律「え・・・ちょ・・・な、なんで澪が・・・?」

姫子「・・・あきやまさん・・・」

ぱっ

姫子(・・・あ・・・手・・・)

澪(律・・・立花さんと・・・)

姫子「・・・」

姫子「あ、あのね、これはその・・・違くて・・・ね?」

澪(手つないでた・・・)

律「お、おい。なんか落としたけど大丈夫か?つーか、お前なんでこんな時間に1人で・・・」

澪「・・・っ!!」ダッ

姫子「あ、秋山さん・・・!?」

律「あ・・・え!?ちょ、ちょっと、待てよ、みお!?」

律「え、な、なんだこ、これ・・・もしかしてやばいのか・・・あ、あれ?」

姫子「田井中くん!」

律「あ・・・立花さん・・・そ、その・・・」

姫子「追って!」

律「え・・・」

姫子「いいからっ!!早く秋山さん追いかけて!!」

律「で、でも・・・」

姫子「早く追いかけてってばぁ!!!」

律「・・・た、立花さん・・・」

姫子「ご、ごめん、大声だして・・・でも、・・・」

律「いや、・・・俺もわるい、その・・・俺、澪、追うから。もうここまで来たら1人で帰れるよな」

姫子「うん・・・」

律「なんかその・・・とりあえず、すまんっ!!!明日またなっ!!」ダッ

姫子「・・・」

姫子「行っちゃった・・・でも、これでいいんだ・・・きっと」

姫子「・・・田井中くん」

姫子「手、おっきかったな・・・」

姫子「たったの1回手をつなぐだけでよかったのに」

姫子「まさか、その1回さえダメだなんて・・・」

姫子「初恋って・・・報われないなぁ・・・」タハハ

姫子「秋山さんに・・・悪いことしちゃった・・・」

姫子「・・・・謝らないと」

ガサッ

姫子「ん?あ、秋山さんが落としたもの・・・」ヒョイ

姫子「なに落としたんだろ・・・」ガサガサッ

姫子「・・・あ」

姫子「あはは・・・ストロベリーシュガーミルク・・・それに2本・・・」

姫子「誰と飲むつもりだったんだろうね、秋山さんは・・・」

姫子「・・・」

・・・がさっ

キュ

姫子「」ゴクゴク

姫子「ぷはっ」

姫子「・・・うわ・・・これ・・すんごい甘い・・・」ジワッ

姫子「ははは・・・エグッ・・・ヒクッ・・・す、すんごい・・・あ、甘いなぁ・・・もう・・・」

姫子「・・・」ゴクゴク

姫子「ぷはっ・・・」

姫子「・・・う・・・うぅううう」ポロポロ

姫子「あんなに優しくされたら・・・好きにならないほうが無理だよ・・・」ポロポロ

姫子「彼女いるって・・・わかっててもさ・・・」ポロポロ

姫子「・・・田井中くんの・・・ばかっ・・・」ポロポロ



―――――



律「み、みおぉ!!おい・・・ちょっと、ちょ、待てってばァ!?」

澪「・・・・・・・」タッタッタッタ

律「はぁはぁ・・・く、くそ・・・あいつ、足はえぇし!!」ダッダッダッダ

澪「はぁ、はぁ・・・」タタタタ・・・

律「でも、あいかわらず持久力は俺ほどないという・・・」ダダダダダ

ぎゅっ

澪「うあ・・・!?」

律「ははは・・・つ、捕まえた・・・」ゼイゼイ

澪「り、・・・りつ・・・」ゼイゼイ

澪(お、追いかけてきてくれたのか・・・?)

