澪「ヒマだな」

律「……」

澪「律、おい律、ヒマだ」 ペチペチ

律「……」

澪「律ぅー……」

律「……」

澪「カ~チュ~シャ~外しながら~」

律「外すな」

澪「いやほら、カチューシャ姿が久しぶりだなぁと思って」 クンカクンカ

律「じゃあとるなよ っていうか嗅ぐなよ」

律「ちょっと高校時代を思い出してたんだ」

澪「そういえば梓たちの様子を見てくるとか言ってたな」

律「露骨にウザがられた」

澪「だからOGはウザがられるって言ったのに ただでさえお前は梓から」

律「おいやめろ」

律「喜んでくれたのはトンちゃんだけだったよ」

澪「そうか」

律「……」

澪「……」

律「エサ食ってくれなかった」

澪「そこまでだったか」

律「梓さ、卒業式の後に部室で泣いてくれたよな、卒業しないでよって」

澪「今考えると一瞬タメ口きいてたよな」

律「そういう話じゃなくてだな」

澪「手書きの手紙をくれたんだよな、律のはなんて書いてあったんだ?」

律「今考えると凄い遠回しに死ねって書いてあったような気がする」

澪「どんな手紙だよ、考えすぎだろ」

律「梓、私の事嫌いだったのかな……」

澪「そんな事ないだろ、貴重な貧乳仲間だし」

律「お前も疑わしくなってきた」



律「まぁそういうわけでドラム運ぶの手伝ってくれ」

澪「えぇー」

律「梓とはもう音楽で分かり合うしかないんだ」

澪「お前は梓とどうなりたいんだ」

律「どうってなんだよ」

澪「……お前は私と梓とどっちが大事なんだ?」

律「あぁもう何で嫉妬してんだよ、面倒くさいなぁ」

澪「じゃあ例えば私と梓がガケから落ちそうになってるとしよう」

律「ガケの上で何があったんだ」

澪「一人しか助けられないとして、どっちを助ける?」

律「軽いから引き上げやすそうだし、梓かな」

澪「私が今にも落ちそうになっているんだぞ?」

律「お前はやればできる子だ」

澪「律……」 キュン

唯(あっ また澪ちゃんがもてあそばれてる……)



澪「じゃあ逆に私と梓が川で溺れて流されてるとするだろ?」

律「逆にってなんだよ お前泳げるだろ」

澪「お前だって泳げるだろ」

律「梓だって泳げるよな」

澪「いいからどっちを助けに行くのか答えろ」

律「やっぱり梓のほうが軽いし」

澪「あのな、水中では浮力というものがあって重量は大した問題じゃなくて」

律「でも泳げる人間が溺れて流されていくほどの激流みたいだし」

澪「私が涙目で律に助けを求めているんだぞ?」

律「じゃあ最後まで澪だけを見つめているよ」

澪「それは私を見捨てるという事だよな」

律「面倒くさい女だなぁ」



律「そんな事はどうでもいいからドラムセットをだな」

澪「そんな事って言うな!」 プンスカ

律「いいから一緒に梓を見返しに行ってくれ」

澪「お前は何が目的なんだよ」

律「もう現役女子高生に一人で立ち向かう勇気がない」

澪「でも一緒に行ったところで私だけ後輩にちやほやされたら律が哀れで仕方ないだろ」

律「生々しい事を言うな」

澪「そういうわけでムギあたりと一緒に行ってきたらどうだろう」

律「もしHTTのメジャーデビューと引きかえにプロデューサー的な人に肉体関係を求められたらお前を差し出すからな」

澪「お前こそ生々しい事を言うなよ」





律「そういうわけで手伝ってもらって悪いな」

紬「いいの、澪ちゃんには名のある術者でも解呪不能とされるアブラリメンの呪術の犠牲になってもらおうと思うから」

律「気に食わない後輩を生かさず殺さず懲らしめる呪術なんかはないのか?」

紬「この魔方陣を対象の住む方角に向けて、丑三つ刻に……」

憂「部室の前で物騒な会話を始めないで下さい オカ研はそっちの突き当たりに……」 シッシッ

梓「あっムギ先輩! と……」 チッ

純「わぁ、律先輩とムギ先輩じゃないですか!」

律「お前は可愛い奴だなぁぁ」 ギュウゥゥゥゥゥ

純「あわわわ」

紬(律純とか……) ハァ



律「そんなわけで今日はお前らと演奏するためにドラムセットを持ってきてやったぜ!」

純「今日こそ一緒に演奏できるんですね!」

梓(恩着せがましくてうっとうしいなぁ)

憂(純ちゃんの媚び方がさらにイラつくなぁ)

律「さっそくセッティングを……」 ガチャガチャ

梓「そう言えば昨日新しいドラムセットが届いたんですよ」

律「……」 ガチャン

憂「なんか部費がだいぶ余ってたみたいで」

律「だっ……でもっ! ドラマーはまだ見つかってないんだろ?」

梓「新入部員がドラムをやりたいそうなので今日のところは」

律「強引な流れで露骨に帰そうとするな」


律「じゃあここはひとつ、後輩にドラムの極意をだな……」

梓「うざっ 新品なのであんまり触らないであげてください」

律「なっ…じゃあ自前のドラムなら文句無いだろ? 久々に合わせようぜ」 ウズウズ

梓「あっ大丈夫です それよりムギ先輩はキーボード持ってきてたりするんですか?」

律「おい、大丈夫ってなんだ おい」

紬「りっちゃんのドラムセット運ぶの手伝ってたからちょっと……」

梓「まぁ両手塞がっちゃいますからしょうがないですよね」

紬「そういうわけで差し入れとかも持ってこれなかったの、ごめんね?」

梓「まだ帰らないんですか?」



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