紬「夏目さん・・・」

夏目「・・・あ」

紬「ありがとうございました」

夏目「いえ・・・。元はといえば・・・」

律「ほら、梓もお礼を言えよ」

梓「え、えっと・・・」モジモジ

多軌「?」

夏目「中野・・・悪かったな・・・」

梓「え・・・?」

夏目「おれが『居た』から不安にさせてしまったんだ」

紬「・・・」

梓「・・・」

夏目「・・・すまない」

秀輝「・・・まだいうか」

スパーン

夏目「いたっ!?」

多軌「・・・」

紬「夏目さんが『居てくれた』からよ」

梓「うん・・・。嫌なこと言ってごめんっ」ササッ

紬「あらら」

唯「むぎちゃんに隠れちゃって~」

梓「うぅ・・・」モジモジ

紬「うふふ」

多軌「ふふっ」

秀輝「・・・それで、呪いの方はどうなってんだよ」

夏目「・・・あぁ、ヒノエと先生に聞けば分かるけど・・・どこへ・・・?」

律「それがな、夏目が倒れてから居なくなったんだよ」

夏目「・・・え」

紬「私たちどのくらい寝てたの?」

梓「えっと・・・2時間くらいです・・・」

夏目「ちょっと探してくる」

多軌「私も行く」

夏目「多分、妖の姿になっているからおれだけで十分だよ」

タッタッタ

紬「走っても大丈夫なのかしら・・・」

梓「・・・」

唯「あずにゃん、どうして恥ずかしがってたの?」

梓「・・・色々と・・・ひどいことを言ってしまって・・・・・・合わせる顔が・・・」

多軌「・・・」

夏目「ここにいたのか、先生・・・」

斑「起きたか、夏目」

ヒノエ「ここで休んでいたのさ、力を取り戻す為にね」

夏目「・・・そうか」

斑「神の島と呼ばれるだけはある。力が漲ってくる」

ヒノエ「・・・」プフー

夏目「呪いは・・・どうなったんだ・・・?」

ヒノエ「・・・綺麗に取り去ったよ。あの娘はどうだい?」

夏目「・・・よかった。・・・ちょっと疲れている様子だけど、なんともないみたいだ」

斑「そうか・・・」

どろん

先生「それより、飯だ飯!」

ヒノエ「・・・」フゥ

夏目「行こう」

ヒノエ「夏目」

夏目「?」

ヒノエ「見たのかい?」

夏目「うん。・・・夢で見たよ」

夏目(あの妖と先生との間にある記憶)

