唯「こんどは殺人事件だよ!あたしがスバッと推理しちゃうんだよ!なんかかっこいいよ~」
憂「お姉ちゃん!頑張ってね!」
梓「私は死体役ですか・・・」
唯「もうここまでだよ、りっちゃん」
律「ち、違う!私はやってない!」
唯「音楽室は密室、鍵を持っていたのは部長のりっちゃんだけ」
律「わ、私じゃ…」
唯「アリバイがないのもりっちゃんだけ。つまり、あずにゃんを殺せたのは…」
唯「りっちゃん、あなただけなんだよ!」
律「し、証拠はあるのかよ!」
唯「もちろんあるよ。それは……えぇと……証拠は………」
唯「……………次の台詞なんだっけ~?」
紬「カットォォォー!!」
律「まーた台詞忘れたのかよ、唯ー」
唯「えへへ、ごめんごめん」
紬「唯ちゃん、ちゃんと真面目にやらなきゃ駄目よ」
紬「私が脚本をやるからには最高の劇をやってもらわないと困るのっ!」
唯「ムギちゃん、キャラが違うよ…」
律「まぁ…やる気があるのはいいけど…」
澪「ロミジュリで脚本をやってハマったらしいな…」
紬「だから台詞を覚えてないなんて初歩的なミスは許されないのよっ!」
唯「だってムギちゃんの台本、難しい言葉が多いんだもん…」
紬「そうかしら?」
澪「いや、そんな覚えられないような難しい言葉はないだろ…」
律「でも演出はいろいろ凝ってるよな」
紬「リアルを追求すると自然にそうなっちゃうのよ」
紬「今回の劇は真に迫るリアリティを目指してるの」
唯「じゃあ私の役を澪ちゃんがやればいいんだよ!澪ちゃんなら台詞全部覚えてるし!」
澪「えぇっ!私に人前で演技なんてもう無理だよ!私は小道具係でいいって!」
律「まーもう澪に演劇は絶対無理だろうなー」
紬「私の脚本はもう唯ちゃんをイメージして書いたの。今更変更は出来ないわ」
唯「なんか今日のムギちゃん怖い…」
律「もうこの際小道具とかに台詞を書いたりしたらどうだ?」
唯「あ、りっちゃんナイスアイデア!」
紬「駄目よ。そんなことしたら目線が不自然になっちゃうわ」
澪「確かに、唯は書いてあるとこばっか見そうだな…」
紬「唯ちゃんが主人公なんだから、ちゃんと台詞は覚えて、ね?」
唯「ションボリ」
紬「…まぁあんまり根詰めるのも効率悪いし、お茶にする?」
唯「ピクッ」
律「そうだな、一旦休憩するかぁ」
唯「わーい!」
紬「もちろん休憩中に台詞も覚えてね」
唯「もちろんだよ~」
澪「全く調子がいいな………って、あれ……?」
唯「どしたの?澪ちゃん」
澪「いや、このバット…私小道具として持って来たっけ……」
唯「この小道具の血のりとかすごいリアルだよね~」
澪「血!?」ビクッ
律「え?澪が血のり用意したのか?」
澪「」フルフル
紬「あ、それを用意したのは私よ~」
紬「死体役の梓ちゃんがリアルな演技をしてくれなかったから」
唯「え」
紬「ならいっそ、演技じゃなくてもいいと思って」
唯「あ……あずにゃん……?」
梓「」
紬「これでリアルな劇に、また一歩近づいたわ~♪」
唯「あずにゃん?あずにゃん!」
紬「うふふふふふ」
おしまい
最終更新:2013年05月17日 19:17