人間には翼や翼膜はついていない
しかし知恵がある
道具がある

事前に用意していたグライダーで軽やかに滑空していた
怪盗キッドが逃げるときに使うアレである

唯「茜ちゃん!お婆ちゃんが」

澪「チップも盗られちゃった」

茜「まったく・・・」ピッピッピッ


ppppppppppp


「こちらAH-64、現在上空800m待機中」

茜「茜です、和さんの推定通り一文字とみが逃走しました」

「OK、撃墜完了次第連絡する」

唯「いま和さんって言った?もしかして真鍋和ちゃん?」

茜「はいそうですよ」

唯「和ちゃーん私だよ」

和『必ず仕留めるから安心しなさい』

『あれ今の声お姉ちゃん?』

和『変わる?』

『お姉ちゃーん!』

唯「憂っどうして』

憂『お姉ちゃん!』

唯「憂ー!」

澪「なんで和と憂ちゃんが」

茜「私たち秘書同士ではこっそりチームを作っているんです」

澪「でも仕留めるって・・・」

茜「エスカレートしすぎた社長に歯止めをきかすのが私たち秘書の役目ですから」ニコッ


上空500m

キッド「へへっお宝ゲット今回も楽勝だったぜ」キーン

「そいつはどうかな」

キッド「!?誰だ」キーン

コナン「江戸川コナン、探偵さ」

キッド「おまっいつの間に!危ねえぞ降りろ」

コナン「バーローこんなことろで降りたら死んでしまうわバーロー」

キッド「ガキがっ!」

コナン「宝を返せバーロー!」

キッド「離せこの」ブンブン

コナン「バーローバーロー!!!」

とみ「どけゴミが!!!!」キイイイィィィイイイン

ドォンッ

コナン「蘭ああああああああああああん!!!!」

キッドは死んだ
頭脳が大人のコナンも空中では成す術が無く地面に激突して死んだ

キイイイイイイィィィィィイイイイイン

真横にきりもみ飛行をしながら
グライダーとは思えない機動力で
ビルの間をすり抜けるようにかい潜る

ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ
ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ
ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ
ガシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン

音すらも遅れてやってくるその滅茶苦茶なスピードは
衝撃波、ソニックブームを生み出し
通り過ぎるビルの窓ガラスをことごとく破壊した

音速を超えた神のスピード極超音速流マッハ5である


とみ「SYAHAHAHAHAHAHA!!!!!」

キイイイイイイィィィィィイイイイイン


一文字とみの撃墜を任された真鍋和と平沢憂

神の領域へと突入した鬼人を叩き落とすことは出来るのか

上空1000mにてAH-64アパッチ待機中

とみ遭遇まで残り2分


=上空1000m=


AH-64「バラララララララ」

そっと目を閉じる
羽が空気を切り、回転する音しか聞こえなかった

憂「和ちゃん開けるね」

和「ええ」

ガラッ

バララララアッラララッラ

寒いくらいの冷たい空気がヘリ内に立ち込める

憂「気持ちのいい風」

髪は結ってあるので邪魔にはならないと思ったが少しだけ前髪が
フワフワと視界に入る

憂「そろそろ切らないと」

和「何か言ったかしら」

憂「なんでもないよ」

口元へ曲がったつくしのようなものが付いているあのヘッドホンを装着した和ちゃんは
操縦しているので顔は向けずに私に言った

和「あと40秒ってところね」

和「憂、準備を」

憂「はい」

隣の席に座らせるように置いておいたソレを持ち上げる
ヘリ内は狭いからぶつけないように気をつけないと

憂「よいしょ」

担いでみる
肩に鉄の重量と冷たさがズシンとかかった

平沢憂は今年で21歳
しかし生まれたのが2月と早生まれなので実質22歳になる

少女といえる年ではないが背が低く、あどけない顔立ちはまだ大人になりきれてるとは言えない

それはあまりにも大きく重くそぐわない、
憂が構えるにはとても不釣合い過ぎた


携帯式対戦車擲弾発射器RPG-16である

ウィキ「旧型のRPG-7と比べると口径が増大したり射程距離、命中精度、初速、最高速度が向上されている
単純な上位互換だと思いがちかな?
実は砲身が前後で二分割にできたり、二脚の装備、グリップが二本からトリガー付きの一本になっていたりと
より使い勝手がよくなっているんだ!もうじゃじゃ馬とは言わせないんだから」


和「いい?飛んでる弾を弾で打ち落とすようなものよ」

和「人間業じゃないわ、それにチャンスは一回」

和「万が一失敗すれば地上にいる無関係な一般ピーポーを巻き込んでしまう可能性も」

和「・・・できる?」

憂「うーん・・・」

手を口元へ運びひとさし指でそっと唇に触れる憂
小首をかしげ右下へ目線を向ける(可愛い)

憂「やってみなくちゃ分からないよお」

和「さもありなん」ニィ


バララララララララララララララ

憂「・・・・」

和「あと10秒」

銃口を下へ向けランチャーを構える憂とアパッチを操縦しながら指示を出す和

二人にヒリヒリするような緊張感が走る

和「5、4、3、2・・・1・・・」


ボヒュンッ


和「見えたっ!憂!!」

憂「はいっ!」

飛んでくる物体へ一瞬のモーメントで標準を合わせ狙いを定める

今まさに引き金を引こうとした憂の指がその動作を止めた

とみ「」すーい

和憂「・・・」

和憂(遅い!)


