ふぁいとー……ふぁいとー……ふぁいとー……


梓「いやはや、今日も運動部の人たち頑張ってますねぇ」モシャモシャ

律「頑張ってるのは運動部だけじゃないぞ。
  私達も種類は違えど、日々精進する仲間なんだからな」モシャモシャ

梓「とてもそうとは思えませんが…。あ、律先輩の天敵の若王寺先輩だ」サッ

律「なっ!? 違ぇよ、私がいちごの天敵なの! 私がパーでいちががグーなの!」

梓「バトン部も走りこみしてるのか…。すごい一位ですよ、律先輩完全に負けてますよ」

律「くっそ、私も筋トレしようかな。
  ……って、おいアイツ抜かれてるぞ、二位になってるぞ! ぷっぷー」

梓「本当ですか!? 一体だれが!」グイッ


若王寺『ふぁいとー……ふぁいとー……! ふぁいとー……』タッタッタッ…

唯『ファイトぉー! ファイトー! えいしゃおらーー!!』ダッダッダッダッダ!


梓「………………え?」




ガチャリ…

唯「やっ…、やったよ…あ、あずにゃん…。 私、一位に……」ドサッ

梓「何でバトン部の走りこみに紛れ込んでるんですか!?
  準備があるんじゃなかったの!」

律「いや…、よくやったぜ唯。お前は最高の相棒だぜ…」ギュッ

唯「り、…りっちゃん…。やっと、褒めてくれたね…」ギュッ

梓「ちょっと、律先輩まで唯センパイみたいな事何いってるんですか!?」

律「あの、いちごの悔しそうな顔ったらないぜ…。ぷっぷーぷ!」

梓「………私、帰ってもいいのかな」



律「ほら、ほら、唯ちゃん。クッキーとマドレーヌもあるのよぉ」サッ

唯「ふぃぃぃ…、生き返ったよ。有難う律っちゃん!」ゴギュゴギュ

梓「何ですかその妙なモノマネは…。それに勝手にお菓子も開けちゃって…」

唯「さてさて、これで準備は完了だよ、あずにゃん!」

梓「準備? これのどこが準備なんですか、いつものティータイムにしか見えませんよ」

唯「甘いねあずにゃん…。
  私が意味もなくバトン部と走り込みをしていたと思っているの!」チッチッチ

梓「思ってますよ。あとチッチ真似しないで下さい」

唯「はふぅん…、あずにゃんは身もふたも無いね!」

律「んで、その走り込みがどういう意味があるんだよ?
  私にはいちごをギャフンと言わせたようにしかみえないケド」

唯「私が、こうやって適度の運動をこなすことによって、
  身体はより多く血液中に酸素取り込もうとするんだよ!」

梓「は、はぁ…。それで?」

唯「つまり、今の私の肺は沢山の空気を求めてるの。
  よって、肺活量は普段の数倍にも膨れ上がっているんだよ!」

梓「……一つ聞いてもいいですか?」

唯「なんだいあずにゃん! なんでも答えるさね!」ビッ

梓「……だったら、ティータイムして休憩しちゃったら意味無いんじゃないですか?」

唯「……………ぇ?」

梓「いや、…え? じゃなくて」

唯「……ぅん。…吹いてもいいかな。今から。…カセット」

梓「……どうぞ」サッ

律「心配無用だ梓。唯はウチのバンドで何を担当しているんだ?」

梓「何って…ギターじゃないんですか?」

唯「すぅーーー………。はぁーーー……」クイックイッ

律「それだけじゃ無いはずだぜ。それはお前が一番良く知ってるはずだ」

梓「知ってるって……、そ、そうだ!! 唯先輩は…唯先輩は……!」

唯「ふぁわ……ふぁわ……。
  たぁぁぁぁぁいふぅーーーーーーーッ!!!」ブォォォォォッォオオ!


ビュビュビュビュドビューッーーー!!


梓「す、すごい! さすがです、さすがですよセンパイ!
  そうですよ、唯先輩はヴォーカルだったんですよ!」

律「あぁ、そうだ! 肺活量は元から折り紙つきだったんだよ!」

唯「ふぁわふぁわ、たぁぁぁぁぁいふぅーーーーーッ!!」ヴィォォォォォッヴィォオオ!


ビュビビチャビチャ……


梓「…………ん?」



梓「だ、ダメです! 先輩、ストップゥ! ストップですよっ!!」

唯「ばびばぼお、ばぶにゃん! でぼ、ばば、ぶんぼーぶぶぅぶぼぅぃば!!
  (ありがとう、あずにゃん! でも、まだ、アンコールは早いよ!)」

梓「なに言ってるか、分かりません……よっ!!」ブン

スパコーン!!

