8月8日


ジリリリリリリリリ

カチッ

夏目「・・・」ボケー

先生「ぷー、ぷー」

夏目「先生」ユサユサ

先生「・・・ん?」

夏目「朝だぞ」

先生「うむ・・・」

夏目「んー・・・」ノビノビ

先生「ぷー、ぷー」

夏目「二度寝か・・・。朝ごはんはいらないって事でいいかな」


ガチャ

バタン

夏目(鍵だけでよかったんだな)

コトン

夏目(少し早すぎたかな・・・。ホームに降りてみるか)

車掌「あら、貴志さん・・・」

さわ子「おはよう」

夏目「おはようございます。とう・・・車掌さん、山中さん」

車掌「おはようございます。ゆっくりお休みになられたでしょうか」

夏目「はい」

車掌「それは良かったです。昨晩は大変お見苦しいところをお見せして申し訳ありませんでした」ペコリ

夏目「いえ・・・。先生がお世話になったそうで・・・」

さわ子「世話になったのはこっちよ。ありがとう」

夏目「いえ・・・。先生を掴まえてくれたので、手間が省けました」

さわ子「先生?」

夏目「え・・・と・・・、姉の事を先生と呼んでいるんです。
    いつもフラフラと歩いていくので心配していたんです・・・助かりました」

さわ子「あの方ね・・・。失礼だけど、おいくつなのかしら」

夏目(うわ・・・どうしよう・・・)

車掌「含蓄のある言葉をいくつかお聞きしました」

夏目「!」

車掌「あの方は・・・。外見と言動が不一致に感じられることがしばしば・・・」

さわ子「・・・」

夏目「え、と・・・」

車掌「・・・」

夏目(外見は女子高生で、中身は人の倍以上生きてるからな・・・)アセアセ

車掌「ただ、そう感じただけですので・・・。私の知る必要のない事でしたら伏せておいてかまいませんので」

さわ子「そうね」

夏目「・・・っ」

さわ子「あ、そうだ・・・。車掌さん知ってるかしら、名古屋で開催されるゲリラライブの事」

車掌「それは、2年前に仙台で開催されたアマチュア主体のライブで間違いないでしょうか」

さわ子「そう、それ。名古屋のどこで行われるのか知らないのよ~」

車掌「今回は名古屋城ですね」

さわ子「そう、ありがと・・・。今回はどんなバンドが登場するのか楽しみだわ~」

車掌「そうですか」ニコニコ

夏目(ライブ・・・?)

