紬「はい、これ澪ちゃんの」コトン

澪「ありがとう、ムギ」

律「なぁ、唯」モグモグ

唯「ん?なに~?」モグモグ

紬「これは、梓くんのね」カタン

梓「あ、ありがとうございます」モグモグ

澪「このケーキおいしいなぁ。どこのケーキ?」モグモグ

紬「駅前の新しくできたケーキ屋さんのよ」

梓「あ、あそこケーキ屋だったんですね」モグモグ

澪「梓、知ってるのか?」

律「ずっと気になってたんだけどさー」ゴクゴク

唯「うん」モグモグ

梓「はい。なんかずっと工事してたからなにできるのか気になってたんですよね」

律「お前って和のこと好きだったことってないのか?」

唯「え?ないよ~」モグモグ

澪「へぇ~そうなのか」

澪「…って、え!?」

律唯「ん?」

梓「律先輩……いきなりなんですかその質問は…」

澪「そ、そうだぞ!?唯になに聞いてんだよ、律!」チラッ

紬「……」モグモグ

律「へ?な、なんだよ、みんなして一斉にこっち見て…。
いや、ただ、唯の初恋って和なのかなってちょっと思ったから聞いただけだよ」ドギマギ

澪「いや、いきなりすぎるだろ!?」

律「そうか?別に普通に思ったから聞いただけだけどな」

唯「あずにゃんそのケーキ一口ちょーだい」

梓「ちょっと空気読んでくださいよ、唯先輩…」

澪「そ、それにしたって時と場所を考えろよ!!」

律「へ?なんで」キョトン

梓「律先輩……それ素で言ってるならドンビキなんですけど…」ウワッ

唯「あずにゃんや、ドンビキするならケーキをおくれ」オウオウ

律「えっ!?なんでだよ。てかお前尋ねる前にもうヒイてるじゃねーか!?」

梓「だって律先輩が…ねぇ、秋山先輩?」

澪「すまん、梓。まさかこいつの頭がここまでとは思ってなかった…私もがっかりだ…」ガッカリ

梓「俺もですよ…」ガッカリ

律「な、なんだよ、2人して!?つーか、唯はそれなら和のことどんな風に思ってんだよ?」ドギマギ

紬「……」モグモグ

唯「ふぇ?」モグモグ

澪「ちょ!?おい律!」

梓「律先輩!?って、唯先輩ケーキ勝手に食べてるし!?」

律「あん?だからなんだよ、さっきから。
唯が和のことどう思ってるのか聞いてるだけだろ!?」

澪「いや、だからな!?」

唯「えっとね、お兄ちゃんかな?」モグモグ

律澪梓「へ?」

紬「……」モグモグ

澪「お兄ちゃん?」

唯「うん。和ちゃんは幼馴染み兼私のお兄ちゃんって感じかな」

澪「へっ、へぇ~…そうなのか…」

梓「あ、あの!?」

唯「ん?なに?あずにゃん」

梓「じ、じゃあ…真鍋先輩に恋愛感情とか…持ったことはないんですか?」

律「あれあれ?なになに?梓ちゃんヤキモチ妬いてるのかなぁ」ニヤニヤ

梓「んな!?な、な、なにイッテルンデスカ律先輩!!
ヤキモチなんて妬いてるわけないですよ!」ヤダナーモー

唯「んー…恋愛感情ねぇ~」

梓「えっ?あったことあるんですか…?」ザワッ

唯「いや、やっぱないよ。和ちゃんはお兄ちゃんってイメージが強いからかなぁ」

梓「そうですか…」ホッ

律「よかったな梓」ニヤニヤ

梓「くっ!?」

澪「でもまぁ、たしかに和は面倒見よさそうだしなぁ~。お兄ちゃんってのはわからなくもない」

律「あ、そういえばさ多分あと少ししたら和がここくるからさ。
唯、お前、和のこと『お兄ちゃ~んって呼んでみろよ!』」ニシシ

梓「ちょ!?」

唯「別にいいよ」

梓「え!?唯先輩!?」

澪「おい、律。なんで和がくるってわかってんだよ」
律「ん?あぁ。いやね?昨日までに提出の書類まだ出してなくてさぁ~」ペラッ

律「多分もうすぐ催促にくるんじゃ…ないかなぁ~…って…」ハハハ

澪「ほう…昨日までに提出の書類ねぇ~」

律「あ、いや、澪、なにかなその左手は…?
できればすぐ膝の上においてほしいなぁ~なんちゃって…」ハハハ

澪「このバカ律!」

ガツンッ

律「ったーーーい!?」

澪「書類は期日を守れって何回言ったらわかるんだよ!」

律「だからって叩くことないだろ!?」

梓「何回叩かれても学習しないとか…うすっぺらい脳みそ」ボソッ

律「あずさぁ!!今なんか言ったか!?」

梓「いえ、なにも」



がちゃ


紬「…あ」

