紬「………わかりました。」


~放課後~

唯「えー!!なんでムギちゃん?!」

梓「なんで……ムギ先輩、音楽嫌いになっちゃったんですか?」

律「嫌いになってもやめなくてもいいじゃんか!普段からあんまり活動してないし」

澪「おい………でも本当に何でやめるんだ?問題なんて何もなかっただろ?」


紬「ちょっと、家庭の事情で……これから忙しくなりそうだから………ごめんなさい」


唯「忙しくてもたまに顔出せばいいじゃん!やめる必要ないよ!」


紬「ごめんね唯ちゃん………もう来れそうにないのよ
  今日も早く帰らないといけないの……………みんな、さようなら」

タッタッタッタッ.........




「お待ちしておりました紬様、○○財閥の○○様が寝室でお待ちです。
 くれぐれも粗相の無い様お願いします。」


紬「………わかりました」

~翌日~
澪「なんか噂で聞いたんだけどさ……ムギのお父さんの会社潰れたらしいぞ」

律「家庭の事情ってそういう事か……」

梓「私たちがどうこうできる問題じゃ無さそうですね……でも、何でそんな重大なニュース誰も知らなかったんですか!?」

澪「だってみんな新聞読まないだろ?」

唯「なんか私達にできる事ないかな~?ムギちゃんご飯食べれてるのかなぁ……」

澪「そういえばムギは忙しいって言ってたよな?
  いくら親の会社が倒産したとはいえ、子供のムギが部活これなくなるほど忙しくなるなんて何事なんだ?」

律「なんか色々手続きとかあるんだろー?」

梓「時間が経てばきっとけいおん部に戻って来てくれるはずです………少し様子を見ましょう!」


………………
………………………………


「ふ、ふふふ………夢の様だ、君のお父さんの会社が無くなった事は私の会社にとっても大きな損害だが
 今ではそれに感謝しているほどだよ…………ふふふ、失言だったかな
 君の事は中学生の頃から目を付けていたんだ………さぁ、こっちへ来なさい……」

紬「…………はい」



唯「はぁ~………何か練習にも身がはいんないね」

律「お前は普段からそうだろ!」

唯「やっぱり甘いものがないと………はぁ~」

澪「おま………ムギはそれどころじゃないんだぞ?」

梓「ムギ先輩がいないと音がすっぽり抜けてしまいますね……」


唯律澪梓「はぁ~………」



「綺麗な舌だ……よっぽど良いものを食べて暮らしてきたんだろうな
 その綺麗な舌を穢せると思うと…………うっ!」ビュッ!ビュルビュルビュルッ!

紬(…!)

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……
 吐くなよ…………よし、口を開けろ」

紬「……ふぁい」

「体に良い食べ物を食べる時の様によく咀嚼して飲み込め……」

紬「クチュクチュクチュ…………ん…………ゴクッ」


「ふ、ふひ……あの紬お嬢様が俺の汚いザーメンを……!
 また勃ってきたぜ…………くわえろ」


紬「………はい」



…………
………………………


憂「おねえちゃーん、カレーできたよ~」
唯「やたっ!カレーだー!!」



紬「う…………ゴホッゴホッ」

「大丈夫ですか?でもあなたにはまだまだ頑張って貰わなければいけません。
 あなたのお父様が残した負債は一日二日で返せるものじゃありません……」

紬「……わかっています」

「今日の予約は8時から一人です。
 ……時間厳守です、それまではご自由に」

紬(あ……唯ちゃんに、みんなに会える………!)