澪「」ハッ

澪「さ、さわるなよっ!?」

ばっ

律「え・・・」

澪「・・・あ」

律「さ、さわるな・・・って・・・な、なんで・・・?」

澪「なんでって・・・お前・・・立花さんと・・・手、つないでたじゃないか・・・」

律「え?あぁ・・・あれは・・・その・・・なんというか・・・その・・・なりゆきっていうか・・・その・・・だな」

澪「そんな手で・・・他の女の子とつないだ手で・・・私にさわらないでよ・・・りつ」

律「みお・・・」

澪「ていうか・・・なんでカチューシャしてないんだよ・・・おい・・・」

律「カチューシャ?いや、カチューシャは別に・・・ちょっと忘れてきたっていうか・・・」

澪「そんな簡単に外すもんじゃないだろ?カチューシャなんて・・・どこに忘れてきたんだよっ!?」

律「え・・・どこって・・・
 (澪と唯と憂ちゃんには内緒でバンド組んでるからここで集まってたの言うのはまずいよな)」

澪「なんだよ・・・言えないとこにいたのかよ・・・立花さんと」

律「はいっ!?いや、そんな言えないとこには行ってないっていうか、立花はかんけーないってっ!!」

律「立花はその、いつもどおりにバイト帰りに送ってただけだし!!べつにふつーだろ?」

澪「・・・」

澪「・・・ふつー・・・か」

律「そうだよ、ふつーだろ」

澪「本当にそう思ってる?」

律「・・・お、思ってるよ」

澪「嘘ついてない?」

律「・・・ついてないよ・・・」

澪「そっか」

律「・・・なんだよ」

澪「あのさ」

律「ん・・・?」

澪「律にとって」

律「?」

澪「律にとって、私はいったい何なんだ?」

律「なにって・・・その、・・・かっ、彼女だけど・・・」

澪「彼女がいるやつが・・・普通、他の女の子と一緒に夜、手をつないで歩くのか?」

律「それは・・・立花さんが夜遅くて危ないから・・・」

澪「そうだな、たしかに夜はここら辺は暗くて女の子1人じゃ危ないとは私も思うよ」

澪「現に・・・私だって、さっき1人でここ通るのすごく怖かったし・・・」

律「だ、だろ?そうだよなっ?」

澪「うん、律は優しいよな、いつだって・・・優しい」

律「いや、優しいとかそういうことじゃなくてだな・・・」

澪「本当に、誰にでも・・・」

律「みお・・・?」

澪「でも、私は、・・・律みたいに優しくないから」

澪「律には、私にだけ、優しくしてほしいって思っちゃうんだ」

澪「いつまでも・・・私だけのヒーローでいてほしいって思っちゃうんだ」

律「ヒーローって・・・」

澪「律のこと、好きだから」

律「えっ・・・あの、その・・・///」カァァ

澪「律は、私の彼氏だから。・・・他の女の子と一緒に帰ったり、手、つないだり」

澪「・・・してほしくなかった」

律「あ・・・いや、でも、その・・・あれは・・・」

澪「りつ」

律「・・・?」

澪「私のこと、まだちゃんと好きでいてくれてる?」

律「・・・」

律「そんなこと・・・当たり前だろ?・・・なに言ってんだよ・・・」

澪「・・・」

澪「そっか・・・当たり前か・・・」

律「・・・ほ、ほら!もう遅いし帰ろうぜ!澪の母さんだって心配してるだろうしっ!!」ハハハ

澪「りつ」

律「ん?なんだよ、あ、そういえば、なんか落としてたけど、あれってなんだったんだ?」

澪「・・・っよか」

律「へ・・・?」

澪「私たち、別れよっか」

律「・・・え」

律「なんで・・・そんなこというんだよ・・・」

澪「なんでって言われても・・・律に自覚がないんなら教えてもしょうがないし・・・」

澪「そんなこと言うんだよって言われても、それはむしろ私が言いたい」

律「好きだぞ?ちゃんと・・・俺、お前のこと・・・好きだよ?」

澪「・・・りつ」

律「・・・」

澪「今の律にそんなこと言われても・・・・うすっぺらいよ、その言葉」

律「・・・澪」

澪「じゃあ、私、先に帰るな」スタスタ

律「え・・・ちょ、ちょっと・・・おい・・・おいってば・・・」

クルっ

律「あ!」

澪「また明日な、田井中くん」ニコッ

律「・・・え?お、おい・・・た、田井中くんって・・・みお?」

澪「じゃあな・・・」スタスタ

律「・・・」

律「・・・え?」

律「・・・みお?」


―――――


姫子(泣いたら・・・すっきりした・・・)

