唯「それ病院!?」

レヴィ「おう。名医がいるぜ?」

ロック「軍医はいるかもね……」

律「澪!!よかったな!!すぐに手当てしてもらおうな!!」

澪「……う、うん……」

紬「港に行ってください!!!」

ロック「え?」

レヴィ「あ?何言ってんだ?」

紬「50000だすから!!」

レヴィ「なに……?」

紬「ドルで!!50000!!だから、港に!!」

律「おい!!澪は!?」

レヴィ「何を言って……」

ロック「……」

梓「どうして……?!」

紬「お願いします……」

ロック「相手はバラライカさんか……」

レヴィ「話にならねえ。そんなはした金で生きる伝説とやりあえるかっての」

紬「でも……」

ロック「どうして、ホテル・モスクワは君のことを?」

紬「誘拐するつもりなんです……」

ロック「誘拐?」

レヴィ「なに?」

紬「琴吹グループってしってますか?」

ロック「あ、ああ……日本どころか世界に名が知れ渡った企業グループじゃないか」

レヴィ「つまり……お前は……?」

紬「大金持ちです」

レヴィ「大金持ちって……」

ロック「まさか……琴吹グループの……?」

紬「はい……私は琴吹紬といいます」

ロック「な……?!」

レヴィ「なるほどね」

澪「うぅ……」

律「澪!!しっかりしろ!!」

ロック「でも、どうして誘拐なんて……バラライカさんはそういうことをする人じゃあ……」

紬「企業を大きくするためには時として法に触れることもしなくてはなりません」

ロック「……」

紬「財界を牛耳るために、こういう掃き溜めに金のなる木を植えることも必要になってきます」

レヴィ「まて……それがこれか?」

ロック「麻薬を流通させてるか?!」

紬「もちろん間接的にですが」

唯「何の話?ねーねー」

レヴィ「そりゃ、姉御も怒るわ」

ロック「その流通先って?」

紬「……国境なきものたちが集う場所」

レヴィ「教会か」

ロック「なるほど……」

レヴィ「あの婆……日本から買い取ってたのかよ」

ロック「どっちにしろ……このまま一緒にいれば……」

レヴィ「殺されるな」

梓「ひぃ……」

紬「ですから、港に!!」

ロック「港に行けばなにかあるのかい?」

レヴィ「ヘイヘイ、ロック!!勘弁してくれ。こんなガキといっしょにボンベなしでスキューバなんてやりたくねえぞ?」

紬「なんとか船を……」

ロック「……無理だろうね。バラライカさんのことだ。きっと包囲されてる」

紬「そんな……」

レヴィ「ロック、いい加減にしろ」

ロック「でも、考えようによってはこれはチャンスでもある」

レヴィ「ど、どういう意味だ?」

ロック「世界的な企業グループの親族が手の内にいるんだ」

レヴィ「身代金でも請求すっか?馬鹿じゃねえの?そんな綱渡りなんてしたくねえよ。RPGが何発飛んでくるかわかったもんじゃねえ」

ロック「……そうか……違う……レヴィ、違うよ」

レヴィ「何が?」

ロック「ねえ」

紬「は、はい?」

ロック「バラライカさんは君を誘拐しようとしてるんだよね?」

紬「は、はい」

ロック「なら、この襲撃は矛盾してる」

レヴィ「は?」

ロック「誘拐しようとしている連中が、その対象を殺すようなことは普通しない。銃で脅すならともかく、ミサイルを撃ち込んでくるなんてありえない」

紬「あ……」

レヴィ「そうか?死体でもいいだろ」

ロック「にしても捕まえたあとだろう」

レヴィ「何が言いたいんだ?」

ロック「バラライカさんを釣ろう」

レヴィ「姉御を!?」

ロック「切り札がある」

紬「……」

レヴィ「死にてぇのか!?」

ロック「いける」

レヴィ「……」

ロック「おそらく、襲撃してきた連中はバラライカさんとは別の組織だ」

