唯「ここどこ?」

気がつくと私は真っ白な空間に一人でいた

唯「あれ~?確か普通に部屋にいたと思ったんだけど・・・」

唯「何にも無いし、どうすればいいんだろう」

唯「一生ここから出られないのかな~・・・」

唯「あれ?扉がある」

唯「さっきまでこんなの無かったのに・・・」

唯「ん?扉になんか書いてる」

『あなたにはこれから二つの選択をしていただきます』

『あなたの望む扉を開けてください』

唯「どういうこと?」

唯「望む扉って・・・?」

唯「あ!文字が浮かび上がってきた!」

『朝ご飯は白米』

『朝ご飯はパン』

唯「なに?これ・・・」

唯「とりあえず白米の扉を開けてみようかな」

唯「・・・」ギィィ

・・・・・・・・・

唯「・・・はっ」

唯「夢?」

憂「お姉ちゃん起きて、ってもう起きてたんだ」

唯「あ、おはよう憂!」

憂「朝ご飯食べよ」

唯「うん!」

唯(それにしても変な夢だった~)

唯(妙にリアルで・・・なんだったのかな?あれ)

憂「早く食べないと遅刻するよ」

唯「うん」

唯「あ、今日は白米だね」

憂「?今日は・・・っていつもそうだよ?」

唯「あ、そうだよね」

唯(そうだよ、いつも白米だもんね)

唯「・・・」

唯「はあ、何か今朝の夢が気になって今日は散々だったよ」

唯「授業中は先生に怒られるし、練習しててもあずにゃんに怒られるし」

唯「・・・」

唯「気にしない気にしない」

唯「もう疲れちゃったし寝よっと」

唯「・・・」スースー

唯「・・・」

唯「・・・え?」

唯「またここ?」

私はまた、真っ白な空間にいた

唯「なんなの?ここ」

唯「また扉がある」

『あなたにはこれから二つの選択をしていただきます』

『あなたの望む扉を開けてください』

唯「またこれ?」

『明日は学校がある』

『明日は学校がない』

唯「なにこの選択肢」

唯「う~ん」

唯「ここはあえて『学校がない』方を選んでみよう」

唯「さすがに学校が急に休みになるわけないし」

唯「これでこの変な夢ともおさらばだよ!」

唯「とう!」ギィィ

・・・・・・・・・

唯「・・・う~ん今何時?」

唯「9時!?ちょ、憂なんで起こしてくれなかったの」

唯「完璧に遅刻だよ~!」

唯「憂のバカ~!」

憂「あ、お姉ちゃん起きた?」

唯「あ、憂!も~起こしてよ~」

唯「って憂、え?憂も遅刻?」

憂「違うの、なんか今日学校お休みになったんだって」

唯「・・・え?」

憂「なんでもインターネットで犯罪予告があったらしくてね」

唯「・・・」

憂「急遽お休みになったんだって、今日は自宅から出ないようにって言われたよ」

唯「・・・そうなんだ」

唯(おかしい、そんな偶然ってあるの?)

唯(ほんとに私があの扉を開けたせいで学校が休みになったの?)

唯(いやいや、考えすぎだって!)

唯(偶然!絶対偶然に決まってるよ!)

憂「お姉ちゃん?今日どうする?」

唯「あ、そうだね自宅待機じゃ買い物にも行けないよね」

憂「一緒にケーキでも作ろっか」

唯「ケーキ?やったーつくるつくる!」

憂「ふふ、じゃあさっそく始めよ!」

唯「うん!」

唯(忘れよう!もうあの夢は見ないよきっと!)

