―――――IN 名古屋城


レイコ「あれはなんだ?」

夏目「お城だよ。この土地を治めていた人が住んでいたんだ」

レイコ「・・・私が変わりに棲んでやってもいいな」

夏目「・・・祓われるぞ」

「うっうー! 見事なお城です~!」

「まってー!」

ガッ

「あ、あぶないです!」

「うわわぁっ」バタバタ

レイコ「・・・」

ガシッ

「あれ・・・、わたし浮いてる・・・?」

「ち、違いますよ春香さん! 後ろから支えてくれているんです!」

春香「え・・・?」

レイコ「ドンくさいヤツめ」

春香「はう」

「あのっ、ありがとうございましたぁ!」ウィング

レイコ「気にするな」

夏目「・・・」

春香「えへへ、助かりました」

レイコ「匂うなおまえ」クンクン

春香「えぇー!?」ガガガーン

「春香さん、朝ごはんの納豆のせいですよ!」

春香「ちゃんとケアしたのにぃ」ズドーン

夏目「先生・・・女性になんてことを・・・」ハァ

レイコ「昨日のヤツと同じ匂いって意味だ」

「朝ごはんには納豆ですよね~! 味噌汁海苔玉子~♪」

春香「・・・」ズドーン

夏目「ちゃんと説明しろよ! 傷ついてるだろ!」

レイコ「昨日の夜会ったヤツらと同じ匂いがするって意味だ。だから気にするな」

春香「はぁ・・・よく分かりません・・・」ズドーン

夏目「昨日の夜って・・・秋月――」

「あ! 律子さーん! こっちですー!」

律子「こら! ちゃんと帽子被らなきゃダメじゃない!」

「あ、ごめんなさーい」

春香「ごめんなさい・・・」ズドーン

律子「あ、あれ・・・どうしたのよ春香?」

「納豆の匂いがするって言われたんです」

律子「それは堪えられないわね・・・」

春香「はぅぅ・・・」ズドーン

夏目「秋月さんと同じ匂いって意味なのか?」

レイコ「そうだ」

律子「あ、あなたは・・・」

夏目「おはようございます。えっと・・・アイドルの匂いがするって意味だから」

律子春香「「 え? 」」

夏目「うーん・・・、納豆の匂いじゃないから・・・気にしないでください」

レイコ「・・・ふぁ・・・眠くなってきた」

夏目「先生のフォローしてるんだぞ!」

春香「アイドルの匂いかぁ・・・」

「私はどうですか!?」

レイコ「納豆だな」

「えへへー」

律子「喜ぶところじゃないわよ、やよい」

やよい「納豆大好きだから嬉しいですー!」

夏目「・・・」

春香「わたしもアイドルらしくなってきたって事ですよね、律子さん!」

律子「まだ候補生だけどね。やよいも」

やよい「うっうー! 頑張りますよぉー!」

春香「よ、よし。わたしも頑張るぞー」グッ

レイコ「夏目・・・ちょっと行って来る・・・」

スタスタ

夏目「え・・・どこへ・・・?」

律子「あの・・・みらいのライブがあるって聞いたんですけど、あのステージですよね」

夏目「は、はい」

律子「バンドのステージなんですけど・・・」

春香「みらいってあの飯山みらい・・・?」

やよい「わぁー、準備で忙しそうですねースタッフさん頑張ってますよー!」

夏目「・・・えっと・・・軽音部と演奏披露するそうです・・・」

律子「あの展望車にいた・・・?」

夏目「はい・・・」

律子「なるほど・・・。聴いていくのもいい勉強になるかもね」

春香「分かりました! しっかり聞きます!」

やよい「あずささんたちは来ないんですか?」

律子「えぇ・・・。みらいに気付かれるからね・・・」

夏目「?」

斑『夏目』

夏目(先生・・・妖の姿になって・・・どうしたんだ・・・?)

律子「演奏開始まであと20分くらいあるわね・・・」

斑『みてろ!』

ボフッ

春香「わぁ! 突風ですよ、突風!」

やよい「め、目にごみが・・・」ゴシゴシ

律子「こすってはだめよ、お手洗い行きましょう」

やよい「すいません・・・」

夏目(うわっ・・・天守屋根に座ってる! 日本人の遺産だぞ!)

