最近の私にはちょっとした願望がある。

それは、私が分身できたらいいなぁ・・・と。

部活、夏期講習、宿題など、たくさんのことがあって、とても忙しいからである。

だから、私がたくさんいたら・・・ いろいろと便利だろう

なーんて、そんな非現実的なことがあるわけない。

そう、思ってしまうある日だった・・・

今日は珍しく1人で帰る。

いつもは部員と帰るので、1人で帰るのは寂しい。

澪「ハア。なんだか寂しいなぁ・・」

?「ちょっと・・・そこの御嬢さん」

澪「え?」

右を向くと、まるで魔女のような服を着た女性がいた。

澪「わ、私ですか?」

?「そうです」

気のせいか、その人の声は私にそっくりだ。

?「あなた・・・ 悩みを持ってますね?」

澪「え?私のですか?悩みといっても―」

?「自分が分身できたらいいなぁ・・と、思っているでしょう?」

澪「!?」

?「その願い、私が叶えてあげましょうか?」


澪がいっぱい増えたら、律も大喜びだね。
まぁ、身体が持たないだろうけど。


澪3「ていうか、どの私が学校にいくのだ?」

澪s「「「「「「「「「「・・・あっ!!」」」」」」」」」」

澪61「も、もちろん、私が行くのに決まっている!!」

澪6「なあ!?ずるいぞ!!私だ!!」

澪15「ここは私に決まっているに違いない!!」

澪19「うるさい私!!」

澪47「そっちの私が一番うるさい!!」

澪76「だあーー!!うるさい!!」

澪s「「「「「「「「「「お前もうるさい!!」」」」」」」」」」

私が言ったことに対して他の私が文句を言って、他の私が言ったことに対して文句を言う。

このようなやり取りがしばらく続いた。

埒が明かないので結局、くじ引きをすることにした。

ちなみに、明日はどうしても部活に出なければならない。

なぜなら・・・

ムギが私の大好物であるガトーショコラを持ってくる日だからだ!!

こればっかりは誰にも邪魔はさせないぞ~!!


翌日

結局、私澪・・・番号を付けるとややこしくなるので以降つけないことにした。

まぁ、あの言葉を言わなければ問題はないはずだ。うん。気を付けよう。

律「みお~!おまたせ~」

澪「遅いぞ。こっちは大変だっていうのに・・・」

律「何が大変なの?」

澪「えっ!?あ、いや、その・・・」

まずい。律に私が増殖するなんて言ったらイタズラするに違いない。

澪「あ~その~・・・なんだ・・・」

律「あっ!!ひょっとして、とんでもない問題に遭遇したのか?」

ぎくり!!


ど、どうしよう・・・


律「まさか・・・ふ」

やばい!!

律「太った?」

・・・はい?

律「いや、なんかそういう感じがしたから・・・って・・・澪しゃん?」

澪「こぉんの・・・バカヤロー!!」

ドガッ!!

律「あぎゃあああああああああああああああ」



ふう・・・まったく!!律のやつ・・・

席を着くが未だにイライラする。

そんな私を見かねた和が近づいてきた。

和「澪。なんか悩み事でもあるの?」

澪「え?い、いやぁ・・・悩みなんかないよ」

和「そう?なら、いいけど。あ。今日は時間割が一部変更したの。メモしたから」

澪「ありがとう」

澪「え~どれどれ・・・」

時間割を見た私は一瞬で凍った。

時間割
1)数学『関数について』
2)現代文『数について』
3)生物『細胞分裂について』
4)体育
5)選択A
6)選択a

こ、ここでも「増える」という単語を使うなんて・・・嘘だろう・・・

もし、学校で私が増えてしまったら、変な目で見られるのは間違いないし、写メでいろんなサイトなんかに投稿せれて・・・

うう、考えただけで恥ずかしくなってきた。


授業中 数学

教師「じゃあ・・・秋山。この数字がどの値まで増えるんだ?」

澪「え・・・えっと・・・あの・・・」

教師「ん?どうした?」

言えない。答えが15なんだか・・・仮に15に増えるといったらこの場で15人に増える恐れがある。

けど・・・

澪「じゅ・・・15に・・・増える・・・」

あれ?