姫子「・・・帰ろう」

律「・・・」トボトボ

姫子「・・・あ」

姫子「田井中くん・・・」

律「へ・・・?あぁ・・・立花さん・・・」

姫子「ど、どうしたの・・・?秋山さん・・・は?」

律「澪・・・あー・・・みお・・・は」

律「帰っちまった」ハハハ

姫子「帰ったって・・・1人で?」

律「ん、まぁ・・・そうだな・・・1人だな・・・」

姫子「あ、危ないんじゃないの!?ここら辺1人でって!?」

律「あーそうだな・・・危ないよな、1人は、・・・さ・・・」

姫子(田井中くん・・・なんか、様子がおかしい・・・?)

律「つーか、立花さん、帰らないの?ずっとここにいたの?」

姫子「あ、う、うん・・・ちょっと・・・(泣いてたなんて・・・言えない・・・)」

律「そっか。じゃあ、送るよ。1人は、危ないだろうし・・・」

姫子「え・・・で、でも・・・秋山さん・・・」

律「・・・」

律「あれ?なにもってんの?」

姫子「えっ?あ、こ、これ!秋山さんが落としたやつ・・・」スッ

律「・・・Kコンビニの袋・・・何を買いに行ってんだよ・・・夜に・・・」ガサガサ・・・

姫子「・・・」

律「・・・あ」

律「ストロベリーシュガーミルク・・・これ買いにわざわざ・・・」

律「ばっかじゃねーのか・・・頼んだら買ってくるのに・・・てか、なんで1本からっぽ?」

姫子「・・・あ、あの」

律「ん?」

姫子「2本入ってて・・・私1本・・・その、ちょっと飲んじゃったんだ・・・それ」

律「あぁ・・・なるほどな。じゃあ、俺も」キュ ゴクゴクゴクゴク

姫子「え・・・ちょ、ちょっと!?そ、そんなに一気に飲んだら」

律「ごほっ!?」

姫子「やっぱり!だ、大丈夫?田井中くん?」サスリサスリ

律「ごほっ!?エフん、エフンっ!?だ、だいじょう・・・ごほっ!?」

姫子(・・・秋山さんとなにかあったのかな?)

姫子(やっぱり・・・私のせいで・・・)

律「・・・ふぅ・・・」

姫子「だ、だいじょうぶ・・・?その、いろいろ・・・」

律「ん?あぁ・・・だいじょうぶだよ」ニコッ

姫子「あ・・・」

律「じゃあ、帰るか」


10通りめ 姫子と律 終わり → 16通りめに続く



律「・・・・・・」

澪「・・・・・・」

和「――というわけで」

和「3年2組の学園祭の出し物『ロミオとジュリエット』のロミオ役、ジュリエット役はそれぞれ」

和「秋山澪さん、田井中律くんに決定しました」

クラス「わー」パチパチパチ

姫子「・・・・・・」パチ・・パチ・・

佐々木「お、俺の秋山さんが・・・ロミオ役だとォ・・・!?」

信代「佐々木!あんたのじゃなくて田井中くんのでしょーが!」

クラス「どっ!」

澪「・・・・」

律「・・・・あははは・・・」

紬(・・・・あら?)