春香「どうしたんですか?」

夏目「天守閣に・・・」

春香「天守閣に・・・しゃちほこですね」

夏目「・・・」

春香「ゴールドですよ・・・。金の鯱」

夏目「・・・」

春香「わたしも輝けるかなぁ・・・」

夏目「?」

春香「・・・」

紬「・・・」

梓「・・・」

夏目「!」ビクッ

春香「どうしたんですか?」

夏目「いつの間に・・・」

春香「・・・?」

紬「お二人でまったりとお城を眺めていたので、この雰囲気を壊してはいけないと思いまして」

夏目(守る必要もないんですけど・・・)

春香「あ・・・びっくりしました・・・」

梓「あれが名古屋城ですか」

紬「お城! というオーラだね」

梓「ですね」

春香「・・・」

夏目「・・・」

春香「どういう意味ですか?」ヒソヒソ

夏目「聞かないでください」ヒソヒソ

紬「夏目さん、こちらの方は・・・?」

春香「天海春香です、アイドル候補生やってます!」

梓「またアイドル・・・」

春香「・・・え?」

紬「な、なんでもないのよ~。私は琴吹紬です」

「なるほどなの」コソコソ

梓「嫌な気配を感じる・・・」

春香「よろしく・・・って言うのも変ですね」エヘヘ

紬「そうですね」ウフフ

夏目(先生! 降りて来いよ!)


斑「いい眺めだ・・・夏目がアリのようだな・・・」


夏目「・・・落ち着くのかな」

紬「え・・・?」

春香「?」

夏目「いえいえ!」

梓「屋根を見てますね・・・鯱ですか?」

夏目「う、うん。輝いているなー・・・と・・・」

紬「屋根に何かいるのかな・・・」チラッ

夏目(まずい、本格的に探られてる・・・)


梓「むぎ先輩、そろそろ」

「つむぎさんっ」ギュッ

紬「あら?」

梓「・・・」

春香「美希・・・。紬さんと知り合いだったんだね」

美希「昨日ヴェガで出会ったの~」チラッ

梓「・・・」

紬「あらあら、どうしたの?」

美希「ううん。つむぎさん暖かい雰囲気だからぁ・・・くっつきたくなったの!」チラッ

梓「・・・」イラッ

春香「ちょっと美希、迷惑だよ」

美希「ごめんなさいなの」

紬「いえいえ。びっくりしたけど、気にしないで」ニコニコ

美希「やっさしいの~」チラッ

梓「いちいち確認するなっ」


律「おーい!」

唯「あっずにゃーん!」

澪「むぎー!」


紬「あ、それではごゆっくり~」

梓「・・・」ジー

美希「なにかな?」

梓「・・・」フンッ

美希「むっ・・・」

梓「行きましょう、むぎ先輩!」

紬「は~い」

テッテッテ

春香「紬さんって、あずささんと同じ雰囲気だね」

美希「美希もそう思ったの」

夏目(早く降りて来いよ!)


斑「ふぁ・・・。ここで休むとするか」


夏目「眠りに入った・・・!」

春香「え・・・?」

美希「どうしたの? 貴志くん」

夏目「え、あ・・・いや・・・」


律子「どうして美希まで来たのよ!」

美希「だって、ホテルで待機ってつまんないんだもん」

やよい「美希さんも勉強ですね!」

美希「勉強?」

律子「まぁ・・・いいわ・・・」

「もうすぐ始まるね」ワクワク

「名古屋城でライブなんてすごいなぁ」

「あら、貴志くん。あなたもライブを見に来てくれたの?」

夏目「え・・・?」

「私よ、真鍋和」

夏目「あ・・・。すいません、名前が出てこなくて・・・」

和「気にしなくていいわ、短い時間だったから」

「和さん?」

和「憂、ヴェガの乗客の夏目貴志くんよ」

夏目「どうも・・・」

憂「姉がお世話になっています」ペコリ

夏目「いえ・・・姉?」

「うわっ、アイドルが揃ってる!」

律子「あっちゃー・・・気付かれた」

憂「あ、ほんとだ・・・」

美希「星井美希だよ☆」

「やよいちゃんのファンです!」

やよい「うっうー! 嬉しいですー!」

美希「チビネコちゃんと同じくらい不愉快になったの、ボンバーちゃん!」

ボンバー「誰がボンバーだ!」

和「アイドル・・・ね・・・」

律子「」ササッ

春香「律子さん、どうしたんですか?」

律子「あのメガネかけた子、鋭そうだから少し隠して」ヒソヒソ

春香「は、はい」

夏目(確かに・・・)

