みんなに押さえつけられて椅子に縛り付けられた唯ちゃん。

  それでも逃げようとジタバタしているの。そんなに憂ちゃんの結婚に反対なのかな??


唯「離して~! 私はみんなと話すことなんでない~」


澪「唯、いい加減に認めろよ。可愛い妹の結婚式なんだぞ。ちゃんと送り出してやるのが姉であるお前の役目だろうが!」


唯「嫌だ~!! 憂は私のだもん! 憂はずっと私の傍にいるんだもん」


律「駄目だこりゃ。27歳になってもシスコンが治らないってどうなんだ?」


梓「まあ、あれだけいつもベタベタしていたんで……しかも社会人になっても憂は唯先輩の面倒を見ていたし」


ムギ「でも、そのおかげで今のYuiAzuがあるのは間違いないんだよね~」


幸「直ちゃんの曲、憂ちゃんマネージメント、そして律っちゃんの営業戦略はこの業界ではすでに伝説とかしているからね」


菫「だね。律っちゃんが結婚退社する時も他の事務所からの引き抜き合戦も凄かったもんね」


 スポッ(唯にヘッドホンをつける)

ムギ「ねぇ、唯ちゃん。この曲を聞いてみて。直ちゃんの渾身の力作なの。まだこの曲には作詞は付いてないわ。この曲に作詞するのは・・・ね、唯ちゃん、分かるよね?」


唯「・・・作詞はするよ。でも、結婚式には出たくないの!!憂は・・・憂は・・・ずっと私の妹だもん!」ダッダッダッダ!!!


純「うわぁ~、椅子に縛り付けられてもあの速さで逃げれるって・・・シスコンパワー、恐るべし・・・」


梓「でも、ムギ先輩。唯先輩の言っている事もあっているんですよね。これから全国ツアーに海外進出。憂並みのマネジメント力がないと・・・。純じゃ絶対に無理ですよ」


純「何を~! 私はモデル担当マネージャーなの! あっと思い出した。澪先輩、明日の12時開始のグラビア撮影が変更になって14時からになりました。その分、インタビューの時間を減らしましたので終了時間は変わっていません」


澪「いつもすまないな。純のおかげで助かってる。私にとっては純は憂ちゃんに負けてないから」


純(顔を赤らめ)「あ、ありがとうございます」


晶「菫もぜんぜん負けてないからな。私たち恩那組にとって最高のマネージャーだから」


菫(こちらも顔を赤らめて)「あ、ありがとうございます」


律「さて、どうしようか?唯なしで話を進めるか?唯のことだ。作詞はしっかりやるだろう。なら曲や進行をこっちで決めて当日勝負にするか?」


澪「最悪、そうなるかもな?でも、唯を説得しないと。このままだと本当に結婚式を欠席するぞ」


ムギ「説得の件もマネージャーの件も私に任せてくれるかな?多分、上手くいくと思うの」


梓「本当に大丈夫なんですか?」


ムギ「大丈夫よ。私はそう信じてるわ~」


ムギを除く全員(イマイチ信用できないのは何でだろう?)


ムギ「じゃあ、恩那組は結婚式の前説や進行をよろしくね。元HTTメンバーはU&Iの練習と新曲を覚える事。菫と純ちゃんはスケジュールの調整やみんなのフォローをよろしくね。直ちゃんは恩那組のアルバムに向けて曲作りね」


律「ム、ムギが社長っぽい・・・」(驚)


澪「し、仕切ってる。あのムギが・・・」(驚愕)


菫「お、お姉ちゃ・・・じゃない社長、立派になって・・・」(泣)


ムギ「みんなが私の事をどう思っているか、なんとなく分かったわ」(クスン)


  ついに憂ちゃんの結婚式前日。
  結局、唯ちゃんは音合わせに一回も来なかったわ。
  普通に仕事はしてくれるものの、憂ちゃんの結婚式には『私は絶対に出ないから!』と言って仕事以外は外に出る事はなかったの。


???「んで、結局唯はまだ駄々をこねてるの?」


ムギ「そうなの。お願いできる?」


???「わかった。私が説得するわ。あ、ムギ。あの件も引き受けるわ」


ムギ「本当に?ありがとう~。凄い力強い味方が付いた気がするわ~」


???「んじゃ、行ってくるわね」



唯(みんな私の気持ちなんて分からないんだ。憂は私の妹なんだ。今までも・・・これからもずっと・・・)


 ピンポーン

唯(また誰か説得に来たのかな?私は絶対に結婚式に出ないんだから)


???「唯~? いるんでしょ? 開けて」


唯(この声? えっ? うそ?)


