ガチャ

紬「失礼しまーす、見学しに……」

紬「あれ?誰もいない」

紬「さっき中から話し声が聞こえたんだけどな……」

紬「……ここ合唱部じゃないよね?」

紬「失礼しましたー」

バタン



律「あー誰も見学に来ない」

澪「待っててもしょうがないんじゃないのかな」

律「いや、待つ」

澪「待つのか」

律「待つ」

ガチャ

さわ子「入部希望者だって」

入部届
1年○組
琴吹 紬

律「おお」

澪「誰?」

律「知らん」



ガチャ

紬「失礼しまーす」

紬「あれ? やっぱり誰もいない」

紬「軽音部ってもう二人いるはずなんだけど」

紬「どこに行っちゃってるんだろう」

紬「早く会いたいな」



律「おいおいもう4月終わるぞ」

澪「だなぁ」

律「廃部やんけ」

澪「だなぁ」

律「あと一人入れないと」

澪「ていうか琴吹さんすら一回も来てないし」

澪「実質二人やんけ」

律「ですね」

澪「ていうかさ え? 琴吹さんって本当にいるの?」

律「分からん」

澪「不登校なのか?」

律「分からん」

澪「探そうよ」

律「探したが見つからない」

澪「見つからないって何だよ」

律「分からん」

ガチャ

紬「チョリーッス!!」

紬「はぁ、やっぱり誰もいないか」

紬「まぁ今の入り方で誰かいたら恥ずかしいよね」

紬「秋山さんと田井中さん」

紬「全然部活来ないなぁ」

紬「もう1ヶ月経つけどこのまま一回も顔あわせないのかな」

紬「うーん、それにあともう一人入ってくれないと」

紬「廃部……」

紬「廃部やんけ!」

紬「いやまぁ実質一人の部活だし」

紬「軽音部が無くなったところでどうでもいいか」

紬「多分……どうでもいいんだよね」



唯「軽音部かぁ」

唯「入ってみようかな」

ガチャ

さわ子「入部希望者もう一人来た」

入部届
1年○組
平沢唯

律「おお!」

澪「良かったなぁ」

律「幽霊部員じゃないと良いけど」



唯「こ、ここが軽音部……」

唯「き、緊張する」

唯「怖い人が居たりして……」

ガチャ

唯「こ、こんにちは」

唯「あれ?」

唯「誰もいない」

唯「部室間違えたのかな…」

唯「でも、ドラム置いてあるし」

唯「今日はみんなで遊びに行っているのかもしれない」

唯「ボーリングとか」

唯「楽しそうだな」

唯「どんな人たちなんだろう」

ッバーン!

