和「ふぅ…、やっとアパートの前まで付いたわね」

唯「だから近くのビッグカメラにしようって言ったのに…」

和「あなたが配送手続きをしないからじゃない。ジョーシンは何も悪くないわよ、むしろ地元住所の味方なのよ」

唯「は、はぁ…。そうなんだ。…んじゃ後は、このエレベーターでっと」ポチッ

ウィィィィィ…ン…

和「あら、中々こないわね…」

唯「…………」ソワソワ

和「…ん?どうしたのよ唯」

唯「ダメだ、待ちきれないよ!階段を使っていこうよ!」

和「えっ、マジで!?もう少し待ちなさいよ」

唯「ダメだよー、早くブー太とブー太二号を合わせてあげたいんだもん!ほら、早くっ!」ガチャガチャ

和「あ、コラ!引っ張らないでよ」

唯「部屋から軍手も持って来たし、これで階段もバッチリだよ!」

和「そんな装備で大丈夫なの?」

唯「大丈夫だよ。問題無い」グイッ

和「とっと…!そんなに急がないでよ。こっちは上側だから前が見えないのよ」

唯「こんな時間に階段を使ってる人なんて居ないよ!ほら早く早く、和ちゃん!」グイッグイッ

和「んっしょっ…!いくら液晶でも、階段は…キツいわ…」フラフラ

唯「頑張って!もうちょっとで部屋に付くんだか……」ガダッ

和「えっ…?ちょっと、どうした…」

唯「スカートが…引っ掛かって…、あわわっ!!?」ガダダッ


ガラガラ…ドッシャーーンッ!!!



唯「痛たたた…!」サスサス

和「だ、大丈夫なの!?唯」

唯「な、なんとか…。もう少しで心臓マッサージが必要な所だったよ」

和「やっぱりダメだったじゃない。あなたが人の言う事を聞かないから」

唯「あはは、ゴメンね和ちゃん…。ブー太二号も大丈…」

バリバリ……ガシャン……

和「液晶部が…、見事に粉砕されてるわね…」

唯「ブ、ブー太二号!?しっかりして!!神は言っている!まだ、ここで死ぬ運命では無いと!」ガチャガチャ

和「神とか関係ないわよ…。あなたが床におっことしただけでしょ。液晶テレビはデリケートなんだから」

唯「そ、そんなぁ…。それじゃ私はもう2011年7月24日にテレビを見られないんだね…」ガクッ

和「やれやれ…、安心しなさい。私がちゃんと買ってあげるわよ?」

唯「えっ!?ホントに…!でもなんで」

和「唯に地デジ化を薦めたのは私だもの。このままじゃ夢見が悪くなるわよ」

唯「や、やったー!それじゃ一番良いのを頼むよ!」ガバーッ

和「はいはい。分かったわよ、しょうがないわね」



=週末=

澪「お、居たいた。久し振りだな梓。元気そうだな」スタスタ

梓「澪先輩も。ご無沙汰してます」

律「全く、唯のヤツ。急に呼び出すから何だと思えば」

紬「卒業してから忙しかったからね。ちょうど良い機会よね」

梓「そうそう、知ってますか?唯先輩、この間42型の液晶テレビ買ったんですよ」

紬「42型も?凄いわね、唯ちゃん。一人暮らしなのに」

澪「確か、前のテレビもブラウン管でそれくらいあったよな?一緒じゃないか」

律「ばっかだな澪は。同じ42型でもブラウン管と液晶じゃ雲泥の差があるんだよ」

澪「そうなのか?」

紬「データ放送なんかも受信できるしね」

律「これで、緑ぷよと紫ぷよを見分けるのも簡単だぜ!」

梓「結構ゲーム!?なんてブタに真珠な…」

律「なんか言ったかー梓」



ガチャリ

律「うーっす、唯。遊びに来たぜー」

唯「おぉ、律っちゃんに皆!さぁ、さぁ座りんしゃい」サッ

律「おい、唯。さっそくテレビ見せてくれよ!」

唯「ん?いいよ、これが和に買ってもらったスーパーブー太だよ」

澪「これが液晶テレビか…。なんだかブラウン管と変わりないんだな」

梓「いやいやいや、違いますよ。真鍋先輩に買ってもらったって…?唯先輩自分で買いませんでした」

唯「違うよぅあずにゃん。和ちゃんに買ってもらったのはコレ!デジタルテレビチューナー。一番良いヤツだったんだよー」

梓「チューナー?あれ、先輩が持って帰ったブー太二号はどうなったんですか」

唯「いやはや、語るも涙、聞くも涙なんだよ。神のイタズラなんだよ」

梓「神とか関係ないですよ。唯先輩の事だから、どうせ階段からおっことしたんじゃないですか?」

唯「あ、あずにゃん鋭いね…!?」

律「あーぁ、勿体ねぇなー。いくら地デシが見れてもブラウン管じゃな」

紬「唯ちゃん可哀相ね…。駅前のエクレア買ってきたから落ち込まないでね」サッ

唯「ううん…。落ち込んでなんかいないよ。むしろこれで良かったと思ってるんだ」

梓「……え?なんでですか」

唯「だってコレで、2011年7月24日以降もずっとブー太と一緒なんだもん!」

律「なるほどねぇ。確かにこのブラウン管テレビをやけに大事にしてたからなぁ唯は」

澪「物には魂が宿ると言うし、きっとそのテレビも喜んでると思うよ」

唯「そうだよね!澪ちゃん流石だよ」

梓「仕方ないですねぇ、唯先輩が良いんなら別に構いませんが…」

唯「そんな事より早くwiiやろうよぅ。ここかなーあずにゃん!」ゴソゴソ

梓「あ、コラ!勝手にカバン漁らないで下さい!」

律「な、なんだと!?任天堂wiiあんのかよ!こりゃぷよぷよやってる場合じゃねぇ!」ゴソゴソ

梓「だーかーらー!勝手に触らないでぇ!」ガバッ



ガッシャコーン!

梓「……………」

澪「どうしたんだ梓?」

梓「あの…、唯先輩達っていつもあんな感じなんですか…?」

紬「そうねぇ、今日はドリームキャストのコントローラーじゃないだけマシだと思うわよ」

唯「負けないよっ!律っちゃぁぁぁぁ…。あっ、またコントローラーが!!」ツルッ

ガシャコーーン!!

律「チャンスだぜ、このスキを見逃すか!カウンターを入れてや……うあっ、私もコントローラーが!!」ツルッ

ガチャコーーン!!

澪「それがどうかしたのか?」

梓「いえ、唯先輩達はずっと画面が頑丈なブラウン管の方でいいなぁ……っと思って」

唯・律「うわっと…、コントローラーがぁぁぁぁぁ!!」

ガッチャコーーンッ!!!


=おしまい=





和「さて、唯のチューナー買ってポイントも溜まったし、ジョーシンで買い物しようかしら。…やっぱりジョーシンは家電業界でナンバーワンよね!」