~夜・琴吹グループ
男「…」カタカタ
チカッ チカッ
ピュウーン…
男「何だ…?」
?「琴吹グループ常務、私福高康だな?」
男「お…、お前は何者だ!?」
?「死ね!殺人音波!」ビビビ
男「うわああーっ!」
~後日・琴吹邸
紬「ただいま~」
使用人「お帰りなさいませ、お嬢様」
紬「誰か、お客様?」
使用人「専務の尾兼様がお見えになっています」
紬「あら、じゃあご挨拶を…」
ガチャ
専務「では」
紬「こんにちは。お久しぶりです」
専務「やあ、お嬢さん。綺麗になりましたな。では」
紬「じゃあ、私も約束があるから出掛けてくるね」
使用人「あら、これは…」
紬「専務さんの忘れ物かな。まだ遠くに行ってないと思うから、届けてあげよう」
使用人「そうですか。それでは、申し訳ありませんが、お願い致します」
紬「うん。じゃ、行ってくるね」
~
?「琴吹グループ専務、尾兼大助だな?」
専務「誰だ!?」
オンパマン「バドーのロボット、オンパマン!」
専務「ば、化け物!」
オンパマン「死ねーっ!」ビビビ
専務「うわあーっ!」ドサッ
紬「…!」
ダダッ
オンパマン「見られたか…?」
~
紬「はあっはあっ…」バタン
使用人「お忘れ物物ですか?」
紬「はあ…はあ…」
~夜
ピンポーン
新條「夜分失礼します。警察の者です」
新條「もうすでにご存知かと思いますが、尾兼大助さんが何者かに殺害されました」
使用人「はい…」
新條「もしよろしければ、お話を聞かせてもらいたいんですが」
使用人「お話といっても…」
紬「あ…、あの…」
新條「何か?」
紬「わ…、私見たんです!」
新條「見たって…?何を!?」
紬「専務さんを殺した犯人を!」
新條「本当かい?それは一体!?」
紬「人間とは思えない…。あれはまるで…」
K「…」ガチャ
紬「ロボット…!」
新條「おお、K。来たか」
K「遅れました、新條刑事」
新條「心配しないでください。こいつは、警視庁特別科学捜査室のロボット刑事Kです」
紬「ロボット刑事…」
K「ところで、今の話ですが、まさか…」
紬「は、はい。あれはまるでロボットでした」
K「新條さん!」
新條「まさか、またバドーか…?」
K「だとすると、目撃したお嬢さんを狙ってくるのでは…」
新條「…よし。K、お前はお嬢さんの警戒につくんだ。犯人は俺と親父さんで突き止める」
K「了解です」
~朝
ブロロロロ…
唯「おお、すごい車…」
K「着きましたよ」
紬「ど、どうも…」
唯「ムギちゃん、おはよ~」
紬「おはよう、唯ちゃん」
唯「この人誰?」
律「おーっす、ムギ」
澪「ムギ、おはよう」
律「何だ?今日はSPが一緒か?」
澪「変なお面だな…」
K「いえ、これはお面じゃありませんよ」
紬「こちら、警察のロボット刑事Kさん」
澪「ロボット!?」
唯「本当!?」
K「ええ、本当ですよ」
唯・律「おお~」パチパチパチパチ
~H・R
さわ子「…という訳で、しばらくの間ロボット刑事のKさんが琴吹さんの警備につきます」
K「皆さん、よろしく」
さわ子「さて、今日は…」
律「はいは~い!」
さわ子「何?田井中さん」
律「私、Kさんに色々聞いてみたいで~す!」
さわ子「ええっ?あのね、Kさんは遊びに来ている訳じゃ…」
K「いえ、私は全然構いませんよ」
律「やったー!じゃあ私から!Kさんは、空飛べますか?」
K「うん、飛べますよ。足からジェット噴射でね」
律「すげー!」
アカネ「はい!ロケットパンチはありますか?」
しずか「科学の子ですか?」
信代「ドラ焼き好き?」
エリ「ビルの街に吠える?」
曜子「アニメじゃない?」
ちか「まさか!?」
姫子「ザクとは違うんですか?」
いちご「…頭、取れる?」
唯「え、え~と…。好きな色は?」
ワイワイキャーキャー
