・・・

翔太郎「……」

澪「…あ…あ」

亜樹子「とりあえず傷の手当てはしたけど…」

照井「あれはどういうことだ、フィリップ。なぜ左は俺のマキシマムから奴を庇った?」

フィリップ「さっきも言ったとおり、恐らくは奴の精神攻撃の影響だ。以前のオールドメモリのときと状況は似ている」

亜樹子「翔太郎くんがおじいちゃんになっちゃったときだね」

照井「ということは精神系攻撃が効かない俺があのドーパントを倒してしまえばいいというわけか」

フィリップ「ああ、頼めるかい?」

照井「問題な…「ごめんなさいっ」

「…?」

澪「ごめんなさい…まさか、こんなことになっちゃうだなんて」

フィリップ「あなたが気に病むことはない。これは僕達が奴に油断した結果なんだから」

亜樹子「そうだよ。翔太郎くんが無茶しなきゃよかっただけなの」

澪「…でも」

ポン

照井「大丈夫だ。君は自分の依頼だけを心配していればいい」

澪「そんな…」

ガチャリ

?「あ、澪ちゃーん! いたいたー!」

「?」

唯「探したんだよー? インタビューの記者さんが来るってのに楽屋に来てなかったから」

澪「唯…」

フィリップ「唯だって!? あの平沢唯!?」

照井「平沢…ああ、うんたん♪の平沢唯…」ウンタン!

亜樹子「竜くん…?」

照井「真倉刑事からそう教わったんだが…違ったか? 所長」

亜樹子「う、ううん! 違わない違わない!(すっげぇ違和感…)」

澪「どうしてここが?」

唯「りっちゃんが多分ここにいるって」

澪「り、律がか…?」

フィリップ「ふふ、素晴らしい光景だ。興味深い」バット…カシャ、カシャ

唯「あ、写真撮るのはお断りですよー!」

フィリップ「おっと、申し訳ない。つい手が滑ってしまって」

唯「そうなの? じゃあ仕方がないよぉ」

亜樹子「いいのかよ!?」

唯「ふぇ?」

亜樹子(あ…ダメだ。私とこの子はなんか噛み合わない気がする)