あずさ「律子さ~ん」キラキラ

律子「ぐふっ」

和「・・・?」

あずさ「来ちゃいましたぁ~」キラキラ

律子「どうして輝いているんですか、あずささん!」

真美「兄ちゃんがもうそろそろ到着するんだって!」

美希「プロデューサーさんが!?」

憂「お姉ちゃんはまだかな」ワクワク

ボンバー「結構有名なアイドルが揃っているのに・・・姉が大事か、さすが妹」

和「・・・」ジー

律子「・・・っ」サッ

ボンバー「どうしたんですか?」

律子「なっ、なんでもないわよっ?」

和「純、もっと突いてみて」

ボンバーもとい純「? どうしてアイドルが集まっているんですか?」

やよい「勉強の為ですー!」

純「なるほどー!」

和「ま、いいか・・・」

律子「ほっ・・・」

夏目(離れよう・・・)ススッ

秀輝「よぉ、夏目! って、すご!」

美希「なにがすごいのかな?」

春香「さぁ・・・」

真美「んっふっふ~、わたし達アイドルが集まってるからだよ~」エッヘン

さとみ「結構集まっているのね~」

秀輝「こんなに観客が集まるなんてな~」

小麦「ほんとだー。ドキドキしてきたぁ」

エレナ「小麦が緊張してもしょうがないですネ」

秋子「うわぁ~、私もわくわくしてきました!」

真美「あ、あれー、スルーされちゃったよ?」

春香「あはは・・・、わたしたち認知度低いみたいだねぇ・・・」

美希「ショッキングな私なの・・・」

律子「はいはい、それじゃみんな行動は自由だけどあまり離れないでね」

やよい「はーい!」

真美「はーい」

律子「やよい・・・どうしてテンションが高いのよ」

やよい「うっうー!」

律子「アドレナリンが注入されたのね。よく分からないけど」

純「もやし買って来ましょうか」キラン

やよい「買いだめはよくないですよー?」

純「はい、すいません・・・」

やよい「賞味期限が短いから、さくっと食べちゃおう!」

純「ですよね!」

やよい「もやし鍋がお勧めですー!」

純「もやし鍋・・・」

憂「時間だよ、純ちゃん!」

純「そうだ! 澪先輩!」

和「・・・」

あずさ「まぁ・・・楽しみです」キラキラ

律子「あずささん、プロデューサーは・・・?」

あずさ「さっき駅に着いたと連絡が入りました~」キラキラ

美希「迎えに行ってくるの!」

律子「まてぇ!」ガシッ

美希「な、なに・・・?」

律子「こっちに向かっているんだから、すれ違いが起きるわよ」

美希「細い糸で繋がっているから大丈夫なの! 行ってくるね!」

テッテッテ

律子「はぁ・・・」

あずさ「ふふ、美希ちゃんったら・・・」シャキーン

律子「なんですか、その右手のはさみポーズは・・・」

夏目「ここはしずかでいいな・・・」

春香「そうですね」

夏目「?」

春香「ちょ~っと、話を聞きたいと思いまして」

夏目「話?」

春香「このステージに立つ人たちの事です」


「「 オォー!! 」」


夏目「この人たちですよね」

春香「・・・はい!」

律子「私にも紹介してくれないかしら」

夏目「は、はい」

律子「キーボードが昨晩お話した琴吹紬さんね」

夏目「そうです。それで、赤い車掌服きた人がギターとボーカルの平沢唯さん」

春香「・・・」


「「 澪ちゃーん! 」」


夏目「今出てきた青い車掌服が、ベースの秋山澪さん」

律子「・・・」


「「 かわいいー 」」


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