何?

そんなにショックだったの?


「お嬢様……どうされましたか?」


「……アニスちゃん……ごめんなさい……ごめんなさい……」


「何を謝ってるんですか?あたし、何も怒ってませんよ?」


「私がいけなかったんです!!アニスさんの気持ちを考えずに……一人で勝手にはしゃいで……あげくにはアニスさんを追い詰めるような事を……。だから、アニスさんはあんな事を……」


「お嬢様は何も悪い事なんてしてませんよ。アニスは何一つ、不快な気持ちにはならなかったです。」


「アニスさんを何回も酷い目に合わせておいて、結婚なんか出来るわけないですよね……。私……アニスさんが好き……だから……たまに自分を押さえられなくなるんです。
今だって、アニスさんのその姿を見て、何を考えてしまったか……」

「……お嬢様?ひょっとしてまた何か我慢しているのですか?」


「いえ!そんな……」


「なら……またあたしが発散させてあげます……」


「いや!だめなんです!私はアニスさんの事が好きで、アニスさんを玩具なんかにしたいんじゃないんです!!そんな事で、満足したいんじゃないんです!!」


「……どうして我慢するんですか?昨日の夜やさっきみたいに……あたしを弄んでくださいよ……」


「……やっぱり起きてたんですね……。昨日の夜……」


…………え?
起きてた?
それって……


「だから……さっき……あんな事……。ごめんなさい……私は最低です……アニスさんが寝ているのをいい事に……あんな事をして……」


………何を言ってるの?

お嬢様……?


「私……初めてあなたと会って……お風呂に入って……隣で寝ていて……あなたの寝顔を見て……自分を止められなかった……」


「………お嬢様……?」


「違うんです!アニスさんを……玩具なんかと思ってなんかいませんでした!!大好きだから……だから……アニスさんの全てを知りたくて……そしたら………アニスさんの身体があまりにも綺麗だったから……」


………寝ているあたしに……何かしたんだ……

やっぱり…


「かわいかった!アニスさんの唇から手や足の指先まで……。舐めたかった…。それでも……アニスさんの全身に私の舌をはい回らせたぐらいじゃ……満足できなかった………」



「………やめてください……」


「だから……そんなあたしの気持ちを受け止めて欲しくて…………あたしの女の子の部分とアニスさんの女の子の部分………合わせたら、アニスさんを支配できるんじゃないかって……」



………そっか

寝ている間に、あたしはお嬢様と一つになってたんだ………


「でも……あわせて……動かしてて……気持ち良くなって……そしたらいつの間にかしたくなってて………そのまま……アニスさんのなかに出しちゃった……。」



「………出した……?」



あ……さっきみたいに?


……そっか……


あたしは既にお嬢様の汚れ物を受け止める器にされてたんだ……


「……おかしいですよね?好きな人にする事じゃないですよね?私は最低ですよね?
そしてアニスさんが何も知らないと勘違いして“結婚しましょう”だなんて、卑怯にも程がありますよね……」



あたしは……自分の体が本当に嫌になってきた…

あれ?

あたしの体ってなんなの?

お嬢様に汚されて、自分からも汚れて


こんな体………



「………そうですか。お嬢様はまたアニスと一緒に寝たいんですね?」


「違う!!私は…」


「違わないですよ。あたしの体が欲しいんですよね?支配したいんですよね?食べたいんですよね?いいですよ。どうぞ、好きなようにしてください!」


「もうやめて!!そんなの……アニスさんじゃない!!」


「ああ……そうですね。お嬢様は何も知らずにすやすや寝ているアニスがいいんですよね。それとも痛い思いして弱っているアニスですか?熱いチョコをかけられて悲鳴をあげるアニスですか?」


「違う違う違う!!違うの!!私は!私は……」



「………ムギちゃん……?」


「………え?」



「あたし……ムギちゃんのお嫁さんになりたかった………。毎日、御飯を作って、お買い物に一緒に行って………ムギちゃんの為にあたしのやれる事を全てしてあげたかった……」


