夏目「・・・」

レイコ「そこで待ってろ・・・」

スタスタ

夏目「また妖に変身するんだろうか」

緑「あやかし・・・?」

夏目「うわっ」

緑「どうしたの・・・?」

夏目「いえ・・・なんでも・・・」

緑「・・・・・・体の具合はどう・・・?」

夏目「平気です・・・よ・・・?」

緑「名古屋城で、あなたうなされていたわよ」

夏目「え・・・?」

緑「別に・・・。悪くないならいいの・・・じゃ」

スタスタ

夏目「・・・」

斑「どうした?」

夏目「名古屋城のベンチで寝ているときさ、おれ魘されていたのか?」

斑「変な夢でも見たんだろ、気にするな」

夏目「そうか・・・。というか、どうして妖の姿になったんだよ」

斑「ライオンがいるそうだな、美味と聞く」ジュルリ

夏目「絶対に食べるなよ!?」

夏目「陽が傾き始めたな・・・」

斑「そうだな」

夏目「・・・」

斑「夏目、おまえ行きたかったのか」

夏目「・・・うん」

斑「・・・」

どろん

先生「ならそう言えばいいだろう」

夏目「また、外で姿変えて・・・」

先生「私に遠慮していたのか?」

夏目「・・・いや」

先生「・・・」

夏目「おれも人ごみは苦手だから、遊園地にはいけないよ」

先生「スパーランドとやらは遊園地だったか」

夏目「そうだよ。有名なジェットコースターがあるんだ」

先生「なんだそれは」

夏目「先生と一緒に乗ればよかったな・・・。惜しいことをしたかも」

先生「・・・そうか」

サヤサヤ

夏目「ここはいい風が吹いて気持ちがいいな」

先生「・・・」

夏目「・・・」ナデナデ

先生「なんのマネだ」

夏目「秀輝に踏み込んでいってくれただろ」

先生「なんだそれは」

夏目「秀輝は寂しいんだと思う」ナデナデ

先生「それはアイツが悪いからではないか」

夏目「そうだけどさ、叱ってくれる人を待っていたんだよ。先生みたいにちゃんと言ってくれる人をさ」

先生「・・・」

夏目「・・・」

先生「アイツはまだ子供だ。おまえや去っていった娘の方がずっと大人なんだ」

夏目「そんなことないよ」

先生「あの娘はアイツを守りたいと思ったのではないか?」

夏目「そうか・・・。・・・すれ違ってしまったのか、二人は」

先生「恐らくな、アイツ自身揺れているからそれに気付かなかったのさ」

夏目「それは・・・、なんだか悲しいな」

先生「さぁな。出会いなんてそういうものだろう」

夏目「・・・」

先生「・・・む?」

秋子「あ~、貴志さんも来ていらしてたんですね~!」

夏目「え?」

秋子「自己紹介してなかったですね。私、加古川秋子っていいます!」

夏目「夏目貴志です・・・」

秋子「金沢から乗車したんですよ~!」

夏目「・・・」

先生「うるさいやつめ・・・」

秋子「あ・・・」

先生「なんだ! やるのか!?」ジロ

秋子「ぬいぐるみですか?」

夏目「まぁ・・・はい」

秋子「変な商品ですね~、売れるんでしょうか?」

先生「にゃんだとぉ!」

秋子「あれ、今動きましたよね」

夏目「そういうギミック・・・なんです・・・」

秋子「・・・」ジー

先生「・・・」シーン

夏目「加古川さんも動物が好きなんですか?」

秋子「秋子って呼んでください! そうですよ、可愛くって~」キャー

夏目「コアラが可愛かったです」

秋子「まだ見てなかったんですよ~! 行ってみますね! それでは~!」

テッテッテ

先生「・・・なんだあれは」

夏目「・・・山中さんが避けていた理由が分かった気がする」



―――――ヴェガ


夏目「もうこんな時間か・・・」

レイコ「きしめんも食べたし、もういいな。寝るぞ」

夏目「満足したのか、先生は・・・」

レイコ「・・・ふぁ」

澪「あ、夏目!」

夏目「あ・・・」

澪「今戻ってきたのか!?」

夏目「は、はい・・・」

夏目(元気すぎる・・・)

紬「澪ちゃんはアトラクションの興奮が冷めあらぬのです」

梓「しばらくすれば落ち着くので我慢してください」

澪「夏目はどこへ行ったんだ!?」

夏目「地下街と動植物園へ・・・」

澪「そっか!」

唯「うーむ・・・」ジー

夏目「?」

唯「貴志くん、『んっふっふっふ』って笑ってみてよ」

夏目「え?」

律「はぁ?」

唯「みらいちゃんの元マネージャーと貴志くんの声似ている気がするんだよ」

夏目(昼に公園で会った・・・)

