―――――

梓「はい。じゃあまたー」ピ

梓「律先輩たちと連絡とれてよかった~」

唯「なんて言ってた?」

梓「どうやらあっちも律先輩と秋山先輩、純と平沢さん、琴吹先輩と真鍋先輩でわかれちゃったそうですよ」

唯「そうなんだ~。というか、それすっごい・・・カップルだね」

梓「あはは・・・ですね。せっかく一緒に見にきたのになぁ」

唯「ねー・・・ほんとに・・・まぁ、転んじゃった私が悪いんだけどね」

梓「・・・」

梓「な、なんとか座れてよかったですね。痛くないですか?」

唯「うん。なんとか。ありがとね、あずにゃん」

梓「いえいえ。ていうか、お約束通り、迷子になりましたね」クスクス

唯「うっ・・・わ、わらわないでよぉ!?」

梓「いや、す、すいません。でも、先輩らしいなぁーって思って」クスクス

唯「あ、・・・」

唯「・・・あずにゃん!!」

梓「はい。なんですか?」

唯「・・・・・・」

唯「そ、そのね」

梓「?」

唯「さっき・・・どうしてわかったの?私が右だって」

梓「え~。先輩までそれを聞いてきますか?」

唯「だって・・・いつもみんな間違えるから」

梓「みんなって・・・ひょっとして親もですか?」

唯「うん。仕事がいそがしくて2人たまにしか会わないからね。
  お母さんはギリギリわかってくれるけど、お父さんはよく間違えるかな~」

梓「へぇー・・・。そんなに似てますかね?先輩と平沢さん」

唯「自分で言うのもなんだけど・・・似てるんじゃないかな?」

梓「でも、俺は似てないって思いますし・・・実際、2人の見分けもつきますから」

梓「それでいいじゃないですかね?」

唯「・・・・・・」



どーん



唯「あ」

梓「あ」


唯「・・・きれい」

梓「・・・うわぁ・・・ここめっちゃ見えるじゃないですか」

唯「うん。私と和ちゃんと・・・憂の特等席だったからね」

梓「そうなんですかー。いやー・・・本当にきれいに見える」

どーん どーん

梓「・・・うわぁーうわぁーすごい!!」

唯「」チラッ

唯(あずにゃんテンション高いなぁ~)クスクス

梓「あーパラパラしてる!!!滝みたいですね!!」

どーん

唯「ありがと、私のことわかってくれて」

どーん どーん

梓「ん?なにか言いました?先輩」

唯「ううん。なんでもないよ」

梓「そうですか!!あ、またきれい!!すっげー!!」

唯「あずにゃん」

梓「はい。なんですか?」

唯「花火きれいだね!!」エヘヘ

梓「はい!!こんなきれいな花火先輩と見られてよかったです!!」

唯「・・・」

どーん

梓「うわぁ~きれいだなぁ~」

唯「・・・えへへ」


25通りめ 2年生の唯と1年生の梓 終わり



律「え・・・?なんで知ってるんだ?(まさか、澪・・・唯にはしゃべってたのか?)」

唯「ん~。だって、2人ともなんだか最近おかしいんだもん」

律「おかしい?・・・澪に聞いたんじゃないのか?」

唯「聞いてないよ?ていうか、そこからおかしいよね。
  そういうの、普段の澪ちゃんなら言ってきそうなのにさ、ムギちゃんにも私にも言ってこないなんて」

律(澪・・・2人に言ってないのか・・・たしかにおかしいな、そりゃ)

