澪「えっと、確か律の下着棚はここだったよな」

澪「あれ?違った、こっちか」

澪「?!」

澪「ない…」

澪「どこにもない…」

澪「なんで?なんで一枚もないんだよぉぉ…!」

澪「いや…そういえば昨日の夕方…」



……

律「いやぁ、快適快適♪」

澪「なんで部屋に戻って一番初めにする事が下着を履き替える事なんだよ…はしたないぞ」

律「今日体育で汗かいたから気持ち悪かったんだよー」

澪「お風呂まで我慢できないのか?まったく…」

律「澪だってよくやってんじゃん、人の事言えないって」

澪「なっ…そ、そんな事ない!」

律「またまたぁ」

……



澪「………」

澪「確かこの辺に脱ぎ捨てて…」

澪「あった…」

澪「こ、これは…」

澪「このシミは…」

澪「ものすごく抵抗あるな…このパンツ履くの」

澪「ノーパンか律の履いたパンツか…究極の二択だな…」

澪「…」

澪「履こう…それしかない」

澪「よく考えれば律だっておねしょした私に自分のパンツ履かれるんだからそうとう気持ち悪いよな…」

澪「これもちゃんと洗って返すからな、ごめんな律…」

澪「……」




聡「あれ?澪さん来てなかったっけ?」

律「まだ寝てる」

聡「なんで起きてこないの?」

律「色々あるんだよ」パクパク

聡「?」




澪「とりあえず私の方は問題なしだな」

澪「鏡…鏡…」

澪「…」キリッ

澪「うん、どうみてもおねしょした人には見えない」

澪「あとはこの布団とシーツか…」

澪「これはどうすれば…」

澪「まずは一目でそれと分かってしまうこの盛大なシミをなんとかしないと…」



澪「とりあえず乾かしてみよう」

澪「律、ドライヤー借りるぞ」

澪「……」

ゴォー…

澪「おお、乾く乾く」

澪「これならすぐに全部乾かせそうだぞ」

澪「この調子で濡れてる所を全部乾かせば…」

澪「ほら元通りに…」

澪「」

澪「うわぁぁぁ…!」

澪「黄色いシミがそのままくっきり地図になってるぅぅ!」


澪「こ、これはまずい…」

澪「やっぱりちゃんと洗濯しないとダメだ」

澪「どうしよう…早くどうにかしないと律が戻ってきちゃうぞ」

澪「……」

澪「いい事考えた」

澪「律の寝てた布団と一式すり替えちゃおう」

澪「そして律が寝てた布団は私が片付けたという事にしておけば…」

澪「時間がない…これしかない…」




………

澪「よ、よし…間に合った……」

澪「これだけ万全を喫せばなんとかなる筈だ」

律「澪ー、遅いぞ?もうみんなご飯食べちゃったぞ?」

澪「…あっあぁ、ごめんな律」

律「あれ?布団が変わってる」

澪「模様替えしておいたんだ、どうだ?前より良いだろ?」

律「私が寝てた布団かぶせただけじゃんか…っていうかなんで制服着てるんだよ」

澪「そ、そろそろ帰ろうと思って…」

律「えー?もう帰るの?学校休みなのに?」

澪「あぁ、ちょっとやる事があるんだ」

律「えー…どっか遊び行こうって約束したじゃん。やっぱり怒ってるのか…?」

澪「そ、そんな事ない!私こそごめんな律…それじゃあな!」イソイソ

律「……」

澪「……」


律「なぁ澪、なんで布団持ち帰るんだよ」

澪「…!」ギクゥ


律「さてはお主布団泥棒だなっ!」

澪「い、いや…私が寝た布団だからちゃんと洗って返そうと思って…当然だろ?」

律「どんだけ礼儀正しい人なんだよ…」

澪「いいからこの布団は洗って返すから!」

律「そんなに洗いたいんなら別に良いんだけど一人じゃ持てないだろ?」

澪「持てる!」

律「階段降りれないぞ?私も手伝うよ」

澪「えっ?ちょっと律…!やめっ」

律「いいからいいから♪」

澪「(うわぁぁぁ…!私がおねしょした布団を持つなぁぁぁ!!)」

律「澪の家まで一緒に運んであげるよ」

澪「いや、本当にいいから…!」

律「遠慮するなよー」

澪「玄関までで大丈夫!」

律「そっか、それなら…」

澪「それじゃあな律!」

律「あっ、ごめん澪。一つだけ聞いてもいい?」

澪「な、なんだ?」

律「別にいいんだけどさ、なんで私のパンツ履いてるんだ?」

澪「……」

律「……」

澪「(バレてる?!?!)」



澪「な、なぜそれを…!なんで履いてる事を…」

律「いやさっき階段の下から見えちゃってさ」

澪「……」

律「ちょっと疑問に思ったから…」

澪「は…は……」

律「?」

澪「履いてないよ?そんなの履いてない」

律「さっき自分で履いてるって言ってたぞ」

澪「……」

律「……」

澪「お、おじゃましましたっ!」

律「あっ、おい澪ぉ!」

澪「……」タッタッタ

律「はやっ!」



………

律「……」

律「澪の奴…なんか様子がおかしかったな…」

律「やっぱり私があんなDVD無理やり見せたから…」

律「はぁ…もっとちゃんと謝るべきだったなぁ…」

律「……」

律「はは、模様替えとか訳分かんない事しちゃってさ」

律「……」バフンッ

律「なんか眠くなってきたな…休みだし二度寝っていうのもいいか」

律「……」モゾモゾ

律「……」

律「……」

律「……」




律「くっさぁぁぁぁぁぁ!?!?」

直後澪に携帯電話にかけ続けた律であったが
澪が電話に出る事は一切なかったという



終わり

最終更新:2011年12月24日 01:00