先生「名取の小僧来ていたのか」

夏目「・・・あぁ、お好み焼きをご馳走してくれるんだって」

先生「遅すぎるわ!」プンスカ

ヒノエ『どこにいるんだい?』

夏目「名取さんは柊と一緒に帰ったよ。仕事だって」

先生「もう居ないのか、なにしにきたんだアイツは」

ヒノエ『・・・私も一緒に帰ればよかったかね』

先生「おまえと名取か、面白い組合わせだ」ニャフフ

夏目「・・・確かに」

秀輝「お、来たか・・・」

澪「そ、それで・・・」

唯「むぎちゃんは・・・?」

紬「・・・」

夏目「大丈夫です。綺麗に取り除くことができました」

梓「・・・よかったぁ」

多軌「・・・うん。よかったぁ・・・」

紬「ありがとう」

夏目「・・・!」

先生「・・・」

紬「先生さんも」

先生「私はアレの思い通りに事が進むのが嫌だっただけだ」フンッ

紬「あなたも・・・ですよね・・・」

夏目ヒノエ「『 え? 』」

先生「なぬ・・・」

梓「?」

ヒノエ『私が見えるのかい?』

紬「はい」ニコニコ

夏目「!」

先生「・・・」

律「大したもんだ、夏目!」バシバシッ

夏目「うっ・・・!」グラリ

澪「りつ!」

律「あ、わりぃわりぃ」アハハ

秀輝「名取さんって人が予約してある店に早く行こうぜ、閉まってしまう」

唯「それはいけないよ!」

律「行こう行こう!」

唯「レッツゴー!」

夏目「・・・」

先生「・・・」

ヒノエ『・・・』



―――――お好み焼き村


律「この店でいいのか?」

秀輝「名前はそうなんだけどな・・・。ちょっと聞いてくるよ」

唯「頼んだ!」

梓「・・・」

多軌「紬さんと夏目くんの足取りが重いです・・・。余程疲れているんでしょうね」

梓「・・・うん」

澪「梓、いいのか?」

梓「・・・う」

多軌「ほらほら、行ってきなさい」グイグイ

梓「お、押さないでタキ」

多軌「ふふっ」

梓「・・・ふぅ」

タッタッタ

唯「先に入っておこうか」

律「そうだな」

澪「・・・」




紬夏目「「 ・・・ふぅ 」」

先生「しゃきっとせんか」

紬「はい!」

夏目「・・・」

ヒノエ『やれやれ』

紬「ヒノエさんの衣装素敵ですね」

ヒノエ『そうかい。あまり妖に話かけんでないよ、喰われるよ」

紬「おぉー、あっちにも変なのがいるー!」

ヒノエ『聞いちゃいないね』

先生「順応性の高い娘だ」

夏目「・・・」

先生「そんなことより、お好み焼き広島風だ夏目!」ジタバタ

夏目「暴れるなよ先生!」

紬「うふふ」

梓「・・・な、夏目」

夏目「?」

梓「さ、さっきは・・・ごめん・・・なさい」

ヒノエ『・・・』

先生「嘘つき呼ばわりした件か」

夏目「せ、先生! って、寝てたのに聞いていたのか」

先生「伺っていたのだ。その時をな」

梓「・・・」

夏目「まぁ、その・・・気にしてないよ・・・」

梓「でも、顔が・・・青ざめてた・・・」

ヒノエ『元々こんな顔さ』

夏目「・・・」

紬「ヒノエさんが元々こんな顔だからって」

夏目「こ、琴吹さん・・・」

梓「そっか・・・」

紬「・・・ふふ」グラリ

梓「む、むぎ先輩!」

紬「だ、だいじょうぶ・・・よ~・・・」

梓「むぎ先輩も青ざめているじゃないですか!」


多軌「夏目くーん! ここのお店だって~!」


先生「先に行ってるぞ!」ピョン

テッテッテ

夏目「あ、こら!」

紬「うふふ~」フラフラ

梓「千鳥足ですよ!」

ヒノエ『・・・』

夏目「・・・はぁ」

「なぁ、のっぼる~」ギュウギュウ

昇「おいクー! くっつくなよ!」

クー「お好み焼きお好み焼きぃ~!」

昇「今日はもうだめだぞ、透も先に戻ってるんだから。俺達だけで食べられないだろ」

クー「そんな~・・・。・・・む?」

ヒノエ『・・・』

クー「・・・」

夏目「?」

昇「クー・・・?」

クー「なんでもない。それじゃあ明日絶対だぞぉ~?」

昇「はいはい・・・。あの人がどうかした?」

クー「気にするな~」ギュウギュウ

夏目「・・・?」

ヒノエ『分からないのか、夏目?』

夏目「え?」

ヒノエ『相当力が落ちているようだね。
    害はなさそうだが、取り憑いているわけでもなさそうだ』

夏目「ヒノエ・・・?」

ヒノエ『あの女と目が合っていたのは私なんだがね』

先生「にゃつめぇー」

夏目「先生、どうしたんだ・・・?」

先生「店員が中に入れてくれんのだ!」

夏目「ニャンコお断りだからだよ」

ヒノエ『レイコの姿になるのか! 嬉しいやら憎いやら! 微妙だねまったく!』

先生「おまえはここにいろ!」

どろん

レイコ「行くぞ!」

店員「いらっしゃいませー」

レイコ「・・・貴様」ジロ

店員「な、なんでしょう・・・」

夏目「なんでもないです!」

レイコ「・・・ふんっ」

夏目(あ・・・、乗客のみんなも来てたのか・・・)

店員「お二人様ですね、こちらへどうぞ~」

夏目(先生が混じると色々ややっこしいから・・・他に座るか)

レイコ「ネコが同伴でもいいだろ」

店員「も、申し訳ありません・・・飲食店なのでNGです・・・」

多軌「夏目くん、こっちよ」グイッ

夏目「タ、タキ・・・」



紬「・・・っ」フラリ

澪「むぎ、辛かったら私にもたれていいよ」

紬「ありがとー」

澪「・・・うん」

紬「・・・ふぅ~」

梓「澪先輩が疲れたらこっちにももたれていいですよ」

静花「どうなさいましたの?」

紬「ちょっと疲れちゃいまして・・・」

静花「・・・食べられますか?」

紬「はい。お腹は空いてますから」キラン

唯「むぎちゃんが疲れちゃうなんて余程のことなんだね~」

多軌「さ、座って」

夏目「・・・あぁ」

レイコ「で、なにがおいしいんだ?」

菜々子「結構有名な店だからね。って、あなたはどちら様で?」

夏目(菜々子さんと先生は面識がなかったのか・・・)