憂「じゃあまずは・・・」

――――

唯「今日はケーキ作り楽しかったよ、おやすみ憂」

憂「おやすみお姉ちゃん」

唯「・・・さて」

唯「今日はあの夢を見ないよね」

唯「なんか寝るのが怖いよ」

唯「・・・」

唯「・・・」スースー

唯「・・・」

唯「また来ちゃった・・・」

唯「いったいなんなの?この夢での選択は現実になるの?」

唯「そんな事あるわけないのに」

唯「ちょっと信じちゃってるもんな~私・・・」

唯「他にこの夢から覚める方法はないのかな~」

唯「あ、扉・・・」

『あなたにはこれから二つの選択をしていただきます』

『あなたの望む扉を開けてください』

唯「今度はなに?」

『田井中律が風邪をひく』

『秋山澪が風邪をひく』

唯「ちょっとなにこれ!?」

唯「こんなの選べるわけないよ!」

唯「なんなの!?もう帰してよ!」

唯「起きて私!起きてお願い!」

唯「お願い!」

・・・・・・・・・

唯「駄目だ・・・選ぶしかない・・・」

唯「ほんとにこの扉を開ける以外に帰る方法はないの?」

唯「・・・」

唯「ごめんねりっちゃん・・・」ギィィ

・・・・・・・・・

唯「・・・」

唯「最悪の目覚めだよ・・・」

憂「お姉ちゃんおはよう」

唯「おはよう憂・・・」

憂「どうしたの元気ないよ?」

唯「なんでもないよ・・・」

唯(でもまだあの夢が本物だって決まったわけじゃない)

唯(今日りっちゃんが学校に来れば私の思い過ごしだって事だし・・・)

唯(とりあえず学校に行こう、そして確かめよう・・・)


学校

唯「おはよー・・・」

澪「どうした唯、元気ないぞ?」

唯「あ、なんでもないよなんでも・・・」

澪「ったく唯まで風邪か?」

唯「え?・・・どういう・・・こと?」

澪「今朝律を迎えに行ったら、風邪ひいたから休むってさ」

唯(嘘・・・)

澪「律はしょちゅう風邪ひくよなー」

唯「あ、そうだね・・・あはは・・・」

唯(嘘でしょ・・・ほんとに・・・?)

唯(私のせいで・・・りっちゃんが風邪を・・・)

澪「?」


自宅

唯(どうしよう・・・いったいどうすれば・・・)

憂「お姉ちゃん?ごはんだよー」

唯「あ、今行くよ」

唯(このままじゃ私また誰かに迷惑をかける事に・・・)

唯(りっちゃんに謝ろうにもなんて言えばいいか分かんないし・・・)

唯(どうすればいいの?あの夢から解放されるにはいったいどうすれば・・・)

憂「おねえちゃーん」

唯「あ、はーい」

唯(・・・ごはん食べよ)

唯(寝たらまたあの夢の中・・・)

唯(いやだ、もう寝たくない)

唯(扉を開ける以外に目覚める方法があれば)

唯(ずっとあの夢の中にいてみるとか?)

唯(うう・・・)

唯「・・・」

唯「・・・」スースー

唯「・・・」

唯「また・・・」

唯「扉扉・・・」

唯「あった」

『あなたにはこれから二つの選択をしていただきます』

『あなたの望む扉を開けてください』

唯「今日は何?」

唯「もうあんな酷い選択は止めて・・・」

『立花姫子がケガをする』

『若王子いちごがケガをする』

唯「いい加減にしてよ・・・」

唯「こんなの私にどうしろって言うの?」

唯「もうヤダ・・・」

唯「りっちゃんには風邪をひかせて」

唯「今度はどっちかにケガをさせるの?」

唯「嫌だよもう・・・誰か助けてよ・・・」

私はその場に座り込んでしまいました

1時間くらい経ったでしょうか、いっこうに目は覚めません

唯「・・・」

唯「ごめんなさい・・・」

唯「ごめんなさい、いちごちゃん・・・」

唯「・・・」ギィィ

・・・・・・・・・

唯「・・・」

唯「学校行こう・・・」


学校

唯「おはようー」

律「お、唯!」

唯「りっちゃん!」

律「昨日はあたしがいなくて寂しかったかー?」

唯「うん・・・りっちゃんほんとに良かった・・・!」

律「え?どうした唯?」

唯「ううん、なんでもないよ。ごめんねりっちゃん」

律「なんで謝るんだー?あ、1時間目体育だぞ」

唯「うん、分かってるよ!準備しなくちゃ」

唯(いちごちゃんは・・・来てる。怪我もしてないみたい)

唯(まさかこれから・・・?)

