澪「……」タタタ

澪(どうしよう…ちょっと遅くなっちゃった。
今日はもうさきに行っちゃてるかな)タタタ

澪(……あれ?)

澪(…なんでいつも通り待っててくれるって思えないんだろう)

澪(……律)

タッタッタ

澪「……あ」

律「澪!おはよ」

澪「あ……うん。おはよ」

律「澪が遅いの、めずらしーな。いこーぜ!」タタタ

澪「……あ、うん」

澪(待っててくれた…)タタタ

澪(……なんで?)

スタスタスタ

律「おい、昨日はなんでメール返してくれなかったんだよ。
ずっと待ってたんだぞ?」

澪「え、……うん」

律「いや、『うん』じゃなくてさ。電話しても出なかったし。……1人で帰るし。
ちゃんと帰ったのか心配してたんだからな?」

澪「……ちゃんと帰れたから」

律「それなら…いいんだけどさ…(澪元気ないな…?)」

澪「……」

律「……」

律「……(なにこの雰囲気。まだ怒ってんのか?)」

澪(……歌詞のこと、聞かないと……)

律(えーっと、なんか話題ないかな?)


澪律「あ、あのさ」

澪「えっ?」

律「あ…」

澪「り、律からいいよ」

律「えっ?澪からでいいぜ?大したことじゃないし」

澪「私も大したことじゃないから……律いいよ」

律「そっか…じゃあ。言うな」

澪「うん。なに?」

律「いやさ、昨日コンビニ寄っただろ?」

澪「うん」

律「そこで立花がバイトしててさ」

澪「……え?」

律「いや、あのコンビニめったに行かないから、
昨日初めてそこで立花がバイトしてるの知ったんだけどな」

澪「……へー、そうなんだ」

律「あぁ。んでさ、ちょーどバイトが終わる時間だったし帰る方向一緒だったから、一緒に帰ったんだ」

澪「誰と…?」

律「へ?立花だよ。てか、立花だろ。話の流れからして」

澪「……そっか」

律「ん。でさ、バイトの終わる時間結構遅いみたいだし、あそこら辺物騒だから、
これからしばらくの間バイト終わりに立花送ろうって思うんだ」

澪「……」

律「ちょっと気になることもあるし」

澪「……え?」

律「ん?」

澪「なんだよ、それ……」

律「なにが?」

澪「……なんで律がそんなことするの?」

律「へ?そんなことって?」

澪「いや、だからさ。
なんで律が立花さんをわざわざバイトの終わる時間に迎えに行って一緒に帰らなきゃいけないの?」

律「え……、だってあそこら辺、夜になると危ないの澪も知ってるだろ?」

澪「それは…わかってるけどさ…」

律「な?1人で危ないってわかってるんだから、立花帰らせるわけにもいかないだろ?」

澪「いや、でもだからってどうして律が立花さんと帰らなきゃいけないんだよ?」

律「だから1人だと危ないからだって」

澪「……」

律「なに怒ってんだよ…」

澪「……」

律「いきなりそんな怒られてもさ、こっちはわけわかんないんだけど…」

澪「……本当にわからないのか?」

律「ん?」

澪「律はどうして私が怒ってるのかわからないの?」

律「……」

律「……わかんないよ」

澪「……」ハァ

律「なんだよ…」

澪「もういい」

律「……」

澪「律がどうして私が怒ってるのか本当にわからないなら、これ以上話したってムダだ」

律「だからなんだってそうなるんだよ…」

律「俺、悪いことしてるか?」

澪「……自分がなにしてるかわかってないんだろ?」

律「……」

澪「……もういいよ」

澪(どうせこの分じゃ、歌詞のことも忘れてるんだろうな)

律「おい…」

澪「勝手にしろよ。先行く。バカ律」タッタッタ

律「あ、ちょっと!?」

律「……」

律「なんだよ…一体」


―――――

澪「……」スタスタ

ストン

唯「あ、澪ちゃんおはよー」

紬「おはよう、澪ちゃん」

澪「ん、あぁ…おはよう、唯、ムギ」

紬「なんか元気ない?」

澪「え、いや、大丈夫だよ」ハハハ

紬「そう。それならいいんだけど」

唯「てか、澪ちゃん今日はりっちゃんと一緒じゃないんだね」

澪「あ、うん、まぁ…ちょっと」

律「ちーっす」

紬「あ、りっちゃんおはよう」

律「あ、ムギ、はよ。唯も」

澪「……」

唯「あ、りっちゃん来た。おはよー」

律「……あ、唯」

唯「ん?なに?」

律「……ちょっと遅くなったんだけどな」ガサゴソ

唯「?」

スッ

律「これ、新しい歌詞らしいから目、通しといて」

唯「あ!」

澪「……あっ」

律「ん?なんだよ」

唯「いや、ううん!別に!?」

唯(りっちゃん無くしてなかったー!)

