ヒュン、ヒュン…


澪「わ、私たちを探してる……っ」

律「しぃー、声出すな! 見つかるっ」

澪「……まさか、あれが通り魔?」

律「まさかっ、うそだろ。そもそもあれは人じゃないよっ」

澪「でもだって……」

ピピピピピピ!

律・澪「!?」

律「見つかった!」

澪「きゃあああぁぁぁっ!!」

律「に、にげっ――」

ビー!

律(間に合わな……もうお終いだぁ……)

澪「律っ……!」

律「澪……!」


ドオォンッ! ドカアアアァァンッッ!


「ここまで2分26秒~。あァはー……俺はまた世界を縮めた……ァ!」

律「お、お前っ」

澪「クーガーくん!」

クーガー「よう、かくれんぼするならもっとマシな鬼を紹介しようか?」

律「なにバカなこと……うわああっ! またいっぱい来た!」

ヒュン、ヒュン、ヒュン

クーガー「こんなに早く見つかるとはな。探したぞ」

クーガー「ひー、ふー、みー……ここにいるので6体。橘のアルターに近いタイプか!」


ピピピピ…ヒュウン

澪「消えた!?」

律「あんたがやったのか!?」

クーガー「はー……いーや、とんずらしたようだ」

クーガー「仕方がない本体を探すとするか」スタスタ…

律「お、おい! 待てよ!」

クーガー「なんだ、りく」

律「なんだじゃないよ! なんなんだよ!?」

クーガー「……」

クーガー「この世の理はすなわち速さだ物事を速く成し遂げればその分時間が有効に使えr」

律「誤魔化さないで答えろよ!」

クーガー「断る!」

クーガー「こいつはお前らには関係がないことさ。お前らはこっち側の人間じゃあねェ」

クーガー「ラディカルグッド……いや、また怒られるのはごめんだな。ハハハハハッ」スタスタ…

澪「あの人って……」

律「わかんねぇよっ! 澪、みんなのところに戻ろう!」

澪「あ、うん(アルター……)」




平沢家

唯・クーガー「ただいまー」

憂「またですか……っ」

クーガー「いやー! 奇遇な事に帰りの途中でゆりとばったり会っちゃいましてねー」

唯「また晩ご飯誘っちゃいました!」

憂「はぁ……まぁ、別にいいけれども」

クーガー「お邪魔になりますー。うりさん」

憂「ういですよ。それに、聞きたいこともあるし……」

クーガー「ほう、聞きたいこと? 俺を知りたいんですかー、俺のどこを知りたいんですかね、体? 体? まさか体ァ!? アァーーーハァーーーッ!!」

唯「アァーーーハァーーーッ!!」

憂「お姉ちゃんマネしないで!」

唯「てへへ……」ペコペコ



唯「わぁー! 今日はサバの味噌煮だね!」

クーガー「天の道を往く料理……やー! 文化的ですね、うりさん!」

唯「それでは! いっただきまーす!」

クーガー「いただきます~」

憂「それで、クーガーさん」

クーガー「はひ?」モグモグ

憂「あなた、ロストグラウンドから来たんですよね。そしてあなたはアルター使い」

クーガー「ぶっ!!」

唯「わ、きちゃないっ」

クーガー「調べたんですか……」フキフキ

憂「すみません、どうしても気になったんで……」

憂「でも! だからどうこう言うわけじゃないです」

クーガー「……優しい人だ。うりさん」

憂「うりで……ういです」

クーガー「お察しの通り、俺はロストグラウンドから来たアルター使いですよ」

唯「ほふとふはふんほ? あうふぁー?(ロストグラウンド? アルター?)」モグモグ

憂「お姉ちゃんにはあとで……やっぱり教えない」

唯「えー、憂ばっかズルいよぉ!」

クーガー「知らなくていいこともあるってことさ。ゆり」

唯「ゆいだよー」

憂「でもロストグラウンドぐらいはお姉ちゃんも知ってるはずでしょ? ほら、神奈川の……」

唯「忘れたなぁ……」

クーガー「まぁ、ここではそれらの単語はあまり浸透していない。忘れ去られても無理はないだろう」

唯「ごめんね」

クーガー「謝る必要はない。ゆり、お前はこの土地で生きていけばいい」

唯「んー……?」

クーガー「これ以上はさすがにお話できません。お偉いさんに怒られちゃいますから」

憂「あ、いえ……ありがとうございました」

クーガー「こちらこそありがとう。うりさん」

憂「別にお礼なんか……」

クーガー「料理を振る舞ってくれたことにです。あなたお手製の、ね」ニコ

クーガー「人に何かをしてもらったらお礼をするのは至極当然であり文化の基本法則ありがとううれしいです助かりました等の
     言葉だけで済ましていい問題じゃない一方的に与えられた物にお礼をしないでいるとそのうち罪悪感になって自分に跳ね返ってくる
     そうお礼は速く返すことが重要なのだ遅いことなら誰でも出来る猫でも出来るなんでもいいからお礼を最速で返すことこそ人間関係を円滑にしてくれる為の物理的で有効手段であり
     俺の信条でもあるんだゆえに」

憂「す、ストップ! ストップ! わかりましたから!」

クーガー「おや、そうですか?」

唯「ねぇねぇ! ご飯食べ終わったし一緒に遊ぼうよ。クーガーくん」

クーガー「いいだろうッ!」

憂(変わった人だけど、とってもいい人なんだ。クーガーさんって)クス




唯「えー、もう帰っちゃうの!」

クーガー「あまり遅くまでいてはうりさんに迷惑がかかるだろ?」

憂「別にそんなことないのに……」

クーガー「いーえ、それに明日は忙しくなりそうですしね」

唯・憂「?」

クーガー「なんでもありませーん。気にしないで」

クーガー「それでは、う・い・さん」スタスタ…

憂「あ!」

唯「ばいばーい! また明日ね~!」

憂「やっぱりわざとなのかなぁ」

唯「え、なにが?」

憂「ふふ、なんでもないよ。お姉ちゃん!」

唯「えー! なんかズルい~!」




田井中家

『今日午後7時に○○市○×町~~公園内に……』

律母「やーねー、また通り魔」

律(ここ……今日私と澪が襲われたところの近くじゃんか!)

律母「律、あんたも気をつけなさいよー? 女の子なんだし」

聡「゛一応゛女の子なんだし」

律「さーとーしぃー……」

律母「こら!」

律(通り魔がクーガーが言ってたアルターってやつだとしたら、一体どうしろってんだよ)

律(……そういやあいつの足に着いてたあれ、あれもアルターだよな)

律(明日こそ……色々教えてもらうからな! ストレイト・クーガー!)




次の日 

さわ子「案外はやく見つけられたみたいね」

クーガー「ええ、本体の姿はまだ確認してませんがねェ」

さわ子「早急に片がつくことを祈ってるわ」

さわ子「例のアルター使いを捕えた後は……わかっているわね?」

クーガー「本土に送る、でしょう?」

さわ子「……くれぐれも変な気を起こさないように」

クーガー「はいはい」

クーガー「あ、そうだ」ス

さわ子「は?」

クーガー「車を一台貸していただけませんかねー?」

さわ子「……つまり、私のを貸せと」

クーガー「や~! 話が早いッ!」


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