「ムギ~。放課後、文化祭の練習するっていっただろ?」
「律ちゃん。ごめんなさい。私、今日は外せない用事があって……。
あ、これ、夏休み中にヨーロッパ行ってた時のお土産。」
「よし。許可する。」
「律~。あたしも今日は用事があるって言っておいたはずだけど?」
「なら何かお菓子をよこせ澪!」
「調子に乗るな!」
「うふふ……律ちゃん、澪ちゃんったら……。ホント、仲がいいのね。」
「ムギちゃん。この写真の子、誰?」
「なんだ~?唯隊員、何を見ているんだ~?」
「ああ。ムギがヨーロッパに旅行に行ってた時の写真だろ?そう言えば、最後のイタリア?この写真だけ、女の子が写ってたな。」
「どれどれ?うわっ、梓にそっくり!唯隊員。命名はミニ梓で?」
「いやいや、ポケット梓ですよ。律っちゃん隊員。」
「この子は………私の………大切なお嫁さんなの。」
「「「………え?」」」
「………ほわ~ん」
「……ム…ムギちゃん?律ちゃん隊員。ムギちゃんの様子が……」
「色々あったんだ。唯隊員。戦帰りの兵士の心の傷はそっとしておいてやるもんだ。な?澪大佐。」
「ムギの……お嫁さん……?……あ、ひょっとして、おママごとの事か。」
「もう………アニスさんには………二度と会えないけど………私………。ううん。大丈夫。私、もうあの頃の私じゃないから……。
でも、ごめんね。約束、果たせなくて………」
ムギちゃん………
約束、果たせなくててごめんね……
本当に…………
最終更新:2012年05月11日 19:45