紬「こうなったら、この状況をプラスに変えるしかないわ」

澪「ど、どうするんだよ…?」グスッ


梓は心の中で
『澪先輩は唯先輩のシュークリーム喰ったからいいじゃないですか、ケッ』と毒づいた。


いや…


もう こんなヤツに「先輩」をつけるのは やめるにゃん


と、あずにゃんは決意した。


この事がのちに大騒動を巻き起こすことになるが

それはまた別の機会に話そう。


それから梓が ふと紬たちの方を見ると、制服のボタンを強引に外され
胸をはだけさせられた澪が
地面に押し倒され涙目写真をスマホで撮りまくられていた。


澪「や、やめてぇえ」

紬「いい写真が撮れたわ」


ムギのスマホには、まるで犯されて泣きじゃくっているような
澪のバストアップ写真が表示されていた。


唯「またムギちゃんの悪ノリが始まったね」

さわ子「私、あの子のああいうところが苦手なのよね」

律「超えちゃいけないライン考えろよな」

紬「……!!」


思わぬ辛辣な言葉に


琴吹紬の頭の中の理性のヒモが


プッツン


した。


紬「ウオ

がちゃっ

和「みんな、ちょっといい?」

唯「はっ、和ちゃん」

梓「あっ。甘いニオイするです!」


あずにゃんが小躍りしたー


和「実はさっき、曽我部先輩が来ててね。エクレアたくさん持ってきて生徒会と澪ちゃんたちに…って」


律「おお、いい人だなソガペセンパイ。誰か知らんけど」


おやおや。エクレアにありつこうと、りっちゃんが急に話に加わり出しましたよ?


和「曽我部先輩知ってるでしょ。ほら、前生徒会長だった…」


唯「前生徒会長ってどんな顔だったかなあ」


和「え~っと ほら、変態澪をストーキングしたハイパー変態キングの」

律「ああ、アレか」

梓「まさにキングですね」



紬「ねえ、和ちゃん。ちょっといい写真あるけど見る?」

和「ほう…」


ムギちゃんはエクレアのお礼に
澪の犯されっぽい写真をハイパー変態キングにメールした。



ただ、ハイパー変態キングに自分のメアドを知られるのは怖かったので

梓のガラケーを経由して送った。


梓「真鍋先輩のケータイで送ればいいじゃないですか!!」


唯「ばかっ!!」

ぱしぃん、と唯が大好きなあずにゃんの頬をぶった。


梓「ゆ、唯先輩…?」

唯「和ちゃんはねぇ…家が貧乏だからケータイ持ってないんだよっ」

和「そうよ。ウソだけど」

唯「ウソなのっ!?」


どうやら唯ちゃんも騙されていたようです。


だから許してあげてね、あずにゃん!



とりあえず唯たちは
和が持ってきたおいちいエクレアをぱくぱく食べまくった。


人間、余裕が生まれると頭が回るもので
トンちゃんにもエサをあげましょうと思ったあずにゃんが
トンちゃんにエサをやった。


あずにゃんさん、マジ天使!