~放課後~

梓「練習しましょうよ~、このままじゃギターとか使えなくなっちゃいますよ?」

唯「だって~………放課後ティータイム……」

澪「うじうじするなよ唯、私たちはムギを待つって決めたろ?」

律「背中から砂糖でも入れたら動くんじゃないか?やってみようぜ」


ガラッ

紬「ハァ…ハァ……みんな!久しぶり!」

律澪『ムギ!』唯「ムギちゃん!!」梓「ムギ先輩!」



紬「一方的にやめていったのに、また来るなんて調子が良すぎるわよね……。
  でも……でも……どうしてもみんなに会いたかったの……本当に……」

律「ムギッッッッ」

紬「は、はいっ!」

律「せっかくメンバーが揃ったんだ、細かい事はいいから久しぶりにセッションしようぜ。」

紬「…!ありがとう律ちゃん。あ……でも私のキーボード……」

澪「ここにあるぞー、あの日は取るものも取らずに帰っちゃったからな。
  キーボードもそのままだ。」

紬「でも、しばらく置きっぱなしだった割りには綺麗ね……」

梓「ムギ先輩が来なくなってから、毎日澪先輩が手入れしていたんですよ。
  いつ戻ってきても使えるように。」

紬「澪ちゃん………」ウルッ

澪「お、おいおい!泣くなって!手入れったってちょっと拭いてたくらいだぞ。」

唯「澪ちゃんのおかげですぐにセッションできるね!
  ムギちゃん!久々だからって手加減しないよ!」

紬「グスッ…………………ええ、唯ちゃん!
  みんなとの演奏は一日も忘れた事が無いから大丈夫よ!」

唯「じゃあ行くよー!せーのっ………!」

………
…………………

唯「もうすっかり日が暮れちゃったねー」

梓「わっ……もうこんな時間ですか、演奏に夢中でまったく気づかなかったです。」

紬(もう6時になっちゃった…………)

紬「……………みんな、ありがとう。
  今日は本当に楽しかったわ、またみんなと………演奏とか……………お、お茶とか……」

澪「ムギ…………いつでもいい、絶対また来いよ
  今度は私達がお茶とお菓子用意して待ってるからな!」

唯「いつでも用意しとくには冷蔵庫がいるね!先生に頼んでみる?」

律「お前は………みんなでお菓子とか買って持ち寄ればいいだけだろー
  冷蔵庫のあるけいおん部って何かダサいって!」

梓「なんか唯先輩がハムとか入れそうですよね」

唯「あずにゃん酷いよ!」

一同「アハハハハハハ」


紬「………じゃあみんな!お疲れ様!」

律澪『またなー!』唯「またね~!」梓「お疲れ様ですムギ先輩!」

………
…………………

紬「ただいま」

「おかえりなさいませ、○○様は後1時間ほどでいらっしゃいます。
 ○○様は2階の客室にご案内しますので、それまでに準備を整えて下さい。」

紬「はい」

(顔から暗さが消えている………束の間の自由を存分に楽しんだみたいだな。)


紬(私………絶対に負けない………我慢すればいいだけなんだから。
  我慢していれば………きっとまた笑顔でみんなと会える!)



コツコツコツ………

コンコン

「どうぞ」

ガチャッ

紬「失礼します……………え?さ、斉藤?!………なんで」


斉藤「…………お久しぶりですお嬢様。」

紬「今日予約していた人は○○という名前じゃ………」

斉藤「お嬢様を驚かせない為に、偽名を使わせて頂きました。
   ……逆に驚かせる結果になってしまったようですが」

紬「偽名って………お、お金はどうしたの?
  凄く高いはずなのに………」

斉藤「お嬢様………私はあなたの事を無神経に触ったりはしません。
   少し、ドライブにでも行きませんか………?」


………
ブロロロロロロ………




………
…………………


紬「………綺麗な月」


斉藤「………………お金は、私の貯金から出しました。
   琴吹様から受けた恩を考えれば微々たる金額ですよ。」

紬「……………」

斉藤「あなたのお父様には、とてもよくして頂きました……
   イギリスでバトラーとしての修行を積み、日本へ来たのですが
   そうそう簡単に雇い主が見つかる訳もなく、諦めてイギリスで雇い主を探そうと思った時
   声をかけてくださったのがあなたのお父様でした。
   …………着きましたよお嬢様」


紬「ここは………?」

バタン

斉藤「お嬢様、お手をどうぞ。暗いので足元にお気をつけて」

紬「ありがとう…………ここは」

斉藤「覚えていますかお嬢様、あなたが幼少の頃に住まわれていたお屋敷です。」

紬「はっきりと記憶には無いけれど、懐かしい………気がする」

斉藤「それはそうでしょうな、住まわれていたとはいってもまだお嬢様は幼かった。」

カチッ

紬「電気が………そういえば何故屋敷が残っているの?
  …………お父様の資産は本邸以外は残っていないはずよ」

斉藤「…………このお屋敷は、私が琴吹様から譲っていただいた物です。
   本邸とは規模が違う大きさとはいえ、ただの執事に屋敷を譲るとは……
   お人よしというのか、器が大きいというのか………」

