─────

律「さて、いよいよ本番3日前なわけだが……」

和「俺らは明日劇の方で来られないからこれが最後の練習か……」

純「はやかったな~色々と」

梓「おい、純。まだ振り返るのは早いっての」

律「だな。もちろん本番で成功するのを当たり前に望むけど、
  万が一にも失敗するかもしれないんだから気は抜くなよー」アハハハハ

和「いや……笑いながら縁起でもないこと言うなよ」

梓「本当ですよ、律先輩」

律「あはは、わりぃわりぃ。でもさ……本当、みんなありがとな」

和「?」

純「?」

梓「……なんですか……いきなり……」

律「いや……なんというか、最後の練習だし…さ」

梓「……」

律「みんな、ありがとな。3年最後の文化祭の思い出にっていう俺のわがままに付き合ってくれてさ・・・」

律「和とか、生徒会と勉強とバンドとムギのことと両立してるのにすんげー上達してくれて正直驚いてる」

和「ちょっと1つ余計じゃないか?いや、余計でもないんだけどさ」

律「純も、ベースは澪以外の高校生は全員へたくそだって思ってた俺の常識を勝ち破ってくれた」

律「お前は俺のベストベーシスト第2位だよ、純」

純「喜んでいいのか微妙ですが、役に立てて嬉しいっすよ、律先輩」

律「そして、梓」

梓「・・・はい」

律「なんつーか、お前はもうなんつーか・・・」

梓「・・・」

律「よくわからん!!」

梓「はい?」

律「お前には言いたいことがものすんげーもう山のようにあるはずなんだが、いざとなったら言葉にできないもんだな」

梓「そうですか・・・」

律「とりあえず、これだけ言っとくわ。梓」

梓「・・・なんですか、律先輩」

律「俺は、お前のこと信じてるからな!!」

梓「・・・・・・」

律「だから俺のこと裏切らないでねっ!!」

梓「・・・・・・あぁ、まぁ、はい。どうもです」

律「ぐはっ!リアクションうっすいなーお前はあいかわらず!!これ結構はずかしーんだぞ?」

梓「そうですか。それはいい気味ですね」

律「お前は・・・なんで俺にそう突っかかるかね、最後まで」ッタク

純「梓は素直じゃないからなぁ」

和「まぁ、でも律と梓は、なかなかいいコンビだとは俺は思うけどな」

律梓「どこがっ!?」

律梓「あっ」

純「そういうとこがですよ、ね?和先輩」ニコッ

和「だな。息ぴったりじゃんか、2人とも」

律「・・・」

梓「・・・」

律「ま、ま・・・その、さ、梓」

梓「なんですか?」

律「本番はよろしく頼むぜ」ヘヘッ

梓「先輩こそ。ミスしたらカチューシャへし折りますからね」フッ

律「ったく、手厳しーな、梓は。まったく」

梓「劇もがんばってくださいよ?」

律「おう!まかしとけっ!」ドンッ

和「本当はすっごい仲いいだろ、この2人」

純「ですよね。なんで素直になれないんだか・・・」

さわ子「みんなお待たせ~、衣装できたわよ~」

律「おぉ!できたのかー!!」

梓「衣装なしなのかと思ってましたよ」

和「もうさわ子先生が突然現れてももう何の違和感もないな」

純「俺もです」

律「よしっ!!衣装もできたことだし!!最後の練習すっか!!」

律「いくぞー!!若葉ブラザーズ!!!」

梓和純「おーーっ!!」


28通りめ 若葉ブラザーズ 終わり



律「・・・」

紬「いいわぁ~」ウットリ

三花「なかなか・・・!!」ゴクリッ

いちご「いいと思う」

瀧「すっごいかわいー~~コーラのむ?」

律「コーラのまねー」イライラ

佐々木「お前、かわいいな」ヤラナイカ?

