唯「事故だよ」



憂「純ちゃんが死んで一年か・・・」チーン

梓「あっという間だったね・・・純今日はみんなの為にみんな来てるよ」チーン

唯「うん!だから、純ちゃんも今日は楽しんでね」

紬「あ、私もお線香・・・」

憂「あ、はい!」

律「悪いな憂ちゃん」

憂「何がですか?」

律「ご飯とか色々作って貰って、本当はこう言うのは先輩の私達がやらなきゃいけないことなのに・・・」

憂「あ、いえいえ。いいんです。皆さんが来てくれただけで純ちゃんも喜んでると思います」

澪「・・・・・・ごめん」

唯「ごめんって・・・澪ちゃん」

澪「うっ・・・みんな本当にごめんなさい!」ポロポロ

憂「・・・澪さん」

梓「あの事、まだ気にしてるんですか?」

澪「だって、あの時私が純ちゃんに話しかけてなければトラックに轢かれずに済んだかもしれない・・・」

唯「事故だよ」

澪「・・・でも」

唯「事故なんだよ・・・澪ちゃんは悪くないよ・・・」

澪「でも・・・」

憂「きっと純ちゃんも澪さんが悪くないって思ってますよ」

澪「・・・私もお線香あげる」

憂「はい!」

梓「・・・でも本当に事故なのかな」

澪「・・・・・・」チーン

梓「私、思うんです。純は誰かに殺されたんじゃないのかなって」

憂「殺された?純ちゃんは
誰かに恨まれるとかそんなことするような子じゃないと思う」

梓「でも、純ちゃんの事故現場に不審な人がいたと目撃されてるし・・・」

律「なぁ・・・」

梓「あ・・・ご、ごめんなさい。純の一周忌にこんな話するべきじゃないですよね」

律「いや、そうじゃない。そうじゃないんだ。私も思ってたんだ。誰かに殺されたんじゃないのかなって」

憂「・・・ただの事故ですよ」

紬「もし、事故じゃないとしたら?」

憂「えっ?」

紬「もし、他殺だとしたら私は許せない。そんな梓ちゃんと憂ちゃんのお友達を殺しただなんて、許せない」

梓「一度話し合ってみませんか?事故なのか他殺なのか?私、腑に落ちないんです。本当に他殺だと思うんです。私達が話し合っても解決しないと思うんですけど、もしかしたら何か分かるかも知れない・・・だから一度話し合ってみませんか?」

