夏目「――と、以上が伝言」

梓「・・・」

紬「まぁ・・・」

律「誰だ?」

澪「さ、さぁ・・・?」

唯「うん・・・?」

夏目「名前は・・・伏せさせてとの事です・・・」

律「ふーん・・・。分かったぞ、私の隠れファンか!」

澪「今の演奏ででときめいたんだな」

律「それはないか・・・」

唯「りっちゃんが謙虚!」

梓「聴いてあげてもいいかな・・・なんて」ボソッ

紬「うふふ」

さわ子「おまたせ」

みらい「おまたせしました」

夏目「・・・飯山」

みらい「はい・・・?」

夏目「おれも応援してる」

みらい「ありがとうございます」ペコリ

さわ子「?」

ダンッダンッダンッダンッ

律「ん?」

澪「どうした?」

律「曲調がいいなって・・・」

a vapor tail disappears

I lost my feeling in the sky

律「おぉ・・・」

さわ子「あれはコピバンね」

律「オリジナルじゃないのか・・・さわちゃん知ってるのか?」

さわ子「後で教えてあげるわね」

律「・・・うん」

澪「聞き入ってるな・・・」

 so take me higher

 to get back the song I lost

律「・・・」

紬「とりあえず、乗客のみんなにお礼を言いにいきましょう」

梓「そうですね、おかげでいい演奏ができました」

澪「うん。嬉しかった」

律「あぁ、楽しめたぜ」

唯「行くよー・・・お?」

「ちょっといいかねキミたち」

さわ子「さっそく声がかかったわね」

唯「澪ちゃん頼んだ!」

澪「え!?」

「うちの事務所からデビューしないか?」

澪「え、えぇと・・・」アタフタ

紬「みらいちゃんだけ、という事には・・・?」

みらい「・・・」

「キミたちを含めた6人だ」

澪「NO,Thank You!」


夏目「飯山のためのライブだったのか・・・」

みらい「はい。私の事務所を探す為に・・・」

夏目「それじゃ、どうして今のスカウトを・・・?」

さわ子「あの子たちが望んでいないからよ。それだけ」

夏目「・・・」

みらい「みなさんが望めば、私も同じステージにこれからも立ちたいですけど
    でも・・・。唯さんが望む場所はここではないです」

夏目「・・・」

みらい「私の夢と唯さんの夢は一緒ではないですから、違う道を歩んで行かなくては・・・」

さわ子「相変わらず強いわねぇ」

みらい「いえ・・・。そう教えられてきましたから」

さわ子「前のプロデューサーさんに?」

みらい「はい」

夏目(秋月律子さんか・・・。なんだか複雑だな・・・これだけ近くにいたのに・・・)

唯「おーい! 記念写真撮るよ~!」

さわ子「行きましょ」

みらい「はい」

夏目「それじゃ、おれはこれで」

さわ子「一緒に写らないの?」

夏目「先生を探さないといけないので」

さわ子「先生?」

紬「ふむふむ・・・」ジー

夏目「失礼しますっ!」

タッタッタ

みらい「慌てて行きましたね」

さわ子「あの子も謎が多いわねぇ」

紬「そうですね~」ニコニコ


夏目「おれが『見える』ってことを琴吹さんに気付かれるとは思えないけど、心臓に悪いな・・・」フゥ

斑「・・・フシュゥ」

夏目「まだ寝てる・・・」

斑「・・・スゥゥウウ」

夏目(ベンチに座って起きるのを待つか・・・。屋根に向かって大声で呼べないし)

