― 唯、高校3年の夏 ―

ミーンミーン

唯「いやあああぁぁぁぁ今度の期末の微分積分全くわかんねー!!」

唯「それにしてもほとんど勉強してないし・・・このままじゃ本当に追試になっちゃうよ・・・」

唯「学祭の出演かかってるし・・・というか地味に今年受験生だし・・・」

唯「・・・そうだ!!澪ちゃん達に教えてもらおう!!」




唯「ということで何も勉強してません」

澪「うおおおぉぉいい!!唯、今回の試験は学祭がかかってるんだぞ!?」

梓「なんという他力本願・・・いくらなんでも神経図太すぎますよ・・」

律「おい唯、お前マジで全く勉強してないのか?」

唯「これでも一応しようとはしたよ。
でも微積分とか、ひたすら変な公式を覚えてくだけで退屈になっちゃいましたよりっちゃん・・・
なんか自分が何計算してるかもわかんないし」バタンキュー

梓(・・どうしよう・・・これフォローした方がいいのかな・・)

梓「・・・ああ、でも確かに、積分とか、与えられた曲線下の面積を求めてるって言いますけど、全然実感できませんよね
x^2を積分するとx^3/3になるとかも、よくわかりませんし」

唯「・・あずにゃん、日本語でおk」ポカーン

梓「ちょ、ちょっと先輩!!しっかりしてください!!」

澪「参ったな・・・」

律「たしかに積分なんて、ずっと進むと気がついたら計算ばっかになってて、結局原理とかわからないもんな
そもそも難しいからとっつきにくいし・・」

澪「・・・しょうがない・・・。今晩はうちで特訓だ!」

唯「本当に!?」

澪「ああ。唯が学祭出れなきゃまずいしな・・・今回だけだぞ」

唯「おお!!澪ちゃんありがとう!!」

紬「ケーキも持って行きますねー♪」

唯「やった!!これで期末試験もバッチリだよ!」フンス

律「しょうがないな・・・私もついていってやるよ」

唯「え、りっちゃん微積わかるの?」

律「おーーーーーーいわかるわ!!!これでも勉強してるんだぞ!!」

梓「あ、私も一応、付いて行こうかな・・・」

澪「じゃあ、今夜の7時、私の家に集合な。唯、少しは予習しとけよ」

唯「いえっさー!」





テッテン・・・ テテッ  テッテン・・・ テテッ・・・


・・・どうも・・・山中任三郎です
さて、どうやら唯は、微分積分がわからなくなってしまったようです・・・
それに、次の期末は今回の学祭がかかっていると言いますから、ますます大変です・・・

今回は、積分を知らないという仮定から、
積分とはなにかを解説し・・・そして
なぜ微分は積分の逆なのか?
その謎を解き明かしたいと思います・・・

おっと・・・どうやら、唯達が澪の家に着いたようですね。
それでは引き続き、物語をご覧下さい。




― 澪の家 ―

澪「ということで早速だが、ここで問題だ。
次の図形の面積を求めよ」







唯 ( ゜д゜)

唯 (つд⊂)ゴシゴシ
   、  ,
唯(;゚ Д゚) …!?おいちょ・・・これただのマジキチ問題だろjk
こんなアグレッシブにカーブした図形の面積とかまず求められねぇよ・・・」

