―――――


「―――い」

律「・・・ん・・・」

「おい――つ」

「起きろって」

律「んあ・・・・だれ・・・?」

澪「おいってばぁ」トントン

律「へ?」

澪「あ、やっと起きたか?」

律「!!」ガバッ

澪「うわっ!」

律「み、みお!?な、なんでいんの!?」

澪「なんでって・・・律が電話でないから家のほうに電話したら律のお母さんがおいでって・・・」

律「へ・・・?電話・・・え?今なんじ」チラッ

澪「・・・まったく、何で寝てるんだよ」

律「あ・・・2時過ぎてる・・・わるい」

澪「何回も電話したんだぞ・・・ばか」

律「・・・ほんとだ。って、50回はかけすぎだろ・・・・あ、唯とムギからメールきてる・・・和からもだ」カチッカチッ

律「そういや、1人でうちまで来たのか・・・?」

澪「パ・・・お父さんに送ってもらった」

律「さですか・・・。理解のあるお父さんでよかったよ」

澪「なんだよ、理解があるって」

律「いや、ドラマに出てくる昔ながらのやつ。『娘はやらんっ!!』つってちゃぶ台ひっくり返すみたいな、さ、そんな人じゃなくてよかったってこと」ハハハ

澪「うちのパパに限ってそれはないだろ」

律「まぁ、・・・そうだな(パパはスルーしてやろう)」

澪「今年はもうやめとく?もう遅いし」

律「ん?いや、別にいまから行こうぜ?夜中のがきっときれいに見えるだろ」

澪「でも、あぶないんじゃ」

律「だいじょうぶだろ。まぁ、夏だし変なやつはいるかもな」ヘッヘッヘ

澪「・・・それって大丈夫なのか?」

律「細かいことはきにすんなよ!!ちょっとしたくするから待ってろ」

澪「うん」

律「さーて、行きますか!」

澪「おい、静かにしろよ・・・みんな寝てる時間なんだから」

律「あ・・・だな」シー

澪「まったく・・・」

―――――

律「夜中の町ってなんか新鮮だな。いつもと雰囲気ちがうっていうか」スタスタ

澪「・・・だ、だな・・・」スタスタ

律「街灯ついてるけど、懐中電灯もってくればよかったか?」スタスタ

澪「お。・・・おう」スタスタ

律「?」スタスタ

わおーん

澪「」ビクッ

律「うお!びっくりしたー。犬の遠吠えか」

澪「・・・・あ、ははは」

律「・・・なぁ」

澪「ん・・・な、なんだ?」

律「ひょっとして、こわい?」

澪「んなっ!?・・・そ、そんなこと!!!高校生にもなってあるわけないだろっ!?」

律「そっか」

澪「そ、そうだっ!!!」

ガサッ

澪「ひっ!?」ガシッ

律「うおっと」ヨタッ

澪「あ・・・」

律「あはは!やっぱこわいんじゃねーか!もー澪ちゃんったら強がっちゃって!!」クハハ

澪「わ、わらうなよっ!?」

律「はいはい。じゃあ、ん」すっ

澪「え?」

律「ほれ。いらない?俺の右手。今日なら特別価格で販売ちゅー」ニカッ

澪「なんだよそれ・・・あはは・・・」

律「ん?いらない?」

澪「・・・いる」

ぎゅ

律「よし。じゃあ、いくか」ヘヘヘ

澪「うん」

律「てか、お前今日なんか匂いがするな」スタスタ

澪「あ・・・、うん。香水つけてきた」スタスタ

律「そうなんだ。いつもはしないのに」スタスタ

澪「きらい?」スタスタ

律「いや、いいにおいだと思うけど。さわやかっていうか」スタスタ

澪「なら、よかった」スタスタ

律「おう」スタスタ

―――――

律「さーて!ついたな」ドッコイショ

澪「ここは・・・ずっと変わらないな」ヨイショ

律「だな!あーーやっぱここは星がきれいだな!」

澪「うん・・・ほんとう。星がきれい・・・」

律「うはぁ~」

澪「あれがアルタイル、で、あれがベガで・・・こっちが」

律「デネブ・・・だっけ?」

澪「やっと覚えた?」

律「さすがに毎年言われてたらなぁ・・・」ゴロン

澪「おい、ねっころがるなよ」

律「へへへ!いいじゃん!!どうせ誰もいないんだし!澪もねっころがれよ!!きっと満天の星空ってこういうことをいうんだぞ?」

澪「・・・」ゴロン

律「・・・なんだかんだ言ってねっころがる」ボソッ

澪「う、うるさい!・・・うわぁ・・・本当に、星の天井って感じ・・・」ホウ

