ピチャッ

「うわっ!?」

胸にかけられた……

べっとりと垂れて……
ゆっくりと肌を伝っていく……


「うう……ベトベトになっちゃう……」

「うゎ~……アニスちゃんの胸、美味しそ~……」

「………うう……。なんか、料理というより弄ばれてる感が………」

「このメイプルシロップは美味しいですよ?……食べてみます?」


「…え…………もがっ!?」

いきなり口の中にシロップを入れられた……

多い!!

飲み切れるわけ……


「…ぐっ………んん!?」

お嬢様がキスしてきた…

正確にはあたしの口に口を付けて、中のシロップをいくらか吸出した


「………ん……甘いですね~。」

「はぁ……はぁ……そう…ですね………」

「それに、アニスちゃんの味も、効いていた様な気がします。」

「はぁ………あ、あはは。そうですか…。それはよかったです……」



シロップの甘さのせい?

頭が……思考が鈍ってきた……


「では、次はこれを……」

「…へ?……ジャム?」


「はい。この前の観光でのお土産に買っておいたものです。」

……なんか、高そうな入れ物に入ってる……
……高級なジャム?


「今度は……おへその辺りに………」


「え?……いや……やめて………!」



……なんか嫌だ……

気持ち悪いというか、気分が悪い………

あたしの体がホントにただ弄ばれているようで……


「次はアイスをのせますから、動かないようにしてください………」


「え!?アイス!?」


「はい!ちょっと冷たいですけど…………いきますよ~………」


ピトッ

「ひゃぁあ!!………冷たい………あう……」


胸が……冷たい……嫌……


………もう………嫌……


……あたし…………


「じゃあ、次は生チョコを………。さっき溶かしておいたんです。ちょっと熱いですが………では…」


ビチャッ

「ぎゃっ!?熱い!!」


「え!?あ……ごめんなさい!でも、冷えたら流動しなくなってしまうので………」


「…………嫌……だ………ムギちゃん………これ……なんか変だよ………。あたしばっか、嫌な目にあってる………」


「………………。そうですよね…………」


ガシッ!


「……え……?」


お嬢様は着けていたエプロンを剥ぎ取って、テーブルに乗った

そして、あたしの上にまたがった……


「………ムギ……ちゃん……?」


「………大丈夫です………んん!!……」

お嬢様は、生チョコの入った鍋に手を突っ込んだ

「……ふ~…………ん!」

そしてその手に生チョコを自分の胸やお腹に塗りたくった……


「…あ……つ……。で、ではアニスちゃん………塗りますよ……」


「え!?あ……熱っ!!」



お嬢様が一気にあたしの体に抱き付いてきた

そして、胸やお腹をすり付けてくる……

お嬢様の体に付いていた生チョコが、あたしの体にもへばりついていった



熱い……


「ん!……はぁ……はぁ……アニスちゃん……平気ですか………」

「……あっ……ム、ムギちゃんこそ…………」

あたしの体に付いてたシロップやらジャムやらも混じって、ねちゃねちゃいってる………

そして、その混ざったものはお嬢様の体にも大量に付着していく……




ドサッ

「はぁ……はぁ……」

疲れたのか
お嬢様はあたしの体に密着したまますり付ける動きを止めた

あたしとお嬢様の体の間には、べっちょりとした………もうわけわかんないものが、隙間から垂れてきている


「……はぁ……結局、私も料理されちゃったみたい。ふふ……」

「……あは、あははは。なんか、もう………」


…………頭が働かない

ペロ……


「……え……あ……なにしてるん……ですか…?」


「ん……あ、甘い………」


あ……お腹…舐められてる

微かにくすぐったい……


「う……あ……やめ…て…」


「……おいしい……」

そしてそのままかぶりついてくる

「うぁっ!……やだ…なんかやだ……」

「おいしいんだもん……ごめんなさい……我慢できなくて………」



「……嫌……だ……食べないで………」


何を食べられてるの?

あたしの体についた調味料を食べてるのであって
あたし自身が食べられてるわけじゃないのに……


嫌………なんか食べられてる………

なんなの………



「……あ…あぅっ!………もぉ……やぁっ!」

胸の方にまで舌はやってきて………


やだ………
乳首……くすぐったいとかじゃない…………
………なんかくる…………

……胸の先端は……やめて……舐めないで………


「……ひぎぃっ!痛い!」

痛い!

