律「あー、今日集まってもらったのは他でもない!!」

梓「…」モグモグ

純「…」モグモグ

和「…」カキカキ

律「おし!とりあえず、まず1つ言いたいんだが、お前ら『小学校で人の話は聞きましょう』って習わなかったのか?」ニッコリ

梓「あー…習いましたね」モグモグ

純「はい!習いました!!よく覚えてます!!」モグモグ

和「…」カキカキ

律「」イラッ

ガシッ

律「だったら人の話はききましょーねぇ?なァかァのォくゥゥゥゥウウウウウウンンンン!?」

グググググググ

梓「ちょっ!?肩いたい肩いたい!?」

律「話きくか?ドラマーの握力なめんなよ?なんだったらもっと強くしてもいいんだぞ?」ヘッヘッヘ

梓「聞きます聞きます!?ぜひ聞きたいなぁ~田井中先輩のためになるお話!!」

律「…ったく」

パッ

梓「っつぅ~~!?」ジンジン

純「ははは~梓マジで痛そうだな、それ」モグモグ

梓「純…てめぇ…」

純「え!?なに!?俺いまなにもしてないよ!?」ビクッ

和「…」カキカキ

律「…なんだよ…このまとまりのなさは…」トホホ

梓「つーか、マックスバーガーで話し合いってのも無理があると思いますが…」イテテ

純「いつもは律先輩の家なのに」モグモグ

梓「まぁ、律先輩の部屋イカ臭いから正直マックスバーガーのほうがいいけど」ボソッ

律「イカ臭くねぇよ!?梓!!お前なに言ってんだ。ほんとにシバくぞ、おい!?」

純「まぁまぁ、そこらへんでやめなイカ!な~んっつって!」チョッキンチョッキン

律「…」

梓「…それカニ」

純「あ!」

和「…」カキカキ

純「…なんかすいません」

律「…お、おう」ハハハ

梓「ど、どんまい、純。いいことあるさ」ハハハ

純「なぐさめが心にいたい…てか、本当になんで今日はマックスバーガーなんですか?」

律「ん?あぁ…それはこいつが…」チラッ

和「…」カキカキ

和「…ん?なにか言ったか?」

律「ははは…んにゃ…なんでもないよ…ただお前がそうとうムギをベタ惚れしてるって話」

和「なんだそれ?」

梓「あぁー…そういえば、マックスバーガーってムギ先輩がバイトしてましたね」

純「琴吹先輩が!?それはなんでまた!!一番バイトしてなさそう…というかバイトしなくてもよさそうなのに…」

和「…そんなこと俺に聞かれても」

スタスタ

紬「おまたせしました~」カタン

律「お!やっときたよ、俺の月見バーガー!!」ウヒョヒョ~イ

紬「ごめんね、りっちゃん、遅くなっちゃって。この時期月見はよくはいるから」

律「ん!いいっていいって!!ムギもバイトがんばれよ!!」

紬「うん、ありがと!あ、和くん」

和「ん?」

紬「今日は21時にあがりだから…勉強いそがしいなら帰っても」

和「いや、大丈夫だから。待ってる」

紬「そっか。いつもありがとう」フフッ

和「…いいから、はやく戻りなよ」

紬「あ、うん!じゃあ、またあとでね」

スタスタ

梓「…」

律「月見うめぇ~~♪この黄身がたまらんっ!」モグモグ

純「…なるほど」ウムウム

梓「たしかに…ベタ惚れですね、これは」ウムウム

和「…」

梓「つーか、律先輩、月見バーガー食ってないで早く話してくださいよ」

律「はっ!そうだった!」

純(食い物で機嫌よくなるとか唯先輩みたいだなぁ~)ゴクゴク

律「おし!テイク2な!!今日集まってもらったのは他でもない!!」

純「おー!どうしたどうした!?」

梓「純、そのノリはおかしい」

和(のど渇いた…コーヒー…)