夏目「すごい人たちだな・・・軽音部は・・・」

斑「・・・フシュゥ」

夏目「朝早かったから・・・ねむ・・・」ウトウト

斑「・・・スゥウウウ」

夏目「」スヤスヤ



・・・

・・・・・・



『 どうしてここに  アイツの  匂いが   するんだ  ァアアア!!! 』


・・・・・・

・・・



夏目「!」ビクッ

緑「びっくりした・・・」


夏目「あ・・・え・・・?」

緑「あなた、変な目で見られているわよ」

夏目「変な目・・・!」

緑「?」

先生「ぷー、ぷー」

「みてみて、あのネコー」

「やだぁー・・・かわいいー」

「そうだね・・・」

夏目「あ、そういう事か・・・」ホッ

緑「大丈夫?」

夏目「あ、はい。寝ていただけですから」

緑「具合が悪かったりしないのね?」

夏目「はい」

緑「そう・・・ならいいわ・・・。じゃ」

スタスタ

夏目「あれ・・・、あの人ヴェガの乗客だったような・・・」

先生「ぷー、ぷー」

夏目「先生・・・いつの間におれの膝の上に移動したんだよ・・・」

「クスクス」

「絵になるな」

「ならねえよ。男とネコだぞ」

「あ、男なのか」

「女顔だけど、格好みれば分かるだろ」

夏目「女顔」ガーン

先生「・・・む? 起きたか夏目・・・ふぁぁあ」

夏目「・・・」グッタリ

先生「おいこら、寝るな!」

夏目「・・・はぁ」

先生「えびふりゃー食べに行くぞえびふりゃー」

夏目「天むすはいいのか?」

先生「それは後だ」

夏目「両方取るのか・・・」

先生「楽しみだわい」

夏目「先生ってさ・・・、さっきの演奏聴いていたのか?」

先生「音楽なんぞに興味は無いぞ」

夏目「・・・そうか」

先生「最後の曲で寝てしまったがな」

夏目(聴いてはいたんだな)



―――――駅前公園


先生「弁当ではないか!」プンプン

夏目「しょうがないだろ、今の時間混雑しているんだから」

先生「あの小娘どもが居る店でよかったではないかー!」プンスカ

夏目「あぁ、軽音部の・・・。いや、あの中には入れないだろ・・・気持ち的に」

先生「おまえの気持ちなんぞどうでもいいわ! おいしそうな料理がたくさんあったぞぉ!」プリプリ

夏目「文句言うなら天むすは無しだぞ」

先生「大目にみてやる」ムシャムシャ

夏目「・・・」

先生「うまうま」ムシャムシャ

夏目「満足してるじゃないか・・・」

先生「されど弁当と言ったところか、あなどれんわ」モグモグ

夏目「・・・あれって・・・飯山のマネージャーか・・・?」

将人「あぁ、証拠の画像もちゃんとある」

夏目(電話中か・・・)モグモグ

将人「あぁ、みらいとバックで演奏している娘たちの顔もちゃんと映っている」

夏目(琴吹さんや秋山さんの顔も・・・どういう事だ・・・?)

将人「あぁ、詳しい名前は言えないが」

夏目「・・・」

将人「俺の中にも越えてはいけない線という物はある。これ以上聞くな
   写真を渡さないぞ、いいのか?」

夏目(なにをしようとしているんだ・・・?)

将人「知るか、そっちが勝手に取り付けただけだろ」

夏目(コイツはどういうヤツなんだ・・・? 印象では悪いヤツだったんだけど・・・)

将人「あぁ、それでいい。明日の朝でいいな」

プツッ

夏目「・・・」

将人「・・・ちっ・・・いつまでもみらいに拘りやがって・・・使えないボスだな」

夏目「なぁ・・・」

将人「あ?」

先生「・・・」

夏目「あんたはみらいに拘らないのか?」

将人「聞いていたのか貴様・・・いい趣味だな」

夏目「飯山とHTTの名前が出てきたからな」

将人「俺の態度で引かないとは、いい度胸だなおまえ」

夏目(先生や妖に慣れてるからな・・・そういうの・・・)

将人「素材の商品価値は俺自身で決める。他がどう言おうが知ったことじゃない」

夏目「飯山は無いのか?」

将人「あぁ、俺には必要ない」

夏目「・・・」

先生「・・・とぉっ」ピョン

将人「なんだこのブサ」

先生「弱きものよ、消え失せろ!」

ピカーッ

『ぎゃぁぁあああ』

将人「っ!?」

先生「・・・ふん」

夏目「憑いていたのか?」

先生「こやつにはお似合いの小物だがな・・・」

将人「立ちくらみか・・・?」クラクラ

先生「今なら聞きだせる事もあるだろう」

夏目「おい、さっきのライブの画像があるのか?」

将人「あぁ? それがどうした!」フラフラ

夏目「渡してくれ」

将人「そう簡単に渡すか、馬鹿だなおまえ・・・」

夏目(持っているんだな・・・)

将人「んっふっふっふ、このメモリーカードがそうだが?」

先生「面白い」

どろん

斑『グルァァアア』

将人「ブサネコが消えた!?」

夏目「おい」

将人「な、なんだ!」

斑『ふんっ』ブンッ

将人「ぬおっ! カードが!?」

夏目「砕け先生!」

斑『きしめん追加だからな』

プチッ

将人「砕けただと!? どうなっている!」

夏目「・・・ふぅ」

将人「くそッ!」

夏目「バックアップとかあるのか?」

将人「もう無い、一度ならず二度までも・・・!」

夏目(二度?)

