唯「今日はいい天気だねぇ」

憂「そうだねー。とってもあたたかい」

唯「こういう日はうちでず~っと昼寝してたいよ」

憂「ふふっ、そういうわけにもいかないでしょ? ほら、学校行かなきゃ……」


ドドドドドドドドド


憂「ん?」

唯「どうし……」

ビュウウウゥゥゥゥンッッッ

憂「きゃっ!?」

キキーッッ

クーガー「やぁー、そこのお二人。桜ヶ丘女子高等学校はこの先にあるのかお尋ねしたーい」

唯・憂「え……えぇ?」

クーガー「おっーと失礼! 名前はストレイト・クーガー。よろしくよろしく」ニコニコ

憂「は、はい?」

クーガー「お・れ・の名前です。名乗らずにいきなり物を尋ねるのは失礼だったので」

唯「私は唯です! あ、こっちは憂ね」

憂「お、お姉ちゃんっ(なんなのこの人……それにさっきの……)」

クーガー「さぁ、話を戻しましょう。俺は桜高を今目指しているんだが、
生憎にも事前に場所を調べずに走りまわっていましてねー……で、
その場所はこの先か聞いているんですこのまま虱潰しに探しまわっていたら初日から遅刻という情けない事態に陥ってしまう
何よりも速さを好む俺が遅刻?言語道断あってはならないOH.ナッシッング!
しかしこうして話している間にも時間は世界は俺を待っていてくれないそうだからこそ俺は速さにこだわるのですッーー」

唯「わぁ~早口言葉? すごいすごーい!」

憂「き、聞き取れないよぉ……」

唯「桜高なら私たちが通ってる学校だからクーガーさん、私たちに着いてきてくれればつけると思うよ~」

クーガー「おぉ~! ナイス! それなら話は早い! では……ラディカルグッドスピィィーードッ! 脚部限定!」カァンッ!

唯・憂「!」


憂(く、クーガーさんの足に変なのが……というかまわりの道路が削れた!?)

クーガー「こいつは俺の自慢の『アルター能力』でさーッ」

クーガー「さぁ、お二人。俺の肩にしっかり掴まってくれ~! 道案内は君たちに任せたァ」

唯「こう?」ヒシッ

憂「お、お姉ちゃんやめようよ……この人なんか怪しいよぉ……」

唯「え~、そんなことないよ。クーガーさん面白いよ! ほら、憂も!」

憂「う~……」ヒシッ

プニ…

クーガー「おぅふっ!? アーハーーーッ!! きたきたきたきたァッーーーー!」ギュオオオオオ

憂「!?」

クーガー「右よーし、左よーし、バックもよーし、発っ進!!」

ビュオオオォォォォォォ!! ダダダダダダ!!


憂「きゃあーっ!?」

唯「すごいすごーい! あはははは!」

クーガー「あっはははははっはははははははははッッーー!」ダダダダダダ!



ダダダダダダダ!

クーガー「この世の理は即ち速さだと思わないか物事を早く成し遂げればそれだけ時間が有効に使える
     遅いことなら誰でもできる20年かければバカでも傑作小説が書けちまう、有能なのは月刊マンガ家より週刊マンガ家ァーーー」

憂「ちょ、ちょっ……とまっ」

クーガー「いやいやいや実は週間より日刊、
     あれこれ前も言ったかまあいいさ、
     つまり速さこそ有能なのが文化の基本法則でありそして俺の持論ッッッーーー」

憂「と、とまって! 学校過ぎちゃいました!」

キキーッ!