律「文化祭まで残り1ヶ月半をきった今日この頃!!わがけいおん部のキーボード琴吹紬大先生の積極的な努力の甲斐あって!!」

純「あって!!」

梓「いや、だから純」

律「和くんとムギが昨日初キスすませましたーー!!」イヤッフー

和「」ブーっ

梓「」

純「」

律「…あ、あれ?こうドバッっと歓声はないの?なんかこうドバッっと!?」

純「」ポタポタポタ

梓「…純、大丈夫か…?和先輩が吹いたコーヒー全部顔にかかってたけど…?」

純「…なんとか…あ、鼻にちょっと入ったかな…?なんか…こう目頭がツーンと熱くなってきた気がする」ハハハハ

梓「…シミになるから…さっさと制服洗って来い…ついでに顔も」

純「顔はついでかよ…梓…まぁ、いいや…ちょっとトイレ行ってくるわ…」ガタン

スタスタ

梓「あぁ…たっしゃでな…純」

和「…おい、律」

律「うっわー、なにかな真鍋くん…俺…そんな鬼の形相な人間…澪以外にいままで見たことないやぁ」アハハハ

和「なんでお前がそんなこと知ってんだ」

律「え?なんでって言われてもなぁ…って、さりげなく靴の先踏むのやめて!!」イタイイタイ

和「なんで知ってんだって聞いてるのは俺なんだけどな?」ニコッ

律「」

律「え、あ、いや、その、あの…今日ムギが部室で言ってました、はい」

和「」

律「…って言ったのにどうして爪先にかかる圧力が増しているのかなぁぁあああいたたたたたたtatatatat!?」

和「…本当か?」

梓「あ…はい…実は俺も聞いてました…すいません」

和「」


スタタタタ

純「うわ~、染みついちゃったかもしれねぇ…憂に怒られるかなぁ…」

和「」

律「」

梓「…」

純「ってなにこの葬式モード!?俺がいない間になにが!?ここマックスバーガーだよね!?」ガビーン


19通りめ   続く



律梓純「…はぁ」

和「…」カリカリ

純「…あ」

梓「…ん?どした?」

純「いや…あの、律先輩」

律「んあ?」

純「そういや、ずっと気になってたことがあったんすけど」

律「おう!なんよなんよ?」

純「どうして律先輩ってカチューシャしてるんですか?」

律「ん?あ、これ?変か?」

梓(うん)

純「いや…変っていうか…ちょっと、どうしてかなって思ってただけです」

律「へーそういうもんかなぁ~」

梓「あぁ…純…」

純「ん?」

梓「この人さ、カチューシャとったら…実は」ヒソヒソ

純「え?マジ?」

梓「…あぁ…不本意だけど」

律「おい!そこ!!なにヒソヒソ本人の前でしゃべってんだよ。つーか、梓、不本意って何だよ不本意って!!」チューゴクゴク

純「律先輩!」

律「ん?なんだよ…」

純「カチューシャとってみてください!!」ワクワク

律「へ?カチューシャ?なんで?」

和「あ、俺も見てみたい」

律「いや、ほんとになんでだよ!?」

純「いいじゃないっすか!!減るもんじゃないし!!」

律「まぁ…別にいいけど…ほら」ヒョイ

パサッ

純「…!」

梓「…あぁ…この前髪サギが…」

和「…ほぅ」

律「誰だ!?今『前髪サギ』ってつぶやいたやつぁ!?」

純「律先輩…前髪あったらめっちゃかっこいいじゃないですか!?」

律「へ…?そ、そうか?」テレッ

梓「お世辞だよ、お世辞」チューゴクゴク

律「てめっ」キッ

和「…それにしても、なんで律はカチューシャするようになったんだ?」

律「ん?なんだ?カチューシャの秘密が聞きたいのか~?和ちゅわ~ん」ガシッ

和「その呼び方やめろ。あと、重いから肩くんでくるんじゃねーよ」

純「なんですか!?そのカチューシャの秘密って!!知りたいっす!!」ワクワク

律「え!?あ、…お、おう!聞きたいか純」ワタワタ

和「なんで動揺してんだよ…せっかく話にのってきてくれてるのに」

律「い、いや。まさか俺の話に食いついてきてくれる人がいるとか思ってなくてさ…こんなの久しぶりだわ」ハハハ

梓・和(不憫なやつだなぁ~…)

律「こほん!まぁ、秘密ってほどでもないんだけど」

和「なら、さっさと話せよ」

律「…さっきからみんな俺の扱いひどくね?まぁ、別にこんなのいつもだからいいんだけどさ」

純(いつも…俺でもなんだか律先輩かわいそうに思えてきた)

律「…あのな、うん、やっぱ秘密でもなんでもないな。うん。澪がさ、つけろっていうからつけてるだけなんだ、このカチューシャ」

梓「秋山先輩が…?」

律「おう。小学6年ぐらいだったけかな。いきなりカチューシャくれてさ、『今日からこれつけて』って。
  最初はこっぱずかしかったけど、今じゃ、これがないとなんだか落ち着かなくてさ」ハハハハ

純梓和「へぇ~」

律「まぁ、カチューシャつけてからなんかクラスメイトの女子から話しかけられることが次第に減っていって、
  いつのまにか女友達が澪だけになってたんだけどな」ハハハハ

和(あぁ…首輪代わりか…)

純「いいはなしだなぁ~」ウンウン

梓(秋山先輩の独占欲、小学生の時からつえぇー!)