紬「今はここに住んでいるの?」

斉藤「いえいえ、私が住むには大きすぎますから……。
   …………でも、時々掃除に来てしまうんですよ。
   ここに来ると、あの懐かしい日々が甦ってくるようで…………」

紬「斉藤…………」

斉藤「……………お嬢様がこんな事をしていると聞いた時は耳を疑いました。
   それも自分の意思で始めたなんて…………」

紬「…………だって、琴吹家の資産は全て無くなってしまったのよ。
  残っているものは…………私の体だけだって………あの人が」

斉藤「………あのマネージャー気取りの畜生の事ですな。
   奴も紹介をする事でいくらかの金を掠め取っているんでしょう。
   お嬢様………あなたがこんな辛い役割を担う必要は無い………。
   本邸をお売り下さい、そうすればいくらかの足しにはなるはずです。」

紬「……!だ、だめっ!あの屋敷だけは、私達に残った最後の………」

斉藤「お嬢様………琴吹家はあの屋敷ではありません………。
   あのお屋敷を維持しようとするだけでかなりの維持費がかかります……。
   売りさえすれば………………何とかなるはずです。
   どうか………この老いぼれの意見をお聞き下さい………。」

紬「……屋敷を売るだけで返せる金額じゃないわ。
  それに……そこまで心配してくれなくても大丈夫……
  あなたは………"元"執事でしょ……?」

斉藤「………お嬢様」

紬「………今日はもう帰るわ、明日も………忙しいから。
  心配してくれていたのに無情な事を言ってごめんなさい……。」

斉藤「いえ…………送っていきましょう」
………
ブロロロロロ…………




斉藤(お嬢様はあのお屋敷が家族の最後の絆、繋がりだと思っている………。
   私じゃ説得は無理だろうか…………)