唯「うん・・・そうだね」

憂「もし、話し合って何かが分かって、それで犯人が見付かったらどうするの?」

梓「・・・警察に言います」

律「でも、警察じゃ事故でもう解決してる。まともに取り合ってくれると思うか?」

澪「・・・警察に解決出来ない事を私達が解決したら、警察のメンツはないだろうな」

紬「犯人が見付かった時の話はやめて、純ちゃんの話をしましょう?」

唯「う、うん。そうだね。純ちゃん私の家に来る途中に轢かれたんだ。みんなその他に分かることはある?」

澪「・・・別に私と話してる時は変わった様子はなかった。尾行されてるとかそんな雰囲気もなかった」

梓「純を轢いたトラック・・・あれ唯先輩の家に荷物届けてたんですよね?」

唯「う、うん・・・私Amazonでお気に入りのティーカップ注文してたから・・・でも、まさかあのトラックが純ちゃん轢いちゃうなんて思いもしなかった」

憂「あ、その日。純ちゃんは私の家に遊びに来る予定だったんです。私が電話で誘って・・・その時も特に変わった様子じゃなくていつもの純ちゃんでした」

梓「あ、その前に私の家にも遊びに来てました。一緒に憂の家行こうって言われたんですけど、その時はムギ先輩もいましたし・・・」

律「梓の家に三人で遊んでたのか?」

紬「えぇ、後から純ちゃんが来たの」

澪「その時に変わった事は無かったか?」

紬「特に・・・靴ひもがほどけてたぐらい。出ていく途中だったから言えなかったの」

律「そっか・・・」

唯「あ!」

憂「ど、どうしたの?」

唯「そう言えばニュースで見たんだけど、純ちゃんを轢いたトラックの運転手、純ちゃんが急に飛び出して来たってアナウンサーの人が言ってた」

律「多分、何かにつまづいたんだろうな・・・それか後ろから押されたか・・・」

梓「後ろから押された・・・あ、不審な人物!」

紬「もしかしたら、本当に・・・」

律「まだ分からないよ・・・警察はそれを見逃すか?」

憂「見逃さないと思います」

唯「りっちゃんはあの日純ちゃんを見なかったの?」

律「ん?いや、見てないな。その日私は澪と待ち合わせしてたからな。30分ぐらい遅刻したけど・・・」

澪「その30分の間に私は純ちゃんと合ったんだ」

憂「急に飛び出してきた・・・急に飛び出して来たって言ってましたよね?」

梓「う、うん」

憂「靴ひもがほどけてた・・・そう言ってましたよね?」

紬「うん、それがどうしたの?」

憂「転んだんじゃ・・・靴ひも踏んで転んだんじゃないですか?」

紬「・・・え?」

唯「だとしたら、急に飛び出して来たってアナウンサーが言ってたのも分かるね」

紬「ねぇ・・・靴ひも踏んで転んだんなら私があの時、純ちゃんを引き留めて指摘してれば・・・」

澪「ムギ・・・違うそれは違う。私が・・・」

律「なぁ、もうやめよう。誰が悪いとかあの時こうしてればよかったなんて話はもうやめよう」

憂「・・・あの、もしですよ?」

唯「憂、どうしたの?」

憂「もし、律さんが遅刻をせずに澪さんと会って、そしてそのまま遊びに出掛けてれば。純ちゃんが梓ちゃんの家に遊びに来て、純ちゃんが出ていく時、梓ちゃんは純ちゃんの誘いに乗って、その時、紬さんが純ちゃんの靴ひもがほどけてたのを指摘してれば。でも、それ依然に私が純ちゃんを遊びに誘わなかったら純ちゃんは死なずに・・・済んだんじゃ」

唯「う、憂?あのね。私がティーカップ注文してなかったら、純ちゃんは死なずに済んだんだよ」

紬「・・・みんな分かってたわよ。そんな事。みんな分かってたわよ」

律「だから、やめようって言ったんだ。過去の話は」

梓「・・・私達が純を」

澪「もし、私達の誰かが違った行動をとっていれば・・・」

紬「ねぇ、みんなもうやめよう?」

律「違う、私達は純ちゃんを殺していない。あれはあれは・・・ただの不幸な事故だったんだ」

憂「で、でも、不審な人物はどうなるんですか?」

唯「ただの見間違い・・・じゃないかな」

澪「ただの事故・・・本当にそう片付けていいのかな・・・偶然が重なりすぎてる。まるで・・・」

紬「まるで・・・私達が殺したみたい・・・考え過ぎよ澪ちゃん。純ちゃんは不幸な事故に合っただけよ。そして、私達も不幸な偶然が重なっただけ・・・」

梓「・・・事故。私達が引き起こしたのかな?」

憂「も、もう。やめましょう皆さん。過去の話は、純ちゃんもきっと悲しんでる」

唯「う、うん・・・」

律「お墓・・・お墓に行こうもう一度純ちゃんのお墓に、謝ろう」

・・・・・・・・・

私は後で行く、そう伝えて皆さんを見送りました。

笑顔の純ちゃんの遺影を見上げます。

その笑顔は見る人全てを癒し元気にさせます。

私、以外は。

あの日、私は純ちゃんの背中を押しました。

そう、私が純ちゃんを殺したのです。

警察は私を疑いもせず、トラックの運転手に手錠をかけていました。

全ては事故。
そう片付けられた矢先の梓ちゃんの発言にはビックリしました。

もしかしたら、私が殺したんじゃないかと怪しまれてるんじゃないかと思いました。

だけど、皆さんの話を聞く限り皆さんは何かしら純ちゃんと関わっていた。

だから、全ては不幸が重なった。
そうすることにしたんです。

結果、皆さんは罪悪感に蝕まれまたお墓に行きました。

皆さんが起こしてくれた不幸は私にとっての幸運でしかない。

・・・純ちゃんを殺した動機?
それは笑われるぐらい単純で笑えるぐらいむかつく動機です。

憂「不幸だったね。純ちゃん」


END