律「そういうわけでおめおめと逃げ帰ってきた」

澪「ほんと何しに行ったんだよお前ら」

紬「今度は澪ちゃんも一緒に行こ?」

澪「梓は梓の軽音部で頑張ってるんだからあんまり邪魔しにいくなよ」

律「ぐっ」

紬「むぎゅぅぅ……」 ギリギリギリ

律「そう言いながら本当は怖いんだろ?」

澪「何がだよ」

紬「よく考えたら澪ちゃんが行ったところで邪険にされない保証なんて無いのよ?」

律「お前も私たちと同じ恐怖と悲しみを味わってくるといいんだ」

澪「じゃあ唯も一緒に連れていこうかな」

律「卑怯だぞ」

澪「何でだよ」

澪「もともと先輩としてリスペクトされていた私だ、露骨に邪険にされる事はないだろう」

紬「今のうちにそうやってタカをくくっているといいわ」

澪「お前らの間抜けな失敗談をふまえて、適当に差し入れでも持っていけばいいんだろ?」

紬「あらあら、随分と計算高い女になっちゃって」

律「最初から私たちを囮にするつもりだったんだな?」

紬「そうやって男も次々にたらしこんで利用して貢がせては捨てていくのね」

律「恐ろしい女だよまったく」

紬「そこまでして後輩にいい顔を見せたいの?」

律「今さらどの面下げて後輩に会いに行くんだよ」

澪「お前らが行ってこいって言ったんだろ!」




秋山澪が桜が丘高校への不法侵入で逮捕される二日前のやり取りである






憂「梓ちゃんは律さんが嫌いだったの?」

梓「どうせなら唯先輩か澪先輩がきてくれたらいいのに なんでよりによって」

律「目の前で聞こえるように陰口を叩くな」

純「それより新入部員が入ったんですよ、ほら」

直「奥田です」

菫「斎藤です 先輩たちの陰口はいつも梓先輩から……」

律「何を吹き込まれた」



律「廃部になってた軽音部を私がもう一度立ち上げたんだよ」

律「部員もいないわ顧問もいないわ曲も作らなきゃで大変でさ」

律「新入部員を勧誘したんだけど、見学に来てケーキだけ食って帰るような奴もいてさ」

純「……」

律「今の部長は楽でいいよな~」

梓「うっとうしいなぁ……」

憂「大学でうまくいってないのかな?」

直「男性関係がうまくいってないんですか?」

菫「ハブられてるんですか?」

憂「お姉ちゃんと同じ寮で暮らしてるからって調子に乗らないで下さいね?」

梓「なんで軽音部のOGにはロクのがいないんですか?」

律「お前も来年はそうなるんだ」

さわ子「早くババアになればいいのに」



梓「それよりいつになったら澪先輩が来てくれるんですか」

さわ子「この間来たのよ?あなたたちが修学旅行に行ってる時に」

直「ああ、あの精神病の寝言みたいなポエムが得意な露出狂の……」

菫「軽音部がどうとかファンクラブがどうとか訳のわからない事をわめき散らして大変だったんですよ」

律「あいつ人見知りするからなぁ」

菫「知らない人がいきなり部室に入って来たから身の危険を感じてしまいまして」

直「おもむろに凶器のベースを取り出したので、必死に取り押さえて通報を」

律「それは演奏しようとしてたんじゃないのか」

さわ子「私はそのやり取りを見て爆笑していたわ」

憂「私もそれを聞いて爆笑しました」

純「もしかして澪先輩怒っちゃったんじゃ……」

律「あいつは逮捕されたよ」

純「えっ」

直「男性関係ですか?」

憂「痴情のもつれですか?」

梓「薬物関係ですよね?」

律「お前らのせいだよ!」

律「あんなに可愛がってやったのに、なんでこんな惨い仕打ちを受けるんだ……」

梓「可愛がって……?」

憂「梓ちゃんはこう見えてお姉ちゃん達と同じ大学を目指してるんですよ」

律「こう見えてって…冒頭からとてもそうは見えないんだけど……」

梓「律先輩を本当に忌み嫌っているなら目の前であんな憎まれ口を叩けませんよ」

律「えっ」 ドキッ


梓「大学に入ったらもう一度HTTを組みたいと思ってるのに、仲間を邪険にするわけないじゃないですか」

梓「卒業は終わりじゃないって…これからも仲間だって、永遠に一緒だよって歌ってくれたじゃないですか」


菫(きもっ)

直(きもっ)

梓「律先輩とのやり取りが楽しくて、懐かしくって、気を引こうとしてたんです」

律「梓……」

梓「まあ全部ウソなんですけどね  いいから唯先輩を連れてきて下さいよ」

律「死ねよ!」



律「そういうわけでもう唯しかいないんだ」

唯「えぇー でもあずにゃんとは毎日メールしてるし、部活の邪魔しちゃ悪いよ」

律「メール?」

唯「えっ 軽音部の近況報告とか…メール…きてるでしょ?」

紬「……」

律「……」

唯「そ、そういえば最近澪ちゃんいないよね」

律「あいつは梓のせいで捕まったよ」

唯「えっ」



澪ちゃんは結局精神に異常をきたして野垂れ死にました

りっちゃんはあずにゃんにつきまとって訴えられ

ムギちゃんは怪しげな黒魔術にはまって10kg痩せました

こうして私たちの軽音部は幕を閉じたのです





和「という夢を見たの」

唯「そのうち出番あるから思いつめないで」





おわれ



お前らも何かの弾みでSS書く時はちゃんとオチまで考えとけよ
見切り発車はダメだぞ
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