近田「うっわ~~すっごいかわるもんだねぇ」

和「ほう・・・なるほど。なかなかかわいいじゃないか」

律「っだーーー!!!おまえらうっせーよっ!?」

唯「りっちゃん似合ってるよ、そのかっこう!ぶふぅ!!」

律「ゆぃいいいいいいい!!!お前、おもいっきり笑ってんじゃねーか!!」

唯「だって、りっちゃん、カチューシャとったらすっごい似合ってるんだもん女装。おもしろー」ケラケラ

律「じょ、女装いうなぁ!!つーか、お前のかっこうのが面白いわ!!」

信子(私よりかわいいだとぉ・・・!?)

瀧「ていうかさ」ヒソヒソ

ちか「田井中くんってカチューシャとったら」ヒソヒソ

一同(なんかかっこいい・・・!!)

律「くそ・・・!!前髪が邪魔だ。はやくきがえてーなぁ・・・スカートとか下にズボン履いてっけど妙にすーすーするし」

さわ子「りっちゃん、きついとか、動きにくいとかない?」ハァハァ

律「さわちゃん・・・あ、あぁ。今のとこ不具合はないけど・・・てか、息荒いけど大丈夫?あとさりげなく尻触ろうとしないで」

さわ子「りっちゃんのいけずぅ!!お尻くらい触ってもいいじゃない!!」

律「よかねーよ!?」

さわ子「んもう」

ワーーアキヤマサンカッコイイーーー!!

律「・・・お」ピクッ

さわ子「あら?」

澪「あ、ありがとう・・・って言えばいいの・・・か?」アハハハハ

唯「わ~~~!!澪ちゃん本当にかっこいいーーー!!」

澪「ゆ、唯ありが・・・って、木の衣装すごっ!!」

唯「ノンノンノン!!澪ちゃん!!これは木じゃないよ!!」チッチッチ

澪「な、なんだよ・・・」

唯「木Gなのです!!」ジャジャーン

澪「そ、そうか・・・お互いがんばろうな」

唯「もちのろんでございます!」ブイッ

澪「ふふっ、唯らしいな」

姫子「秋山さん」

澪「あ、立花さん」

姫子「動きにくいとか、着にくいとかない?大丈夫?」

澪「う、うん。いまのとこ大丈夫だよ、ありがとう」

姫子「そっか。でも、一生懸命衣装つくってよかったよ。秋山さん、すっごい似合ってる」

澪「そ、そうかな・・・?」

姫子「うん!本当にかっこいいロミオだよ!本番もがんばってね」ニッコリ

澪「あ、・・・ありがとう、立花さん」


―舞台袖―

律「うっはー。結構人はいるもんなんだなぁ~~」

唯「みんなりっちゃんの女装みて笑いたいんじゃない?」ブフッ

律「お前はまだそれを言うか・・・」

三花「私がんばっちゃうよ~」

姫子「あはは、がんばってね!!袖でしっかり応援しておくから」

澪「うぅうううう・・・」ビクビクビク

姫子「あ・・・」

澪「(さっきはだ、大丈夫だったのに・・・今ごろになって緊張してきた・・・!!!)」

澪「(失敗したら・・・セリフ忘れたらどうしよう・・・!!!)」ガクガクガクガク

姫子「秋山さ」

スッ

律「お前、こんなギリギリに緊張してんのかよ。腹くくれよな~~まったく」

澪「り、律・・・!だ、だって・・・私が失敗したら・・・それだけで劇がめちゃくちゃに」

律「だーー!!もう!!お前が失敗したら失敗したで俺がなんとかするからドンと構えてろよ!!」

澪「な、なんとかって・・・た、たとえば?」

律「へ・・・?たとえばと言われましても・・・」

澪「うぅううう・・・や、やっぱり失敗したらどうしよう・・・私のせいで・・劇が!!」

ぎゅうう

澪「り、りふ!?」

律「ほらほらほら~~!澪ちゃーん。そんなおっかない顔しないのぉ~~!!」グリグリグリグリ

澪「いた、いたた。ちょ、りふ、いたひからほっぺたぐりぐりしなひでぇ~!」

律「はい、リラックスリラックス!」グリグリグリグリグリ

澪「ちょ、ちょっと、ほほんとにやめへっへば、り」

律「くはははは、お前へんな顔っ!!」ケラケラ

澪「」イラッ

ごんっ!