噛まないで!

そんな弱いところ!

なんで先端ばっか攻めんのよ!


痛いっ!嫌っ!


「止めて!………痛いよぉ……本当に痛いんだよぉ……」


「はっ!?ごめんなさい!」


お嬢様は止めてくれた………

やっと……あたしの声が届いた………?

「……どうして……痛い事ばっかするんですかぁ……」


「アニスちゃんのここ……………小さくて……可愛くて……美味しそうだったから……」


「やだっ!!……本当に食べる気なの……?」


「………我慢はしているんだけど………分からない………私の中に………そんな欲望もあるから……」



………え………

もうあたし……命の危機なんじゃないの………



また………お嬢様が怖くなってきた………



「あ……あの………ホントに……食べないでください………」


あたし何言っちゃってだろ…………


お腹を空かした魔物相手に自分を食うな、なんて言ってもなんの意味もないし……


ホントなら……一発ぶちこんで逃げなきゃいけないのに………


なんで……こうも体がいうことをきかなくなるの?



「じゃあ…………次はミルクを………」


「え?牛乳ですか……?」


「ううん。アニスちゃんの……」

またお嬢様はあたしの胸に頭をよせた


「えっ……あ!」


胸に噛り付いてきた……

さっきとはまた違う感じ………
何かが吸い出される感じ……


「いやっ………やぁっ……何してるんですか………ミルクなんて……出ない…」

そう言いながら下を向くと、お嬢様の顔が見えた……


あたしの胸を吸うお嬢様…
かわいい…
赤ちゃんみたいな顔………というか、あたし自身が、授乳しているような感覚になってるのだろう……

なんか…嫌じゃなくなってきた………

気持ちいいとかじゃなくて………その顔を見ていると……癒される………


「……うっ……ちょっとだけ……です……よ……」


ベチャ…

「え!?あ……あの…ムギちゃん……?どうしちゃいましたか…?」


お嬢様があたしの胸に顔を埋めたまま……動かない


じっとしてる……ぴくりともしない………


「………あの……え………?」


まさか………これが腹上死!?


ヤバイ!
あたしが殺しちゃったの!?

いや、お嬢様にはきっと持病があって………



ガバッ!

「えっ!?……」


突然、お嬢様は顔を上げた…………
うっわ……顔がチョコやらジャムやらでぐちゃぐちゃ

「あの………ムギちゃん……?」


「……満足しましたわ…」

「へっ?」


「デザートのアニスちゃん。とっても美味しかったです!最高でした~♪」

「あ……そうですか…。」


とっても笑顔なお嬢様……

はぁ……

結局、さっき感じた恐怖らまたどっかに行っちゃった………


「……あの~……顔がぐちゃぐちゃですよ?あたしの胸なんかに顔を埋めたから……」

「あら……いやだわ。さすがにベトベトしますね…」

「………しょうがないですねぇ~……」

「え?……あ……」


ペロリ

あたしはお嬢様の顔まで近づき、お嬢様の頬に付いているチョコやらを舐めた……

「あ、アニスちゃん……くすぐったい……」

「ん……ん………さすがに、全部はなめきれませんし………。シャワーとかで流し切った方がいいですよ?」

「シャワー………そうですわね。お風呂にしましょうか。……アニスちゃんも一緒にどうですか?」

「え!?いや……その………」


もう疲れたから、部屋で休みたい………
でも、ベトベトの体には我慢できないし………


「…………お風呂に入るだけですよ……?」

「は~い♪じゃあ、早速行きましょ~。」


……隣で体にお湯をかけてるお嬢様……

やっぱり綺麗だ………

水もしたたるお嬢様……


「アニスちゃん。」

「はい?」

「私の事……好き?」

「えっ?……そりゃあ……まぁ……」


「“大好きですぅ~”……じゃなかったのですか?」

「うぅ………。……もちろん大好きですよぉ~。アニス~、お嬢様の事、世界で一番大大大好きですぅ~!」

「そぉ………それなら、私だって……アニスちゃんの事は大大大大好きですぅ~!」

「うっ!………真似しないでください………」


自分で言うのもなんだけど……ムカつく………

あたしが馬鹿な男だったら、嬉しいんだろうけど……


あれ?
………てことは、お嬢様も今までのあたしの態度に………ムカついてた……?


