部室


ヒイロ「女子高生らしいふるまいを心がける」

ヒイロ「今日一日女達をみて理解した」

ヒイロ「まず女子高生は足音を殺してあるかない」

ヒイロ「次に、銃器および刃物、爆薬を携行しない」

ヒイロ「最後に、常に携帯電話をいじっているということだ」

ヒイロ「おそらくこれは次々とやってくる指令を確認しているのだろう」

ヒイロ「・・・む。俺の携帯は・・・」ガサゴソ

ヒイロ「普通だな。熊の飾りがついている」

ヒイロ「平沢唯はピンク色と熊が好き。把握した」

ヒイロ「この情報も貴重だ。あらゆる食い違いは避けなければならない」



梓「で、なにぶつぶついってるんですか?」

ヒイロ「あずにゃん!」

梓「大丈夫ですか?」


ヒイロ「・・・いたのか」

梓「いま来ました。他の先輩たちは?」

ヒイロ「掃除をしている」

梓「唯先輩は?」

ヒイロ「どうやらしなくていいらしい」

梓「むー・・・」ジロ

ヒイロ「・・・」

ヒイロ(きまずいな、何をすればいい)

梓「練習でもしてまってましょうか?」

ヒイロ「練習・・・? そうか、ギター」

梓「はい、ギターだして!」

ヒイロ「了解」


ヒイロ「・・・」

梓「弾いてください」

ヒイロ「・・・!」


ピロリロリロリロギュイウーーン
ヴィンヴィンヴィンギュゥゥゥウウウン!!


梓「えっ!!」

ヒイロ「・・・・」

梓「ど、どうして・・・唯先輩・・・?」

ヒイロ「俺は幼い頃からありとあらゆる英才教育(ry」

梓「はぁ!?」

ヒイロ「潜入工作では時には社交的な場に溶け込む必要性もでてくる」

ヒイロ「まさか役に立つ日がくるとはな・・・」

梓「・・・」ア然

ヒイロ(・・・・む。またこの反応か・・・)

ヒイロ(だが今回は問題ないはずだ。先輩は後輩よりうまくて当然・・・)

ヒイロ(俺もだいぶ理解してきたようだな・・・)


梓「ちょ、ちょっとこっち来てください」

ヒイロ「・・・?」


梓「・・・なにかあったんでしょ」ボソ

ヒイロ「・・・」

梓「おかしいですって。普通じゃないですもん」

ヒイロ「俺が普通じゃない・・・だと・・・?」

梓「そうですよ。唯先輩あんなにギターうまくないですし」

梓「あ! まさかまた憂が変装!」

梓「ってわけでもなさそうですし・・・・」

ヒイロ「・・・普通だ」

梓「眉毛太いですし・・・」

ヒイロ「なに・・・」

梓「とにかく! なにかあったなら相談してくれなきゃわかりません!」

ヒイロ「・・・・」


ヒイロ(こいつは危険だ・・・だが・・・それ以上に役立てる方法もある)

ヒイロ(まずは誤解を解かなくては)


梓「いままで上手なのかくしてたんですか? さいてーです」

ヒイロ「ち、ちがう・・・あずにゃん」

梓「もう知りません・・・怖いです」

ヒイロ「そんなに俺の顔が嫌いか」

梓「そんなこといってません!」

ヒイロ「なら・・・許してほしい・・・」

梓「べつに・・・許さないなんて言ってませんけど」


ヒイロ(なにか女子高生らしいことを考えろ・・・俺ならできる・・・俺に不可能はないはずだ)

ヒイロ(どうすればあずにゃんに信用してもらえるんだ)

ヒイロ(なにか・・・なにか・・・)


梓「あ、メールだ」ポチポチ

梓「先輩たちもう少し時間かかるそうですー」

ヒイロ(携帯電話・・・そうか・・・携帯電話を弄るのは女子高生のトレンド)

ヒイロ「しかし・・・」ガチャガチャ

梓「なんですか? メールきました?」

ヒイロ「いや・・・」

梓「?」

ヒイロ「そうだ。あずにゃん記念写真をとらせろ」

梓「へ? 記念写真? とらせろって・・・」

ヒイロ「いや・・・なんでもない・・・忘れてくれ」

梓「写真ならいつも好き勝手とってるじゃないですか・・・」

ヒイロ「む・・・そうだったか・・・了解」

梓「どうせなら、一緒にとりましょうか」

ヒイロ「・・・なに」

梓「え? 嫌でしたらすいません」

ヒイロ(ここは素直に相手の意思を尊重するのが正しいコミュニケーションの在り方だと認識)

ヒイロ「わかった。どうやってこれは撮影する」

梓「えー? そんなことまで忘れたんですか?」

ヒイロ「・・・」

梓「自分達をとるときは、ここを押してから、こうして、こうして・・・」

ヒイロ「了解」

ヒイロ「ターゲットロック・・・・撮影開始」

梓「・・・」ドキドキ

ヒイロ(女子高生らしい写真撮影・・・そうだな、クラスの女たちがやっていたようにしてみるか)