律「・・・」

澪「・・・」

律「みおー」

澪「なに?」

律「左手」

澪「・・・」

ぎゅ

澪「・・・りつ」

律「ん?なんだ?」

澪「もう過ぎちゃってるけど、誕生日、おめでとう」

律「お!・・・へへ・・・ありがと」

澪「・・・」

澪「・・・りつの」

律「ん?」

澪「律のこの1年が、とってもすばらしいものになるといいな・・・」

律「なんだよ、それ」ハハハ

澪「なんとなく・・・思っただけ」アハハ

律「・・・」

律「なんつーか・・・」

澪「ん?」

律「み、澪といれれば・・・その、俺はなんでも楽しいし、なんでも嬉しくなるから」

澪「そう思ってくれる?」

律「ん。そう思う。思うよ。だから、・・・あんまり遠くにいくなよ?」

澪「なんだよ、それ」ハハハ

律「いや、だって・・・お前、高校入って中学のときよりモテてるからさ・・・ちょっと心配」

澪「・・・」

律「って、まぁ、澪は澪のものだから、好き勝手にどこにいってもいいんだけどさ」ハハハ

澪「・・・」

律「・・・」

澪「・・・なぁ」

律「ん・・・なに?」

澪「私は・・・こんな性格だし、嫉妬もきつい。だから、きっといつか律を傷つけるかもしれない」

律「そんなこと・・・」

澪「可能性は0じゃないだろ?」

律「・・・まぁ・・・・残念ながら」

澪「私、そうなったら、自分が悪くても律に素直に謝れないと思うんだ」

律「いや、謝れよ・・・」

澪「うん、ごめん」

律「今じゃねーよ」

澪「でも、本当に、本当にね、律。私が本当に自分が悪いって思ってて、律に謝りたいって思ったら
  ・・・今日のこの香水をつけるから・・・それでわかってほしいんだ」

律「・・・」

澪「すごく、反省してると思うから・・・それで私のこと、『ばかだな』って思ってあきれてもいいから。
  ・・・嫌いになってもいいから。ただ『あぁ、謝りたいんだな』っていうことはわかって、ね、りつ」

律「・・・」

律「・・・なんだか、わがままなお願いだなぁ、おい。しかも俺の誕生日にお前がこっちに頼みごとかよ」

澪「ご、ごめん・・・」

律「まぁ、そのときになってみないとわからないけどな・・・この匂い、覚えてるかどうかもわかんねーし」

澪「そうか・・・、そうだよな」

律「というか、そんなことが起こってほしくないけどな・・・・はは・・・まぁ、覚えておくよ」

澪「うん・・・お願いね、律。ありがろう」

律「はいはい、わかりましたよーっと。ていうか、なんでお礼?」

澪「おちゃらけるけど、きっと、覚えててくれるだろ、このこと」

律「・・・さあね」

澪「律のそういうとこ、好きだよ」

律「ぶっ!?な、なにをいきなり言い出すんだ!?」

澪「だって、普段こういうこと言わないから。こういう時くらいいいかなって・・・」

律「・・・っ・・・さですか」

澪「ねぇ、こっちむいてよ」

律「・・・やです」

澪「ねぇってば」

律「・・・」

律「・・・」ヨイショッ

澪「ふふっ・・・照れてる律の顔すき・・・・」

律「・・・お前なぁ・・・」

澪「律は?」

律「・・・・好きだよ」

澪「どれくらい?」

律「・・・自分じゃ、もうどーしょーもないくらい?」

澪「そっか」

律「みお」

澪「ん?」

律「また来年も2人で星を見にこような」

澪「・・・」

澪「うん」

律「じゃー、帰るか!!」ヨイショ

澪「・・・だな」

律「・・・」スタスタ

澪「・・・」スタスタ

ぎゅ

律「・・・帰りはなにも言わずに繋ぐんですね」

澪「ん?なんかいったか?」

律「いや~、なんでもねーよ!」ハハハ

澪「そっか」ニコッ

律「・・・」

澪「ん?どうかしたか?」

律「・・・いんや、なにも」

律(うん・・・澪のためならなんでもできる気がする)

澪「・・・ふわぁあ」

律「ファイト!!俺!!!」

澪「?」


律誕ということで番外編

※2011/08/21



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