十二月三十一日 夕食
 おせち料理
  ・ヒレカツ
  ・チキンフライ
  ・エビフライ
  ・鮭切り身焼き
  ・ニシンの昆布巻き
  ・玉子焼き
  ・漬物
  ・鯛練り
  ・ようかん一本の1/2
 白米ピラフ
 春雨スープ
 年越しそば(つゆネギワサビ付きのもりそば)

信代「年越しそばはパジャマのまま食べると怒られるからね。布団もちゃんとたたんで」

姫子「私、ここに来て久し振りに年越しそば食べたなぁ」

信代「お正月は本当に食べ過ぎて、お腹の具合がおかしくなっちゃうよね」

一月一日 朝食
 麦飯
 雑煮(丸餅二個、豚肉、サヤエンドウ)
 身欠ニシン佃煮
 サケ缶
 ふりかけ二袋

信代「餅も食べでがあって美味しかったなぁ。おせち料理も食べて苦しいって思ってたら、
   すぐ昼になってね」

唯「いいなぁ……」ジュルリ

一月一日 昼食
 白米ご飯
 すき煮(牛肉、しらたき、豆腐、白菜)
 おふくろ煮(油揚げの中に肉野菜ひじき入り)
 茶碗蒸し
 奈良漬け
 パインジュース

和「『ああっ、銀シャリだ』って食べたら全然味が無くてね。麦飯の方が美味しかったわ」

信代「相当古い米使ってんでしょ。刑務所だもんね。うっはははははw」

一月一日 夕食
 白米ご飯
 アジフライ
 シューマイ
 うま煮(豚肉、タケノコ、ニンジン、ナルト)

姫子「食べて食べて、もう何も思い残す事は無い、って感じるよね」

一月二日 朝食
 白米ご飯
 味噌汁(ネギ、玉子)
 桜エビ佃煮
 こうなご佃煮
 サンマ缶

信代「桜エビとこうなごは甘くてねぇ。口の中の甘さが消えないうちにもうお昼になって、
   まぁた甘い袋菓子が出てさぁ」

一月二日 昼食
 白米牛丼
 栗きんとん
 なます(大根、ニンジン)
 袋菓子(ようかん)

一月二日 夕食
 麦飯
 あべかわ餅(丸餅二個、きな粉)
 オムレツ
 牛肉缶
 梅漬
 フルーツサラダ(パイン、黄桃、みかん、リンゴ)

信代「袋菓子は五日の就寝時までに食べないと怒られるよん」

姫子「もう身体中が甘くなってね。これ以上食べられないって思っても死ぬ気で食べるんだよね」

一月三日 朝食
 白米ご飯
 味噌汁(麩)
 マグロフレーク
 赤貝缶
 味付のり

一月三日 昼食
 中華丼
 ワカメ玉子スープ
 エビチリ
 イカ缶
 ヤクルトミルミルE

一月三日 夕食
 白米ご飯
 味噌汁(なめこ)
 トンカツ
 フルーツサラダ

信代「私なんか正月三が日で体重4kgも増えちゃった。うっはははははw」

澪「はうっ……!」

紬「た、体重……!」

唯「いいなぁ…… もうちょっとの辛抱だね。待ち遠しいなぁ」ウットリ

さわ子「終了ォ~~~!!」ピリリリリリリリ

和「さあ、行きましょうか」

信代「行くべ、行くべ。うはははw」

唯「姫子ちゃん、もうすぐお別れなんだね。さみしくなるよぅ」

姫子「ん……」

律「今度捕まりそうになったらさぁ、思いっきし走って逃げれば大丈夫だって」

姫子「もういいって」

澪「事故も起こさず、よく頑張ったな」

姫子「まあね……」

紬「元気で、悔いの無い、良い人生を。今度こそね」

姫子「……」

梓「唯先輩! 唯せんぱーい! 私の活躍、見てくれましたか!?」タッタッタッ

唯「あー、あずにゃん! ごめん、全然見てなかったー!」

梓「」

紬「あら、ごめんなさい。私も……」

律「つか梓、何かやってたのか?」

澪「わ、私はちゃんと見てたぞっ!? その、通してというか、全体的にというか、あの、ザッと
  というか」

梓「」

さわ子「整れェ~~~つ!!」

姫子「……」

姫子「怖い……」

姫子「出るのが、怖い……」



午前7時00分 214号室

今日は入浴と医務の日。
入浴がある日は刑務作業が早く終わるから、何だかウキウキしちゃうんだよね。
そのせいか、今日は朝食の時間からみんなの話も弾みます。

本日の朝食メニュー
 麦飯
 味噌汁(油揚げ、白菜)
 昆布の佃煮
 カブの漬物

律「中学生に学校中追いかけ回されてさ、講堂に逃げ込んで捕まったんだぜ? カッコ悪いよなぁ」

唯「え? 掃夫の純ちゃんが?」

律「そうだよ。学校荒らしなんかしてな」

梓「」ガツガツガシュガシュスハフスハフ

澪「和って胸大きいよな。冬用獄衣だと着やせしてわかりづらいけど」

紬「あら、澪ちゃんだって負けてないプロポーションじゃない」

澪「いや、そんな……」

唯「そうだよ、澪ちゃんはモデルさん並みのスタイルだもん」

梓「」ズゾッズゾゾバクバクグッチャグッチャ

律「この前も鈴木の奴、必死こいてガラス拭いちゃってさ。『先生! 私、こんなに一生懸命
  やってます!』って犬みたいに目ェうるうるさせちゃってな。ったく」

紬「知ってる? 中島さんの乳首ってすごく小さくて可愛いのよ。今日、お風呂だからよく
  見てみて」

唯「よ~し、今日忘れずに見てみよう。中島さんの乳首」

梓「ぷう。ごちそうさま」ゲフッ

澪「だから早すぎるって、梓……」

唯「ん~、なんか足の甲がかゆいなぁ…… わっ、赤くなって腫れてる」

律「今日、医務の日だから診てもらえよ。あの医官、ヤブっぽいけど」

唯「うん、そうするよ」



午前10時00分 木工場 刑務作業中

純「医務~、医務~、医務ありませんか~」

唯(あっ、きたきた)