紬「ムギちゃんマン参上!」

唯「!」

紬「あ」

紬「ち、違うの!違うの!」

唯「え」

紬「やらかした……ついにやらかしてしまった……」

唯「やらかしましたね」

紬「……やり直すから」

唯「え」

紬「今のは無しで」

唯「あー」

紬「今のは無しで!」

唯「はい!」

バタン

唯「なんだあいつ」

ガチャ

紬「聞こえてるけど」

唯「おっと」

紬「さっきのは事故だから」

唯「ほう」

紬「気にしないでほしい」

唯「分かった」

唯「分かったからさっさとやり直してくれ」

紬「おう」

バタン

ガチャ

紬「ムギちゃんマン参上!」シュアタ

唯「え!」

紬「……」ニヤニヤ

唯「えー」

唯「びっくりしたー」

唯「一回目よりびっくりした」

紬「せやろ」

唯「これこそ事故やろ」

紬「せやな」

紬「もう一回見るか?」

唯「いや良いです」

紬「うそうそ、今度はちゃんと入るから」

バタン

唯「……」

一時間後

唯「え」

唯「帰った?」

唯「いや、あの人のことだ」

唯「外で待ってるに違いない」

ガチャ

唯「あれ?」

唯「外にもいない」

唯「ガチで帰ったのかよ」

唯「何がしたいんだよ……」



紬「はあ……」

紬「結局平沢さんも来ないな」

紬「もしかして私が部室間違えてるのかな」

紬「でもドラムあるし」

紬「まぁ良いか」

紬「こうやって一人でティータイムっていうのも新鮮」

ガチャ

唯「あーやんなっちゃうな」ブツブツ

紬「!」

唯「あ! いつのまに!」

紬「え? あの」

唯「いつ部室に入ったの!?」

紬「あの、ずっといたけど……」

唯「んなまさか」

紬「そ、そういわれてもなぁ……」

唯「うーん」

紬「あの」

唯「はい」

紬「もしかして平沢さん?」

唯「はい」

紬「そっかぁ……やっと会えたのね」ウルウル

唯「お、私は一時間前にファーストコンタクトしたんですがね」

紬「私、琴吹紬です。よろしくお願いします」

唯「あ、はい。よろしくお願いします」

紬「あ、良かったら一緒にお茶しません?」

唯「おっほ、良いですね」

紬「ところでさっき会ったとかいうのは……」

唯「ああ、何か琴吹さんが、ムギちゃんマン参上!とか言いながら入ってきたんだけど」

紬「え」

唯「一時間ちょっと前ぐらいに」

紬「えええええ」

紬「どこから見たんですか!?」

唯「真っ正面からだよ、やっぱりお前だったのかよ」

紬「いやいやいや」

紬「あの時は誰もいなかったし」

紬「訳が分からない」

唯「同感です」

紬「ちょっと、もしかしたら人違いかもしれない……」

唯「うーん」

紬「ちょっとその人の真似してみてください」

唯「えー」

紬「でも納得いきません!」

唯「ま、まぁ私もね……理解できないし」

唯「じゃ、じゃあやるよ?」

バタン

ガチャ

唯「ムギちゃんマン参上!」シュアタ

律「は?」

澪「……」

澪「濃い奴が来たな」

唯「違う、違うの」

唯「え、え、え??」

律「お?」

唯「何が起きてるの?」

澪「おお、それはこっちが聞きたい」

唯「さっき、ここに琴吹さんがいたはずなんだけど」

律「! 琴吹がいたのか!? いつ!?」

唯「二十秒前くらい」

律「にじゅっ……え?」



紬「あれ?」

紬「平沢さんどっか行っちゃった……」

紬「うぅ、私が変なこと言うから」

紬「また一人か……」

ガチャ

紬「!」

梓「あの入部希望なんですけど」

紬「あ、えっと」

梓「中野梓です。よろしくお願いします」

紬「あ、琴吹紬です。よろしくお願いします」

紬「えっと」

紬「あの、三年生ですか?」

梓「はい?」

紬「その、リボンが赤色なんで」

梓「??」

梓「もー変なこと言わないでくださいよ」

梓「赤色は一年生ですよ」

紬「え?」

紬「私も一年生なんだけど」

梓「いやいやいや、先輩のリボン青じゃないですか」

紬「うん、青だよ」

梓「だから」

紬「一年生だよね、私が」

梓「違います。私が一年生です」

紬「あ、分かった転校生だ」

梓「違います」

紬「じゃあ何だろう」

梓「何でしょうね」

梓「あの、他の人いないんですか?」

紬「うーん、いるけどいません」

梓「どういう意味ですか?」

紬「私以外は全員幽霊部員です」

梓「新歓ライブでバリバリ演奏してたやん」

紬「別人じゃないですか」

梓「いや確かにあなたがキーボード弾いてました」

紬「え」

梓「ほら! ここにあるキーボードで」

紬「誰だ勝手に私のキーボード使ったのは」

梓「お前じゃないのか」

紬「絶対に違う」

紬「ちょっと顧問の先生に聞いてくる」

梓「そうですね、そうしてください」

紬「では」

バタン

ガチャ

紬「携帯忘れた」

唯「あ、居た」

律「おお、こいつが琴吹さん」

澪「へー」

紬「あれ? 誰? え?」

澪「秋山澪です」

律「田井中律です」

唯「久しぶりやなムギちゃんマン」

澪「琴吹さんで合ってるよね?」

紬「はい! む、ムギちゃんマンです」

紬「じゃない、琴吹紬です」

律「今までなんで来なかったの?」

紬「え? こっちのセリフです」

澪「?」

紬「私ずっと一人だったんですよ」

澪「そうなのか、まぁそうだろうな」

紬「良かった……やっとみんなと会えて」

律「んー、まぁそうだな」

唯「良かったなムギちゃんマン」



梓「帰ってこないぞ琴吹さん」

梓「携帯置きっぱだけど良いのかな?」

梓「って、あれ? 携帯無くなってる」

梓「はー、何か変なことばっかり……」

梓「ていうか、もしかして幽霊?」

梓「こわっ!」

梓「あーやだやだ、かーえろ」

バタン

律「行ったか」

澪「今一年生の梓と一年生のムギが話してたのか」

律「面白かった」

澪「いやヤバいでしょ、ていうか律が高校生時代に忘れ物しなければ」

澪「時空も歪まなかったんだぞ」

律「すまんかった」

澪「とりあえず帰ろうか」

律「そ、そうだな」

澪「忘れ物無いか?」

律「オッケー大丈夫だ」

澪「じゃあ行くか」

バタン

おしまい