紬「え?」
唯「いやほら、ムギちゃんって力持ちだよね」
紬「そうかしら」
唯「そうだよ」
紬「まあそうだとしても、どのくらい強いってどういう事?」
唯「物騒な話だけど喧嘩とか強いのかなって思ってさ」
紬「け、喧嘩?」
唯「いやなんて言うかさ、格闘技とか?そんな感じの」
紬「一体どうしたの唯ちゃん」
唯「深い意味は無いよ、ちょっと興味があったから」
律「横からすまんが実は私もムギの強さにはちょっと興味あった」
澪「・・・実は私も」
梓「・・・私もです」
紬「ちょっと皆」
唯「そもそもムギちゃんは謎が多いからね、強さ以外にも気になることはあるんだけど」
紬「例えば?」
唯「例えば・・・う~んとね、毎月のおこづかいとかさ」
紬「私おこづかい制じゃないわよ」
唯「カード?プラチナ?それともブラック?」
紬「一応クレジットカードは持っているけど」
唯「すごいね」
紬「すごくなんかないわ」
律「話がそれてるぞ」
唯「おっとそうだね」
紬「もう止めない?この話」
唯「ん?どうして?」
唯「もし喧嘩とか格闘技とか全然やってないなら最初から否定すればいいよね」
唯「でもムギちゃんは一回も否定しないでとぼけたり話を逸らしたり」
唯「まるで何かやっててそれを隠してるような感じだねえ」
紬「・・・」
唯「ありゃりゃ、当たりかな?」
紬「今日は随分鋭いのね」
唯「えへへ」
紬「まあ隠す意味も無いから正直に言うね」
唯「うん」
紬「私は格闘技をやっているわ」
唯「やっぱりねえ」
紬「私の家に伝わる武術を小さい頃から習っているの」
律「やっぱすげえわムギん家」
澪「英才教育ってやつか?」
紬「そんなところね」
梓「護身術なんですか?」
紬「まあね、琴吹家の長女たるもの強さは必要不可欠なの」
唯「お金持ちは大変だねえ」
紬「私に仕えている執事達も強いけれど、私はそれ以上に強く在る必要があるの」
唯「舐められないように?」
紬「というか、琴吹家の起源は古のバーリ・トゥードのチャンピオンと言われているわ」
唯「おお、なんかすごい事カミングアウトされたよ」
紬「だから強い事は絶対条件なの、家の者も執事も」
律「すげえ世界だ」
澪「何かムギを見る目が変わるなあ」
梓「ですね」
紬「・・・さて、今度は私からの質問よ」
唯「あ、待って待って」
紬「何?」
唯「聞かれる前に答えるよ、どうせばれてるだろうし」
紬「そう」
唯「私もやってるんだ」
紬「・・・」
唯「喧嘩の方だけど」
紬「でしょうね」
紬「それで?唯ちゃんは私と戦いたいの?」
唯「私が喧嘩やってるって聞いて驚くどころかいきなりそれ?嬉しいなあ」
紬「だって唯ちゃんは格闘技じゃなくて喧嘩をやってるんでしょう?」
唯「そうだね」
紬「じゃあ聞いても答えないんじゃないかな?」
唯「・・・」
紬「自分の手の内を簡単にばらすのが唯ちゃんの喧嘩?」
唯「・・・」
紬「大事なのは唯ちゃんが私と戦う意思があるかどうかでしょう」
唯「ムギちゃんも実は喧嘩の方が得意そうだね」
紬「あらありがとう」
唯「でも安心して、戦う気は無いよ」
唯「理由もメリットも無い」
紬「そう、良かった」
紬「私も唯ちゃんとは喧嘩したくないもの」
唯「ちょっとだけ残念だよ」
紬「それで本題は何?」
唯「話が早いね」
紬「同じ穴のムジナって分かるまでは言いだし辛かった事なんでしょ?」
唯「ムギちゃんは頭が良いね」
紬「唯ちゃんも」
澪「・・・」
律「なんか全然ついていけなくなったな」
梓「あれホントに唯先輩とムギ先輩ですか?」
澪「怖すぎる・・・」
唯「実はヤクザの事務所を探してほしいんだよ」
紬「ヤクザ?」
唯「うん、今ちょっと練習相手が欲しくてね」
紬「なるほど」
唯「下手したら死んじゃうかもしれないから」
紬「だからあとくされの無いヤクザってわけね」
唯「ヤクザならいっぱいいるし、警察とかにも行けないだろうから」
紬「そういう事なら協力するわ」
唯「わ~い!ありがとうムギちゃん!」
紬「私の系列の組の敵対勢力ならいくらでもやっちゃっていいわよ♪」
唯「楽しみ~」
律「おいおい」
梓「とんでもない事言ってるです」
澪「ヤクザって・・・」
律「ムギはまだ分かるけど唯もとんでもねーな」
唯「あのね、出来れば大小いろんな事務所を紹介してほしいんだけど」
紬「唯ちゃん一人で行くの?」
唯「うん!」
紬「え~いいな~私も一緒に行きたい!」
唯「あ、じゃあ一緒に行く?」
紬「え~いいの?」
唯「二人の方が楽しいよきっと」
紬「じゃあじゃあ、私またお弁当持っていくね」
唯「ありがと~!」
紬「何がいいかな」
澪「ここだけ聞けば普通の会話だ」
律「でもヤクザの事務所潰しに行く計画だろ?」
梓「なんでこんなに楽しそうなんですか」
最終更新:2012年09月16日 23:53