唯「まぁ、りっちゃんが澪ちゃんにフラれたのは本当にざまぁって感じで
  自業自得で私は今猛烈に笑いそうになるのをこらえてるんだけどね!!」

律「・・・お前・・・(俺が悪いのはわかってるけどすんげぇ腹立つな・・・)」

――ドア――

梓「先輩・・・これで律先輩のこと本当に好きならなんか腹黒い・・・」


――

唯「りっちゃんも澪ちゃんも、水くさいよ、まったく」

律「す、すいません・・・」

唯「『すまん』って謝っておけばそれで全部がきれいに終わると思ったら大間違いなんだよ?」

律「たはは・・・ほんとにな・・・。というか、俺がフラれたことを確認したいだけならもう帰っていいか?」

唯「ううん。まだ、言いたいことあるからダメ」

律「・・・まだあるのかよ・・・もう、今日は精神的にズタボロなんだから帰らせてくれよ(練習時間が・・・)」

唯「たしかにもう下校時間になっちゃうから、ずばっといっちゃうけどさ、りっちゃん」

律「ん?」

唯「私、こう見えて本当はね」

律「な、なんだよ・・・」

梓(え・・・?ひ、平沢先輩・・・まさか・・・告白!?)

唯「りっちゃんのこと・・・」

律「・・・え?ゆ、ゆい?」

梓(ま、まじかよ!?え・・・い、嫌だ!!)ガチャ

ガシッ

梓「うわっ!?」


律唯「ん?」

律「今、なんか声しなかったか?」

唯(今の声って・・・)

律「声したよな?だれかいるのかな?ちょっと見てくるな?」スタスタ

唯「あ、ま、待って!!声とかしなかったよ。やだな~りっちゃん」アハハハハ

律「え・・・?そ、そうか?でも・・・」

唯「空耳じゃないの?りっちゃん耳悪いなぁもう!!」

律「耳は悪くないはずだけどなぁ・・・まぁ、いいか・・・こんな時間に俺ら以外残ってるやつなんていないだろうし」

唯「そうそう、そうだよ!それよりも話の続きなんだけどさ」

律「あぁ、おう。なんだよ」

――ドア――

梓「も、モガッ!?(え!?な、なんで秋山先輩がここに!?)」

澪「こら、大声だすなっ」ヒソヒソ

梓(てか、だ、抱きつかれて、・・・く、口・・・お、押さえられてる!?)ドキドキドキ

澪「梓、だめだろ。こういうのは最後まで出て行っちゃダメなんだ。わかったか?」シー

梓「」コクコク

澪「よし。手はなすけど、大声だすなよ?」スッ

梓「ぷはぁ~」

澪「まったく・・・。唯のこと心配なのはわかるけど、仮にも盗み聞きなんだからな」ヒソヒソ

梓「」

澪「なんだよ。そんな驚いた顔して。忘れ物じゃなくて、唯のことが心配だから戻ってきたんだろ?」ヒソヒソ

梓「え・・・い、いや、べ、べつに!?そんな!?
  ひ、平沢先輩のことが心配とかじゃなくて、その、が、楽譜をここ、に忘れてただけで、その!?」ワタワタ

澪「はいはい。わかったわかった。楽譜を忘れたんだな。そっかそっか」ヒソヒソ

梓「ぐっ・・・(全然わかってない)」

梓「ていうか、せ、先輩」ヒソヒソ

澪「ん?なんだよ」

梓「そ、そろそろ離れてほしいというか、その。先輩にだきつかれるのは嬉しいんですけど、あの、なんというかですね・・・」ヒソヒソ

澪「!?」バッ

澪「す、すまん!?///」バッ

梓「あはは・・・べ、別にいいですけど、その、ね・・・(柔らかかったという感想は墓場まで持っていこう)」

澪「うぅうう・・・ゆ、油断していた・・・///」

梓「油断・・・なのかどうかはわからないですけど、その、まぁ、お互い忘れましょう」アハハ

澪「す、すまん・・・梓」

ガチャ

梓澪「・・・あ」

律「なにしてるのかな~?」ニコッ

唯「2人ともそんなにひっついて~」ニコッ

梓「え・・・?」

澪「いや、その・・・なんだろうな・・・あはは・・・」

唯「ていうか、あずにゃんと澪ちゃんって仲良かったんだねぇ~りっちゃん」ジトー

律「だな~唯。まさか2人で人の話を盗み聞きとはなぁ~」ジトー

梓「あ、いえ、その・・・楽譜を部室に忘れちゃってですねぇ・・・あはは」

澪「そうそう。梓が楽譜忘れたっていうから・・・取りにきてさ・・・あはは」

律「つーか、梓、距離近いからもっと澪から離れろ!!」

唯「澪ちゃんもあずにゃんから離れてよ!!」

梓澪「」

梓澪「す、すみませんっ!?」

梓(・・・あれ?今のって・・・)