澪「さわ子先生、食堂車へ・・・夏目?」

夏目「お、おはようございます」

澪「おはよう。夏目も一緒に朝食とらないか?」

夏目「先生と一緒に行きますから、気にしないでください」

澪「・・・そうか」

さわ子「・・・」

車掌「・・・」

澪「さわ子先生、律も後から来るので、先に行きましょう」

さわ子「・・・すぐにいくから、先に行ってて」

澪「はい」

スタスタ

夏目「そろそろ起こさないと・・・。めんどうだな・・・」

さわ子「美弥ちゃん・・・。ひょっとして・・・」

車掌「恐らく・・・」

さわ子「まぁ・・・」

車掌「いいですね」

夏目「・・・? おれも失礼します」

夏目「・・・」

ガチャ

先生「ぷー」

夏目「先生、朝だぞ」

先生「・・・ん?」

夏目「・・・」

先生「ふぁ~・・・。よく寝た」

夏目「先生ってさ、人の姿に変わるときって、服を変えられないのか?」

先生「服? ・・・そんなものに拘っているのは人の子くらいだぞ」クシクシ

夏目「・・・。制服のせいで色々制限ついてて大変なんだぞ」

先生「それより朝ごはんだぞ、夏目!」

夏目「いや、それより服の問題を解決しないと」

先生「むぅ・・・」

夏目「昨日の夜は車掌さんと山中さんが酔っていたから助かったようなものなんだぞ」

先生「レイコはいつも制服だったからな、夏目と同じように・・・。服は知らん」

夏目「それじゃ、買いに行くか・・・」

先生「頼んだぞ、夏目」

夏目「あれ・・・? おれが女物の服を買うのか?」

先生「そういうことだな」

夏目「うわっ! いやだっ! 絶対いやだ!」

先生「なら、今のままでいいな」

夏目「うわー・・・」グッタリ

店員「いらっしゃいませー!」

レイコ「朝食セットを頼む」

店員「かしこまりました!」

夏目「席に着いてから注文しような」

レイコ「・・・ふん」

スタスタ

夏目「・・・ハァ」

店員「お客様は、後で伺いますか?」

夏目「あ、おれも同じのでお願いします」

店員「かしこまりました」ニコニコ

夏目(あ・・・。奥の席に座っているのは軽音部のグループか・・・。
    見たことの無い人がいるあの人が律って人かな・・・)

レイコ「夏目、ここだ」

夏目「あぁ・・・」

レイコ「ふぁ・・・」

夏目「・・・ふぁ」

店員「夏目さん・・・」

夏目「は、はい?」

店員「申し訳ありませんが、相席でよろしいでしょうか?」

夏目「・・・はい」

店員「こちらでよろしいでしょうか、愛さん」

愛「あ、夏目さん・・・」

夏目「・・・おはようございます」

愛「お・・・おは・・・ようございます・・・」

店員「・・・」ホッ

愛「あ・・・あの・・・パンセットで・・・お願いします」

店員「かしこまりました」ニコニコ

夏目(先生の服を買いに行くの松浦さんに頼んでみようかな・・・。・・・それはないか)


ザァーーー

レイコ「雨か・・・。厄介な・・・」

夏目「能登半島は無しだな、先生」

レイコ「・・・うむ」

愛「・・・・・・残念ですね」

夏目「・・・松浦さんはどこへ行くか決めたんですか?」

愛「は、はい・・・。兼六園に・・・行ってみようかな・・・と・・・」

レイコ「そこでは何が食べられるんだ?」

愛「え・・・えっと・・・苺大福・・・だったかな・・・」

レイコ「大福かいいな」キラン

夏目「景色を楽しむ為の場所なんだぞ」

レイコ「どういう場所なんだ、それは」

愛「・・・日本三名園のうちの一つですよ」

レイコ「・・・」

夏目「人が歩いて楽しむ為に設備された場所で、自然を模しているんだよ」

レイコ「そうだな、少し休みたいから行ってみるか夏目」

夏目(やっぱり妖は自然の中に居たほうが楽なんだろうか)

愛「あ、さとみさん」

さとみ「私もこっちに座っていいかな」

夏目「・・・はい。どうぞ」

さとみ「ありがと。・・・貴志くんたちが居てよかったわ」

愛「はい。席が埋まっていますから」

夏目「朝はいつもこれくらい込むんですか?」

さとみ「ううん。今、雨降っているからね、食堂車で済ませようという事だと思うわ」

愛「・・・そうですね」

夏目「あ、千歳さん。席変わりましょう」

さとみ「そうね。愛さんと私が隣のほうがいいわよね」

夏目(先生が迷惑をかけないように・・・。でもあるんだけど)