クーガー「おお……?」

唯「ふえ~……」グルグル…

憂「お、お姉ちゃん!?」

クーガー「おっと、俺としたことが。わかりました。あそこだな……なァに、俺の速さなら0.3秒もかからんさ」フッ

憂「も、もう普通に歩きましょうよ!」

クーガー「おや……ならば仕方がない」

唯「う~~い~~……」フラフラ…




唯「ってなことがあったんだよ!」

澪「だから唯はさっきあんなにフラフラだったんだ」

紬「でもそのクーガーさんって人はこの学校になにをしに来たのかな?」

唯「んー、聞いとけばよかったね」

律「案外転校生だったりして」

澪「まさか。ここ女子高だぞ? 先生かなにかじゃないか?」

さわ子「はーい、みんな席について。HR始めますよ」

さわ子「はい。今日は皆さんにビックニュースがあります」

さわ子「転校生がこのクラスにやってきましたよ」

律「ほら転校生!」

澪「ぐ、偶然だろ」

クーガー「皆々さん初めまして、ストレイト・クーガーです。あ、カタカナでストレイt」

「!?」

さわ子「ま、まだ入ってって言ってないでしょ!」

クーガー「おや、すみません。先走りすぎました」


唯「クーガーさん!」

クーガー「ん~? お、朝の!」

クーガー「確かゆりさん!」

さわ子「……唯ちゃんです。ていうか少しは私にも喋らせてっ」

紬「あれが唯ちゃんが言ってた今朝出会った男の人?」

「ていうか男だっ」「なんでなんで!」「女子高になんで男子が?」

クーガー「説明すると男子が女子高に入学することは法律上何の問題もない。つまりそういうことになる」

「……」

律「すっげぇ濃そうな人だな」

澪「ていうかどう見ても十代じゃ……」

さわ子「は、はいはい! とにかくみんな。男子ということで緊張するかもしれないけど、クーガーくんと仲良くしてあげてね」

クーガー「是非、よろしく」ニコニコ

「は、はーい……」



「クーガーさんはどうしてこの学校にきたの?」

クーガー「おっと、さん付けなんて他人行儀な。呼び捨てで構わないもちろん俺も君たちを呼び捨てるさなんだって俺たちは学生という同じ土台の上に立つ……」

律「いや、まず質問に答えてあげなよっ」

クーガー「ふむ、それもそうだ。なぜここに来たのか……俺に理由はいらない」

「……は?」

クーガー「俺が来たかったから来た! それだけというハナシ」

「は、はぁ……」

クーガー「ジョークジョーク、軽い冗談。詳しい話は聞かないでくれよ。男には言えない秘密が山ほどあるもんだ」

澪「なんか、変わった人だな……」ヒソ

律「そんなの見りゃわかるだろ……ていうかなんだあの格好。どこの制服だよ」ヒソ

紬「はいはい! 質問です!」

紬「そのサングラスは?」

律(そこかよっ)

クーガー「ふーっ……こいつは男の目の冷たさと優しさを隠すものさ……」

「……」

クーガー(あぁ、決まったー……)

唯「かっちょいい!」

「え゛っ」

クーガー「君がわかる女でよかった。ゆりィ」

律「ゆ・い」

クーガー「あれ、そうだっけ?」

唯「そうだよー。ちゃんと覚えてね」

クーガー「んふふー、そいつは了解しかねる」

律「なんでだよっ」

クーガー「さて俺はできるだけ早くこの学校、いいやクラスに馴染みたい。努力させてもらおう」ニコ

クーガー「そもそも、人と人との関わり合いつまりコンタクトというのは速ければ速いほどいいと俺は思うわけだ
     しかし焦ってはいけないだがゆっくりじっくりなんてじれったいこと俺は我慢できないッ、
     そのためにも君たちの協力がいるわけで!」

クーガー「よろしくな」ギュッ

澪「え、え、えぇぇ!? あ、あわわ……」


澪「……~」プシュー、フラリ

クーガー「おっと! なんだどうした貧血か」

唯「澪ちゃんは男の人がちょっと苦手なんだよー」

クーガー「そいつは悪かった。俺はてっきり俺の魅力で……」

律「ないない」

クーガー「むぅ……大丈夫だったか?」

澪「は、はひ……」

律「みーお。これはお前の苦手克服するいい機会なんじゃないの~」

紬「確かにいいかも!」

澪「じょ、冗談だろ!?」

クーガー「それなら俺も全面的に協力しようじゃないかー。そもそも男女の間には……」

律「はい、ストップ」

クーガー(こいつ……俺をよく止めやがるぜ)

クーガー「いやぁ、手厳しいな。くっくっくっ!」

律「はぁ?」



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