斎藤「お嬢様、平沢様をお連れしました」トントン

紬「入って」

斎藤「ハッ!」

斎藤「では、私はこれで……」

紬「唯ちゃんいらっしゃい」

唯「ムギちゃん……かつらつけてないんだ」

紬「つけたほうがいい?」

唯「つけなくていいよ」

唯「ねぇ、ムギちゃんが禿げたのって私のせいなんでしょ?」

紬「ううん。私のせい」

唯「でも私がムギちゃんの眉毛を欲しがったせいなんでしょ?」

紬「だけど断ることはできたから。断らなかった私が悪いの」

唯「でもね、ムギちゃん。私は責任感じちゃったんだ」

紬「え?」

唯「ムギちゃんをつるっぱげにしちゃって、後悔してるんだ……」

唯「だから私に責任をとらせて欲しいの」

紬「唯ちゃんが気にすることないのに」

唯「ひょっとしたら責任とか後悔とか関係ないかもしれないんだ…」

唯「つるっぱげのムギちゃんを見てたら、私がどうにかしてあげたいと思ったんだ」

紬「唯ちゃん……」

紬「でも責任なんて……私、そんなに困ってないし」

唯「ううん。絶対困るよ。つるっぱげじゃ彼氏も出来ないし結婚もできない」

唯「私色々考えたんだ。どうすればムギちゃんのためになれるんだろうって……」

唯「どうしたら、少しでもムギちゃんの苦労を減らしてあげるんだろうって……」

唯「そしてひとつの答えにたどり着いたんだ」

紬「唯ちゃん…‥」



唯「私がムギちゃんと結婚してあげる」



紬「………………え?」

唯「ムギちゃんって女の子どうしてでも大丈夫だよね」

唯「いつも女の子同士でいちゃついてるところ見てニコニコしてるし」

唯「自分で言うのもなんだけど、ムギちゃん私のこと大好きだと思うから」

唯「もしよかったら、責任とらせて欲しいなって」

唯「あ、もちろん……ムギちゃんが嫌なら……」

紬「い、嫌なんかじゃないわ…でも……」

唯「でも?」

紬「………………また生えてくるの」

唯「へ?」

紬「髪の毛だからほうっておけばまた生えてくるの」

紬「毛根がやられてるわけじゃないから」

唯「」


唯「……」

紬「……」

唯「……」

紬「……」

唯「……」

紬「……」

唯「……あは」

紬「……ふふ」

唯「あははははははは」

紬「ふふふふふふふふ」


唯「一世の一代のプロポーズだったのに……」

紬「ね」

紬「でも嬉しかったな。唯ちゃんのプロポーズ」

紬「私のことを唯ちゃんが真剣に考えてくれてるんだってわかって」

唯「そうなんだ」

紬「うん。いっそ毛根ごとやられてれば良かったのにね」

唯「ねぇムギちゃん、私のこと好き?」

紬「大好き!」

唯「私もムギちゃんのこと大好き」

唯「前から大好きだけど今回の事件でもっと好きになっちゃった」

紬「じゃあ付き合っちゃおうか」

唯「うん。付き合っちゃおう」

紬「え、いいの?」

唯「うん。いいの」

紬「………」グス

唯「ム…ムギちゃん?」

紬「…な…泣いちゃってごめんね。とっても嬉しくって」グス

唯「ムギちゃん……」

紬「唯ちゃんと付き合えるなんて思ってなかったから」グスグス

唯「ムギちゃんはずっと私のことが好きだったんだね」

紬「うん」

唯「今まで気づいてあげられなくてごめんね」

唯「そのかわりこれからはたっぷり愛してあげるから」

紬「唯ちゃん///」

唯「ムギちゃん、ムギュッ」ギュッ

紬「もう、唯ちゃんったら」

唯「うーんつるつるだねぇ……」

紬「あ、頭に頬ずりだなんて」

唯「それにしても見事なまでのつるつる。ちょっとぐらいザラザラしてるのかと思ったけど」

紬「昨日唯ちゃんに沢庵をあげたばかりだから」

紬「普段皮膚の中に隠れてる根っこの部分まで眉毛にまわっちゃったみたいなの」

唯「それでこのつるつるなんだー」

紬「髪の毛が生えてきたら無理になるから、今のうちに楽しんでおいて」

唯「嫌じゃないの?」

紬「唯ちゃんなら」

唯「もう、ムギちゃん……。うーん。しばらくこの頭を堪能させてもらうことにするよー」


>数時間後
紬「ねぇ唯ちゃん、そろそろいい時間だけど」

唯「あ、ほんとだ。憂に心配かけちゃうよ……って、あ!」

紬「…? どうしたの?」

唯「憂は純ちゃんの家に泊りに行くって言ってたんだった……」

紬「ひょっとして家に帰っても誰もいないの?」

唯「うん」

紬「ねぇ、良かったら今日は家に泊まらない?」

唯「いいの?」

紬「もちろん! それに、家族みんなに将来のお嫁さんを紹介しなくちゃならないし」

唯「もうムギちゃんったら」


>夕食後
唯「ふぅ…お腹いっぱい」

紬「うふふ。美味しかった?」

唯「うん。それにしても本当に『結婚を前提に付き合ってる』って紹介されるとは思わなかったよー」

紬「嫌だった?」

唯「ううん。でも菫ちゃんには警戒されちゃったかも」

唯「『お姉ちゃんを不幸にしたら許しません』だって」

紬「かわいいでしょ」

唯「うん。ちょっと憂に似てるかもしれない」

紬「憂ちゃんにか……うーん。それはどうだろう」

斎藤「お嬢様お風呂の準備ができました」トントン

紬「わかったわ」

唯「ムギちゃん一緒に入る?」

紬「うーん、それは……」

唯「いや?」

紬「今は下の毛も生えてないから……」

唯「バイパンムギちゃんっ!?」

紬「大声で言わないで……」

唯「そっかーそっかー。じゃあ、尚更一緒にお風呂に入らないとね」

紬「もう唯ちゃんったら///」

唯「いつの間にかムギちゃんの陰毛まで食べてたんだね。私、とんだ変態さんだよー」

紬「それを言うなら私のほうよ。唯ちゃんに自分の陰毛を食べさせてただなんて」

唯「私達ふたりとも変態さんだね」

紬「うふふふ。そうね」


>お風呂
唯「うーん」ジーッ

紬「唯ちゃん? 私の眉毛をじーっとみてどうしたの」

唯「うん。色々あったけど眉毛のおかげで唯ちゃんと付き合えてよかったなって」

紬「それは私の台詞かな」

唯「でも唯ちゃんの眉毛もう食べれないのはちょっとさみしいな……」

紬「そんなことないわ」

唯「え?」

紬「ちゃんと髪の毛が生え揃ったら、また食べさせてあげるから」

紬「週に1回ぐらいのペースなら髪の毛に影響もないし」

唯「うん。じゃあ楽しみに待ってるよ」

唯「でも、それまで学校はどうするの?」

紬「うーん。カツラは面倒だからいいかなって。結構蒸れちゃうし」

紬「唯ちゃんは恋人がつるっぱげじゃ嫌?」

唯「ううん。つるっぱげのムギちゃんもかわいいし」

紬「そう? お世辞でも嬉しいわ」

唯「お世辞じゃないよ。本当にかわいいもん」

紬「じゃあ証明してくれる?」

唯「うん」



チュッ



おしまいっ!