律「ちょいまち」

『へっ?』

律「君今お~いお茶見てたよね?」

『え…あっ』

律「そんで2列に並んだお茶に私とムギのストラップがあるのを確認して買うのやめたよな?」

紬「そのまま別のコンビニにいって他の子のストラップを買うつもりなのね!?」

『まあ、はい』

紬「ひどいっ……!」

『じゃあ僕はこれで……』

律「ええーちょっとちょっと買ってよー!」

『ええっ』

律「くそ…こうなったらムギ」

紬「がってん」

紬「あのぉ、どうしてもだめでしょうかぁ?」むぎゅ

『ひょっ!?』

律「ねえねえいいじゃぁーん買ってよぉ~」すりすり

『んほ…じゃあ買おうかな…』

律「おっお兄さんふとっぱらじゃん!」

『あっ奥からあずにゃんのストラップ出てきた。やりぃ!』

律紬「……」

店員「ありがとうございました」

『よしっあとは唯だな』

律「なんだよもー」

紬「ぶーぶー」

店員「あんたたち売上に貢献してくれるのはいいんだけどさ…ちょっと邪魔」

紬「ごめんなさーい」

律「ごめんごめん。とりあえず店出るか」

紬「その前にからあげクン1つください!」

店員「そういえば徳島すだち味っていうのが…」

紬「えっ!?それください!」

店員「2年くらい前に出てたよ」

紬「ぷぅ」

店員「はいからあげクンレギュラー」

紬「ありがと~」

律「よし行くか。じゃなー」

紬「またね~」

店員「バイバイ」


律「……さて、このゆゆしき問題をどうすればいいと思う?」

紬「まずは原因の究明が急務かと。はいあーん」

律「サンキュー、あむ……うめえ。原因か…まあ原因はそのまま私達の人気が少ないんじゃないか?」

紬「そんなっ……もぐもぐ」

律「人気にはいくつかの指標がある」

律「例えばキャラソンの売り上げとか人気投票とか……というかさっきの状況そのものが…」

紬「待ってりっちゃん!キャラソンは曲に左右されると思うの!」

紬「例えば唯ちゃんや澪ちゃんのキャラソンはアップテンポでキャッチーな曲だし歌もうまいし」

律「それを言うならムギの2期のキャラソンだってアップテンポだし歌もうまいだろう」

紬「やだりっちゃんたらぁそんなにうまくないよぉ///」

律「売り上げは私より下だったけどな」

紬「……」

紬「それを言うなら1期は私の方がちょっとだけ売れてたわ!」

律「初動は私が勝ってたぞ!」

紬「……ねえ」

律「ああ、不毛な争いはやめよう」

紬「そうだね。梓ちゃんなんて難しい歌でも私達より上にいってたもんね」

律「あいつはジャケット写真で肩と背中出してたからな……卑怯なやつめ」

紬「りっちゃんだっておっぱい出してたじゃない」

律「出してねーし」

紬「そうなの!?」

律「私のジャケット写真よく見ろ、ありゃ膝だ。……でも遠くから見るとまじで胸に見えるな」

律「そんなことはおいといてだな、とにかく澪唯梓に追いつくにはどうすればいいかなんだが」

紬「うん」

律「私わかっちゃったんだよね、何で私らの人気がちょっと下なのか」

紬「えっ!?」

律「それはな…」

紬「うん…!」

律「……靴下の色なんだよ!!」

紬「……え?」

律「いいかムギ、今日学校で澪と梓と唯は何色の靴下をはいていた?」

紬「えっと……澪ちゃんは黒、梓ちゃんも黒、唯ちゃんは黒タイツよね……ハッ!?」

律「そうだ。ちなみに唯も靴下は黒派だ。そして私とムギの今はいてる靴下の色は?」

紬「白だわ……っ!」

律「そういうことだ」

紬「なんてこと……こんなに簡単なことに今まで気が付かなかったなんて!」

律「よーし早速靴下買いに行こうぜぇ!」

紬「Yes Yes!」

一週間後

店員「いらっしゃいませー。あ」

律「おーす」

紬「こんにちは~」

店員「冷やかしはやめてよね」

律「邪魔はしないって。えーとお~いお茶はどうなって……」