さとみ「それとね、私を呼ぶ時は・・・名前がいいな・・・」

夏目「?」

さとみ「苗字だと学校で先生に呼ばれているみたいで・・・」

夏目「そ、そうですか・・・」

レイコ「夏目、まだか?」

夏目「もうちょっとで来るから、耐えてくれ先生」

愛「クスクス」

さとみ「二人とも仲がいいわよね」ニコニコ

夏目「・・・」

レイコ「来た」

店員「おまたせしました~」

―――

夏目「ごちそうさま」

レイコ「・・・遅いぞ夏目」

夏目「先生の食べるスピードが早いんだよ」

さとみ「雨の勢いがすごいわね~」

愛「・・・はい」

紬「おはよう~」

唯「おはよ~」

夏目「・・・」

さとみ「みんなも食べ終えたところなのね」

「うまかったうまかったー!」

澪「まだ食べている人いるんだから静かにしろ」

「へい」

さわ子「あなたたち、これから予定あるかしら?」

唯「おひまかな?」

夏目「?」

レイコ「ごくごく」

紬「勉強会開くの、ご一緒にどうですか?」

さとみ「え・・・?」

愛「・・・?」

「マジでやるのかよ。冗談だろさわちゃん?」

さわ子「冗談じゃないわよ?」

「またまたそんな・・・。私が風邪で寝込んでいるうちにそういうネタを仕組んで、
 さっきのようにひっかけようとしてんだろ?」ニヤニヤ

さとみ「なるほど」

紬「うふふ」

澪「どう?」

さとみ「そうですね。今は雨だし、行きます」

愛「・・・は、はい」

さわ子「それじゃ後で展望車に来てね」

さとみ「はい」ニコニコ

「さとみもノリがいいな~」

紬「行きましょう、りっちゃん」

律「雨降ってしまったからな、観光先を考えないとなー」

スタスタ

澪「律のヤツ・・・。冗談だと思っているんだな・・・」

夏目「冗談じゃないんですか?」

澪「・・・うん」

さとみ愛「「 え・・・ 」」

さわ子「来なさいよ二人とも」

愛さとみ「「 ・・・はい 」」

レイコ「ぼりぼり」

夏目「おれの氷まで食べたんだな先生・・・」

レイコ「外は湿気で蒸し蒸ししているな」

夏目「さて、どうしようか。先生」

レイコ「そうだな・・・」

どろん

斑「天気みてくるから待ってろ夏目」

ボフッ

夏目(・・・あんなに昇っていって・・・。これからの天気が分かるのか・・・?)

ザァーーーーーー

夏目「雨が降っていて、人影のないホーム・・・雰囲気あるな」

『三番線、間もなく電車が到着致します』キリ

夏目(天気次第では今から能登半島に向かっても大丈夫だよな)

ガタンゴトン ガタン ゴトン

プシュー

「おっしゃー! とうちゃーく!」ピョン

「ほらほら、はやくはやくー!」

「ま、待ってくださーい!」

「ナミコ殿、切符を落としたぞ」

ナミコ「おっとぉ、サンキュー、マサ」

テッテッテ

夏目「・・・」

シーン

夏目「台風一過・・・」

斑「どうした」

夏目「いや・・・。どうだった?」

斑「このままだと、晴れるぞ」

どろん

先生「だから向かっても大丈夫だ」

夏目「どうしてニャンコの姿になるんだ」

先生「なにかと楽だからな」

夏目「そうか。よいしょ」ヒョイ

先生「・・・おいこら」

夏目「人に蹴られたら嫌だろ?」

先生「ふん、まぁいい・・・。さっさと歩け」

夏目「それじゃ、行こうか」


――――

夏目「ここが能登半島・・・」

先生「おぉ・・・。いいではないかー!」

夏目「丁度雨も止んだし・・・先生の予報は当たったな」

先生「よっ!」ピョン

夏目「あ・・・」

先生「にゃふんにゃふん!」

テッテッテ

夏目「街よりこっちのほうが落ち着くな」

妖A「みろ、ブサイクなネコが走って行ったわ」

妖B「ひひひ、滑稽であるな」

先生「気持ちがいいわい!」

テッテッテ

どろん

斑「グルルルァーー!」

ボフッ

夏目「雨がやんだばかりの空を翔るなんて・・・本当に気持ちよさそうだ・・・」

――

斑「夏目、魚捕ってきたぞ・・・食うか?」

ピチピチ

夏目「せっかくだけど、先生が食べてくれ」

斑「鱗だとか生は危ないとか、めんどうだな」ムシャムシャ

夏目「あ、天使の梯子だ・・・」

斑「ゲフ」

夏目「綺麗な一筋の光だな」

斑「もう少し獲って来る」

夏目「ハントンライス食べきれなくなるぞ」

斑「む・・・」

どろん

先生「まぁいいだろう・・・」

夏目「ここの魚はどうだった?」

先生「悪くないぞ」クシクシ

夏目「よかったな、先生」

夏目(女服を・・・買いに行くか・・・)フゥ



―――――片町


先生「どうして戻ってきたんだ?」

夏目「先生の服を買おうかと思って・・・」キョロキョロ

先生「めんどうだなぁー」

夏目「もうお酒飲めなくなるぞ。いいのか?」

先生「それは困る。昨日の酒は旨かった」ジュルリ

夏目「・・・」キョロキョロ

先生「はやくさがしてくれー」


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