増えて・・・ない?

教師「ん。正解だ」

ひょっとして、ひょっとすると・・・もう、薬の効果がなくなった?

その後も・・・私は増えることはなかった。

しかし、私ではなく今日は周りの人たちが「増える」というのはきのせいかな?

生徒1「また体重が増えたよ~」

生徒52「宿題の量が増えた・・・」

教師「Sさんの遅刻の回数が増えてですね~」

生徒「増えた」「増えた」「増えた」「増えた」「増えた」「増えた」「増えた」「増「増えた」「増えた」えた「増えた」「増えた」」


お昼休み

律「部室に忘れ物しちゃった♪取りに行こう!」

律「ん?なんだか部室から人の声が聞こえる?」

律「この声は・・・澪かな?」

ガチャ

律「失礼し―!?きゃあああああああああああああああああああああぁ」

澪「ん?なんか聞こえなかった?」

和「いや?聞こえ」

律「澪!!」

私のほうへ律が大慌てで駆け寄ってきたが・・・何なんだ?

律「みみみおおおががががが、、いいいいっぱぱぱぱぱいいいいい」

!?

和「はあ?」

ま、まさか!?

澪「律!!席をはずそう!!あっ!!和、お昼は唯たちと食べていて!!それじゃあ!!」

そう残して私は律と一緒に部室へ急いだ。

そしてそこで見たのは・・・

澪s「もういや・・・」「なにコレ・・・」「狭いよ~」「助けて」「オヨメニイケナイ」「りつぅ・・」「なんで私ばっかり・・・」「詰めて!!」「そっちこそ!!」「また増えた・・・」「もういや・・・」「なにコレ・・・」「狭いよ~」「助けて」「オヨメニイケナイ」「りつぅ・・」「なんで私ばっかり・・・」「詰めて!!」「そっちこそ!!」「また増えた・・・」「もういや・・・」「なにコレ・・・」「狭いよ~」「助けて」「オヨメニイケナイ」「りつぅ・・」「なんで私ばっかり・・・」「詰めて!!」「そっちこそ!!」「また増えた・・・」「もういや・・・」「なにコレ・・・」「狭いよ~」「助けて」「オヨメニイケナイ」「りつぅ・・」「なんで私ばっかり・・・」「詰めて!!」「そっちこそ!!」「また増えた・・・」「もういや・・・」「なにコレ・・・」「狭いよ~」「助けて」「オヨメニイケナイ」「りつぅ・・」「なんで私ばっかり・・・」「詰めて!!」「そっちこそ!!」「また増えた・・・」

そこにはもうすし詰め状態の増殖した私がたくさんいた。

澪「どういうことなの?」
澪「知らないよ・・・」
澪「いつの間にかこんなに増えたんだよ・・・」

まさか・・・周りの人が言ったことでも増えるの・・・?

律「いったい、何が起きたんだよ?」

こうなれば・・・正直に言おう。

私は律に増殖することをすべて話した。

律「じゃあ、増えると言ったら本当に増えるんだ・・・」

あ。2名増えた。

律「ん?人数を言ったらその分だけ増えるんだよな?」

澪「「「「「そ、そうだけど」」」」」

律「ほほう・・・」ニヤリ

律「じゃあ・・・今日は12日だから・・・12人に増えろ!!」

澪s「「「「「「「「「「「「ひいっ!!」」」」」」」」」」」」
澪「律!!」
澪「やめろ!!」
澪「バカ!!」
澪「もう勘弁して・・・」

律「おお・・・本当に増えた・・・」

澪「あ。プラス1人・・・」

律「もっと増えろ~♪じゃんじゃん増えろ~♪どんどん増えろ~♪」

澪「ちょっ!!バカ」
澪「こ、これ以上増えたら!!」
澪「きゃあ!!」

律「増えろ!増えろ!」

澪「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「いーかげんにーしろおおお!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

