純「あずさぁー!!牛乳なんか飲んでないでこれ見ろよー」ニコニコ

梓「ん?なんだよ。あと牛乳なめんな」チューゴクゴク

純「じゃじゃーん。これが目に入らぬかぁーっつって」ニシシッ

梓「お、ゴールデンチョコパンじゃん!初めてみた。買えたのか!?」

純「頑張って買ってきたんだぜ!ダルビッシュのまね~」ブンブン

梓「おいこら、パン振り回すな。あとダルビッシュは投手だボケ」

純「まぁまぁ、細かいことは気にすんなよ。俺野球知らないから」ナハハ

梓「ったく…」

純「さてさてお味はどんなかしら」パクッ

梓「……どうだ?」

純「ふははっ、なんだこれ!このパンくそあめぇ。ウケる」モグモグ

梓「まぁ、見た目がすでに甘いけどな」ウヘェ

純「梓も食ってみる?」モグモグ

梓「いらね。甘いのあんま好きじゃないし」

純「俺も甘いのあんま好きじゃないわ」モグモグ

梓「ならなんで買ってくんだよ」チューゴクゴク

純「いや、せっかくだし1回くらいは買っておかないとなんか損かなって思ってさ…」モグモグ

梓「お前らしい理由なこって…」

純「おう。梓は?」モグモグ

梓「今日はKコンビニの弁当つめてきた」

純「…ずっと思ってたけど、コンビニの弁当を弁当箱に詰め替えるのってなんか意味あんの?」モグモグ

梓「……気分的な問題かな?」

純「ふーん」モグモグ

梓「…」ムシャムシャ

純「…」モグモグ

梓「…」ムシャムシャ

純「…」モグモグ

梓「…」チューゴクゴク

純「この味飽きた」ゴクン

梓「だろうな」

純「いる?」

梓「いらねーよ」

純「ですよねー」ニコッ

梓「おう」ニコッ

純「だっーどうしよ!もう食いたくねー」ガシガシ

梓「憂ちゃんにでもあげりゃーいいじゃん」

純「あ、それだな!あとで憂にあげよう。憂も食べたことないだろうし」シッシッシッ

梓「……」

純「喜んでくれるといいなぁー」

梓「なぁ」

純「ん?なに?」

梓「純って、…平沢家の両親に会ったことある?」

純「ん?あるけど?」チューゴクゴク

梓「ま、まじ!?あ、あのさっ!!」

純「ん?なんだよ」

梓「平沢家のお父さんって、………どんな感じ?」ゴクリ

純「どんな感じって言われてもなぁ…」

梓「怖いか!?」

純「いや、怖くはないかな……今のところは」

梓「じゃあ、優しいか!?」

純「優しいといえば優しい…のか、な?」

純「あ、唯先輩は間違いなく父親似な」

梓「へーそうなのか。…てか、いつ会ったんだよ」

純「えっと…初めて会ったのは…」

梓「え?なにそれ?……もしかして結構会ってるのか?」

純「うーん、そうだなぁ。なんでか俺が家に遊びに行ってると帰ってくるんだよね。不思議なことに」

梓(それって…)

純「あー思い出した。最初に会ったのは中2の時だったかな」

梓「中2……」

純「ん。たしか唯先輩が修学旅行でいなくて、親も2人して出張だからっていうから泊まりにいったんだよね」ウンウン

梓「ちょ!?泊まり!?お前まさかっ!!」

純「おーっと、こらこら、変な妄想は止めてくださいよね梓くんよぉ」

梓「で、でも2人きりだったんだろ!?」

純「そりゃそーだけど、別に2人きりになったからってしなきゃいけないわけでもないだろ?」

梓「へー、そういうもんか?」

純「俺をお前と一緒にしないでもらいたいな」

梓「どういういみかな?」ニコッ

純「そういういみです」ニコッ

梓「うるせーよ!」カッ

純「なははっ。まぁ、んでさ、朝飯2人で食べてたら玄関の開く音がして」

梓「うん」

純「最初は『唯先輩が帰ってきたのかな』って思ったんだけど、すぐにドタドタ走る音が近くなってさ」

梓「うんうん」

純「いきなり憂になにか抱きついたわけね。こうガバッと」

梓「お、おう。それで?」

純「んで、目の前でさ、『うい~うい~うい~ただいまぁ~会いたかったよぉ~元気にしてたかぁ~い~あああああああ』って叫びながら憂の肩に顔を埋めるおっさんがいるわけね」