「………。」

「アニスちゃん?いきなり暗い顔して、どうしました?」

「あたし………。その……ごめんなさい……」

「え?あの~、何の事でしょうか?」

「………言えない。自分では……認めたくない。それが、悪い事だなんて……」


「あらあら~。……羨ましい限りですわ。」

「え?……何がですか?」

「私、自分が悪い事をしたと思うと、すぐに反省して……謝って……」

「………善いことなんじゃないですか?それって…」

「アニスちゃんみたく、悪い事は悪い、でもそれを悪いと認めない。……なんて事は私にはとても出来なくて…」

「それでいいんですよ?悪いのを認めないなんて、そんなのダメな人間です。」

「……そうですね。社会の上ではそれが要求される事で、むしろ当たり前な事なんです。………でも、そうやって社会を気にするあまり、善いことばかりをするあまり、自分の幸せを棒に振ってしまうとしたら?

それは……私にとっては悪い事になるんじゃ……」


「……。言ってる意味が分かりません。ムギちゃんはいい人じゃないですか?あたしを……路頭にただ一人でいたあたしを助けてくれましたし……今日だって……」

「私……お父様の言い付けを破ってしまいました。後悔はしていません。こんな楽しい出会いが出来たから……。でも、私は……このままじゃ、アニスちゃんも裏切ってしまう……。私が……自分を通せなかったら……」

「………どういう意味ですか?」


「アニスちゃん。…………………私と……結婚してください!」

「………え?あ…あの…」


「私と!結婚してください!」



「は、はい……。え?それって……」


「私、明日には日本に帰る準備をして、夜には飛行機に乗ります!
アニスちゃん……。2人でこの屋敷に居るのは今晩限りなの!たから……明日!お父様にアニスちゃんの事をお話します!そして、アニスちゃんが日本に来て私と住めるようにしてもらいます!
だからね、アニスちゃん。私は決めました。アニスちゃんと………あなたと結婚します!」


「………嘘………。だって……あたし達………」


「……遊びだったんですよね。お嫁さんごっこなんて……。私も、半端な覚悟でしてました。
最低です。妹になってください、お嫁さんになってくださいと言ってアニスちゃんを家に住まわせて………アニスちゃんの体や心を弄んで……。だから、私も責任を取ります!


「え……いや、別に!そういう事じゃないの!
だって、ムギちゃんはお嬢様だよ。簡単に、女のあたしと結婚できるわけないじゃん。」

「世間的にはそうです。でも……例え、お父様に反対されても………私は……」



これって大成功?

アニスちゃんの誘惑にお嬢様が負けて………

玉の輿………?


「……嘘……嘘だ。あたしが、お嬢様と結婚できる?そんなわけ………」

「法的に今すぐは無理です。でも、法なんて関係ないんです。私はアニスちゃんが大好きだから!お嫁さんにしたい!だから、一緒に日本に来てください!」


「………う……うう……。ダメだよ……。ムギちゃん……なんかおかしいよ。あたしと結婚なんかしたら、ムギちゃんはきっと不幸になるよ………」


「分かっています。お父様やお母様だけでなく、もしかしたらお友達や私を取り巻く人達のほとんどが反対するかもしれません! 私の家系を傷つけて、社会的な地位までなくなる可能性もあります。……でも、アニスちゃんと幸せになれる為なら、そんな物はいりません!」

「………。あたし、昔から大切な人達を騙してきた悪党で……。お金が好きで、ムギちゃんに近づいたのも財産が目的で………。
将来、もしムギちゃんがお嬢様じゃなくなったら……多分あたし……ムギちゃんを捨てる……」

「……なら、財産は無くならないように努力します!」

「そうじゃないよ!あたしはそんな最低の人間なの!わざわざ自分を犠牲にしてまで、自分の日常を捨ててまで一緒になる必要なんかないよ!!」

「アニスさん………。ひょっとして、私の事……嫌いなんですか?結婚したくないんですか?」


「…………アニスが好きなのはお金。お嬢様のお金は大好きだよ……。」


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