 バタバタバタ、ガシャ

唯「うそ?帰ってきたの?和ちゃん」


和「そうよ。唯があまりにも寂しそうだったから帰ってきたのよ」


 ガバッ!ギュ~!

唯「和ちゃん、和ちゃん。本当に和ちゃんなんだね。お帰り~!」


 頭、ポンッポンッ

和「ただいま。でも、苦しいよ、唯」



  満を持して真鍋和ちゃんの登場です。読者の人はわかってましたよね(笑)

  唯ちゃんの幼馴染であり、憂ちゃんにとってはもう1人の姉のような存在です。和ちゃんは大学在学中にアメリカに留学して、そのままアメリカで就職したんだよ~。


和「唯。憂の結婚式に出ないの?」


唯「和ちゃんまでそ~ゆ~事を言うの? だって私の妹がいなくなっちゃうんだよ!」


和「そうね。憂は私にとっても妹みたいな存在よ。確かに寂しいわ」


唯「だよね、だよね。だから私は結婚には反対なの! 私は式には出ない」


和「唯は憂がいなくなると思っているの?」


唯「えっ?」


和「憂はあなたの妹よ。結婚してもそれは変わらないわ。ずっとね」


和「憂が結婚したら唯の傍からいなくなるの? 私はそうは思わないわ。憂が唯から離れれるわけないじゃない」


唯「・・・」


和「私はずっと小さい時から2人を見てたわ。ずっと『お姉ちゃん~』と言っていた憂が唯の前からいなくなるなんて絶対ないわ」


唯「でも・・・でも・・・」


和「唯。憂もやっとあなた以外に大切な物を見つけたの。でもそれは唯とは比べちゃいけないものなの」


唯「意味がわかんないよ。私は憂が1番大事だもん」


和「じゃあ、唯は放課後ティータイムのみんなと憂、どっちが大事?」


唯「・・・そんなの比べられないよ。どっちも大事だもん」


和「そうよ。唯は憂と同じぐらい大事な物を見つけて今も大切にしている。憂もあなたと同じぐらい大事な物を見つけたのよ。比べちゃいけないものをね」

和「憂は大事な物を見つけたからといって大好きなお姉ちゃんをないがしろにするような妹なの?」


唯「・・・違う」(ボソッ)


和「そうよ。憂は私達の自慢の妹よ。結婚したからといって私達から離れるようなことは絶対にないわ。唯は大好きな妹が信用できないの?」


唯「そんなことない! 私は憂を信じてる!! 憂は私を絶対に裏切らないもん!」


和「うん、私もそう思う。だから・・・ね。憂を祝福してあげよ。私もするから」


唯 グズッ。プルプル。(泣くのをこらえる)


