夜!

Prrrr…

Prrrr…

Prrrr…

律「…」

律「…」カチカチカチ

律「…」

律(…電話でてくれねーなー…)

律(メール……返事こねーなー…)

律「…」ポイ

ブルブル

律「!」ガバッ!

律「……」ドキドキ カチカチカチ

律(……………なんだ)


律「……………ハァ」

律「…ムギ」


一週間後!朝!

チュンチュン…

紬「……あ」

律「……おはよ」

紬「……なんで」

律「待ってた」

紬「…まだ7時だよ」

律「6時から待ってた」

紬「…」

律「最近、避けてるだろ」

紬「…そんなことないよ」

律「うそつけ。休み時間に声かけてもすぐどっか行っちゃうし」

律「お昼やすみの時は唯や澪とばっかりしゃべってるし」

律「ティータイムのときは目も合わせてくれないし」




律「こうでもしなきゃふたりっきりになれないだろ」



紬「……」テクテク

律「待てよ」ガッ

紬「…痛い」

律「あ、ごめん…」

紬「…離して」

律「…やだ」

律「離したら行っちゃうだろ」

紬「行っちゃうって…学校でしょ。りっちゃんも」

律「いいよ。学校なんて」

紬「ダメだよ」

律「いいだろ。たまには。サボろうぜ。学校サボるの、夢じゃないのか?」

紬「…そんなの、夢じゃないもん」

律「行こう」

紬「先生に怒られるよ」

律「平気だ」

紬「みんなが心配するよ」

律「大丈夫」

紬「梓ちゃんは?」

律「」ピク

紬「…りっちゃんがいないと、梓ちゃんがさみしがるよ」

律「…」

紬「…」

律「…」パッ

紬「…」テクテク

律「ま、待てって…」

紬「なに?」テクテク

律「話があるんだ」

紬「…」

律「大事な話なんだ」

紬「学校おくれちゃう」

律「遅れるわけねーだろ。まだ7時だぞ」

紬「…」

律「なんでこんなに早い電車なんだよ」

紬「…」

律「朝、通学路でわたしに会わないようにか?」

紬「…」ギュ

律「…そんなの……」

律「さみしいじゃんか」

紬「…最近早起きしてるだけだから。りっちゃんとは関係ないから」

律「…そっか。ならいいけど。なぁムギ、ひとつだけ聞きたい」

律「わたしのこと…」

律「嫌いになった?」

紬「…」

律「答えない……ってことは肯定ってことか」

律「そりゃそうだよな、こんだけ避けられてりゃな、誰だってわかるよな…」タハハ

律「ごめんな、変なこと聞いて。どうしてもわたし、」

律「ムギの気持ち、知りたかったんだ」

紬(…わたしの……きもち)

律「最近、澪と仲良いよな」

紬「…それが」

紬「それがどうかしたの?りっちゃんと関係あるの?」

紬「わたしが澪ちゃんと仲良くしたらどうだっていうのっ?」

律「落ち着けよ。どうしたんだよ、急に」

紬「梓ちゃんと付き合ってるりっちゃんに…そんなりっちゃんなんかにわたしのこと、どうこう言われたくないのっ!」

律「…好きなのか?」

紬「…えっ」

律「澪のこと…」




律「好きなのか?」




紬「……  」ボソ

律「え?」




紬「りっちゃんのバカ!!大っ嫌い!!!」ダッ


お昼休み!