梓「あ、あぁ…(簡単に想像できてしまう自分がかなしい)」

純「なにごと!?って思うけど、お前が多分今思い描いた感じな?」

梓「?」

純「唯先輩がお前に飛び付いて「あずにゃ~~~ん」っていいながらスリスリしてるのと瓜二つだから。あの光景」

梓「あぁなるほど。……てか、お前なんでそれ知ってんの!?」

純「俺の情報網なめんな~」フフン

梓「くっ!てか、網つーか、憂ちゃんしかいねーだろ」

純「まぁ、それは置いといて」

梓「あぁ、まぁ、続きを聞こうか」

純「その時はそんなの初めて見たしさ、まさか帰ってくるとか思わなかったから憂のお父さんとか思わなくて。
『このおっさん誰だよっ!』て味噌汁飲みながらパニクったんだよ」

梓「いや味噌汁飲むのやめろよ」

純「いや、俺もね思ったよ?『なに俺味噌汁飲み続けちゃってんの?』って。
思ったよ。思ったけどね、やっぱ相当なもんなんだって」

梓「なにが?」

純「知らないおっさんが彼女の名前呼んでスリスリ、ましてやクンカクンカしてる光景ってのはさ、
ちょっとさすがの俺でも思考がどっかいったね」

梓「へぇー」

純「んで、味噌汁飲みながらさ、憂とおっさんの会話聞いてたら、こう、時折『お父さん』って単語が聞こえてきて」

梓「うんうん」

純「『あ。この人ただのおっさんじゃなくて憂のお父さんなのかー』と味噌汁飲みながらやっとこさ状況を理解した瞬間、俺は」

梓「うん、お前は?」

純「憂のお父さんの顔に味噌汁フイタ」

梓「」

純「そのあと憂のお母さんがお父さんの顔を拭いている間中ずっと謝り続けたのが俺と平沢家の両親との初対面」

梓「…」

梓「……ちょっと言っていい?」

純「ガンガンいいよ。あんな体験した俺に怖いものはもうあんまないから」

梓「初対面ひどすぎるだろ」

純「……うん。嫌われなかったのが今でも不思議」

梓「なんか、良かったな」

純「ん。まぁ、俺がもうそんなひどい初対面してるからさ」

ぽんっ

純「お前は大丈夫だよっ」ニコッ

梓「……かな?」

純「おーう!なんならギター弾けばおじさんイチコロじゃね?」

梓「そうならいいんだけどなぁ」

純「機嫌よかったらなんか謎の白い液体飲ませてくれるから」

梓「なにそれ!?」

純「まぁ、まぁ。あれは飲んだものだけが知る未知なる物体だ」フフン

梓「なんで勝ち誇ってんだか…」

純「あ、でも、お前うまくやり過ぎて俺のハードルあげないでね?」

梓「はい?」

純「お前みたいになんでも上手くできる人間じゃないの!俺は!憂といるだけでも精一杯なんだからな!」

梓「よくわからんが…まぁ、ハードルあがったらあがったでどーせお前はそのハードルの下くぐってくから大丈夫だよ」

純「ふむ…一理ある」

梓「なんだよそれ」

純「まぁ、頑張れよ!味噌汁フクのだけは気を付けろ!!」

梓「そんなヘマは絶対しないから大丈夫です」ニコッ

純「ですよねー」ニコッ

純「ちくしょう!」


5通りめ 前半 梓と純



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