梓はトンちゃんにエサをあげる瞬間が好きだ。


何故ならトンちゃんは私によって生かされているのだ、という実感がわき

まるで何かの支配者になった気持ちに浸れるからだ。


梓「ウフ、フハハハハ!!」


和「どうしたの、あの子」


唯「あずにゃん、ちょっと頭がヘンなんだ~」

和「そうなんだ」


和「まあ…」


和「アンタの頭はもっとヘンだけどね」


唯「えっ」


唯ちゃんは傷ついた。


唯「ころすぞ!」

ばっ

和「あっ」

唯は怒りのあまり、ありったけのヒドい事を言いながら和の眼鏡を奪いとる。


和「ちょっと、眼鏡返しなさいよこのボケナスが」

唯「和ちゃんが謝るまで絶対返さないよー!」

和「え?私がなにを謝るの?」

唯「私の頭がヘンって ゆった!」

和「ああ、そのことか」

唯「あとボケナスってゆった!」

和「でも本当のことだし…」

唯「ぐっ」

和「ねえ。それじゃ唯は友達にウソをつけと、そう言うのね?」

唯「えぁっ?」

和「私は親友である唯にだけは絶対ウソをつかない」

和「あの時そう誓ったのよ」

澪「あの時ってどの時?」

和「10秒待って」

律「こいつ今から考える気だぜ」

紬「友達にウソをつかないと言いつつ早速ウソをついているわね」

梓「しかもケータイ持ってないってウソもついてたんですよね」

和「ウソも方便よ」


唯「ほうべん!」


どりゅっ


突如、唯はトンちゃんの水槽に


放便した。



㌧「うわあっ!?」

トンちゃんも慌てて水槽から机へとジャンプする。


律「あいつ、頭がヘンだな」

和「ね?」

澪「間違いないな」

紬「和ちゃんは正しかったのよ」

唯「ラピュタは本当にあったんだね…」

トンちゃんの水槽の水面を

アレが

天空の城みたいにプカプカ浮いていた。


紬「なにか疲れたわ…」

一連の騒動で人知れず気絶していたさわ子先生を
長椅子に寝かせながら紬がつぶやいた。


律「なんかアレだよなー。6月って祝日とか無いからテンションだだ下がりで
疲れても回復しづらいよなー」

澪「本当だよな。6月なんて死ねばいいのに」

梓「休みとは言わないまでもクリスマスやハロウィンみたいなイベントがあれば
また違うんでしょうけどね」

唯「6月ってなんかイベントとかないのー?」

和「石川県では百万石祭りというかなり大規模なお祭りがあるわ」

律「おっ、なにそれ楽しそう」

和「6月の第1週目の日曜に開祭されるから、もう終わってしまったけれどね」

唯「な~んだ」

紬「お祭りとは違うけど、6月といえばジューンブライドがあるわ」

唯「じゅーんぶらいど?なにそれ?」

律「お前、ホントなんッにも知らないよな」

澪「女として、いや人としてジューンブライドくらい知ってろよ」

和「幼なじみとして恥ずかしいわ」

梓「ガキはハンバーグでも喰ってろですう」


唯「ころすぞ!」


怒り心頭の唯ちゃんはあずにゃんの学生カバンに


どりゅっ


とハンバーグを出そうとしたが出なかった


梓「う、うう…」

唯ちゃんのハンバーグばくだん大作戦は未遂に終わったが
あずにゃんには充分な精神的ダメージは与えられたようだ。


唯「まあ、でもアレだよね」

唯「ジューンブライドったって、彼氏すらいない私たちにはまだ縁が無い話だよ」


律「知ってんじゃねーかジューンブライド」

唯「無知で愛らしい女子高生を演出してみました」

澪「さじ加減を間違えて狂気のモンスターになってるけどな」


和「ねえ、唯」

唯「ほにゃ?」

和「縁が無いと言ったけど、私たち もう結婚できる年齢だから
全く無関係とも言い切れないわよ」

唯「まあ、そうだけど」

律「当分、結婚する予定はなさそうだよなあ」

和「でも昔は、勝手に婚姻届を提出されて
知らない間にストーカーと結婚してた女性なんかもよくいたそうよ」

紬「キャッ、怖い!?」


紬「あ、でも…」



紬「同性婚が許されている国で書類を提出すれば知らぬ間に唯ちゃんとりっちゃんを結婚させる事も上手くやれば出来そうね…」

律「おいやめろ」

唯「りっちゃんと結婚なんて吐き気がするよ!」

律「えっ、そりゃアタシだって嫌だけどそんな言い方しないでよ」

りっちゃんは傷ついた。


唯「ねえねえ、あずにゃんは結婚するならどんな人がいい?」

梓「え、なんですか突然」

澪「そういえば梓はあんまり男の子の話とかしないよな」

律「たしかに」

梓「そんなの先輩たちだってしてないでしょ!」

紬「…なぜ梓ちゃんはいつもそうなの?」

梓「えっ」

紬「私たちのやる事なす事いちいち噛みついて」

澪「私たちが先に男の話を暴露しなきゃ梓さんは話したくないって事だよな?」

律「そりゃ後ろからついてくる輩と書いて、後輩だもん」

和「後ろから突いてくる輩?」

唯「あずにゃん、変態だね!」


梓「ころせ!」


ころんっ


あずにゃんは床に大の字になった。


唯「よーしよしょしょし…」

梓「ふにゃああん」

すかさず唯がお腹をなでてあげると
あずにゃんはトロンとした目になって眠ってしまった。

梓「グォオオ、ゴァアアア」

澪「こやつ、部活中に寝るとはいいご身分だな」

律「しかもすげえイビキだぜ」

唯「あずにゃんを責めないで!触れたものを眠りに誘う唯ちゃんハンドがいけないんだよー」

紬「唯ちゃん唯ちゃん」

紬も、ごろんっと床に寝そべった。


唯「ムギちゃんはどんな男の人がタイプなの?」

お腹をなでてほしそうなムギを見下ろしながら唯が尋ねる。

紬「う~ん、私はやっぱり今の夫が一番かな」

紬「私、赤ちゃん産んだじゃない?」

律「うん、知らないけど」

紬「あの時はすごく不安だったけど、ずっと私の側にいて、励ましてくれて」

紬「私とあの子が今、生きていられるのは夫のおかげ…」

紬「あの人がいなければ、こうしてみんなと笑って過ごすこともなかったわ、きっと」

澪「……」

唯「ムギちゃんスベってるよ」

紬「え…?」

和「ムギのお腹が膨らんでいた記憶がないわ。ここにいる全員」

紬「だって産んだの14歳の時だから」

唯「……」


律(おい、どういうことだ)

澪(は?なにがだよ)

唯(ム、ムギちゃん本当に子持ちなの?)

澪(そんなワケないだろ。いつものごとくからかってるだけさ)

和(でもウソをついてる目に見えないわ)

紬「?」

律(確かに…)

唯(えっ、りっちゃん分かるの?)

律(聡の部屋のドアをいきなり開けた時、オナニーの最中だと目が泳ぎまくってるが
ムギの目は聡がオナニーしてない余裕シャクシャクの時の目そっくりなんだ!)


和「じゃあムギは中出しされた事あるわけね?」

紬「糊のように濃かったわ」


ごろんっ

澪が気絶した。


唯「あっ、澪ちゃん、しっかりっ!」

紬「どうしちゃったのかしら、澪ちゃん」

律「お前の言い方が生々しくて脳のブレーカーが落ちたのさ」

唯「でも知らなかったなあ、ムギちゃんがお母さんだったなんて」

紬「ごめんね、隠すつもりはなかったんだけど、みんなが私を迫害すると思って隠してたの」

律「アタシらへの信頼度ゼロだな」

唯「でも気持ちは分かるよ」

唯「実は私も子供いるけど、言い出しづらかったし」

紬「ああ?」

和「ちょっと唯…」

唯「いいんだよ、どうせあと3ヵ月もすれば隠しようがなくなるし」

和「その間だけ休学すればいいのに…」

唯「え~っ、でも…」

律「待て待て」

紬「なんの話?」

和「唯ったら生でファックしたがるから、今お腹に2人目がいるのよ」

唯「あっ、おっぱいビームも出せるよ!」

ビビュッと唯が母乳を噴射して律は気絶した。

さらにスライディングして床に落ちそうになったミルクを口で和がキャッチしたのを見て
紬も気絶した。


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