唯「あぁ疲れた、ただいm

梓「にゃ〜ん」

唯「……」

梓「なんつって」

唯「……」

梓「今日はずいぶん早かったんですね」

唯「えっ、なん……なにやってんの? なんでいるの?」

梓「まあ落ち着いてお茶でもどうぞ」 ズズズ

唯「あっ、まずは食器が勝手に使われてた」

梓「部屋の中片付けておきましたよ、まったく」

唯「いや、ちょっと待って」

梓「いつの間にあんな大人っぽい下着をつけるようになったんですか」

唯「かえれ!!」

唯「この寮、部外者は入れないはずなんだけど」

梓「なにをそんな他人行儀な」

唯「他人なんだけどなぁ」

梓「いや、そんなはずはないですよ」

唯「きもっ それよりどうやって私の部屋を嗅ぎつけて入り込んできたの?」

梓「大変だったんですよ、なにしろ片っ端から……」

唯「もしもし、警察ですか?」

梓「いや、ちょっ、話を聞いてください!」

唯「これから話を聞いてもらうんだよ」

梓「いい加減にしてください!!」 バッ

梓「まったく……」 ピッピッ

唯「いい加減にして欲しいのは私のほうだよ……携帯返して」

唯「あっ、自首するの?」

梓「もしもしお母さん? 今日は先輩の部屋に泊まる事になったから」 ピッ

唯「は!?」

梓「なにか?」

唯「いつの間にか忍び込んできて帰らないどころか泊まっていくつもりなの?」

梓「そうですけど?」

唯「聞いてないんだけど」

梓「いま聞いたじゃないですか」

梓「相変わらず忘れっぽいんですね」 ピッピッ

梓「天然キャラが通用するのも十代までですよ?」 ピッピッ

唯「いいから携帯返して」

梓「やっぱり私がついてないとダメなんですね」 ピッピッ

梓「誰ですかこの アキラ って人」

唯「かえせ!!」

梓「ハメ撮り画像とかがないかチェックしてただけなのに……」

梓「これが落ち着いていられますか!!」 バーン

唯「パスワードかけてたはずなのに……」

梓「携帯ごときでそんな血相変えなくてもいいじゃないですか」

梓「エロ同人みたいに押し倒されるかと思いましたよ」

梓「……望むところですよ!?」

唯「わかったから気が済んだらとっとと帰って」

梓「そんな事より携帯を奪い取られた時にちょっと手を引っかかれたんですよ」

唯「私のプライバシーもさっきから引っかき回されてるんだけど」

梓「傷物にされたから責任持って私を引き取って下さい」

唯「息を引き取ればいいのに……」

梓「………」

梓「それよりアキラって誰なんですか」

唯「あずにゃんの知らない人だよ」

梓「もう私以外の女にベタベタしてるんですか?」

唯「初対面でよだれをベタベタ垂らしてやったね」

梓「私とは遊びだったんですね?」

唯「なんで私が浮気したみたいになってんの」

梓「初対面のとき、私に 『先輩』 って呼ばれただけでイキかけてたじゃないですか」

梓「後輩の言葉責めでイっちゃったわけじゃないですか」

唯「イっちゃってるのはあずにゃんの頭のほうだよ」

梓「初体験の相手が私だったと言っても過言ではないですよね?」

唯「もうカヲル君と同じくらい何言ってるのか分からない」

梓「私とアキラとどっちが大切なんですか?」

唯「めんどくさい女だなぁ」

梓「じゃあ私とアキラがガケから落ちそうになってるとして」

唯「うーん、五分五分かな」

梓「ほら、そうやって考え込んでる間に私が落ちちゃったらどうするんですか」

唯「でも、ほら…ちっちゃい虫とかって高いところから落っこちても平気だし……」

梓「私を見捨てたら毎晩枕元に立ってやりますからね!?」

唯「生々しいなぁ」

梓「じゃあアキラと憂だったら!?」

唯「憂」

梓「やったwwwアキラざまぁwwwww」

唯「……まあ、あずにゃんの気が済むならそれでいいさ」

梓「ギターのテクニックは私のほうが上手いですよね?」

唯「大して変わらないと思うけど……」

梓「ベットの上でのテクニックも私のほうが上手いですよね?」

唯「知るもんか」

梓「そいつのテクニックに夢中で私のことなんか忘れちゃったんですね?」

唯「いやただ同じ学部の子でさ、入学式の時に出会っ

梓「いやだ! 聞きたくない! アキラっていうのが唯先輩の新しい恋人なんだ!」

唯「ちょっ、声が大きい、隣の部屋に

梓「あの大人っぽい下着もアキラのために買ったんだ!!」

唯「だまれ!!」




晶「……」

菖「……」

幸「唯ちゃん、大丈夫かな」

晶「私には何も聞こえなかった」

唯「あずにゃんは何しに来たの? 私の大学生活をかたっぱしからブチ壊しにきたの?」

梓「実は進路の事で親と揉めてて……」

梓「先輩たちと同じ大学に行こうって思ってたんですけど、
  プロを目指してるわけでもないのに軽音部の先輩がいるってだけで
  進路を決めるなんて、全然将来の事を考えてないんじゃないかって……」

唯「うん……」

梓「軽音部でも悩んでて……
  新入部員は入ってくれたんですけど、どうしても先輩たちの演奏と比べてしまって、
  憂や純にも自分たちに求めるレベルが高すぎるんじゃないかって言われて、
  私のせいでみんなギクシャクしてしまってて……」