レヴィ「でも、姉御はこっちが連れまわしてること知ってたぞ?」

ロック「あのホテルに死体がなければ普通はそう思うよ」

レヴィ「なるほど……」

ロック「ついでに教会とも連絡をとるんだ。敵がわからない以上、味方は多いほうがいい」


教会

トゥルルルル

エダ「はい」

レヴィ『ようエダ。電話口からでもてめえのいけ好かない口臭が臭ってきそうだな』

エダ「何のよう?クレームの電話ならお門違いだよ」

レヴィ『そういうなって。ところで琴吹って名前に聞き覚え、あるよな?』

エダ「……どこでそれを?」

レヴィ『大企業の親族がこっちにいるんだ。名前は紬』

エダ「何が目的だい?」

レヴィ『ありったけの兵器をよこせ。もちろんタダで』

エダ「あんた……自分のしていることがわかってるんだろうね?」

レヴィ『明日のおまんまが口にできればそれでいい』

エダ「……わかった。で、どこに?」

レヴィ『港だ。二時間で頼む』

エダ「オーライ……地獄に落ちろ、万年生理不順が!!」


ホテル・モスクワ

「お電話です」

バラライカ「―――はい?」

ロック『こんにちは、バラライカさん』

バラライカ「ロック……どうかしたの?」

ロック『少し不都合が起きまして……琴吹紬ちゃんをお送りできません』

バラライカ「それは宣戦布告ととってもいいのかしらね?」

ロック『いえ……それが、紬ちゃんを狙う輩がいて……どうしてもそちらにいけないのです』

バラライカ「なに……?」

ロック『よろしければ、ホテル・モスクワの力をもって一掃してほしいと。報酬はもちろん、紬ちゃんの身柄で』

バラライカ「私に交渉事を持ちかけるとは……ロック、いい度胸ね」

ロック『これはそちらにとっても益になることだと判断したまでです』

バラライカ「よろしい。どこで待ち合わせ?」

ロック『二時間後に港で』

バラライカ「了解。いい夢が見れるように祈っててあげるわ」



ロック「こっちだ!!」

澪「うぅ……」

レヴィ「なんであたしがこいつを抱えなきゃいけねえんだよ……」

梓「すいません」

唯「うわー。船がいっぱいだぁ!!」

律「で、どこに逃げれば!?」

ダッチ「ロック!!」

ロック「お待たせ!!」

ダッチ「何があった?電話では詳しいことはいえねえって」

ロック「それが……」

張「ロック……その子か?」

ロック「はい」

紬「あなたは……」

張「初めまして……この島を荒らす女神さん」

梓「わ、悪い人……」

張「まてまて。こんな紳士を捕まえて、悪い人はないだろうに」

紬「なにが目的ですか……?」

張「君のお父上のことだ」

紬「私は……何も……」

張「わかってる。麻薬流通の一件は親父さんが秘密裏に行っていたことで、多くの社員さんもしらんだろう」

ダッチ「じゃあ、この娘は?」

張「まあ、ただの交渉材料だ。娘を五体満足で返して欲しければ、真心のお届けはやめとけとな」

ロック「あの……今、この子は誰かに狙われてて……」

張「知っている。この子が消えて得する連中なんざ、腐るほどいる」

レヴィ「どういうことだ?」

張「この子はいってみれば、弱点でもある。その弱点さえ消えれば、向こう十年は流通が途絶える心配はないだろうからな。雇用も増えて万々歳だ」

紬「じゃあ……私を狙っているのは……」

張「君の会社の連中だろうな。むろん、こんな僻地にいる下の下な会社員だろうが」

紬「……」

ロック「同じだ……俺のときと……」

ダッチ「馬鹿だな。娘がころされりゃあ、甘い蜜なんざ出さなくなるってのによ」

張「ここにはそういう脳みそまで毒されたジャンキーが多い」

ダッチ「違いねえ」

紬「じゃあ……どうすれば……」