和「唯は自分勝手なお姉ちゃんじゃないもんね。ちゃんと大事な妹の幸せも考えられるお姉ちゃんだもんね」ナデナデ


唯「・・・うん。わかった。私、結婚式、出るよ。いっぱいいっぱい憂を祝福するよ」


和「そうね。いっぱいいっぱい祝福してあげようね」ナデナデ


唯「・・・ねえ、和ちゃん。今だけ泣いてもいい?」


和「いいわよ。唯が寂しいのはよく分かるわ。いっぱいいっぱい泣きなさい。で、明日は憂にあなたの最高の笑顔で祝福してあげなさい」


唯「えぐっ、えぐっ・・・うゎゎ~~ん、えぇ~~ん」

  紬です。和ちゃんが唯ちゃんの説得に成功して結婚式に来てくれました。

  憂ちゃんのウェディングドレス姿はとても綺麗で、凄く幸せそうです。

  いつも優しい笑顔を私達に見せてくれる憂ちゃんですが、今日の笑顔は多分これから先見れることはないと思うぐらい最高の笑顔です。


  式は何の問題もなく進み、いよいよ私達の出番です。恩那組の前説が終わり、私達の幕が上がりました。


唯「憂、結婚おめでとう。え~と、あまり喋ると泣いちゃいそうなんで、とりあえず1曲聴いてください。U&I!」


 チャーンチャチャチャーンチャ・・・ 君がいないと何も出来ないよ 君のご飯が食べたいよ~♪

 もし君が帰ってきたら とびきりの笑顔で抱きつくよ~♪

 ジャッジャジャッジャジャンジャン ジャッジャッジャッジャンジャンジャーン


唯「えっと、今聞いてもらった歌は私達が高校時代に作った曲です。私が作詞した曲で・・・」グズッ


唯「う、憂が・・・風邪を・・・引いたとき・・・妹の・・・憂の大事さに気がついて・・・」グズッ


唯「そんな憂が・・・結婚するって…すごく、凄く嬉しいのに・・・寂しくて…」グズッ


唯「なんか、なんか本当に変な感じです。でも、でも、私はずっとずっと憂のお姉ちゃんだから!私の大事な大事な妹だから!」グズッ、グズッ


唯「だから、だから憂ぃぃぃ~!・・・これからも私の大好きな妹でいてね。これからも私は憂のそばにいるから、憂も私のそばにいてね」ボロボロポロポロ


憂「お姉ちゃん・・・うん、結婚してもお姉ちゃんが大好きだからねぇ~!」ポロポロ


唯「ありがと、憂。次の曲は私が今の気持ちを・・・憂のために書いた新曲です。聞いてください。love your life!」

この物語の續き これからペ一ジ埋めよう

たくさんの奇蹟が待ってる こんな何氣ない一日

新しいメロディ一を口ずさんでみるんだ


今日もお日樣に照らされて 生きてゆける

それだけでも 喜びを味わえる

目にするすべてに ありがとう

生きてゆこう 每日新しい 歌を見つけながら


まあるい鞄を持って ヘッドフォ一ンはリンゴで

少しお腹がすいたら ミルフィ一ユはいちごで

少しさみしい氣分も 忘れさせてくれるの


今日もお日樣に 照らされて 生きてゆける

次から次へと 目の前のハ一ドルを

のりこえるたび 強くなる 生きてゆこう

每日新しい 私を見つけながら


  歌い終わった唯ちゃんは最高の笑顔で涙を流していました。

  憂ちゃんも同じように最高の笑顔を浮かべながら涙を流していました。

  私達、HTTも同じように涙を流しました。唯ちゃんの気持ちも憂ちゃんの気持ちも痛いほどよく分かったから。



  結婚式が無事に終了して1ヶ月が過ぎました。

  この1ヶ月の間にちょっとした変化がありましたので報告しますね。


  まずはうちのメイン中のメインYui&Azusaですが、海外ツアーが決まり、本格的に海外進出です。

  ネックだったマネージャーですが、普通の人では梓ちゃんはともかく唯ちゃんの面倒を見きれません。

  でも・・・


和「唯! 今日は雑誌のインタビューがあるって言ったでしょ! ほら起きて!」


唯「う~ん、和ちゃん。あと5分・・・」


和「私は憂とは違うわよ。甘えは許さないんだから!!」ガバッ!(布団を剥ぐ!)


梓「真鍋先輩、車の準備は出来ました。いつでも出れます!」


和「ありがとう、梓ちゃん。ほら、唯。早く着替えて!」


  こんな感じで和ちゃんがYui&Azusaのマネジャーを引き受けてくれました。これで何の心配もありせん。あっ、1つあったかな(笑)


憂「私がいない間、お姉ちゃんの事をよろしくお願いしますね」


和「何? 憂、戻ってくるつもりなの? 憂が戻ってくる頃には私は憂を超えているから戻ってくる場所なんてないわよ。私がマネージャーなんだから」


憂「えぇ~!駄目ですよ。お姉ちゃんのマネージャーは私の役目なんですから!」


  どっちが優れたマネージャーになるのか・・・社長としては嬉しい悩みなのかな?

  澪ちゃんも私の頼みを聞いてくれました。


澪「ムギ、この間の話。やってみるよ。あまり自信はないけど、やれるだけやってみる。TV収録よりいいかも知れない(苦笑)」


  澪ちゃんは新しい部署(ファッションデザイナー)の主任になってもらいました。

  これからモデル兼デザイナーで事務所を盛り上げてくれると思います。

  そして律っちゃんも


律『なあ、ムギ。子供の面倒を見ながらでいいなら…』


  と言って営業部長になってくれました。伝説の営業ガールの復活です(笑)

  誰とでもすぐ仲良くなれる律っちゃんが復活してくれればこの事務所に仕事がなくなることは絶対ないでしょう。


  恩那組のみんなも純ちゃんも菫も直ちゃんも大忙しで走り回っています。

  みんなこの芸能プロダクション【放課後ティータイム】のために頑張ってくれてます。

  私もみんなに負けないように頑張らなくちゃ!フンスッ!


  あっ! もうこんな時間だわ。グループ総括にこれからの展開報告や収支決算報告に行かなくちゃ!


  では、ここで筆を置きますね。また、何かありましたら報告します。次は誰の結婚式かな~なんて。


  以上、琴吹紬の日記でした♪



以上です。


作中で唯が歌っている曲(love your life)は平沢唯役の声優、豊崎愛生さんが実際に歌っている曲です。