唯「はあはあ」

唯「マラソンなんて聞いてないよ~」

律「ほらほら早く行くぞ!」

唯「りっちゃん病み上がりのくせに元気すぎるよ~」

いちご「いっ・・・!!」ドサッ

律「なんだ?」

いちご「う・・・」

唯「いちごちゃん!?」

律「おいいちご!くっ、保健室行くぞ!」

いちご「うん・・・」

唯「いちごちゃん!しっかりして!いちごちゃん!」


保健室

保険医「肉離れね」

唯「えっ・・・」

いちご「うっ・・・!」

保険医「今日は病院に行って帰りなさい、あなたたちもありがとうね。もう戻りなさい」

律「はい・・・」

唯「・・・」

律「肉離れって痛いんだよな?いちご大丈夫かな」

唯「・・・」

律「まあ無事でよかったよ、ん?無事じゃないのか?」

唯「・・・」

律「おい唯?どうしたお前まで」

唯「あ、なんでもない・・・なんでも」

唯(どうしよう・・・)


自宅

唯(私のせいでいちごちゃんが・・・)

唯(もうどうしたらいいのか分かんないよ・・・)

憂「お姉ちゃん?」

唯「・・・憂?」

憂「お姉ちゃん最近元気ないよ?なにかあったら相談してね」

唯「憂・・・」

憂「私はお姉ちゃんの味方だから、ね?いつでも頼ってよ」

唯「うん、ありがとう。ちょっと元気出たよ」

憂「良かった!それじゃあおやすみお姉ちゃん」

唯「おやすみ、憂」

唯(憂はいい子だよ、私には勿体ないくらい)

唯(でも今日もこれからあの夢の中に行くんだよね)

唯(だんだん選択肢が酷くなってく)

唯(もう私には選べないよ)

唯(いやだ・・・もういやだ・・・)

唯「・・・」

唯「・・・」スースー

唯「・・・」

唯「寝ちゃったのか、私・・・」

唯「・・・もう逃げられないのかな」

唯「神様がやってるの?これは」

唯「私が何か悪い事をしたんなら謝ります、だからもう帰してください」

唯「・・・」

唯「扉だ・・・」

『あなたにはこれから二つの選択をしていただきます』

『あなたの望む扉を開けてください』

唯「・・・」

『鈴木純が消える』

『山中さわ子が消える』

唯「・・・」

唯「・・・え?」

唯「え?え?・・・何?何これ?」

唯「どういう事?消えるって?え?何?」

唯「なにこれ?どうなってるの?」

唯「駄目だ全然分かんないよ、どうなるの?この扉を開けたら」

唯「ちょっと教えてよ!どうなるの!?これ選んだら!!」

唯「お願い教えて!教えてくれるだけでいいから!!」

唯「ねえ答えてよ!お願いだから!!」

唯「ねえ!!・・・!!・・・・!!!」

・・・・・・・・・

唯「・・・どうすればいいの?」

唯「消えるって何なの?」

唯「・・・死んじゃうの?」

唯「どうなっちゃうの?」

唯「どうしたら・・・」

唯「・・・」

唯「消えるって何なの・・・」

唯「・・・」

唯「ごめんなさい・・・」

唯「ごめんなさい・・・」

唯「純ちゃん・・・」

唯「ごめんなさい・・・」

唯「・・・」ギィィ

・・・・・・・・・

唯「はっ」

唯(戻ってきた)

唯(けど・・・)

憂「お姉ちゃんおはよう」

唯「あ、おはよう」

憂「ご飯出来てるから下に・・・」

唯「ねえ憂」

憂「なあに?お姉ちゃん」

唯「純ちゃんのことなんだけどさ」

憂「純ちゃん?」

憂「お姉ちゃんのお友達?」

唯「えっ」

憂「後で聞くよ、ご飯食べて」

唯「うん・・・」

唯(消えた・・・の?)


部室

唯「あずにゃん、純ちゃんの事なんだけど」

梓「純ちゃん?先輩のクラスメイトですか?」

唯「あ、うん・・・まあね」

梓「それでその純ちゃんがどうしたんですか?」

梓「あ、純さんですねすいません」

唯「いや、なんでもないんだけど・・・」

梓「?」

唯(消えるって、こういう事だったんだ)

唯(初めっからいなかった事になっちゃったんだ)

唯(私が勝手に・・・純ちゃんを消しちゃったんだ・・・)

唯(私が・・・純ちゃんを・・・)

唯(ごめんなさい・・・本当にごめんなさい・・・)


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