瀧「そうだよ、佐々木!!あんたは木の役でもやってなよ~」

佐々木「なんだとぉ!?てめーこそ、舞台裏で秋山さんを照らすライトでも操作してろよ!」

瀧「なんですって~!?」

三花「こらこら、2人ともけんかするんじゃないよー」アハハハ

いちご「うるさい・・・」ボソッ

律「つーか、おい!!」ガタッ

和「・・・なんだよ、律。いまさらやりたくないとかいうくだらない意見は聞かないぞ」

律「いやいやいやいやいや!!お前らちょっと待て!!本気でちょっと待て!!」

和「ん?」

律「あとくだらなくねーよ!!聞く前にちゃんと聞く耳を持ってください!!」

佐々木「じゃあ聞くからさっさといえよ。あともう決定したことだからお前のわがままは本当にきかないからな」ケッ

律「」イラッ

律「おし・・・いいぜ、百歩譲って劇はやってやるよ!俺だって和に投票したし・・・投票だけして自分はやりません、なんていわねーよ」

和「俺に入った2票のうち1票お前だったのか・・・」

和「てか、あと1票は・・・」チラッ

紬「うふふ♪」ニッコニッコ

和「あ、はい。了解です」

律「やってやるけどな・・・!!お前ら!!!」

律「なんで俺が女役なんだよっ!?普通逆だろ!!逆!!」

鈴木「なんでって・・・それはまぁ・・・」

和「おもしろいからだよ」

佐々木「腹かかえて笑うためだよ」

信代「おもしろいからだね」

瀧「おもしろいからだよね~♪」グッ

佐々木「秋山さんのりりしい姿もたまにはいいかもな」

いちご「・・・ゆにーく」ボソッ

律「・・・・・・おまえら・・・まじめにしろよ・・・てか、佐々木ィ・・・てめぇ・・・」ギリギリ

律「ん・・・?(なんだか視線を感じる・・・)」チラッ

姫子「・・・・・・あっ」

律「あ・・・・・・」サッ

律(やべ・・・思わず目そらしちまった・・・・・・)

姫子(・・・田井中くん)

和「まぁ、もう決まったことだし、部活でいそがしいだろうけど、律、秋山さん、2人ともよろしくな」

律「っておい!?だから勝手に決めんなって!?てか、ほ、ほら・・・」

和「なんだよ、まだなにか言うのかよ」

律「そ、その・・・」チラッ

澪「・・・・・・」

律「み・・・あ、秋山さんがいやかもしれねーだろ?男の役なんて・・・さ!!!」

クラス(秋山さん・・・?)

澪「・・・・・・」

和「あー・・・、んー・・・それはまぁ、t―」

澪「やるよ」

律「えっ?」

澪「私はちゃんとやるから。大丈夫だ」

和「そっか。でも、嫌なら嫌って言っていいんだよ、男の役なんだし」

佐々木「そうだよ、秋山さん、無理はしないで?」

紬「そうよ、澪ちゃん!!!」

律「おい。なんだ、この待遇の違いは」

澪「みんなが私がいいって言ってくれたんだ。・・・文句なんて言わないよ」

律(・・・・・・みお?)

澪「みんな、ありがとうな!!最後の文化祭だし、いい思い出をつくろうな!!」

紬「澪ちゃん・・・」ジーン

佐々木「さすが秋山さん・・・俺・・・なんか目から汗が・・・」クッ

パチパチパチパチ

信代「そうだよね!!どうせするなら本当にいい劇にしよう!!」パチパチパチ

瀧「なんだかすっごくたのしみだね~!!コーラ飲みたい気分だよ」エヘヘ

和「じゃあ、続いてその他の配役と舞台監督、大道具などを決めていきたいと思います」

佐々木「俺、写真係で!!」ハイハイハイ

いちご「・・・・・・げす」ボソッ

姫子「ゆい、ゆいってば・・・そろそろ起きなよ・・・係り決めるみたいだよ・・・」ユサユサ

唯「うへへ~うい~~もう食べられないよぉ~~」zzz

紬(それにしても・・・)チラッ

律「・・・」チラッ

澪「」プイッ

律(・・・目そらされた・・・)ガーン

紬(りっちゃんと澪ちゃん、なにかあったのかしら?)


21通りめ ロミオとジュリエット 続く



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