律「まったく・・・梓、楽譜の忘れものならさっさととってこい、もう鍵しめるぞ」

梓「あ、・・・す、すいません」ダッ

梓(本当は忘れ物とかないけど、一応探して入れるフリしとこう)ガサガサ

澪「ふ、二人はもう話・・・終わったのか?」

唯「ん~。まぁ、終わったといえば終わったけど。ね、りっちゃん」ニコッ

律「・・・あぁ、まぁな」チラッ

澪「!」スッ

律(・・・また目そらされた・・・)ガーン

澪(し、しまった・・・また目をそらしてしまった・・・)アウウ

唯(う~ん・・・どうにかならないかなぁ。このままじゃ劇も演奏もぼろぼろな予感で一杯だよ)ポリポリ

梓「すいません!!お待たせしました(本当に楽譜忘れてた!!あっぶねー!!)」

律「・・・おう!じゃあ、帰るか」ガチャガチャ

唯「ムギちゃんはいないんだね?」

澪「あぁ、ムギは和と帰るってさ」

唯「ほうほう!アツアツですなぁ~!!」

澪「はは・・・本当にな」

律「・・・俺、鍵返してくるから、3人とも先に帰ってくれ。じゃーな」スタタ

澪「あ・・・」

唯「・・・一緒に帰ればいいのに」

梓「・・・」

唯「じゃあ、3人でかえろっかー。澪ちゃんは途中までしかだけど」

澪「あぁ・・・うん、だな」


―――――

澪「唯ももう私たちが別れたこと知ってたんだな・・・」

唯「知ってたっていうか、わかるよ~!!2人とも変なんだもん」

梓(やべ・・・俺、全然わかんなかった・・・)

澪「それ、ムギにも言われた・・・そんなにおかしかったかな?」

唯「自覚がない時点ですでにアウト!」

澪「む~~」

梓「・・・あ(練習のこと忘れてた!!)」

唯「ん?どうしたのあずにゃん?」

梓「あ、あの?」

澪唯「?」

梓「お、俺、ちょっと用事思い出したので、先に帰りますね!!」

唯「え・・・?」

澪「そうか・・・じゃあ、また明日な」

唯「・・・」

梓「はい。一緒に帰れなくてすいません・・・ちょっと1人きりずつで女の人を帰すの不安ですけど」チラッ

唯「?」

梓(でも、きっと律先輩が1人で帰ったってことは・・
  練習時間押してたからだよな・・・もう待ってるかもしれないから早くかえらないと・・・)