秀輝「まだこんなところにいたのかよ、おまえ」

夏目「秀輝・・・」

将人「・・・ちっ・・・おい小僧」

夏目「?」

将人「もう俺は手を引くから、安心しろ・・・うんざりだ」

スタスタ

秀輝「ん?」

夏目「・・・」

斑『・・・』

どろん

レイコ「改心とはいかんが、もう懲り懲りと言ったところか」

秀輝「お姉さんいつの間に!」

レイコ「さっきからいたぞ」

夏目「先生、えびふらいやるよ」

レイコ「うむ」モグモグ

秀輝「・・・仲のいい姉弟だな」

夏目「ひ、秀輝はどうしてここに?」

秀輝「駅前だから、普通だろ?」

夏目「そ、そうだな」

秀輝「・・・あ、このカード」

夏目「?」

秀輝「俺と一緒のヤツ・・・どうして・・・?」

夏目「あのマネージャーが持っていたんだ」

秀輝「うわっ、まだ持ってたのかよ」

夏目「?」

レイコ「それがどうした」

秀輝「いや、なんでも・・・」

さとみ「どうしたの、こんなところで?」

夏目「さとみさん・・・」

秀輝「ヴェガに忘れ物をしてさ・・・、さとみちゃんは?」

さとみ「これから出かけるところよ」

レイコ「名古屋の名物はなにが旨いか分かるか?」

さとみ「私は味噌カツを食べてきたわ」ニコニコ

秀輝「俺は・・・天むすだな。うまかった」

レイコ「そうか、味噌カツもあったか」

夏目「・・・」ハァ

さとみ「・・・」ジー

秀輝「・・・」ジー

夏目「な、なんですか?」

さとみ秀輝「「 別に・・・ 」」

レイコ「これからどうする、夏目」

夏目「そうだなぁ・・・」

秀輝「・・・」

さとみ「あ、北上さんよ」

緑「・・・」スィー

秀輝「はは、素通りしていった。これから出かけるみたいだな」

さとみ「わたしたちは視界に入らなかったのね」

夏目(さっきのお礼をいうべきだろうか・・・)

秀輝「北上さんってどう思う?」

さとみ「・・・怖いけどいい人」

秀輝「・・・なにかあった?」

さとみ「岐阜駅で迷子の子と一緒に母親を探していたのよ」

秀輝「・・・」

夏目「・・・優しい人だと思う。秀輝はどう思うんだ?」

秀輝「こう言っちゃなんだけどさ・・・・・・苦手だ」

夏目さとみ「「 え・・・? 」」

レイコ「・・・」

秀輝「なんていうか、波長が合わないからさ」

レイコ「朝の件か?」

秀輝「無視されたからって事ですか?」

レイコ「うむ」

秀輝「いやぁ、それじゃないですよ・・・。もっと、複雑なようで単純なようで」

レイコ「分からんな」

秀輝「・・・はい」

さとみ「秀輝くんがそんな事言うなんて・・・」

夏目「うん・・・意外だ・・・」

秀輝「俺ってさ、地元では毛嫌いされてるから」

さとみ夏目「「 え!? 」」

秀輝「そのリアクションは喜んでいいのかな」

夏目「秀輝が!?」

秀輝「うん・・・俺が・・・」

さとみ「・・・そうなの」

秀輝「あ、ごめん! また影を落とすようなこと言った!」

夏目「・・・」

レイコ「・・・」

秀輝「スマン、お詫びをさせてくれ・・・」

レイコ「地下街行こうか」

秀輝「え・・・?」

夏目「なんで地下街なんだ・・・?」

レイコ「味噌カツだ」

夏目「先生に迷惑かかってないだろ!」

さとみ「ふふっ・・・、ほんとに仲がいいのねー・・・」

秀輝「目が笑ってないよ、さとみちゃん」

夏目「・・・」


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