「……本当にごめんなさい……アニスさん……」


「ムギちゃん。今日も一緒に寝ない?アニス、一人じゃ寂しいですぅ~……」


「それは……だめなんです……私……」


ガチャッ

「アニスさん!?」

あたしはお嬢様の腕に捕まった

「寝よ?ムギちゃん。」

「………嫌……だめ……」


お嬢様の腕を引っ張った

お嬢様は大して抵抗する事もなく、あたしに引っ張られていった

ドサッ

そのままベットに乗り、お嬢様も引きずりこんだ


「えへへ~。ムギちゃん♪」

お嬢様の体に抱きつく

お嬢様は体を縮ませて、若干震えていた…


「ごめんなさい……アニスさん……ごめんなさい……」


お嬢様は口を震わせながら同じ言葉を連呼している…


「……どうして謝るんですか?」

「…ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」


お嬢様があたしの声に反応しない

狂ったようにまだ連呼している……


「………逃げないでください……ムギちゃん……」


「……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」


「ムギちゃん!あたしを見て!アニスちゃんを見てよ!!お願い……本当のあたしを見てよ……」

あたしはお嬢様の体にまたがり、お嬢様の顔を掴んで自分の方に向かせた


「ほら!あたしだよ!かわいくて、ムギちゃんの事が大好きなアニスだよ!見てよ!アニスを見て!!」

「……アニスさん…?」

「アニスはムギちゃんが大大大大好き!!!お嬢様だとか関係ない!何をされたとかでもない!!もう、ムギちゃんが大好きなの!!」


「……え…………?」


「アニスの体がムギちゃんに汚されて………でもいいの!あたし、ムギちゃんが好きだから!!」


「…………嘘………」


「嘘なんかじゃない!!大好き!!大好き!!大好きだから………」


あたし……また泣いてる………
涙が顔を伝い落ちて、お嬢様の顔に掛かってる……


「ねぇ!ムギちゃんはどうしたいの………?」

「……私は……アニスさんと……」

「本当の事を言ってよ!………考えてる事……正直に言ってよ………」


「…………かわいい……」


お嬢様は右手で、ゆっくりあたしの頬をなでた

その指を自分の口までもっていって、舌で舐める…


「……しょっぱい……アニスさんの涙の味……」

「……ムギちゃん……」


「……私……本当にアニスさんが好き……でも……あんな事やっちゃった……我慢できなくて………。せめて、アニスさんさえしらなければ、それでいいと思ってた……。それで、私達が幸せになれるから………」


「…………幸せ?」


「やり直したい……。あんな事した私を、なかった事にできないかな?私、今度はちゃんとアニスさんの事を……お嫁さんにできると思うの。私、絶対にしてみせる。」


お嬢様の目………

さっきまでと違う

言葉にも力がある




「なかったことに?
無理だよ。あたしの体は、もうムギちゃん色に染まってるんだよ?今更、そんなことできないよ。あたしじゃ、今のあたしじゃダメなの?」


お嬢様の手を握り、自分の胸に押しあてた


「今のあたしじゃダメなの!?もぉ、ムギちゃんとは居られないの……?」


「……アニスさん……」


お嬢様はあたしの胸にある手にそのまま力を入れて、あたしの体を押し倒した


「ムギちゃん……」

「そんな事……ないの。私は今のアニスさんが……好きだから……」



仰向けのあたしの上になって、今度はお嬢様が顔を近づけてくる…


「私が許せないのは自分なの。今の自分。いえ……さっきまでの……自分。」


そう言って、お嬢様の右手がゆっきりあたしの下の方にいった……


「ひぅ……ひゃぁ……」

お嬢様の手が……あたしの大事なところにあたってる………


「ごめんね……私ので、こんなに汚しちゃって……」


「んぁあ……ひゃ………ムギちゃんの……なら……あたしは……あっ……」


「ううん。だめ。私は……あんな自分が許せない……。アニスさんにあんな事する自分が……」


「……え?……い、いや!お嬢様、ダメ!やめて!」


お嬢様は顔をあたしの下半身までもっていって、あそこを………


「……綺麗にしなくちゃね?私が汚したんだから……」


「ダメだよぉ……やめて……」


「…………ん……ん……」


「うぁっ!?……あっ……だめぇ……」


お嬢様の……舌が………

入ってきて……動いて………

ダメ………

なんか……頭が……


「ムギちゃん……ひぅ……やぁん………ぅう……」


無言で舐め続ける………

舐められ続ける………


ダメ…………



頭が………真っ白に……


「………うぅ………」


全身の力が入らなくなり、あたしの体はぐったりした……


「……アニスさん……。私は……これで変われるなんて思いません。」

お嬢様は起き上がって、また強い口調で言い始めた……


「私、これからも変わっていきます。だから……そんな私を、近くで見ていてくれませんか?」

「………ふぇ……?」


「……結婚は……その後からでも遅くはないと思うんです。だから、私の傍で、私の一番近くに居てください!!これからも……」




嬉しい……

なんか嬉しい……


あたし………

こんな気持ち………

言葉に表現できない………


「……アニスさん……また泣いてる……」


分かってるよ……

うん
口よりも目が先にあたしの気持ちを表現した………


………この気持ち……

あたしはお嬢様の顔に近づいて、その唇に触れることで表現した……


「うん。あたし……ずっといるよ………ムギちゃんの傍に…………いる!そして、待ってる!ムギちゃんがあたしの事を、お嫁さんにしてくれる日を!」



めいいっぱいの力で、最高の笑顔を作った


……………


お嬢様はあたしの横で……幸せそうに寝てる……


疲れちゃったのかな?


あの後……お嬢様がやりたいんなら、別にアニスは何をされても良かった


でも、お嬢様はただあたしの体を力を込めて抱いて……


必死で、あたしに対する気持ちを泣きながら叫んで………




嬉しかったな………


お嬢様が……あたしの事をどう思ってるか聞けて……

どんなにあたしの事が好きなのかが聞けて……


ただ、自分があたしのなかに出してしまったからって、アニスも自分のなかに出して欲しい………ってのはちょっとな……

強情に言うから……
するって約束……しちゃったけど……




でも、変わるあたしを見てて欲しいか……



こんな言葉………


確かティアがルークに言われた言葉も………





そっか


ティアもこんな気持ちだったんだろうな……


ま、あのお坊っちゃまにここまで大胆に力強く言われたかはどうかは知らないけど………




「お嬢様………ムギちゃん………あたし……絶対に、ムギちゃんのお嫁さんになるんだからね。絶対に……」


すやすや眠る横顔に向かって決意を投げ掛ける……


絶対に………









「おやおや、御堅い決意のようで…………」



………げっ……

今の声………


背中の……鳥肌が………


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