澪「確かに似ている気がする!」

唯「ねぇ、ねぇ、やってみてよ」

夏目「ご、ごほん・・・んっふ・・・ふ」

律「いや、させんなよ唯。やるなよ夏目」

紬「ご、ごほん・・・ぁ・・・あ・・・」

梓「むぎ先輩はやらなくていいですからね」

紬「どうして分かったの?」

梓「声の調整していたじゃないですか」

澪「律やってみてよ!」

律「あ、あっちに妖怪枕返しが」

澪「ホームに居る訳無いだろ!」

律「ですよね」

夏目(枕返しじゃないけど・・・変なのいるな・・・)

紬「なにか『見える』んですか?」

夏目「えっ!?」

秀輝「・・・」

紬「凝視してましたよ?」

梓「なにを疑っているんですか、むぎ先輩・・・」

夏目「な、なんでもないですよ」

紬「・・・そうですか」

レイコ「・・・」

さとみ「みんなここで集まって、どうしたの?」

唯「車掌さんとコックさんが御もてなししてくれるんだって!」

律「ん?」

梓「どうしてですか・・・?」

車掌「詳しい話は展望車でお話致します」

コック「ガッハッハ、冷めるぞ!」

律「なんか知らんけど、みんな乗れー!」

澪「おー!」

唯「はいよー!」

紬「よいしょー!」

梓「むぎ先輩まで・・・」

みらい「ふふ」

夏目「あ、飯山・・・」

みらい「は、はい?」

夏目「飯山はこれからどうするんだ?」

みらい「えっと・・・。勉強です!」

夏目「勉強?」

さわ子「うふふ、さぁ、乗りなさいな」

みらい「はい!」

コック「秀輝、小麦とエレナはどうした」

秀輝「個室へ編集作業をするとか」

コック「昼の件で礼があるから呼んで来い」

秀輝「やった、貸しがチャラだ!」

テッテッテ

夏目「賑やかだな・・・」

レイコ「個室へ行くぞ」

夏目「あぁ・・・」

車掌「あら、貴志さんはよろしいのですか?」

夏目「?」

車掌「ちょっとしたパーティを用意しているのですが・・・」

秋子「さわ子先生もいますか!?」

夏目「びっくりした」

車掌「もちろん」ニコニコ

秋子「行きましょう!」

夏目「いや、おれは・・・」

秋子「貴志さんが居ないと私もいづらくなりますから!」グイグイ

夏目「うっ・・・」

レイコ「・・・夏目を頼む」

車掌「えびふらい等用意しておりますが」

レイコ「うむ」

律「うっひゃー! うまそうだー!」

唯「おぉ~」キラキラ

紬「豪華ね」キラキラ

澪「・・・」

梓「あれ、どうして元気が下降しているんですか?」

澪「さっきのさ、私の態度・・・夏目にどんな風だった?」

梓「スパーランドのようなテンションでした」

澪「うわぁ・・・嫌な年上だなぁ・・・」

紬「うんうん」

梓「どうして頷いているんですか」

憂「わぁ・・・すごいですね」

純「おぉ・・・」

和「いいのかしら・・・」

唯「和ちゃん、こっち座って!」

和「えぇ、失礼するわね」

梓「純!」

純「はいよー」

梓「あっち空いてる」

純「隣に座らせろー!」

憂「クスクス」

律「おーい、そこー! 乾杯するからグラス持ってー!」

秀輝「おー」

律「あぁ? 秀輝に言ってねえよ!?」

秀輝「・・・はい」

澪「こら!」

律「いいんだよ、あんな白鳥野郎なんてさ」

秀輝「・・・」

夏目「薄情じゃ・・・?」

律「スルーしたなこんにゃろぉー!」

秀輝「あ。フリか・・・!」

律「・・・調子悪いのか?」

秀輝「い、いや、そんなんじゃないぞ!?」

律「じゃなんだよ、変に塞ぎこみやがって」

さわ子「アレよ、花火の真っ最中にたった一人残されたから・・・」

紬「あぁー・・・」

澪「周りはカップル、家族連れ・・・」

小麦「悲惨な光景だったよ・・・」

エレナ「孤独を感じていたはずですワ」

梓「しょうがないですよね」

さとみ「情状酌量すべきだと思うわ」

みらい「そうですね・・・」

秀輝「そう、アレはきつかった!」

夏目(無理してるな・・・)

夏目「秀輝も律さんたちとスパーランドを周っていたんだ?」

秀輝「・・・うん」

律「・・・」

レイコ「・・・」

律「まぁ、いいや。じゃコップもってー!」

秋子「はーい!」

律「それじゃー、カンパーイ!!」

一同「「「 カンパーイ! 」」」

唯「みんなで大宴会だね!」

律「そうだな!」

梓「わ、私もいただきます!」

純「こ、これは!」

憂「エビフライおいしいね純ちゃん」

さわ子「名古屋コーチンの串刺しもおいしいわ」モグモグ

和「名古屋名物揃ってますね・・・」

車掌「ふふ、喜んでいただけて嬉しいです」

夏目「・・・」


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