律「った~~~!?なんで叩くんだよ!!」ズキズキズキ

澪「お、お前が悪いんだろぉ~~!?」

律「いたたた・・・」

澪「まったく」フンッ

律「へへっ」

澪「なに笑ってんだよ」

律「いや、この痛みもひさしぶりだなぁと思って」

澪「・・・ばか」

律「まぁ・・・お前が失敗したら俺が全部笑いにかえてやるから安心して失敗しろな」ニコッ

澪「・・・」

澪「いや、失敗したらダメだろ」

律「くはは、だな。まぁ、今までやってきたことでもちょっくら信じて、ベストをつくそーぜ!ロ澪さんよ!」

澪「あぁ、そうだな。自分のためにもみんなのためにも頑張るよ・・・ジュ律エット!」

姫子「・・・」

三花「ふふっ。秋山さんと田井中くんって見てて本当にラブラブだねぇ~」

紬「三花ちゃん!!あなたよくわかってるわねっ!」good!

いちご「見てるとちょっとやりとりが薄ら寒いけど、それがいい」

佐々木「ぐぬぬ・・・!!俺が秋山さんをはげまそうと思ってたのに!!田井中のやつぅ!!」

瀧「あの短時間でいつもの秋山さんに戻っちゃったって感じだもんね。さっすが田井中くん」

姫子「あ、う、うん。そうだね」

姫子「・・・」

姫子「・・・本当にお似合いの2人だよ」

唯「りっちゃん、さっきなに澪ちゃんに怒られてたの?」

律「おこられてねーし」

唯「ふーん。まぁ、じゃれてるようにしか見えなかったけどね」

律「ん?なんかいったか?」

唯「べっつに~~。あ、私、最初向こうだった。移動しなきゃ」

律「あ・・・ゆい!」

唯「ん?なに、りっちゃん」

律「そ、そのさ・・・・」

唯「?」

律「がんばろうな、劇」

唯「うわ~~、がらじゃな~い」

律「うっせ。わかってるつーの!」

唯「・・・ふふっ!うそうそ!!がんばろうね、りっちゃん!じゃあ、また舞台上でねぇ~~」タッ

紬「いよいよ本番ね・・・!!」

瀧「あ、円陣くもーよ円陣!!」

佐々木「俺のキャメラが火をふくぜっ!!!」キラーン

律「おい、和。おまえ掛け声しろよ!」

和「は?なんでだよ」

近田「いいじゃんいいじゃん。こういうのはやっぱ和でしょ!」

唯「そうだよー、和ちゃんがお似合いだよー!」

和「じゃ、じゃあ・・・」

コホン

和「さて、みんな!!そろそろ始まるけど準備はいいか?」

「おー!」

唯「はい!私は今から木Gです!!」

「いや、それ今言わなくていいから」どっ

和「いつも上から目線で本当に悪かった。こんな俺についてきてくれて本当にありがとう!」

紬「・・・真鍋くん」

律「あーだな、あれだな。和は少し謙虚さを学んだがいいと思うぞ」

佐々木「ちょっとお前黙っとけよ」

瀧「佐々木が今いいこと言った!」

律「」

澪(どんまい律・・・)

和「・・・みんな本当に練習がんばってきたって思う、だから俺はこの劇の成功を本当に信じてる」

唯「和ちゃん・・・」

和「アクシデントがあったらすぐに俺でも琴吹さんでも誰でもいいから言ってくれ。1人で解決はしないように」

「はーい」

和「じゃあ、頑張っていこう!!行くぞ!!3年2組!!」

「おぉおおおお!!!」


29通りめ ジュリエットとロミオ 続く



32
最終更新:2011年12月09日 05:46