澪「唯…後で私も行くからお前はさきにみんなのところへ行っててよ」

唯「え、でもりっちゃんが澪ちゃんのこと連れてこいって言ってるんだよ? 連れて帰らなきゃ私が怒られちゃう…」

澪「そ、そっか…」

照井「…帰りたくないのか?」ヒソ

澪「……」コク

唯「困ったよぉ…どうしよう」

フィリップ「澪さん。僕が口出しするのも違うとは思うけど…一応自分の仕事には責任を持った方がいい」

澪「…そうですね」

澪「でも私…あの件をどうしても解決したいんです! 今すぐに!」

「!」

澪「放課後ティータイムが有名になってから…みんなあの頃と変わっちゃって…律もムギも梓も…」

澪「私、今のみんなが怖いっ」

唯「わわわ、私も!?」

澪「唯は…どうなんだろう…」

唯「嫌いになっちゃいやだよぉ~!!」バタバタ

亜樹子「あははっ」

亜樹子「大丈夫だよ、澪ちゃん。きっとみんな元通りになるから!」

澪「でも…」

亜樹子「そのために私たちを頼ってここに来てくれたんでしょ?」

照井「ふふっ…」

唯「そうなの?」

澪「…うん」

亜樹子「大丈夫! 私たち鳴海探偵事務所に全部任せなさいよ。所長の私とお供3人がパパッと解決しちゃうから!」

フィリップ「お供…は納得がいかないけど、僕もあなた達放課後ティータイムの為なら全力で行動するさ」

照井「ドーパントが出てきたというのなら黙ってはいられないしな。任せておけ」

翔太郎「……」

亜樹子「ほら、翔太郎くんもなにわの美少女お供その一として精一杯働くって!」ガシッ

翔太郎「……」カクカク

澪「…あはは、ふふふ」クス

唯「澪ちゃんが笑った~」

唯「最近澪ちゃん全然笑顔になってくれなかったから私も嬉しいよ」

澪「え? そ、そうだった?」

唯「うんっ、私心配したんだからね!」

フィリップ「こうやってあなたを心配してくれる人もいる…澪さん。あなたはけして一人じゃない」

澪「そう…ですね」

翔太郎「……ん」ピクッ

亜樹子「お、翔太郎くんが起きた」

翔太郎「1、2、3、4、GOHAN!!」

亜樹子「…は?」

唯「あ、ごはんはおかずだ!」

照井「左、いきなりどうした?」

翔太郎「…お、おい! お前ら…なに平然としてるんだっ」

照井「何?」

翔太郎「こんなところに放課後ティータイムのメンバーが二人もいるんだぞ!?」

フィリップ「? 確かに喜ぶべきことだけど…今さらそれがどうかしたのかい?」

翔太郎「分かってねーなぁ! フィリップ!」

翔太郎「唯ちゃん! 澪ちゃん! サイン下さい! サイン!」

唯・澪「へ?」

翔太郎「あっ、まずった…色紙持ち合わせてなかったよ! とりあえずこの帽子にお願いします」ス

亜樹子「しょ、翔太郎くんどうしたの? 急にっ」ペチペチ

翔太郎「あいたたっ、なにしやがる亜樹子!」

フィリップ「アキちゃん待って」

亜樹子「え?」

照井「フィリップ」

フィリップ「ああ、もう症状が現れたみたいだ」

照井「さっきのドーパントのものか」

澪「だ、大丈夫なんですか…」

フィリップ「見ての通り、特に体に被害があるわけじゃない…ただ」

照井「放課後ティータイムという存在に魅了されているわけか」

亜樹子「な、なにそれ…」

唯「みりょー?」

園咲家

フデペーンフッフー

流兵衛「はっはっはっ」

若菜「お父様も放課後ティータイムですか」

流兵衛「若菜。そうだ、放課後ティータイム! いいじゃないか。はっはっはっ」

若菜「風都中放課後ティータイム、放課後ティータイム…異常よ」

流兵衛「まぁ、そう言うな。若菜、お前も一度じっくり聴いてみるといいよ。なぁ、ミック」

ミック「にゃー」

流兵衛「ときにわかにゃん」

若菜「や、やめてください」

流兵衛「はっはっはっ!」

翔太郎「うんたん! うんたん!」

亜樹子「つまりこの異常なまでの人気は」

フィリップ「奴の仕業かもしれないね。断定はできないが」

澪「そいつが私たちを…」

唯「ねぇねぇ、何の話?」

澪「…唯、お前なぁ」

澪「最近の私たちの人気、ちょっとおかしいだろ? あんまりにも行き過ぎてるだろ?」

唯「おぉ、そういえばそうだね! でも私は嬉しいよぉ~」ニコニコ

唯「ちょっとみんなが神経質になっちゃってる以外は…」

澪「唯…」

亜樹子「ていうことは唯ちゃんも薄々何か感じてたんだ?」

唯「うー…でも私バカだからまだイマイチ状況が…あはは」

照井「気にすることはない。とにかく左を正気に戻すためにも奴を探し出そう」

フィリップ「そうと決まれば検索してみようか。キーワードは…」

?「唯ちゃん、澪ちゃん?」

照井「ん?」

唯「あ、ムギちゃーん」