週二回の医務の日は、掃夫が就業時間中に工場の全員へ聞いて回るのです。

唯「願います」

純「はい、平沢さん」

唯「足の腫れ物です」

しばらくすると、助手(受刑者)を連れて医官が巡回に来ます。

純「平沢さーん、若王子さーん、瀧さーん。こちらへー」

唯「134番、平沢唯です。足に腫れ物が出来ました」

医官「はい、見せる~」

唯「はいっ」ヒョイ

医官「はい、かかない~」

唯「ありがとうございました」ペコリ

純「平沢さん、塗り薬が処方されるようですから、後でお届けしますね」ニコッ

唯「ありがとう、純ちゃん(ホント感じのいい子だなぁ。なんでりっちゃんはあんなに嫌うんだろ)」

医官「はい、体温計見せる~」

いちご「はい」サッ

エリ「あっ、は、はい」ゴソゴソ サッ

医官「はい、君はまだ見せな~い」

エリ「す、すみません」

医官「はい、入浴禁止~」

いちご「ありがとうございました」ペコリ

医官「はい、体温計見せる~」

エリ「あっ、はいっ、あれ?」ゴソゴソ ゴソゴソ

医官「はい、遅い~」

エリ「す、すみません」サッ

医官「はい、健康~」

エリ「あ、ありがとうございました」ペコリ



午後3時25分 脱衣所

唯「おっ風呂、おっ風呂♪ フンフフーンフーンフーン♪」

入浴も週二回。それ以外の日はどうするのかというと、バケツのお湯で足を洗うのとタオルで
身体を拭くだけ。
だから石けんで身体が洗えて湯船に浸かれる入浴の日は、袋菓子の出る祝祭日と同じくらい
楽しみなのです。
ただし、お風呂場は狭いので受刑者は二班に分かれて、交代で入ります。それと入浴中は交談
禁止だから、ちょっと味気無いかな。

純「あ、平沢さん、お疲れ様」

唯「お疲れ様、純ちゃん。洗濯物集め?」

純「はい」

唯「大変だよね、掃夫さんのお仕事」

純「……あの窓ガラス、どう思います?」

唯「窓? ああっ、ガラスが入ってないみたいだね! すごい! アレって純ちゃんが磨いたんでしょ!?」

純「そう言ってくれるの平沢さんだけです。みんな、私の事を悪く言うんですよね」

唯「え? どうして? 純ちゃんは立派に掃夫さんのお仕事を務めてるじゃない」

純「そう、ですよね…… そうですよね! みんなの洗濯物をたたんで揃えたり、食器についた
  残飯集めたり、手を抜かずに窓ガラス拭いたり。ミスも無く、先生に注意もされず、みんなが
  嫌がる工場の雑用を一生懸命やってる……!」

唯「うんうん、立派に務めてるよ」

純「でも、陰でコソコソ言う人がいますから。……飯田さん、最近休憩時間は食堂に入って
  ませんよね」

唯「慶子ちゃん? そう言われてみれば、そうだね」

純「みんなから陰で『ティッシュちゃん』って呼ばれてるんですよ」

唯「ティッシュちゃん?」

純「こないだの入浴の時、アソコにティッシュの切れ端がくっついてるの見た人がいたんです」ヒソヒソ

唯「あ、アソコに?」ヒソヒソ

純「アソコに」ヒソヒソ

唯「はー、そんな事がねぇ……」

純「私、飯田さんのアソコにティッシュがくっついてた事、先生に報告しておいたんです」

唯「え!? そんな事までさわちゃん刑務官に言うの!?」

純「はい。何でも全部ご報告した方が先生にかわいがられますから」

唯「かわいがられる?」

純「かわいがられます。……あっ!」タタッ

唯「ほえ?」

純「先生! 洗濯物の片付け、終わりましたぁ!」ペコリ

さわ子「よし!」

唯(ああ、大人なんだなぁ。あんな風に孤独に頑張り続けるのは、私じゃ無理だよ……)ヌギヌギ

唯(私にはやっぱりみんながいなきゃ無理。りっちゃんや澪ちゃんやムギちゃんやあずにゃんや
  和ちゃんがいなきゃ……)ヌギヌギ

唯(たとえ刑期が延びても、たとえ刑務官に嫌われても、仲間がいたら……)

唯(でも、憂……)

唯(どうして……)

和「唯。何、素裸で突っ立ってんの?」

唯「うぇ!? あ、いや、これはその……」アセアセ

和「ほら、さっさと入るわよ。入浴時間は15分しかないんだから、手早く身体洗って、ゆっくり
  湯船に浸かりましょう」

唯「う、うん!」



第二話 終わり



4