…………
………………………



律「ムギがまた来なくなってから一ヶ月か………」

澪「しょうがないだろ……ムギだって色々忙しいんだろうし。
  私達はムギの事を待つしかないんだ……」

唯「今日も真面目に練習しただけで部活終わっちゃったねー……」

梓「それって良い事じゃないですか……」

ガラッ

さわ子「もう運動部も帰ってる時間よ、みんなも早く帰りなさい。」

一同『はーい。』




唯「練習疲れたね~」

律「真面目に練習するとこんなにも疲れるんだな」

梓「そうですねー、明日はお昼までぐっすり眠りたいです。
  …………あれ?校門の所に見慣れない人が……」

斉藤「………けいおん部の皆さん、初めまして。
   私斉藤と申すものです。」

律「斉藤って………ムギの執事さん?」

斉藤「はい、琴吹家で執事をさせて頂いております斉藤と申します。
   実は……皆様にお願いがあってやってきました。」

律「お願いって……紬さんの事ですか……?」

斉藤「はい………あまり大きな声では話したくないので、
   落ち着ける場所でお話をしたいのですが……着いて来て頂けますか?」

梓「はい……!」

澪「お、おい………梓!」

梓「嫌な予感もしますけど……けいおん部メンバーの仲間として
  聞かなきゃダメです!」

唯「そうだよね……おじさん!どこでお話するの?!」

斉藤「私の車でご案内します、30分ほどで着きますので……」



………
ブロロロロロ…………

斉藤「到着しました、足元にお気をつけて。」

唯「わー、なんかお洒落な喫茶店!」

澪「ここで話すんですか?聞かれたくない話ならどこかの個室とかの方が……」

斉藤「大丈夫です、ここは私の店ですから。」

梓「自分の店って、凄………。
  でも確かに見た目マスターっぽいかも……」

斉藤「………ゴホン どうぞお入り下さい。」


唯「うわー、澪ちゃん見て。天井に換気扇ついてる!
  まさにお洒落って感じだね。」

澪「……あれはシーリングファンっていって換気扇じゃないぞ」

律「澪物知りだな~……って違うだろ!
  斉藤さんの話を聞きに来たんだろー!」

澪「そうだったな……すいません斉藤さん。」

斉藤「いえ、お気になさらず………
   まずはコーヒーでもお入れしましょう。」


コポコポコポコポ…………


斉藤「どうぞ。」コトッ

梓「あ、ありがとうございます……わー、いい香り……」

律「それで……私達にお願いしたい事って……」

斉藤「はい、お願いをする前に……紬お嬢様の現状について話しておかなければなりません。
   心してお聞き下さい………」



…………
……………………………


唯「ムギちゃん……」律「なんでそんな事……」梓「酷すぎます……」

澪「けいおん部をやめるって言ったのは………そういう理由だったのか」

斉藤「…………お嬢様はああ見えても普通の女子高生です。
   このような生活を続けていればいつか気が触れてしまう…………。
   いや………既にお嬢様の精神は限界です。」

律「………私達に何かできる事があるんですか?」

斉藤「……琴吹カンパニーの負債を返す為にほとんど全ての資産を売り払ったのですが、
   まだ本邸だけは売られずにそのまま残っているのです。
   お嬢様が本邸こそが家族の最後の繋がりだと思っておられる…………」

澪「…………」

斉藤「そこで、お願いというのは……お嬢様に本邸を売って負債を減らすよう説得して頂きたいのです。
   ……本邸を売れば今ある負債は半分以上は返せるはずです。
   そもそもお嬢様は直接会社には関係のない人物、ただの女子高生なのです。
   お嬢様が身を穢す必要なんて無い筈です………」

梓「でも、そこまで思い入れが強いのなら……私達じゃ」

斉藤「………皆様も知っての通り、お嬢様はいわゆる社長令嬢です。
   琴吹様も周りの人間も有名な進学校を勧めたのですが、お嬢様は普通の学校に行く事を望まれた。
   そして、あなた達と出会ったのです」

唯「ムギちゃん……」

斉藤「けいおん部の話をするお嬢様はとても楽しそうでした。
   お嬢様にとって家族以外で気の許せる初めての友だちだったのでしょう……。
   それは家族の絆に負けるとも劣らない代物だと思うのです………。
   無理は承知です……………どうか………どうか。」

唯「………いいよ、おじさん!」

澪律『唯!!』

唯「私達しかできないのならやるしかないよね!みんなでムギちゃんを説得しよう!ねぇ、みんな!」

梓「……やってやるです!!」

澪「ま、まぁ……ムギの為ならやるしかないな」

律「よし……!うまい事説得して、また元のけいおん部に戻ろうぜ!」



…………
………………………


紬(あと2時間か………)

コンコン ガチャッ

「失礼します、お嬢様の友だちと申す方々がお見えになってますが………」

紬「えっ…?!」

「今門での所で待っている4人です。」

紬「………唯ちゃん?!それにみんな……!」

「どうします?追い返しますか?」

紬「あなたはもういいから下がってて……門まで自分で行くわ」

「……時間は守って下さいよ?」

紬「ええ……わかっているわ」

「……では、失礼します」

(生意気な娼婦が……)



澪律『ムギ!』唯「ムギちゃん!」梓「ムギ先輩!」

紬「みんな………どうしたの?わざわざ私の家まで………」

澪「ムギ………私達昨日、斉藤さんに会ったんだ」

紬「………!」

澪「それでムギがどうなってるのか話を聞いたよ………
  その…………体を売っている事も」

紬「…………そう」

律「この大きなお屋敷を売れば大半の借金は返せるんだろ……?
  色々思い出があるのかもしれないけど、もう………売るしかないだろ」

紬「………ダメよ、ここを売ったら……みんなが帰ってこれなくなっちゃうし。」

梓「ムギ先輩!住む所なんてどうとでもなりますよ!
  ここを売って私の家に住めばいいんです!」

澪「そうだぞムギ……家に一人くらい増えたってなんともない
  むしろ賑やかになっていいくらいだ。」

紬「梓ちゃん……澪ちゃん……」

唯「ムギちゃん…………ムギちゃんの家族はムギちゃんが体を売る事なんて望んでないと思うよ……?
  そうやって稼いだお金で維持したお屋敷なんて、きっといい思い出なんて作れないよ……」