翔太郎「ムギちゃん!?」

紬「はい?」

亜樹子「堪えて堪えて」ガシッ

翔太郎「こ、このっ、離せ亜樹子!」グイグイ

フィリップ「キーボード担当、琴吹紬…驚いた。メンバー三人目までこの場に現れるなんて」

紬「えっと…」

澪「律に頼まれて私たちを呼びにきたのか?」

紬「うん」

唯「あちゃー…帰ったらりっちゃんからこっ酷く叱られちゃうよぉ…」

紬「りっちゃんも梓ちゃんも心配してたよ? 帰りが遅いって」

唯「ごめんねぇ、すぐに戻るよ」

澪「あ、ああ」

亜樹子「澪ちゃん大丈夫なの?」

澪「はい。ここは皆さんを信じて一旦みんなのところへ…」

亜樹子「そっか、わかった。それじゃあね」

フィリップ「今度はメンバー全員で尋ねてくれることを願ってるよ」

唯「また遊びに来ますね~!」ガチャリ

翔太郎「いいなぁ…俺も行きたいぜ」

照井「左、情けないぞ」

亜樹子「意気込んで検索してみたものの…」

照井「メモリの所持者が分からないのならどうしようもないな」

亜樹子「こういうとき肝心な翔太郎くんがこんなだし」

翔太郎「ふわふわタァーイム♪」

フィリップ「敵のメモリはチャーム。目的はやはり…」

翔太郎「やっぱり放課後ティータイムは最高だな! フィリップ!」

照井「彼女たちの熱狂的ファンを無差別に増やしているのか」

フィリップ「…しかしチャームのメモリでここまでのことができるのか? ましてや街中の人間を洗脳するだなんて大掛かりな事、そう簡単には…」

照井「黙って待っていても仕方がない。左はこのままここに置いて行動を起こそう」

亜樹子「でもどうするのさ?」

フィリップ「簡単な事さ、アキちゃん」

唯「ふいー、疲れたぁ」

梓「…色々聞かれちゃいましたね」

律「それだけ私らが有名になったってことだよ。これぐらいでヘタってちゃ後が持たないぞー」

唯「うへー…」

澪「……」

紬「次のお仕事までお茶にしよっか」

唯・律「さんせー!」

さわ子「みんな、御苦労さま」

梓「先生こそ、私たちの為に色々と」

さわ子「気にしなくていいのよ。あなたたちは私の誇りなんだから」

律「くーっ、言うねぇ! さわちゃん!」

紬「さわ子先生もお茶とお菓子をどうぞ♪」

さわ子「……」

さわ子「ムギちゃんっ!!」

紬「!」ビクッ

さわ子「次の仕事までもう時間がないのよ!? そんなに悠長にしている場合じゃないの!」

律「そ、そうだ…そうだった」

紬「ご、ごめんなさいっ」

梓「…すぐに支度しちゃいましょうか」

さわ子「さぁ、いそいで! すぐに移動するから!」

律「みんな急ぐぞ」

唯「う、うん…」

紬「はぁ…」

澪(違う…こんなのやっぱり私たちじゃないよ…)

さわ子「…そういえば澪ちゃん」

澪「は、はい?」

さわ子「あなた…勝手に私たちに黙ってここから離れていたそうね?」

澪「す…すみませんでした…」

さわ子「次からはそういう勝手な行動は控えて頂戴。いいわね」

律「頼むぞ、澪。メンバー一人でも欠けていたら私たちは放課後ティータイムじゃないんだからな」

澪「…うん」

スタスタスタ…

唯「澪ちゃん…」

澪「…大丈夫だよ、唯」

「きゃーきゃー!」「こっち向いてくれ~!!」

さわ子「はいはい、どいてどいて! 邪魔よ!」

梓「また出待ちの人数が増えてきてる…」

紬「梓ちゃん足元気をつけて」

ワーワーキャーキャー!

唯「うー…うるさいよー…」

さわ子「ほら、はやく車に乗り込んで…」

?「放課後ティータイムて実際そんな大したことないよねー」

?「まったくだな。こんな甘ったるい曲の何がいいのか理解できん」

?「あんなバンドよりいいのなんてそこらへんで一杯転がってんのにさぁ。だよね?」

?「知らん、俺に質問するな」

「おいお前らさっきから黙って聞いてりゃ…いい気になるなよ!!」

「ぶっ殺されてぇのかっ!! あ!?」

「どこのもんだてめぇ~!」

?「俺に質問するな」

?「おー、こわっ! いこいこ」

「おい! 逃げんのかおらぁっ!」

?「…振り切るぜ」

タタタ…

さわ子「……」

梓「さわ子先生? どうしました?」

さわ子「! え、あ…なんでもないわ。さぁ、早く乗って」

梓「は、はい」

・・・

亜樹子「放課後ティータイムびみょー」

照井「同感だ」

「……」

照井「…心が痛むな」

亜樹子「こ、ここは耐えて! 竜くんっ」

照井「あ、ああ…」

?「あなたたち」ザッ

「!」

?「放課後ティータイムのどこが気に入らないのかしら」

照井「ようやくお出ましか」

亜樹子(ほ、ほんとに現れた! フィリップくんの読み通りだよ!)