パシャ 参考画像


ヒイロ「うまく撮れたか」

梓「は、はいです」

ヒイロ「そうか・・・ふっ」

梓「あ、やっと笑いましたね」

ヒイロ「?」

梓「ずっとしかめっ面ばっかりだったので」

ヒイロ「・・・平沢唯は、よく笑っていたか」

梓「・・・はい」

ヒイロ「善処する」

梓「唯先輩・・・私、絶対他言はしませんから、話してくれませんか?」

ヒイロ「・・・俺・・・私の身には何も起きていない」

梓「そんなことないですよ・・・」

ヒイロ「杞憂だ。忘れるんだあずにゃん。忘れたほうがいい」

梓「・・・でも」

ヒイロ「さもなくば・・・お前を・・・殺す」


梓「ひどいですよ・・・唯先輩は冗談でもそんなこと言わなかったのに」

ヒイロ「・・・」

梓「でも、私。私が知ってる唯先輩のこと信じてます」

梓「いつか必ずほんとうのことを話してくれるって・・・」

ヒイロ「あぁ」

梓「す、すいません。今日は帰らせていただきます」

ヒイロ「・・・」

梓「また明日・・・」

ヒイロ「あぁ」

梓「・・・・ばか」

タッタッタ




ヒイロ「中野梓・・・謎だ」

ヒイロ「だが、友好関係は築けたはず。任務続行に問題はない」

ヒイロ「しかし・・・この胸の痛みはなんだ・・・・」

ヒイロ「リリーナ・・・いまお前はどうしている・・・」




・・・・


唯の部屋


カタカタカタカタカタ

ヒイロ「7月7日。日記」

ヒイロ「今日はけいおん部のメンバーで七夕祭というものにいった」

ヒイロ「この国の季節のイベントのうちの一つだ」

ヒイロ「俺はこの手のイベントに参加したことはほとんどない。せいぜいサンクキングダムのダンスパーティーくらいだ」

ヒイロ「田井中律から写真データをもらったので保存しておく」


「参考画像」


ヒイロ「中野梓は笑顔だった。本日の任務はこれで終了」ターン


ヒイロ「よし」

ヒイロ「この世界に来てもう三ヶ月か・・・」

ヒイロ「ゼロ・・・俺は毎日自問自答してきたが、まだ答えはでそうにない」




・・・・

・・・・



ヒイロ「俺は・・・この世界でも孤独だ・・・」


梓「どうしたんですか? 唯先輩」

ヒイロ「あずにゃん」

梓「最近少し落ち着いて来ましたね」

ヒイロ「・・・平和ボケしただけだ」

梓「いいことじゃないですか平和なんて」

ヒイロ「・・・そうかもしれない。少なくとも、これ以上俺は誰も殺さずにすむ」

梓「また妄想ですか?」

ヒイロ「あぁ、妄想だ」

梓「ふふ、最近の唯先輩は歴戦の勇士みたいな雰囲気してますもんね」

梓「そういうキャラづくりですか?」

ヒイロ「・・・」


ヒイロ「この世界なら。俺は・・・なにも・・・」

梓「?」

ヒイロ「殺さずにすむんだ・・・」

梓「はい?」

ヒイロ「もう戦わなくていい。だれも悲しませることはない」

梓「・・・それでも、戦争はありますけどね」

ヒイロ「・・・世界情勢は把握しているつもりだ」

梓「そうです。この国はとりわけ平和ってだけで、地球上では紛争はたえませんよ」

ヒイロ「そうか・・・だからお前たちは完全平和主義をうたっているのか」

梓「え?」

ヒイロ「違うのか?」

梓「はぁ・・・まぁ、音楽は世界に平和をもたらすかもしれませんね」

梓「ビートルズもずっと愛と平和を歌ってきましたし・・・」

ヒイロ「リリーナと同じだ・・・あずにゃん!」

梓「なにいってるんですか唯先輩もその一員じゃないですかー」


梓「それより、学園祭でやるライブの曲考えましたか?」

ヒイロ「なに・・・」

梓「なに・・・じゃないですよ!」

ヒイロ「学園祭とはパーティーのようなものか」

梓「去年やったでしょーに!」

ヒイロ「・・・」

梓「唯先輩の記憶障害はほんと深刻なレベルまで達してると思います!」

ヒイロ「そうか」

梓「まったく。困りますよ」

ヒイロ「だがギターは弾ける」

梓「むむ・・・ちょっとうまいからって調子にのって」

ヒイロ「あずにゃん。お前に教わることはない」

梓「それが先輩の正しい姿でしょっ! いままでが甘えすぎだったんです」

ヒイロ「・・・」

梓「けど、そんな唯先輩は嫌いじゃありませんでした・・・」

梓「とりあえず行きましょうか。澪先輩たちが待ってます」

ヒイロ「これからどこへ行く」

梓「ハンバーガーショップですけど」

梓「あ、その前に私銀行でお金おろしていいですか」

ヒイロ「あぁ」

梓「すぐ終わりますんで」



・・・・



梓「のはずがどうしてこうなったんでしょう」

ヒイロ「・・・」

強盗「うごくなよぉ・・・うごいたら順番にぶっ殺すぞ」

梓「・・・うぅ」



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