張「ホテル・モスクワと三合会で君の身柄は守ろう。親父さんの態度次第では即帰国できる」

唯「えー!?もう旅行終わり!?」

梓「いや……澪先輩のこともありますし」

唯「そっかぁ」

律「もういいってこんな場所」

澪「うん……」

紬「……」

張「さて、ここは少々荒っぽくなる。お前さんたちはどこかに隠れてるといい」

ロック「よし、向こうに行こう」

唯「はーい」

ロック「ここで隠れていようか」

レヴィ「ロック、こいつのこと任せるぞ」

澪「うぅ……」

ロック「わかった」

唯「大丈夫?」

澪「見ればわかるだろ……」

ロック「はぁ……」

律「元気出せー!!エアドラムでもしてやろうか?」

唯「あ、じゃあ、私はエアギター」

澪「やめろ……気が滅入る……」

ロック「……バンドでもしてるの?」

唯「はい!私たち、放課後ティータイムなんです!!」

ロック「……?」

梓「あ、えと……バンド名でして」

ロック「ああ、なるほど。すごいね」

紬「みんな……ごめんなさい……」

澪「いや……これは誰のせいでもないし……」

律「うんうん」

唯「そうだよ」

梓「気にしないでください」

ロック「バンドか……将来はそっちで食べていこうとか?」

梓「いえいえ」

唯「夢は武道館でライブです!!」

ロック「すごいな……」

ドォン!!ドォン!!

澪「ひっ……」

ロック「始まったか……」

唯「ねえ……」

ロック「ん?」

唯「私たちにも出来ることないかな?」

エダ「貸しはでかいよ、ラグーン商会!!」ドォン

レヴィ「そんなことばっかいってるから、いつも詰めを誤るんだよ!!」ドォン

エダ「あぁ?右耳から左耳へ糸が通るようにしてほしいのか?」

レヴィ「頬から酒を飲めるようになりたいか?あ?」

バラライカ「やめなさい」

「うてうて!!!」ドドドドドドド

張「全く……素人はやたらめったら撃つだけだからやりにくいな」

バラライカ「全くね」

ダッチ「こういう金にならん乱戦はあまりしたくねえな……」ドォン

ピリリリ

ダッチ「こっちは戦場。ピザの配達ならあとにしてくれ」

ベニー『ピザよりすごいものを要求されたんだけど』

ダッチ「何の話だ?」

ベニー『この辺に楽器屋なんてあったかい?』

ダッチ「なんだ?ゲリラライブでもおっぱじめようってか?」

ピリリリ

ロック「はい」

ベニー『船においで。揃ったよ』

ロック「揃ったって」

唯「もう!?」

律「はええ」

梓「でも……どうやって?」

ロック「ここにも琴吹グループ系列の店はあるからね」

紬「うふふふ」

澪「な、なんでもありか……」

ロック「でも、危険だよ?」

唯「大丈夫です」

梓「こんなところでライブなんて……」

ロック「ま、でも……確かに呆気にとられて向こう側の動きが乱れるかもしれないけど……」

唯「やろうよ!!放課後ティータイムのゲリラ戦!!」

「早く娘を出せ!!」ドドドドドド

張「金に物を言わせているだけのことはあるな……こちらが先に種無しになっちまう」

バラライカ「もう少し、兵を連れてくるべきだったわね……」

張「言っても始まらんし、素人相手に戦争をしたんて後世に恥を晒すだけだ」

バラライカ「そうねえ……」

レヴィ「エダ!!もっといいのないのかよ!!」

エダ「うっさいねえ!!グレネードでも不満があるのか!?」

レヴィ「もっと弾をよこしやがれ!!」

エダ「どんだけ毟りとる気だ、あんた?!」

ピーーーーーーーーーー!!!!!!

張「?!」

バラライカ「なに……?」

ダッチ「来たか……」

唯「えー、マイクテスト……マイクテスト」

レヴィ「な……?」


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