レイコ「私のことはどうでもいい。もうなんでもいいから注文だ」

唯「空腹には勝てないんだね。私もだよ」

レイコ「はやく店員を呼べ」

律「みんな決まったかー?」

秋子「はい~!」

風音「私も決まりました」

律「すいませーん!」

店員「はーい」

レイコ「・・・」

菜々子「どうしてイライラしてんのさ」

レイコ「昼から寝てばっかりで空腹なんだ」

菜々子「ふーん・・・。で、夏目の姉だよね?」

レイコ「コイツの先生だ」

菜々子「先生・・・?」

店員「ご注文をお伺いします」

律「えーっと・・・私はうどんで!」

澪「うどんをお願いします」

唯「うーん、両方食べてみたいんだよ」

多軌「それなら半分づつ分けませんか?」

唯「GOOD IDEA」

紬「発音いいのね~・・・」

澪「むぎは?」

紬「えーっと・・・」

秀輝「・・・」キョロキョロ

律「秀輝はどうすんだよ?」

秀輝「え、あ・・・なにがあるんだ?」

律「焼きそば風と、うどん風のお好み焼き。どっちだ?」

秀輝「そ、そばで」

静花「私もうどんですわ」

紬「それじゃ・・・私も~・・・」

梓「え!?」

紬「どうした・・・の?」

梓「焼きそば風お好み焼きなんですよ?」

紬「そうね~・・・」

梓「えぇと、焼きそばを食べたがっていたから・・・」

紬「お祭りに行くって・・・、唯ちゃんと約束したの・・・」

唯「したよね! 仙台で!」

梓「あ、そうですか。その時に食べるんですね」

紬「そういう事・・・」キラン

静花「・・・それがいいですわね」

菜々子「あんたたちは、うどんとそばどっちにする?」

風音「私はそばで」

秋子「私も~」

菜々子「梓は?」

梓「そばで・・・」

秀輝「北上さんはいないの・・・?」

風音「はい。列車へ戻ってしまいました」

秀輝「・・・ふーん」

律「・・・」ニヤリ

夏目「先生は?」

レイコ「無論、両方だ」

店員「以上でよろしいでしょうか?」

菜々子「はい」

店員「かしこまりました~」

紬「・・・澪ちゃん・・・もうちょっとお願いね~・・・」

澪「うん」

梓「ちょっ」

静花「・・・」

律「夏目は平気みたいだな」

夏目「・・・一応慣れていますから」

唯「壮絶なんだね・・・」

紬「あら、夏目さん・・・あの方は入ってこないのね」

夏目(ヒノエのことかな・・・)

澪「ん?」

夏目「はい。外で待っていると思います」

紬「そうなの・・・」

梓「?」

レイコ「あいつは人の子が嫌いだからな」

菜々子「人の子?」

律「あー! はやくこないかなぁー!」

唯「もうそろそろくるんじゃないかなぁー」

秋子「ど、どうしたんですかぁ~?」

律唯「「 お腹空いているんです! 」」

風音「息ピッタリですね」クスクス

多軌「ほんとに」クスクス

紬「うふ・・・ふ~・・・」

澪「む、むぎ・・・?」

紬「なぁに~?」

梓「だ、だいじょうぶですか?」

紬「だいじょうぶ! ・・・よ~・・・」

静花「あまり無理をしないように」

紬「はい~・・・」

菜々子「・・・」

夏目(騒がしいけど、落ち着く・・・そんな場所なんだな・・・)

レイコ「・・・」

菜々子「律、後で感想聞かせなよ」

律「姉御が作ったヤツとこの店の比較ですな?」

菜々子「うん。どう違うのか」

澪「できるのか、そんな事」

律「できる! 味覚はHTTの中じゃ随一だぜ!」

唯「立派だよりっちゃん、熱いよりっちゃん!」

律「と、思いたい!」

唯「失望した!」ビシッ

梓「なんですかそれは」

レイコ「遅いな」

夏目「まだそんなに経ってないぞ」

多軌「夏目くんは広島までどうだった?」

夏目「列車の旅が?」

多軌「そう・・・。列車の旅が」

夏目「・・・そうだな」

紬「・・・聞き耳を立てましょう」

秋子「そうですね~」

梓「・・・」

静花「普通に聞いても構わないでしょうに」

夏目「・・・楽しかったよ」

多軌「そっか・・・」

レイコ「・・・」


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