澪(……なんだよ)

律「ちょっと澪から渡されてから時間経ってるんだけど、確かに渡したからな!」

唯「うん。わかったよ!」

澪(立花さんと帰るくせに…歌詞忘れてないとか…)

澪(律が何したいのか本当にわからない…)

紬「今回も良さそう?」

律「ん?……まぁ、それは見てからのお楽しみだな!」

紬「ふふ。そうね。楽しみにしとくわ、澪ちゃん!」
澪「えぇ…、あぁ…うん。そうだな」

紬(……あれ?やっぱなんか元気ない)

紬(これは…)

律「……」

姫子「はよー」

唯「あ、姫子ちゃんおはよー!」

姫子「ははっ、唯は朝から元気だなぁ」

唯「えへへーそれほどでもー」テレテレ

姫子「いや、誉めてないから」

律「……」

姫子「あ、……おはよう……田井中くん」

律「ん、あぁ、おはよう、立花」

姫子「昨日はありがとね」

律「あぁ…いや、別に気にすんなよ!」

澪「……」

唯(ム、ムギちゃん!?)ヒソヒソ

紬(……えぇ、唯ちゃん)ヒソヒソ

紬(これはなにかあったみたいね)ヒソヒソ

唯(やっぱり?)ヒソヒソ

―――

佐々木「おい、真鍋」

和「朝から話しかけんな、佐々木」

佐々木「なにそれひどい」

和「お前のせいでこっちはひどいめにあってんだ」

佐々木「俺ってば、人気者!?」

和「うるさいよ」

佐々木「ったく、朝からお前は冷たいやつだなー。それより」

和「…なんだよ」


佐々木「田井中と秋山さん、またけんかかな?」

和「そうなのか?俺にはまったくわからないんだけど」

佐々木「チッチッチッ、まだまだですなぁ。生徒会長さんよぉー。
俺ほどになると田井中と秋山さんがけんかしたかどうかなんて、
秋山さんのため息でズズッとビバッとお見通しよ!」

和「……へー、そうなのか」

佐々木「素でちょっとヒクなよ」

和「すまん」

佐々木「いや、素で謝られても困るんだけどな」

和「俺にどうしろと……」

佐々木「まぁ、とりあえず、田井中と秋山さんの仲がヤバイってことはあれだ」
和「どれだ」

佐々木「ついに俺の時代か!?」

和「それは永遠にない」

佐々木「永遠に!?」ガーン

和「永遠に、だ」

佐々木「2回言わなくていいよ!?」ガビーン




律『キャッチボールをしよう!』

梓「え。いやです」

律『うはっwww即答www』

梓「え!?なんですかその反応。キモッ」

律『キモッとかいうなよ。素でへこむだろーが!!』

梓「そっすか」

律『ながすなよ!ツッコメよ!!なんかはずかしいだろ!!』

梓「え?律先輩がしたいのってもしかして」

梓「…言葉のキャッチボール!?」ゴクッ

律『つば飲むな!深刻そうに言うな!!
てか、言葉のキャッチボールって「したい」って思わなきゃできないものだっけ!?あれ!?』

梓「まぁ、律先輩ですから…」

律『お前、その、こいつどうしょーもねーなって雰囲気醸し出すのやめような?』

律『なぁ、キャッチボールしよーぜ~』

梓「キャッチボールしたことないんで」ムリムリ

律『うそこけ!体育の授業でしてるだろ』

梓「あ、たしかに」

律『な?』

梓「でも、グローブ持ってないです」

律『み…さとしのがあるから大丈夫』

梓「…えーと」

律『ん?なんだよ』

梓「あ、つき指するとギターの練習できないんで」

律『お前、今考えたろ、それ』

梓「……まぁ」チッ

律『(舌打ち!?)』

梓「でも正当な理由ではあると思います」

律『なら、つき指しない程度に頑張ればいいんだよ』

梓「なんですか、それ。意味わかりませんけど…」

律『まぁまぁ。夕方で涼しくなってきたし!公園で待ち合わせな!じゃ』プチッ

梓「ちょ!?」プープープー

梓「…」

梓「絶対高校野球見てて自分もしたくなったんだ…」

梓「…自分勝手な人だなぁ」ッタク


――公園――

律「あずさ~」ヤホー

梓「あ!」

梓「自分から誘っといて遅く来るとか…(自転車とばしてきたのに)」

律「ゴメンゴメン。グローブがなかなかみつからなくてさ。ほら」ポイッ

梓「うわっ!?」パシッ

梓「いきなりグローブ投げないでくださいよ」

律「はめてみ?大きさちょうどいいだろ?」

梓「…はい。ちょうどいいです」

律「中学生の時に使ってたんだけどな。とっといてよかったよ」ボールボール

梓「(中学生…微妙に複雑だ)」

律「よし!」パシッ

律「梓ちょっとあっち行って」

梓「あ、はい」タタタタ

梓「こんなもんすか?」

律「うん。OKOK!じゃー投げるぞー」

梓「(律先輩、スポーツ得意そうだけど、キャッチボール上手いのかな?)」

律「それ~!」ポーン

梓「ちょ!?どこ投げてんですか!?」タタタタ

律「ごめ~ん」テヘ

梓「1球目から走らされるとか」タクッ

梓「あ、あった」ヒョイ

梓「いきますよ~」

律「オーイェ!」

梓「そーいっ」ポーン

律「お!ナイス!!」パシッ

梓「こ、これくらい普通ですよ」

律「照れるな照れるな」

梓「照れてません!!」

律「次いくぞ~」

梓「あ、はい」

律「違うぞ!梓!!掛け声は『バチコーーイ』だ!」

梓「ば、ばちこーい…」

律「それ!」ポーン

梓「」

梓「またあらぬ方向に!?」

律「あ。ごめwwwとってきてwww」

梓「…」タタタタ

梓「あ、あった」

梓「いきますよー」

律「バチコーイ」

梓「そりゃー!」ブン

梓「(あ!ちょっとそれた!?律先輩取れないかも!?)」

律「なにおー!!」ズササササー

律「ほっ!」バシッ

梓「!!」

律「どうだ~うまいだろ!!」イェーイ

梓「今のは普通にすごいですね!!」

律「捕るのは何回もしたからなぁー」

梓「捕るのは?」

律「まぁまぁ。ほら!いくぞー!」ポーン

梓「って!?だからさっきからどこ投げてるんですか!?そんなに左にいませんよ!?」アイムヒアー


12