唯「はふぅん! ……ちょっと、あずにゃんイキナリ何するの」

梓「それはこっちのセリフですよ!
  ほら、唯先輩が加減しないから、唾液も一緒に飛んで、少し濡れてるじゃないですか!」

律「あーあ…、唯の肺活量がアダになったな。諸刃の剣だぜ」

唯「ふっふんふん。慌てるのはまだ早いよ二人とも」

梓「なんですか? 言い訳なら後で聞きますよ。とりあえず拭き取らないと…」

唯「そんなことしたら、タオルの繊維がまた詰まっちゃって海の藻屑だよ!」

梓「だって仕方ないじゃないですかぁ。唯先輩が加減しないから…」

唯「ふふっ。まぁいいから見ていなよ、あずにゃんくん」

梓「な、何なんですか。その妙な余裕は?」

唯「この、唾液の付いたカセットを……。えいしゃおらぁーー!!」ガチャコーン!!

梓「ちょちょちょ、ちょっとぉ!! なんてことを、唯先輩のおたんこなす!!」

律「待て梓、唯は意味も無い行動をするヤツじゃない…、コレには何か…!」

唯「放課後テーィタイム……、スイッチ、オォォォオォンッ!!」バチンッ

梓「で、電源を入れたぁぁ!!?」


ブォォォォッォン……ッパ!


律「こ、……これは……コイツの画面は! まさかコイツが…」

梓「そ、そうですよ…。この画面、忘れもしません…。コレが…このヒゲおじさんが…」

唯「スーパー…マリオ…。
  ついに、ついに私達はたどり着いたんだよ。ファミコンという名の桃源郷に…」

梓「わ…、私忘れません…。今日という日を絶対に忘れま…せん……」

律「な、何泣いてんだよぉ、梓…。私達なら…とうぜん…だろ…」

唯「律っちゃんだって…、泣いてるじゃ…ない。…ふふっ…」

梓「そ、そうだ胴上げしましょう! 唯先輩ほら!」サッ

唯「え、私が? 恥ずかしいよぅ…」

律「何を言ってるんだよ、お前にはその資格があるんだからさ…」サッ

唯「り、律っちゃん……」

梓「おめでとうですっ! おめでとうですっ!」グイッグイッ!!

律「やったな唯! お前はやっぱりスゲェヤツだよ!!」グイッグイッ!

唯「あ、ありがとう皆!! ありがとぅ…み!」ズルッ


ガラガラガラ…ドッシャーーーン!!


梓「………………あ」

律「………………え?」

唯「いだたたたたたたぁ…、もー二人とも、しっかり胴上げしよぉ。

梓「………………」

律「………………」

唯「…ん?どしたの二人とも。幽体離脱した後のような顔をして」

律「………あれ。唯、あれ……」サッ

くぁwせdrftgyふじこlp

唯「……が、画面が。……また、スーパーカラフルワールドになってるよ」



梓「ちょっと唯先輩! どうしてくれるんですか、私達の桃源郷を!」

唯「わ、わたしのせいじゃないよぉ!? 二人が胴上げ失敗するからぁ…」

律「待て待て、終わっちまったもんはしょうがないだろ。これは事故だったんだ」

梓「そんなこと言っても…。いつになったらファミコンが出来るんですか!」

律「それより、唯。お前はなんで画面が映る様に出来たんだ?」

唯「うん。それはね唾液の効果なんだよ」

梓「だ、唾液!? どういう事なんですか、そんなの汚いだけじゃないですか!」

唯「正確には、水分を接続部に付けて電気の通りを良くしてるんだよ」

律「ほー、なるほどなぁ。でもなんで唯がそんな事知ってるんだよ」

唯「さっき走り込みしてた時にいちごちゃんに聞いたんだぁ」

律「いちごか…、
  あいつもファミコン持ってるんだな。こいつはぁ絶対に負けられないぜ」

梓「もうこうなったらナリフリ構ってられないです!
  ちょっとカセット貸してください!」バッ

唯「ちょっと、あずにゃん、一体なにをするの!?」

梓「水分で電気の通りが良くなるっていうんだったら、こうすれば良いんですよ!」ペロペロ

唯「な! 直接カセットの端子をペロペロするだなんて!?」

律「これなら、肺活量の劣る梓でも水分を散らす事が出来る…。考えたな梓」

梓「あはひまえへふ、やふほひはやふんほほへふ!」ペロペロ

唯「た…頼もしいよあずにゃん! これなら、私達が卒業しても安泰だね!」

梓「よっしゃー、出来ましたよ!!
  えいしゃおらぁーーですぅッ!!!!」ガッチャコーーン!!



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