておくから……」
唯「うん、いちごちゃんは一日軽音部員だね!」
いちご「もぐもぐ」
梓「一日じゃすまないかもしれませんけどね!」
律「もう前の部活には参加出来ないかもなー」ケラケラ
紬「うふふ」
いちご「もぐもぐ」
いちご(?)
- 19. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:27:10.23 ID:qWjAk7mm0
-
いちご「けいおん部って」モグモグ
唯「?」
いちご「おかしいのね」モグモグ
唯「お菓子いよー!」
律「ムギのおかげだな!」
紬「うふふ、楽しんでもらえてよかったわ」
いちご(太りそう……)
澪「なあ、そろそろ……」
- 21. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:29:02.17 ID:qWjAk7mm0
-
律「あ、いく? いっちゃう?」
澪「じゃあムギ、よろしく」
梓「もぐもぐ」
紬「ふっふっふ……」
紬「実は、いちごちゃんのために用意したお菓子があるの!」
唯「いいなあいちごちゃん!」
いちご「……ありがと?」
- 25. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:31:53.70 ID:qWjAk7mm0
- いちご(もう充分食べたのに……)
唯「ねえねえどんなお菓子! お菓子!?」
律「焦るな唯! ここは慎重に隊長の指示を待つんだ!」
紬「そのお菓子とは……」
紬「これよ!」
1.杏仁豆腐 2.ミルフィーユ
3.苺大福 4.苺ラテ
>>30
選択肢によっていちごちゃんの生死が決まります。
- 30. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:37:31.17 ID:yBvDp6840
- 3
- 33. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:38:56.29 ID:qWjAk7mm0
-
>>30
『苺大福』
【殺人クラブルート】
- 34. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:41:13.78 ID:qWjAk7mm0
- 体が硬い。
まるでセメントにでもなったような、冷え冷えとした硬さだ。
足がだるい。こんな日は学校を休み、一日中寝ていたい。
今日の体育は生理だと言って、休んでしまおうか……
いや、たしか先週も同じ理由だった。
肩が痛い。まるで床の上にでも寝ているようだ。
まぶたが重い。私は一体――いつ、布団に入ったのだろう。
昨日はいつ帰宅した――? お風呂は――?
すぐ近くで話し声が聞こえる。
誰かと、誰か。大勢が会話をしている。
いちご(誰――?)
私は、ゆっくりと瞳を開いた。
そこには
まるで覗き込むようにしている、六つの頭があり、
同時に十二の目との視線があった。
- 35. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:43:36.83 ID:qWjAk7mm0
- いちご「いやっ!」
情けない叫び声をあげ、私は飛び起きた。
とっさに摺り下がった先に壁はなく、私はベッドから地面へと叩き付けられてしまう。
――痛みのあまり息ができない。照明がまぶしい。
「いちごちゃん、大丈夫?」
混乱する私を誰かが抱え上げ、乱暴に近くの椅子へと腰掛けさせた。
唯「テーブルの上で寝返りうっちゃ駄目だよ」
いちご「…唯……?」
平沢唯。同じクラスのけいおん部の少女だ。
彼女の存在のおかげで、辺りの様子をゆっくりと見渡すことが出来た。
- 36. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:47:11.34 ID:qWjAk7mm0
- ここは、けいおん部の部室。
そして先ほどまで私が横たわっていたのはテーブルだ。
田井中律。同じクラスのけいおん部の少女だ。
こっちを見ている。
秋山澪さん。同じクラスのけいおん部の少女だ。
こっちを見ている。
ことぶきつむぎさん。同じクラスのけいおん部の少女だ。
こっちを見ている。
中野あずさ。けいおん部の後輩だ。
こっちを見ている。
知らないけいおん部の後輩がいる。
こっちを見ている。
いちご「な、なに、コレ」
- 37. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:49:13.17 ID:qWjAk7mm0
- 律「やっと起きたか。いちご」
律が口を開く。
いつも教室で見る様子とは異なり、ただならぬ殺気を感じる。
澪「みんなさ、待ってたんだよ。お前が起きるのを」
秋山さんだ。
こちらもなぜか、とても溌剌として、別人のようだ。
いちご「なに」
いちご「なんの冗談なの」
私が時計を見ると、二十時を過ぎたところだ。部活などとうに終わっている。
既に日は落ち、窓の外は暗い。教室の白熱灯がやけに明るい。
- 41. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:53:48.25 ID:qWjAk7mm0
- 律「冗談なんかじゃないさ」
しばらくの間をおいて、律は口を開いた。
律「あたしたちはお前に、『復讐』するために集まったんだ」
「復讐……」「復讐だよ」「復讐ね」「復讐です!」「えっと、復讐…?」
部員達が口々に口にする。
復讐……?
復讐だって……?
律はいったい、誰に何を言っているのだろう。
何かの間違い、言い間違いだ。そうに決まっている。
- 42. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:57:07.67 ID:qWjAk7mm0
-
いちご「私、もう帰る」
いちご「お母さんが心配する」
私は律の目を見て、そう告げてから鞄を探した。
……鞄が無い。
携帯も財布も、全て鞄の中だ。
梓「もしかして、これでも探してるんですか?」
中野がソファーの陰から鞄を取り出し、蹴りよこす。
梓「かえしてあげますよ。中身は棄てましたけど」
- 43. 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:00:09.84 ID:qWjAk7mm0
-
律「相変わらず空気読めねえな梓」
「ここは一旦返さずにおいて焦らせるトコだろうが
梓「あまり無駄口叩かれるとぶっころしますよ」
唯「あずにゃんはそんな汚い言葉つかっちゃ、めっ!」
梓「これでも若い子にしては敬語が上手いって褒められるんですから」
私は落ち着いて先ほどの意味を反芻する。
復讐……彼女たちは復讐するのだ。私に。
連絡手段、逃げ場を断たれた。これから始まることは想像したくもない。
酷く痛い目にあわされるのは明らかだ。逃げ出さないと。
最終更新:2011年04月26日 18:13