律「お!きたきた!」

和「おい、律。お前、昨日までの書類出してないだろ」

律「あ、わりぃー。忘れてたわ」ヘッヘッヘ

和「忘れてたわ、じゃなくて忘れんなよな。
こっちだって忙しいんだから書類出すくらい自分でしてくれよ」

澪「そうだぞ、律!」

律「まぁまぁそう怒るなよ、ほらこれ!」ピラッ

和「ん。次からは気を付けろよ、
……ってこのセリフ毎回お前に言ってるんだけど。そろそろ学習してくれ」

律「あーもう!何回も言わなくてもわかったっつーの!!それより和!」

和「ん?なに?」

律「ほれ!いけ!いまだ唯」

唯「お兄ちゃ~ん」ダキッ

和「」

梓「」

唯「和お兄ちゃ~ん」ギュッ

律「くははっ、和、固まってやんの!」ケラケラ

澪「って、梓も固まってないか?」

和「……」

唯「………あれ?和ちゃん」

和「……なんの真似だよ、唯」ハァ

唯「いやね、和ちゃんは私の幼馴染み兼お兄ちゃんって話をしてて。
ちょっと勢いあまって抱きついてみました」テヘッ

和「へ~…。とりあえず、テヘッとかいらないからはやく離れてくれないかな?」

唯「おぉ~っと、すいやせん」パッ

和「ったく…けいおん部はあいかわらずだな」

律「どーゆー意味かな?和ちゃんよぉ」

澪「あずさー大丈夫か?」ペシペシ

梓「」

唯「あれ?あずにゃんどうしたの?」

和「退屈しないってことだよ」

律「あぁ、退屈しないだろ!なんたって俺が部長だからなっ!」

和「じゃあ、次からはちゃんと期日を守ってもらいたいもんだな、部長さん」

律「あー、なんとかがんばるわ」

和「じゃ、俺生徒会戻るから」

律「ん!わざわざさんきゅ!」

和「ん」クルッ

ギュッ

和「ん?」

紬「真鍋くん」

和「どしたの?琴吹さん、袖掴まれると行けないんだけど」

紬「今日は一緒に帰れる?」

和「……少し遅くなるかもしれないけどいい?」

紬「うん。大丈夫よ」

和「わかった。じゃあ、また後で」

紬「うん。またね」

パタン

律「……え」

澪「なに驚いてんだ?律」

唯「あずにゃ~ん。どしたの?元気だしてよー」

梓「あ、いや、なんでもないんで…大丈夫ですから気にしないでください」ハハハッ

澪「もしかして、お前知らなかったのか?」

律「……いつから?」

澪「もう3ヶ月くらいたつんじゃないかな?」

律「まじか…ムギに悪いことしたかな?」

澪「私ならプリン500個に値するな」

律「」

律「む、ムギっ!すまん!?」ガバッ

紬「ん~いいのよ?気にしてないから」ニッコリ

律(優しい笑顔が逆に澪に怒られるよりコエーーーー!!)

紬「というか、澪ちゃんの視線が怖いからはやく離れてほしいかな?」

律「え?」

律「あ」ムギュ

澪「心残りはないか?」ニッコリ

律「」

梓(抱きついたぐらいで嫉妬とか情けなさ過ぎる…)ガックシ

唯「?」

紬「そろそろ練習しない?」

澪「ん、そうだな。律ももう土下座やめていいぞ?」

律「はい…ありがとうございます、澪さん……」


―――――

紬「……」

紬「……」

「紬」

紬「…あ」

和「ごめん。結構長引いちゃって」

紬「ううん。お疲れさま」ニコッ

和「ん。帰ろうか」

紬「うん」


紬「ねぇ、和くん」

和「ん?なに?」

紬「どうしてみんなの前だと『琴吹さん』なの?」

和「え?ダメかな?」

紬「ダメじゃないんだけど…どうしてかなって思ったの」

和「…なんか、恥ずかしいから……かな」

紬「恥ずかしいから、か」フムッ

和「あと」

紬「あと?」

和「他に『紬』って、呼んでる人いないし…なんか一人占めしてる感じがするから、かな」

紬「…… そっか」フフッ

和「ホントはもっと一人占めしたいんだけどね」ボソッ

紬「何か言った?」

和「いや…」

和「『手繋がない?』って、聞いたんだけど…」

紬「そういうのは聞かなくてもいいのよ?」

和「なんで?」

紬「和くんだから…かな?」

和「そっか」

紬「和くん」

和「なに?」

紬「もっともっと私のこと一人占めしてね?」

和「紬がいいなら」

紬「断るわけないじゃない」
和「…ん」

ぎゅっ


6通りめ 紬と和 終わり



6