澪「その気遣いだけで十分だよ、な、唯!」

唯「う、うん・・・」

梓「すいません。では2人とも気をつけて帰ってくださいね!!お疲れ様でした!!」ダッ

唯「・・・」

澪「・・・一緒に帰りたかったか?」

唯「え!?そ、そんなことっ!?」

澪「まぁ、私もだけど、唯もなかなか水くさいよな、私たちに」

唯「そ、そうかな?そんなことないと・・・思う・・・けど・・・」

澪「そうだよ。『自覚がない時点ですでにアウトだ』」

唯「たはは・・・ご、ごもっともですね・・・」

澪「・・・」

唯「・・・」

澪「帰るか」

唯「うん」

スタスタ

澪「・・・律とはなに話たんだ?」

唯「ん?気になる?」

澪「うん」

唯「おぉ!!澪ちゃんがやけに素直!!」

澪「・・・からかうなよ」

唯「すいやせん」デヘヘ

澪「で、なに話たんだ?」

唯「んーとね、すっごい短いよ。なんていうこともない話。聞く?」

澪「聞くからはやく教えろよ」

唯「たはは。澪ちゃんってばせっかち」

澪「ゆ~い~?」

唯「あわわ!?言う言う言う!!言うから怒らないで!!そのさ、そのね!!」

澪「まったく。なんだよ」

唯「なんていうか、ただ『りっちゃんはいろんな人に優しいけど、
  本当に大切なものがあるならそういうの全部ほおりだしちゃっていいんだよ』って言ったの」

澪「・・・」

唯「りっちゃん、ぶちょーさんだし、ああ見えて面倒見いいでしょ?
  なんたって、澪ちゃんとずっと一緒に幼馴染して、付き合っちゃうくらいだし」

澪「どういう意味だよそれは」

唯「どういう意味って・・・澪ちゃんってさ、かなりめんどう人だなって私が思ってるだけだよ」

澪「」

澪「・・・・めんどうな人?私が?」

唯「うん。だって、本当ジャン。嫉妬深いし。結構りっちゃんのこと束縛ぎみだし」

澪「マジか・・・」

唯「自覚ないんでスカイ・・・?」

澪「・・・いや、ちょっとはあったけど。でも・・・」

唯「りっちゃんは優しいから、そういうのもグチグチいいながら結局は澪ちゃんに合わせてくれてたでしょ?」

澪「う・・・、そう・・・だな」

唯「りっちゃんと姫子ちゃんのことは、りっちゃんが優しすぎて思わせぶりで
  本当にりっちゃんってバカだな~って端から見て思ってたから、今回澪ちゃんにフラれたことはいいお灸になったと思うんだ」

澪「かな?」

唯「うん。でも廻りまわって考えると、
  りっちゃんの優しさっていうのは澪ちゃんが起源なわけだからさ、一概にりっちゃんが悪いってのは言えないよね」

唯「私がけいおん部入ったのも、ムギちゃんと澪ちゃん、それに、りっちゃんが私のこと引き止めてくれたからだし」

唯「まぁ、こんなことりっちゃんに言ったら調子に乗るから絶対に言わないんだけどさ」

澪「・・・」

唯「りっちゃん、優しいね」

唯「そういうとこ、好きだよ私。友達として。恋人としてはパスだけど」キッパリ

澪(・・・なんだかすごく色々と複雑な気持ちになったのは間違いじゃないよな)

澪「でも、うん。わかるよ。・・・昔から優しいんだ・・・りっちゃんは」

唯「りっちゃん?」

澪「り、律はっ!!」ハッ

唯「あはは!りっちゃんって澪ちゃんが言うの初めて聞いたかも!!」ケラケラ

澪「わ、笑うなよぉ!?」

澪「・・・」

澪「って!立花さんのことも知ってるのかよっ!?」

唯「え?何いまさら。だって、私姫子ちゃんと隣の席だし」エヘヘ

澪「それと何の関係が・・・」

唯「姫子ちゃん、授業中しょちゅうりっちゃんのこと見てるんだー」

澪「・・・そっか」

唯「うん」

澪「そっか・・・」

唯「澪ちゃん、まだりっちゃんのこと好き?」

澪「・・・」

澪「・・・」

澪「・・・すごく好き」

唯「なら、はやく仲直りしてほしいな。きっとりっちゃんも澪ちゃんのこと、すごく好きだから」

澪「よくわかってるな・・・私のことも、律のことも・・・」

唯「だてにおんなじ空間で毎日過ごしてませんから!」エッヘン

澪「それ、ムギにも言われた」

唯「みんな心配してるんだよ、2人のこと」

澪「そっか」

唯「そうなのです」

澪「ありがとな、唯」

唯「もっとほめていいんだよ?」

澪「・・・でも、私は唯と梓のことも心配なんだけどな」

唯「ナ、ナンノコトッヤラっ!?」

澪「まぁ・・・ごまかすならそれはそれでいいけどさ。信用されてないんだな、私って」

唯「あはは・・・そ、そういうことじゃなんだけど・・・」

澪唯「~~~~」











律「・・・あの2人はなにをこっぱずかしー話をしてるんだ、まったく///」コソコソ

―――――

梓「」ゼェゼェゼェ

梓「り、律せんぱい・・・いねーし」アレ?


23通りめ 紬と澪と唯 終わり



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