梓「というか、律先輩、秋山先輩と早く仲直りしてくださいよ!部活やりにくいったらありゃしない」

和「…」

純「…ん?律先輩と秋山先輩、今けんかしてるんですか?」

律「いや…別にそんなんじゃ」

梓「けんかってか、律先輩がふたまたかけてんの」

純「え"ぇ~~~!?」

律「ちょ!?おまえなに言ってんだよ!?」

梓「そうですよね?先輩っ!」ニコッ

律「いや…別にふたまたじゃないだろ…ただ立花がバイト帰りに1人で帰るのが危ないと思ってさ。方向一緒だから送ってるだけだし」

梓「だから、その考え方がおかしいですってば…」

律「…」

純「立花さんっていうんですか?その人」

和「ほら、純。この人だよ」スッ

律「って!?和!!お前なんで写メもってんだよ!?」

和「頼んでないのに佐々木が送ってきた」

律「佐々木…あいつなにしてんだ…つーか、これめっちゃ盗撮じゃねーか!!」

純「うわ!?なんですかこのきれいな人!!えっ!?てか、この制服、桜高じゃないですか!!」

律「…」

和「桜高もなにも俺らと同じ3年2組だよ」

純「なんすかその状況は!?」

梓「な。いくら純でもおかしいと思うよな」ゴクゴク

律「はぁ!?違うって!別にふたまたじゃねーよな、純!?」

純「…え、あ、えーっと、…たはは…なんというか…
  あの、律先輩は、バイト帰りに送ったりしちゃうくらいだし立花さんって人のこと…その、好き…なんですか?」

律「あぁ…!?いや、友達としては普通にいいやつだなって思うけど、好きじゃねーよ、別に」

和「あー…、じゃあ、お前、自分に「好き」って感情がないから『これはふたまたじゃない』って言いはってんのか」

律「言い張るって…なんでだよ…立花のこと…本当にそういう風に好きじゃねーんだから、当たり前だろ!?」

梓「うわー…」

律「なにヒいてんだよ…」

純「…律先輩」

律「なんだよ…」

純「ダウトっす」

律「ダウトって…」

和「…もうお前さっさと秋山さんにフラれてこいよ」

律「…」

律「」カチン

律「なんだってーんだよ!?お前ら好き勝手に言いまくりやがって!!
  もうしるか!!今日はもう帰る!!ちょうど時間だし!」

和「時間ってなんのだよ」

律「立花さんのバイトのあがりのだよ!!」

梓純「うわー…」

律「だからそのリアクションやめろっての!!ちくしょう!!お前らみんなばーかばーか」ダッ

純「あ…律先輩!!」

律「あぁ!?なんだよ!?」クルッ

梓和(素直に振り向くんだ…)

純「あの」

律「…なんだよ、早く言えよ!?」

純「たとえば、律先輩にその気がないにしても、もし」

律「うん?」

純「立花さんが律先輩のこと好きだったらどうするんですか?」

律「え?なに言ってんだよ、それはないだろ」

梓「そんなこと言い切れないじゃないですか」

律「だって、俺彼女いるし。そもそも澪以外の女に好かれたことないし」

和「でもお前の行動はどうみても彼女いるやつの行動じゃないぞ?」

律「え…」

律「…」

純「たしかに夜にバイト終わりで暗い道女の人が1人で帰るのって危ないですけど」

律「だっ、だよな!?」ホッ

純「でも、律先輩のその行動って確実に秋山先輩を傷つけてると思いますよ?」

律「…」

律「…」

律「…」

律「…帰る。今日はなんかすまんかった。でも、とりあえず今日はもう帰るわ」

梓「あ…」

律「あー梓、曲はちゃんと考えとくから心配すんな」ポリポリ

梓「…あ、はい」

律「とりあえず、みんなも早く帰れよ、じゃあ、またな」タッタッタッ

梓「…」

純「…大丈夫かな、律先輩」

和「さぁ…というか、純、お前なかなかいいこと言ったな」

純「え?そ、そうっすかね?」テレテレ

ピリリリリ

純「あ…電話…憂だ!!」

和「…」

ピッ

純「も、もしもし!?」

憂『純ちゃん!?いつまで遊んでるの!?おじさんからこっちに電話きたよ!?
 明日も学校なんだからこんな遅くまで遊んでちゃダメだよ!!』

純「あ、ご、ごめっ!憂、ほんとにごめん!!」ペコペコ

和「…エアーおじぎ」

梓「…」

純「あ、う、うん。今、もう帰るから!うん、はい、うん、わかったって!
  うん。じゃあ、また家帰ったらメールするから、はい、うん、はい?あ、あ。はいはーい」

ピッ

純「…」

純「…聞いて…ました?」

和「…」コクン

梓「…」コクン

純「じゃあ、俺、帰りますね…」

和「あぁ…うん…なんというか…がんばれよ」

梓「うん、純…とりあえず…がんばれよ」

純「やめて!妙に優しいのが心に痛いの!!じゃあ、また明日」タッタッタッ

梓「…」

和「…」

梓「あ、じゃあ、俺も帰ります」

和「…あ、おう!気をつけてな」

梓「はい!真鍋先輩、演奏がんばりましょうね!」

和「あぁ…おう」

梓「じゃ、おつかれっしたー」タッタッタッ

和「…a」

和「あ、律のやつ、カチューシャ忘れてる…明日渡すか」

和「…もう少しであがりだな。コーヒーもう一杯飲むか」


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