紬「うっ…また私とりっちゃんが最前列にいる」

律「いやたまたまだろ。奥に澪とかがあるんだって」ガパッ

律「あれまた私だ」ゴソゴソ

律「あれ…あれ……」

紬「どうして……ちゃんと黒ソックスはいてたのに」

律「そんな…この作戦はしっぱいだったとでもいうのか!?」

紬「そういえば和ちゃんと憂ちゃんと純ちゃんも靴下の色は……」

律「確か白、白、黒じゃなかったか?……あっ人気関係ない」

紬「違ったのね…」

律「考えてみたらノーサンキューの制服コスチュームの時にも黒ソックスはいてたわ」

紬「ねえりっちゃん、私も考えてみたの。そして思ったんだけど」

律「なんだ?」

紬「………まゆげとおデコ」

律「ッ!?」

紬「心当たりあるよね」

律「そりゃあ、まあ」

紬「私…まゆげ剃ってみようかなぁ」

律「えっ!?」

紬「もうそれしか残されてない気がするの」

律「…なら私も前髪下ろしてみるかぁ」

律紬「……」

律「…じゃあ、明日学校でな」

紬「…うん、私達生まれ変わるのね」

帰り道


律「うん……大丈夫……おかしくねーし」

澪「何言ってるんだ?」

律「おわあ!?何だ澪かおどかすなよ」

澪「おどかしてないけど……ムギとどこ行ってたんだ?」

律「ちょっとな。……ところでさ」

澪「ん?」

律「もし私が前髪下ろしたらどう思う?」

澪「どうって……変に見えるかも」

律「んなっ!?」

律「くっそー!どうせ私は澪みたいにはなれませんよーだ!」

澪「な、何言ってるんだよ」

律「髪下ろしても変って…じゃあどんな髪型にしろって言うんだよ!」

澪「ごめんごめん、私にとっては律と言ったらそのデコ出しスタイルだからさ」

澪「何年も律のそれを見てきたのに急に変わったら…な。でも前髪下ろすのも悪くないかもな」

律「そうか…澪は今までずっとカチューシャつけてた私を見てたから……あ!」

澪「おわっ」

律「そうだった!大事なことを忘れてた!ありがとな澪!」

澪「え、ちょっどこ行くんだよりつー!」

律「私としたことが……!」

ピッ プルルルル

紬『もしもし?』

律「ムギっ!まだ眉毛剃ってないよな!?」

紬『ええ、まだ家に帰ってないし』

律「よかった…あのなムギ、よく聞いてくれ」

律「私達は間違っていたんだ。前髪下ろしたり眉毛剃って、それで人気が出たとして」

律「そしたら今まで応援してくれてた、今までの私達が好きなファンはどうなるんだ?」

紬『あっ……!』

律「私の知ってるバンドの話をしよう」

律「そのバンドはイマイチ売れてなかった。だがしかし一発当ててCDはスマッシュヒットして知名度も一気にあがった」

律「それが15年位前の話」

律「そのバンドはな、デビューしてから今まで時代の波と逆行してもずっと同じ音楽をやってた」

律「よくあるだろ、ニーズに合わせた売れそうな曲を作ったりっていう話」

律「ニーズに合わせたらそら売れるだろうさ。でも昔からの、下積み時代を支えてくれたファンはついてくるのか?」

紬『……離れる、よね』

律「ああ。それにそんな付け焼刃で増やしたファンが長持ちするとも思えない」

律「だから…何て言ったらいいのかな…うまく言えないんだけどさ」

律「時代だとか流行だとかよく解んねぇけど…要はカッコ良けりゃそれでいいんじゃねぇの?」

紬『……うん、うん。私もそう思う!』

律「そっか」

紬『ありがとうりっちゃん、私大事なこと忘れてたのかもしれない』

律「ああ!」

紬『りっちゃんかっこいい!素敵!』

律「だろ?まあどうしても差は出来るけどそこは気持ちの問題だよね気持ちの」

紬『そうよね。あのねりっちゃん…』

律「うん?」

紬『私りっちゃんのおでこ好きよ』

律「ははっ私もムギのまゆげ好きだぞー」

紬『うんっ』


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