唯「そっか……」

梓「すいません、こんな話……」

唯「……でもさ、誰にも相談できなくて悩んでたんでしょ?」

梓「すいません……先輩たちに心配かけたくなかったのに……すいません……」

唯「いや、でも私に悩みを打ち明けてくれた事は嬉しかったかな」

梓「唯先輩……」

唯「私は具体的に何もしてあげられないけどさ、話すだけでも楽になれると思うよ」

梓「まあ全部ウソなんですけどね」

梓「唯先輩、頭をヒヤシンス」

唯「頭を冷やすのはどっちだよ! どっちがヒヤシンスだよ!!」

梓「いいですか、ギターケースでまともにぶん殴られたら普通は傷害沙汰ですよ」

唯「空き巣に対する正当防衛が成立するから大丈夫」

梓「まだ何も盗んでませんよ! 強いて言うなら先輩のハートを

唯「そういうのはいいから、本当は何しに来たの?」

梓「理由がないと会いにきちゃダメなんですか!?」

唯「まあ勝手に人の部屋に入ってきてる時点でアウトだけどね」

唯「どうせ私の寝込みを襲おうと忍び込んでいろいろ物色してたら
  予想以上に私の帰りが早くて見つかっちゃっただけでしょ?」

梓「うぬぼれないで下さい!」

梓「唯先輩の寝込みを襲おうと忍び込んでいろいろ物色してたら
  予想以上に帰りが早くて見つかっちゃったですって!?」

梓「その通りです!!」

唯「もうやだこの居直り強盗」

梓「そんなに冷たくされたら興奮しちゃうじゃないですか!!
  こりゃあおニューの下着もビショビショになっちゃいますよ!?」

唯「叱りつけるのが逆効果とは厄介だなぁ」

唯「この変態さんの下着がどうなろうと知ったこっちゃないけど」

梓「いいんですか、けっこう高そうな下着だったのに」

唯「……念のために聞くんだけど、今つけてる下着って自分のだよね?」

梓「そんなに私の下着が気になるんですか?」

唯「答えて」

梓「もう私の物になったという意味では間違いなく自分の物です」

唯「最悪だ……」

梓「あっ、あの、安心してください! 代わりに私の下着を置いておきましたから」

唯「最悪だ……」

梓「そんな事よりそろそろ夕飯でも作りましょうか」

唯「この一大事を 『そんな事』 で済ませないで」

唯「夕飯ってどうせ隠し味とか言って自分のヨダレとか経血とか
  媚薬とか睡眠薬とかそういった類のものを混ぜる気なんでしょ?」

梓「じゃあお風呂にします?」

唯「至る所にカメラが仕込まれてそうだし、脱いだ服は盗まれそうだし、
  絶対に一緒に入ろうとしてくるし、私にとってデメリットしかない気がするよ」

梓「………」

唯「何か一つくらい否定してよ」

梓「それとも わ・た・

唯「かえれ」

唯「あのさ、疲れたから早く寝たいんだけど、いつ帰るの?」

梓「早く寝たい?」

梓「じゃあ先にシャワー浴びてきてください」

梓「心の準備はできてますから」

唯「そうじゃなくて」

梓「なんでさっきからイライラしてるんですか?」

梓「生理ですか? 生理なんですか?」

唯「そうじゃなくて」

梓「えっ、生理がきてないんですか!? 誰の子ですか!?」

梓「私!?」

唯「ちょっ、なんでいま私の胸触ろうとしたの」

梓「胸に手を当てて考えようと思って……」

唯「そういう時は自分の胸に、手をっ、ちょっ、やめなさい」

梓「唯先輩、またちょっと大きくなりました?」

唯「やめろ!!」

梓「唯先輩、子供のころ溺れてる子猫を助けてあげたことがあったじゃないですか」

唯「ないよ」

梓「実はその時の子猫の生まれ変わりが私だったんです」 ニャー

唯「だからそんな覚えないってば」

梓「恩返しにご奉仕させてくださいにゃん」

唯「じゃあ実は私はお姉ちゃんに変装した憂なんだよ」

唯「お姉ちゃんはすでに安全な場所に避難してもらってるんだ〜」

梓「憂……」

唯「あずさ2号」

梓「………」

唯「……?」

梓「そういえば憂は唯先輩より胸が大きいって……」

唯「それ以上近寄らないで」

梓「久しぶりに会ったのになんで急に冷たくなってるんですか」

梓「女心はよくわかりません」

唯「不法侵入しといて開き直れる神経のほうがよくわからないよ」

梓「昔はあずにゃんあずにゃん言いながら抱きついてきたのに」

唯「若かったんだよ」

唯「きっと誰でもよかったんだよ」

梓「暇さえあればふくらみかけの乳房を押し当ててきてたのに」

唯「あずにゃんの胸はいつまでふくらみかけのままでいるつもりなの?」

梓「………」

梓「唯先輩だって憂のより小さいくせに、偉そうに……」

唯「私のはちゃんと成長してるもん」

梓「どれどれ」

唯「当たり前のように触ろうとしないの」 スパン

梓「雑誌を丸めてひっぱたかないで下さい」

梓「まるで私が害虫みたいじゃないですか」

唯「その通りだよ」

梓「もっとこう、ゴミを見るような目つきで言ってください」 ハァハァ

唯「だいぶ前からそうしてたつもりなんだけど……」



2