律「…ハァ~ァ」

澪「どうした?」

律「べつに」

澪「べつにじゃないだろ」

律「澪にはカンケーねーよ(あるけど。すんごいあるけど)」

澪「なんだよ…かんじわるいな」

唯「なになに~、りっちゃん調子悪いの?もしかしてお腹こわしてる?」

律「こわしてねーって。ほっといてくれよ」

唯「そっか~お腹こわしてるなら、わたしがりっちゃんのおべんとのオカズたーべよっと♪」ヒョイ

律「あ、おい!コラ唯!カラアゲとるなっ」

唯「んまっ!りっちゃんのカラアゲんまー!」モグモグ

律「褒められると悪い気はしないけど…人の弁当のおかず、勝手に喰うのはヤメロ」

唯「いやーホントにおいしいね。りっちゃんをお嫁さんにしたいくらいだよ」モグモグ

律「なに言ってんだ…」

唯「りっちゃん隊員!結婚してください!お嫁さんになってください!」

律「イヤだよ」

唯「ガーン!フラれた~フラちゃったよみおちゃぁぁぁん………」ウェーン

澪「…はいはい」ヨシヨシ

和「茶番はこのへんにして…今日休んでるムギのことが心配ね」

澪「…朝、通学路で見かけたんだって?」

和「ええ。生徒会の集まりで早く登校しなくちゃならなくて、朝駅の前を通りかかった時なんだけど…」

和「反対方向の電車に乗るムギの姿がちらっと見えたの」

唯「登校途中で調子悪くなっちゃったのかな…」モグモグ

澪「それにしてもムギ、随分早い時間の電車に乗ってるんだな…」

唯「そーいや今日はりっちゃんも早くに来てたよね?」ヒョイ

律「ほっとけ。そして平然と2個目のカラアゲをとるな」

澪「ちょっと心配だな」

唯「今日、みんなでお見舞い行こ~よ」モグモグ

和「…それがいいかもね」

律「…わたしはパス」

唯「およ?りっちゃん隊員、ご用事ですかな?」

律「…今日調子わりーし」

澪「……」

澪「…律。ちょっと、来い」

律「…なんだよ」

澪「いいから」グイッ

律「いたっ、おい、やめろって」

唯「…澪ちゃん?」

澪「わるいな。授業始まる前には戻ってくるから」ズルズル

律「いたいいたい!離せって、おい!引きずるな!自分で歩くよ!」

唯「…」

和「…」

唯「…なにかったのかな」

和「…あったんでしょうね」

唯「なんなんだろーねー…」ヒョイ

和「さぁ……唯。さりげなく人のお弁当のおかずをとるのはやめなさい」

唯「えへへ~、ばれてたかぁ~~」

バタン

澪「…部室なら誰もこないだろ。さて、と」

律「ってーなー!なにすんだよっ」

澪「律。お前に聞きたいことがある」

律「なんだよ」

澪「梓と付き合ってるんだろ」

律「!」ドキッ

律「…ナ、ナンノコトヤラ」

澪「いまさら隠すな。もうバレバレだから」

律「さ、さいですか…」

澪「それでお前、どうする気なんだ」

律「どうするって…なにを?梓か?」

澪「両方だ」

律「両方?」

澪「バカ。梓とムギの両方、ってことだよ」

律「は、はぁ~~??!?!?」

律「なんだよ両方って!意味わかんねーよ!」

澪「この後におよんでとぼけるな。言ったろ。バレバレなんだよ」

澪「律が梓と付き合ってるのも、」

澪「そのくせよくムギと二人で遊びに行ってるのも、」

澪「最近ティータイムのときやたらとムギの方見てるのも、」

澪「そのせいで梓に元気がないのも、」

澪「それからムギまで最近様子がおかしいのも、」

澪「全部バレバレなんだよ」

律「…」

澪「三人のことに首をつっこむ気は無いよ。でもな…」

澪「軽音部の雰囲気を悪くするのはやめろ」

澪「わたしの大事な友達や後輩を傷つけるのはやめろ」

澪「態度をはっきりさせろ。自分の行動に責任を取れ」

律「…」

律「…うるせーよ」

澪「…」

律「なんで澪にそこまで言われなくちゃなんねーんだよ」

澪「…言っただろ。軽音部の…」

律「好きなんだろ」

澪「は?」

律「ムギのことが好きだからわたしにヤキモチ妬いてんだろ」

澪「…」

律「みっともねーマネすんなよな。エラそーにしやがって…」

澪「……ハァ」

律「…なんだよ」

澪「いや…律。お前さ…」

澪「ほんっっっっっっっっっとーーーーーーーーうに……」




澪「バカだな」




律「はぁ?!」

澪「呆れてものも言えないよ…」

律「うるっせぇ!意味わかんねーし!澪がムギのこと好きなのだってバレバレなんだよ!」

律「お前らだってふたりでこそこそ遊びに行ったりしてるだろ!」

澪「…?なんで知ってるんだ?」

律「あ、た、たまたま…見かけたんだよ…」

澪「……そうか」

律「…もしかしてお前ら…付き合って…るのか?」


澪「……付き合ってない」

律「…うそつくな。付き合ってるだろ」

澪「付き合ってなんか、いないよ」

律「…でも好きなんだろ。それにムギも……澪のこと……」

澪「…あのなぁ律。わたしが好きなのは……」

律「……ムギだろ」

澪「……なぁ律。お前本当にわたしがムギのこと好きだと思うのか?」

律「…だって、そうだろ」

澪「…」

澪「…コホン。まぁいいよ、この話は」

律「…誤魔化しやがって。告白もろくにできないヤツにあれこれ言われたくねーな」

澪「日曜10時駅前」

律「なんだ急に?」

澪「必ず来いよ。遅れるな。約束だぞ」クルッ

律「ちょっと待て!意味わかんねーし!」

澪「昼休み終わるぞ」

律「説明くらいしろって!」

澪「いいから来い。あ、わたし授業始まる前にトイレに行ってくるから。律、授業サボるなよ」

律「わかってるよ!」

バタン

澪「…」テクテク

澪(告白もロクにできないヤツ、か…)

キーンコーンカーンコーン

放課後!