マッハ5と聞いていたはずが、とみは風に吹かれて流される凧のような速さで現れた
そのあまりにも遅すぎるスピードに思わず拍子抜けしてしまった

和「おかしいわね聞いていたのと情報が全然違うわ」

とみ「」すーい

憂「でもこっちにとっては好都合だよ、あれなら簡単っ」

ガシャ

憂はランチャーを再度構えなおす

憂「ロックオン、標的はとみお婆ちゃん」

和(何故かしら・・フェイク?)

和は考える

和「待って憂、いくらなんでも変だわ誘ってるのかも」

憂「大丈夫大丈夫っ余裕のよっちゃん酢漬けイカだよ」


余程自信があるのか、あるいは緊張が解けて安心したのか
憂が珍しく図に乗っている

憂「いくよ」

とみ「」すーい

憂「ファイア!!!!!」ドオオォォン

銃口から勢いよく発射された砲弾は風の抵抗を受け弾道が少しずつずれていく

しかしその分も計算内だったので曲線を描きながらとみのもとへじわじわ接近する


憂「ブラスト≪爆裂≫!!!!!」


ウィキ「ちなみにロケットランチャーは発射するとき反動を軽減させるために
撃ったと同時に後ろから火が出るんだよ
使用者にかかる衝撃を相殺させることができるね
これをバックブラストといいます」


直撃するその瞬間、



とみ「二イィ」

和「っ!?」ゾクッ

身体に流れる血液が凍りつくようだった
背筋に悪寒が走る

とみとは何百メートルか距離があり、肉眼では表情なんで見分けられるはずがない


確かに感じた

和「笑った・・・?」

そして砲弾はとみを

バビュウウウウウウウウウン

貫いた



憂和「!?」



貫通したのである


狂いはなかった、しかし手ごたえがない

落ちていったのは砲弾だけで
とみは変わらず飛んでいる

とみをすり抜けた

憂「なん・・で・・・」

舞い上がっていた憂も目の前で起こるアンビリーバブルな出来事に酔いが冷める
今日の憂ちゃんは忙しい

和「・・やられたわ」

和は歯軋りする
先週詰めたばかりの銀歯が足元にカランッと落ちた

和「憂、この音・・・なんだか分かる?」

憂「音?・・・羽の回転音じゃないの?」

和「そこを逆手に取られたわ、集中してよく耳を澄ませて」


目を瞑り神経を研ぎ澄ます
心を落ち着け聴覚を働かせて

憂「・・・・」

バララララララララララ
バララララララララララ

      • ッ・・・・ブブッ・・
ブブッ・・ブブブブブッ・・・・・

ブブブブブブブブブブブブッ

憂「ハッ!」

憂はその何かを感知したのか
閉じていた目を開け、遠くのとみをじーっと凝視する

そして気づいた


とみは加減して穏やかな飛行をしていたのではない
他の動作で精一杯だったのだ

グライダーを左右に揺さぶりメトロノームのような一定の動きをつくる
徐々に間隔を広げ、速度を上げる


もっと早く、

もっと早く、

もっと早く、

早すぎて遅く見えるというもの

要するにあれは超高速の反復横とび
憂と和が見ていたのは残像に過ぎなかったのだ
その際に出る空気をきる音がブブブブッと鳴っていた

とみ「トミ・ゴースト!!!」ヒュヒュヒュヒュ

憂「・・・」


自分の腕にある程度の自信はあったが自負していたわけではない

外してしまった

安い罠にかかってしまった

恥ずかしくて悔しくて
顔に血が上り頬が紅潮していくのがわかる

平沢憂
痛恨のミス

和「憂、嘆くのはまだ早いわ」

憂「えっ」

和「着弾地点付近に鈴木純の存在を確認」ppppppppppp

憂「!」

想定外だった
吉報朗報
棚からぼた餅とはまさにこのことなのだろう
いや、友達をもち米に例えるのは無礼だ
ありがとう純ちゃん

和「まだ私たちのターンは終了してないわ」

憂「うん!」


=地上=

純「はぁー客こねえな糞が」

ピラッ

純「面白さタランかったら全額返金・・・ほんとかなあ」

『純ちゃん!』

純「えっ」

『純ちゃん!』

純「何これ脳に直接」

憂『私だよ憂だよっ』

純「憂?どうしたの」

憂『いまから純ちゃんにミサイルが直撃するよ』

純「私死ぬの?」

憂『悪の気がない人なら跳ね返せるんだよ』

純「無理だよっ私にそんな大仕事ができるはず」

憂『純ちゃん』

憂『ごめんね、でももう純ちゃんにすがるしか方法がないの』

純「・・・・」

憂『純ちゃんにしか出来ないの・・・』

純「・・・・」

憂『お願い・・・』

純「憂」

憂『っ!なあに』

純「あの時のこと覚えてる?」

憂『あのとき?』

純「下衆大の卒業試験」

憂『あ・・・』

純「無人島バトルロワイヤル6泊7日サバイバルツアー」


8