律「おんぎゃあああああああああああああああああ」

澪「もう、何人いるんだ?」
澪「それはこっちのセリフ」
澪「軽く100人はいるだろう・・・」
澪「こんなにいらないよ・・・」

律「あちゃ~。増えすぎたな~こりゃ」

澪「って!!もう、お昼休み終わっちゃうぞ!!」

澪「どう責任取るんだよ?律」

律「そ、そんな言い方するなよ。まさか、こんなに増えるとは思わなかったから・・・」

澪「現にこうして増えているじゃないか」

澪「また1人」

澪「じゃあ、くじを引いて代表の1人そのまま学校に残ることにしよう」

澪「ほかの私たちは家に帰るの?」

澪「それしかないだろう」

澪「こんなに私がたくさんいたら・・・うう。想像しただけでも恥ずかしい」

澪「じゃあ、さっそくくじをひこう」

澪「そうだな」

澪「あれ?律は?」

律「うひょひょひょ。たくさんの澪に囲まれるなんてハーレムだぜ!」

澪「まったくこいつは・・・」
澪「セクハラか?」

律『そ・れ・に!澪の胸が体中に当たって・・・く~。たまんねえ!!』


なんだかんだで放課後!

澪「しかし、本当にコレどうしよう?」

澪「「私にいわれても・・・」」

澪「「「ていうか、ようやく半分の私が帰ったか」」」

律「まあ、よくばれずに帰ることができたな」

澪「そうだな・・・」

あの後、律のアドバイスのおかげで何組かに分かれて帰ることにした。

まぁ、家ではさらに増えているだろうがな・・・

律「しかし・・・本当にばれたらどうしよう」

澪「そうなんだよなぁ。あの女の人に会えばどうにかできるんだろうけど・・・」

澪「先に帰った私に連絡したけど、会ってなかったぞ」

律「いっそさあ・・・アイドルグループになれば?」

澪「「「「「「「「「「なにー!?」」」」」」」」」」

律「あ、でも、ファンのみんながたくさん『増えろ』とか言ったら、数日で地球が澪で埋め尽くすだろうな」

あ、また1人・・・

それよりも、律もそんなこと考えるのかよ。

仮に・・・本当に世界が私だけになったら・・・どうなるだろう?

澪「なにバカなこと言ってるんだ」

澪「そうだぞ律。増えたら増えたで大変なんだぞ」

澪「「また2人・・・」」

律「そういう、澪たちはどうなんだよ?自分がたくさんいることに対しては?」

澪「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「そ、それは・・・」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

澪「も、もちろん困っているぞ!!家は窮屈だし、狭いし、寝ようにも他の私の体が当たって痛いんだから」

澪「な!!そ、それなら、こっちだって、お菓子を勝手に食べられてしまうし、お風呂なんか胸が邪魔でなかなか入れないし」

澪「だったら、最近お尻も大きくなっているから邪魔だ!!」

澪「私に言うな!!それは他の私だ!!」

律「え、ちょ、澪」

澪「だいたい、あの薬なんか飲むからいけないんだぞ!!」

澪「「「「それは、お前のせいだ!!」」」」

澪「「「「「お前も私だ!!」」」」」

律「うわ~。ややこしい・・・」

10分後

澪「「「「「ぜぇ、ぜぇ、もうやめよう・・・」」」」」
澪「「「「「そうだな・・・」」」」」

律「つうか、マジでどうすんだよ?家にもたくさんの澪がいるんだろう?」

澪「う、うん・・・」

律「なら・・・」

澪「ムギに相談しよう・・・」

澪「そうだな・・・」

と、そこへ、さらにややこしい人たちが来た。

唯「こんにちは~って!!うわぁ!!み、澪ちゃんがいっぱいいるぅ!!」

澪「「げっ!?唯!?」」

梓「み、澪先輩がた、たくさん・・・」

紬「まぁ・・・」

澪s「ちょうどよかった!!ムギ!!突然で悪いけど」「お、落ち着けよ!!いいか、ここからはある言葉を」「唯~。助けて~」「梓!!こ、これはだな・・・」

唯「え、えと、み、澪ちゃんたち。一回落ち着いて・・・」

梓「み、みなさん。一斉に言わないでください・・・」

紬「ああ・・・私は今、死んだっていい・・・」

澪「「「「それはダメだろう」」」」


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