?「あなたたちの感性を疑うわ」

亜樹子「ひ、人の好みなんて勝手でしょ! そっちこそなんなのよ!」

照井「……」

?「…まぁ、いいわ。どうせあなたたちも…」ス

フィリップ「彼女たちの母校の教師もしている上に、放課後ティータイムのマネージャーも務めているようですね。あなたは」

?「…誰よ」

亜樹子「フィリップくん!」

フィリップ「…山中さわ子」

?「!」

フィリップ「あなたがチャームメモリを使って彼女たちの人気を後押ししてる…違いますか?」

さわ子「……」

さわ子「…あなた達が澪ちゃんが依頼したという探偵なのかしらね。さすがと言ったところかしら」

照井「マネージャーが犯人だったとはな」

亜樹子「…? あの人の顔、どこかで見たことあるような…」

フィリップ「今ならまだ間に合う。こちらにメモリを渡すんだ」

さわ子「お断りよ! あの子たちを導いてあげるのは私なの! そのためにもこれは絶対に渡さない!」カチッ チャ~ム!

チャームドーパント(さわ子)「あなたたちもすぐにファンの一人にしてあげるわ」

照井「変…身っ!」アクセル!

フィリップ(翔太郎…変身ぐらいは可能なはず…)

フィリップ「翔太郎! ファングジョーカーだ!」ファング!

翔太郎『なんだ? ドーパントか!? 任せろっ』ジョーカー!

チャーム「くらいなさい!」グォッ、プシュゥゥゥ

アクセル「ふんっ、はあっ!!」ザッ

チャーム「え!? くぅっ…お、おかしい…確実に煙を浴びたはずよっ」

アクセル「…生憎俺にはその類の攻撃は効かん。残念だったな」

チャーム「なっ…」

アクセル「今度こそ…メモリブレイクさせてもらう!」アクセル!マキシマムドライブ!

アクセル「ああぁぁあああぁっっ!!!」

ダブル(FJ)『うおおぉぉぉっ!!!』ドカンッ

アクセル「なにっ!? うぐっ…」ズサー

亜樹子「翔太郎くん!? フィリップくん!? どうしたの!?」

ダブル「ダメだっ…! 翔太郎に掛ったチャームの効力で…! 翔太郎ぉ! 気を確かに持ってくれ!」『照井ぃっ!!! 許さねぇ!』

チャーム「ふふっ、前に能力を使っておいたあいつね。助かったわ」

亜樹子「も、もしかしてピンチ…?」

ダブル『止めるなフィリップ…うおおおぉぉぉ!!』「落ち着けと言っているんだ! 僕の言うことを聞いてくれ!」グググ…

ダブル「い、今だ! 照井竜っ…! 僕が翔太郎を抑えているうちにっ…ま、マキシマムを!」

アクセル「了解したっ。いくぞ…もう一度だ!」アクセル!マキシマムドライブ!

チャーム「ちっ…!」

アクセル「うおおおぉぉっ!!!」

ビート!

?「ふぅんっ!」ドゴンッ

アクセル「うわあああぁぁ!?」ゴロゴロゴロ…ヒュゥーン…

照井「う…ぐっ…」

亜樹子「竜くん!?」

チャーム「あ、あなた…っ」

ビートドーパント「……」ズンズンズン♪

チャーム「どうしてここに…」

ビート「さぁ、逃げようっ」ガシッ

ザッザッザッ…

ダブル「ま、待てっ!」

照井「…く、くそ…はぁ、はぁ、はぁっ…う、うぐぅ…」

亜樹子「竜くんしっかり! 竜くんっ」

ダブル「しょ、翔太郎…変身を解くよ…」ヒュウーン…

フィリップ「はぁ、はぁ…もう一体ドーパントがいただなんて…」

亜樹子「それより竜くんをはやく事務所に運ぼう! なんかまずそうだよ!」

フィリップ「あ、ああ…」



3