K「え、え~と…」
さわ子(こうなると思った…)
~放課後
律「よーし、部活行こうぜー」
K「みんなは、何の部活をしているんだい?」
紬「私達は、軽音部です」
唯「みんなでバンドやってるんだ~」
K「へえ、それはすごい」
唯「Kさんにあずにゃん紹介しなきゃね!」
K「あずにゃん?」
澪「後輩です。梓っていうんですけど、唯はそう呼んでるんです」
唯「とってもかわいいんだよ~」
K「へえ、それは楽しみだね」
~部室
唯「さ、入って入って」
梓「あ、先輩方お疲れ…」
K「こんにちは」
梓「誰!?」
~
梓「そうだったんですか。すいません、びっくりしちゃって…」
K「はは、いいんだよ」
梓「それにしても、ムギ先輩大丈夫なんですか?心配です」
紬「うん、Kさんがついてくれてるし」
紬「今日はおいしいハーブティーよ」
澪「いい香りだな」
梓「味も最高です!」
唯「ケーキもおいしい!」
K「…」
律「あれ、Kさん食べないの?」
K「え?うん…」
澪「…!もしかして、Kさん…」
紬「あ…」
律「Kさん、ロボットだから食べられないんだ」
澪「そういえば、お昼も食べてなかったな…」
紬「Kさん、ごめんなさい!」
K「いいんだよ。私は食べなくても。ただ、見ているのが楽しいんだ」
唯「見てるだけでいいの?」
K「うん。みんながおいしそうに、楽しそうに食べてるのを見てると私も楽しくなるんだ」
唯「Kさんって、いい人だね」
澪「ああ、なかなか言えるコトじゃない」
梓「神様みたいです!」
K「いや、私はそんな…//そんなつもりじゃ…//」
律「全く、聞かせてやりたいよな。若干一名に」
律「なんせ、ただ飲み食いしてだらけるだけなんだから」
K「へえ、そんな人がいるんだ」
律「まあね。普段は猫被りのくせに…」
さわ子「やってるー?」ガチャ
律「ブーッ!」
さわ子「あら。どうしたの、りっちゃん」
律「な、なんでもないなんでもない」
K「ああ、さっきの話は山中先生の…」
律「ちょっと、Kさん!」
さわ子「あら…。何かおしゃべりしてたみたいねえ?」ポキポキ
律「ぎえ~~~!」
~警視庁特別科学捜査室
新條「そうか。わかった。引き続き警戒してくれ」ガチャン
芝「機械野郎か」
新條「ええ。今の所、異常はないそうです」
新條「それにしても、ずいぶんと楽しそうでしたよ」
芝「楽しそう?」
新條「チキショー、あの野郎。うまくやりやがって」
芝「ふん、仕事を遊びと勘違いしてるとはな。だからあいつは鉄クズだと言うんだ」
芝「最も、わし達もいい加減ホシの目星くらいつけんと、遊んでるのと同じだがな」
新條「そうだ、そのコトなんですが」
芝「何だ、誰か浮かんだのか」
新條「ええ、こいつなんですが」
芝「『浦出金造』…」
新條「こいつは、昔琴吹グループに勤めてたんですが、会社の金を横領して、裏金を作ったってんで逮捕されてます」
芝「裏金…?そうか、思い出した」
新條「何か?」
芝「ああ、殺された被害者の二人だが、あの二人もこの裏金事件の時に容疑をかけられていたんだ」
新條「あの二人が!?逮捕はできなかったんですか?」
芝「状況からすると間違いなかったんだが、決め手がなくてな」
芝「どう逮捕するか検討してる時にこの浦出が出頭してきたんだ」
新條「それで、捜査は?」
芝「おしまいだ。他の二人は決め手がない上に、浦出が全部自分でやったと言い張ってな」
新條「そうか…。もしかして、浦出は二人の身代わりになったのでは?」
芝「何?」
新條「きっと、身代わりになれば後で分け前は弾むとでも言ったんだろう」
芝「しかし、いざ出所して分け前のコトで揉め事があったという訳か…」
芝「よし、浦出を徹底的に調査しろ」
新條「了解です」
最終更新:2013年04月27日 00:05