ガチャ

梓「すみません、遅くなっちゃって…」アレ?

梓「あれ?今日は唯先輩だけですか…?」

唯「うん。ムギちゃんはお休み。りっちゃんは今日は用事あるって早くかえった。澪ちゃんはもうちょっとしたらくると思うよ」

梓(律先輩…メール、くれなかった)

梓(ここのところ一緒にいるときも上の空だし、電話の時間も短くなったし、メールもあんまり続かないし…)

梓(律先輩…)

唯「あずにゃん?」

梓「…あ、いえ。なんか人数少ないとさみしいですね」ハハ…

唯「そだねー…やることないし練習する?」

梓「!!」

梓(ええっ!?唯先輩が自ら進んで!??!??)

唯「…どしたのあずにゃん」

梓「…い、いえ…なんでも。ちょっと気が動転しまして」

唯「ムギちゃんいないからお茶もケーキもないしね。仕方ないし練習しよーよ」

梓(優先順位はどうかと思うけどこれはチャンスかもしれない!よぅし…)

唯「あぁー…でもダメだ。ケーキ食べてないから力でないや……」

梓(やっぱり…)ガックリ

梓(…あ、そうだ)

梓「唯先輩、よければこれ、食べます?」

唯「え?」

梓「じ、じつは…ケーキ……作ってみたんですけど…」

梓(…本当は律先輩に食べて欲しかったけど、はじめてで自信ないし、唯先輩で試そう)

梓(ムギ先輩みたいにすごいケーキは無理だけど…せめて手作りで差をつけたい!)

梓(さて反応はっ?)

唯「あぁ~おいしかったぁ~」ゲフゥ~

梓「食べるのはやっ!」

唯「まんぞくじゃあ~」ツヤツヤ

梓「あ、あの…味、どうでした?」

唯「ん?あ、おいしかったよっ!すっごいね。こんなにおいしいケーキ作れるなんてあずにゃん天才だね!(じゃっかんパサパサだけどね)」

梓「そ、そうですか…ありがとうございます。(ああこのひとなに食べても美味しがる人だったの忘れてた…)」

唯「続いて二個目」ヒョイ

梓「まだ食べる気ですかっ」

澪「お前ら何やってるんだ?」

唯「ぃおちゃんもはえる??おいひぃよ~」モグモグモグ

澪「食べるか喋るかどっちかにしろ…そうだ梓」

梓「はい?」

澪「日曜日って予定空いてるか?ちょっと付き合って欲しいんだけど」

梓「あ、はい。大丈夫です…(デートの予定もないし)」

澪「そっか。じゃあよろしく。詳しいことは後でメールするよ」

唯「わたしもひまだよ~」

澪「あ、唯…。そうだな。唯も軽音部の仲間だもんな。いっしょに行くか」

唯「ほいさ~」

澪(あとはムギ…だな)


日曜!

律(珍しく時間通りに来てしまった…)

律(おっそいなぁ…澪のやつ…自分から誘っといて遅れるとか…)

律(……わたしもよくやるか)マァイッカ

紬「…あれ、りっちゃん?」

律「わっ!ム、ムギ…!?」

律「な、なんでここに…」

紬「え…だって澪ちゃんがここに来いって…澪ちゃんは?」

律「まだ来てない…ちょっと電話してみる!」ピポパ

Prrrr…

Prrrr…

Prrrr…

律(出ない…)

紬「どうしたんだろ…」

律「う、うん…(ハメやがったな…でもこれはチャンスか?)」

紬「…澪ちゃん来ないならわたしかえr」

律「待って」ギュ

紬「…」

律「二人で遊ぼうぜ」

律「前みたいにさ。ゲーセン行ったり、駄菓子屋行ったり…」

紬「…」

律「カラオケ、卓球もたのしいぞ。バッテングセンターでホームラン狙おうぜ!」

紬「…」

律「…ボーリングも久々に行きたいな。ムギなら一番重い球でもかる~く投げられちゃうんだろうな~…」アハハ

紬「…りっちゃんごめんなさい」

紬「やっぱりダメ。今日は帰るね」

律「待って!」

律「普通に遊ぶだけじゃん!なにが嫌なんだよ!?」

律「何度も二人で遊んだじゃないか!わたしはすごくたのしかったぞ、ムギと遊ぶの」

律「ムギは…たのしくなかったのか…?」

紬「…」

紬(たのしくないわけ…)

律「ムギ、やっぱりわたしのこと、嫌いになった?」

律「他に好きなヤツができたならそう言ってくれ」

紬「なんで…」

紬「なんでそんなにりっちゃんはわたしにこだわるの…」

紬「わたしのこと、好きでもないくせに」





律「好きだよ」





律「わたし、ムギのことが好きだ。大好きだ」



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