梓「せ、先輩、落ち着いてください・・・」

澪「い、いや、それだけ驚いてくれれば、この問題の意図としては完璧だったんだ・・・
この問題的にはそもそも『面積って何だ?』って考えて欲しかったんだ」

唯「え、面積って何か?
普通に『縦かける横』じゃないの?」

澪「でもよく見てみろ。この図の縦と横ってどこだ」

唯「ああ、たしかに・・・」

澪「そういうことなんだよ。
ほらなんというか・・もっと、簡単な言葉があるだろ
例えば部屋の面積って言ったら部屋の何だ?」

唯「んー・・広さ?」

澪「そうだ!広さだろ?
例えば部屋なら「7畳」「9畳」とかいう表し方がある。あれも面積だろう?」

澪「部屋みたいな適当な図形には、『縦かける横』みたいな公式が存在しない。
だから畳を敷いて、それが敷ける枚数で面積を表してるんだ」

律「ちなみに、ムギの家って何畳くらいなんだ?」

紬「そうね、うちは別荘も含めたら大体22,819,104,132畳よ」

律「うは・・・それ日本の面積軽く超えてるが、大丈夫か?」

紬「大丈夫だ、問題ない」キリッ♪

律「おっとイーノック!!神は言っている、まだ死ぬ運命ではないと!!」

澪「やかましい!!!」ズキューン

律「あんぎゃーー!!!わかりましたすみません!!」

紬「うふふ♪」


唯「・・・あ、そうか!!」

澪「ひらめいたか!?」

唯「畳を敷き詰めれば部屋の面積がわかる
ということは・・・さっきのぐにゃぐにゃした図形でも、
何かを敷き詰めていけば面積が求まるということだね??」

澪「そういうことだ!!
ならば、何を敷き詰めればいいんだ??」

唯「・・・たたみ!??」

澪「・・・いや・・・!!まあ今のはほぼフリだったから、仕方なかったな・・・!!」

唯「うーん・・・畳じゃあだめなのか・・」

律「畳自体がだめというか、言葉がいけないな・・もっと数学的に!」

唯「数学的?えっと・・・長方形?」

澪「そうだ!」

澪「さっきの図形の面積も、部屋と同じで公式が無いから直接求めることができない。
長方形を敷き詰めていけば面積を求めることができるんだ!」

唯「なるほど!!」

澪「よし!!
畳を敷けば面積がわかる・・・この論理さえ分かれば、あとは積分の説明だ!」

律「何を隠そう、あの悪名高き学問、積分は『面積を求める』という作業なのだ!!」

澪「そして実は、この畳の論理に
積分の記号の意味、なぜ微分は積分の逆なのか・・・その真髄が全て詰まっている」

唯「え、あのさっきのいい加減な理論に!?」

澪「そうだ!!いい加減・・・な理論にな・・・」

紬「数々の学生を追試に陥れてきた、積分・・・」

律「・・・その積分に!
この畳理論!これをつかって数学の難問・積分にタックルしていくぞ!!」

唯「すごい!!なんか私でもできそうな気がしてきたよ!!」

律「おう!!その心意気だ!!
よし行くぞ、唯!!」

唯「いえっさーりっちゃん!!」

澪「よし律、その調子で解説役代わってくれ」

律「よっしゃーー出番だZE!!
って面倒くさくなっただけだろ」

律「さあ・・・とにかく積分は面積を求める計算なんだ
そこでまずは一つ目標を設定しよう。」

律「積分によって、放物線の下の面積を求めるぞ。唯、放物線の式は覚えてるか?」

唯「y=x^2だね」

律「その通りだ。グラフを書くと、こんな感じになるな」







澪「y=x^2という式の意味だが、xは横の位置、yはその位置での高さを表している。
つまり、y=x^2は
『高さは横の位置を二乗した数になっている』
という意味だ。
グラフを見てくれ。x=1の位置の真上にある地点の高さはちゃんと1^2=1、x=2の位置では2^2=4・・・ってなってるだろ?」

唯「おお、ほんとだ」

紬「そして携帯は、この位置を正確に通るんですね」

唯「おー・・自然の不思議だね」

律「ここで、例えば円なら、半径*半径*円周率という公式があって、
円周率さえ正確にとれば、正確な面積が求められるよな。」

律「だけど、放物線には面積の公式がない。その公式を編み出すのが積分だ。
さっきの放物線の図、ちょっと赤くなってただろ。今回は、その図の赤い部分の面積を求める。
それも近似じゃなくて、正確にだ!」

唯「おお!!」

律「赤い部分の面積は、xが0から1の部分の下だったことに注目してくれ。」

律「そして、曲線の式はx^2。この面積を次のような式で表す!」

∫ [0,1] x^2 dx  ババーン

律「この読み方は『インテグラル0から1までx二乗dx』
だ!!」



唯 ( ゚д゚)ポカーン

唯「こ、これは・・・はじめて楽譜を見たとき以来の衝撃だよ・・・
このうねうねしたのはなに・・」

律「これこそが積分記号、つまり「面積を求めろ」という意味だ。読みは『インテグラル』だ。」

澪「これの使い方は次の通り。
インテグラルとdxの間に、面積を求めたい曲線の式を書く、この場合はx^2だ
そしてどこからどこの間の面積を書いてやるんだ、この場合は0から1だな」

唯「おお!なるほどね!」

唯「なんだ!!積分って簡単じゃん!!」



唯「・・・って、これじゃあの面積の大きさを記号を使って表しただけで、
実際に大きさを求めたわけじゃないよ・・・
このままじゃ計算できないよね」

律「そうなんだよ」

唯 \(^o^)/オワタ 詰んだ

律「おいこれからだ!!!」

律「面積を求めたいところだが、この図形はうねうねしている。
つまり私たちが知ってる円や三角形の面積の公式では歯が立たない・・・
そこで畳理論の出番だ!!」

律「とりあえず、長方形を敷かなければいけない
そこで図形の下を3分割して、長方形の右端が放物線と接触するように敷いてみよう。こんな感じだ」






唯「・・・あの・・・いやりっちゃん・・・凄く、期待してたのに・・・
いくらなんでもこれ適当すぎるでしょ
上側に面積超余ってるじゃん」

紬「りっちゃん・・・いい加減な女ね・・」

律「うるさーい!!本当の工夫はこれからだ!」


律「3分割だと場所が余り過ぎるんだ。
そこで4分割、5分割・・・20分割にした場合を見てみよう
こんな風になる!」







唯「おお、段々隙間が減ってくね
もうほぼ目じゃ見えないよ」

律「そうだ!」
ここで、考えてみろ・・・
これがもし、20分割、100分割、10000分割・・・・になっていったら、どうなると思う?」

唯「更に・・・隙間が減っていく」

律「もし、分割の数をもっと沢山・・・それも無限に増やしていったら、
いつか正確な面積が求まる気がしないか?」

唯「おお、そんな気がする!!
無限かぁ」

律「そうだ。さあ、実際にその面積を計算してみようじゃないか」


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