紬「唯ちゃん……………
  でもどちらにしろ、ここを売っても借金が全て返せる訳じゃないの……。
  だから…………」

ブロロロロロ………キキーッ

?「あのーすいません、琴吹様のお宅はこちらでよろしかったでしょうか?」

紬「…?はい、私が琴吹ですが……」

?「こちら○○様からのお届け物です、サインか印鑑の方お願いします。」

紬「は、はい………これでいいですか?」

?「はい、ありがとうございましたー」

ブロロロロロ…………

律「どんなタイミングだよ…………ったく」

紬「ごめんね…………何か重要な書類かもしれないから今開けさせてね……」

梓(ムギ先輩………何て重い物を背負ってるんですか)

ガサガサ……

………

紬「…………え?!」

澪「ど、どうしたムギ!?」

律「まさか………」

紬「……………な、なんでこんな」

唯「む、ムギちゃん?!何が入ってたの?!」

紬「小切手…………それもとんでもない数字が書かれてる………」

澪「えーっ!なんか普通の宅配便のノリだったぞ?!」

紬「なんか紙が……………えーっと
  【昔琴吹様に助けられたお礼です、ご自由にお使い下さい】」

律「おおっ……なんて太っ腹な奴……」

梓「……先輩!それがあれば………お金全部返せますか?!」

紬「返せるわ……………………家を売れば」

唯「…………ムギちゃん!返すのは今しかないよ!
  今返さないと、せっかくもらった小切手も意味がなくなっちゃうよ!」

澪「住む所が変わるだけだ……?もういいだろムギ………
  もうこれ以上………ムギが傷つくのを見てるのは嫌なんだ………」





紬「澪ちゃん…………みんな………ありがとう
  …………………………私、家を売るわ」

澪律『ムギ…!』唯「ムギちゃん…!」梓「ムギ先輩…!」

紬「家を手放すのは悲しいけど………確かにみんなの言うとおりよね。
  あーあ………もう住めなくなっちゃうわねー………。」

澪「ムギ………」

紬「ねぇ、本当に澪ちゃんと梓ちゃんの家に泊まりにいってもいいの?」

澪「当たり前だろ!」梓「いつでもいつまでもどうぞ!」

紬「じゃあとりあえず澪ちゃんの家に泊まらせてもらおうかな~………」

澪「お、おう///遠慮しなくてもいいからな!」

紬「………♪//」


…………
………………………

~後日~


唯「ムギちゃん帰っちゃったの?!」

澪「ああ、ほんとに全然迷惑じゃないぞって言ったんだけど。
  なんか住む所が見つかったからってさ。」

律「別に私の家に泊まってもよかったけどなー
  でも聡がいるからさ、あいつにとってムギの存在は刺激が強いだろ」

梓「住む所があるって本当なんですかね……?
  私達に心配かけまいとして意地になってなければいいんですけど……」

唯「大丈夫だよあずにゃん!今更ムギちゃんが隠し事なんてする訳ないでしょ!」

梓「そうですよね……で、今ムギ先輩はどこに?」



…………
……………………


紬「ふ~、掃除してるって言ってたのにほこりだらけじゃない……」

斉藤「申し訳ありません……老いぼれ一人では限界がありまして……」

紬「ふふふ……あ、そういえばあの小切手を送ってきたのって斉藤でしょ?」

斉藤「は?」

紬「ふふふ……とぼけなくてもわかってるわよ。
  だって使ってた偽名が、あの時と同じだったし(笑)」

斉藤「ははは………何のことやら。」

紬「斉藤………………ありがとう
  あなたにはいくら感謝してもし足りないくらいね…………」

斉藤「お嬢様………そう畏まらないで下さい。
   私は死ぬまで琴吹家の執事ですよ。」

紬「斉藤………………あ、いけない……!
  今日澪ちゃんの家で遊ぼうって約束してるの!」

斉藤「それはそれは………遅れてはいけませんな。」

紬「ええ……じゃあ斉藤、行ってきます。」

斉藤「行ってらっしゃいませ、紬お嬢様。」


        ~THE END~