唯「えっ?」

梓「第一次世界大戦が終わった日です!」

唯「あ、あの・・・」

梓「終わったと言っても正確には休戦でsね。
  その当時は『全ての戦争を終わらせる戦争』なんて言われたそうですが、全然でしたね!」

唯「あずにゃん?えっと・・・」

梓「戦争が近代化したのも第一次世界大戦あたりからでしょうか?
  戦争における犠牲者の数が飛躍的に増加したと言われてますよね?」

唯「あの、だからねあずにゃん」

梓「それまでは敗戦国から賠償金を得る形で戦争の損失を補填していましたが、
  第一次大戦では関係国全てが軒並みダメージを受けたため、賠償どころではありませんでした」

唯「あの・・・」

梓「それまでの戦争はこじれた国際間の問題を解消するための公共事業の様な位置付けでした
  しかし、兵器の進歩に伴い戦争はしだいに『割に合わない』ものになっていきます」

唯「・・・。」

梓「それでもこの休戦から20年後には第二次世界大戦が始まるところをみると、
  戦争の価値観が完全に反戦にシフトしたわけではなかったようですね」

唯「・・・。」



梓「何故犠牲者が出るのに戦争をするかわかりますか?唯先輩」

唯「えっ?わかんないよ~」

梓「私がさっき言った『戦争は公共事業』と言う言葉にヒントがあります」

唯「??」

梓「基本的に戦争をすると景気が良くなります。最大規模の公共事業を行うわけですからね」

唯「ほほう・・・!」

梓「わざわざ戦争をするのはそのためです。
  戦争にだってメリットはありますよ」

唯「そ、そうなんだ~」

梓「利益が無ければ誰だってやりませんからね。当然の理屈なんです」

唯「ほぇ~」

梓「あ、だからと言って私が戦争に賛成してるわけじゃありませんよ?
  あくまで一般論です」

唯「うん!続けてあずにゃん」

梓「はい♪」



梓「戦争のイメージって一部の特権階級が戦争の利益をむさぼり、
  庶民が苦しめられてるイメージありませんか?」

唯「違うの?」

梓「もちろんいろいろなパターンがありますが、やはり公共事業と言う側面から戦争を捉えるならば
  最も利益を得るのは貧民層でしょう」

唯「ふーん・・・?」

梓「戦争が始まれば特需で仕事が増えますし、それに伴う景気の好転で税収が増えますよね?」

唯「うんうん」

梓「もちろん税収の一部は戦争の費用になりますが、
  他への課税が軽減されたり生活保護などの福祉関連が補強されるんです」

唯「へ~」

梓「そうやって政府は民衆の戦争に対する反感を軽減するのです」

唯「なるほど!だから貧民層が得をするんだね!」

梓「そうです唯先輩!」

唯「えへー」

梓「民衆は自分たちに直接危害が及ばないならば、それほど戦争になんか興味はありませんからね
  自分たちが勝っている限りは」

唯「へぇ~」

梓「所詮同じ国の人が戦ってるって言っても、撃たれるのは戦場に行ったごく一部の誰かさんなのです」

梓「戦争で景気回復すると言っても、負ければ割に合わないのは当然なのですが」

唯「『兵器の進歩』うんぬんで変わってきたってさっき言ってたね」

梓「はい!勝っても割に合わない可能性もあります。
  相手国が破綻しちゃえば賠償金が取れませんからね」

唯「それでも第二次世界大戦やそれ以降の戦争は起こったんだ?」

梓「もちろん戦争の目的も進化します。
  何かの権利だったり、単純に経済のためだったりね」



唯「あっ!すごい事思いついちゃったよー!」

梓「はい、なんですか唯先輩」

唯「戦争しても絶対負けそうにないくらいに国力に差がある国を選んで戦争し続ければ
  永遠に戦争特需で景気良くなるんだよー!!」ふんす!

梓「・・・そうですね。計ったように15年に一回くらい戦争する国もありますもんね」

唯「ほえー?」



梓「さて、現在世界では『反戦』に向かって価値観が変わってきています!」

唯「うん、私も戦争はいけない事なんじゃないかと思うよ~」

梓「はい!メリットデメリットだけでは解決しきれなかった、民衆の価値観が変わっていったんです!」

唯「どうしてどうして?」

梓「だいたいベトナム戦争あたりが転機でしょうか?
  『戦争の残虐性』が戦場の外に伝わるようになりました」

唯「どういうこと?」

梓「ジャーナリズムの進歩です!」

唯「報道ってこと?」

梓「はい!兵器の進歩もそうですが、カメラやテレビの放送などの報道も進歩していったんです」

唯「なるほど~。それで戦争のリアルな姿が初めて戦争をしていない場所まで伝わるようになったと」

梓「はい!一気に反戦ムードが高まりました」

唯「平和が一番って事だね!」

梓「唯先輩鋭い!
  ミュージシャンという存在がここにきて初めて戦争に対して主張をするんですよー!」

唯「おおっ!私たちにも関係あるんだね!」

梓「大ありです!この時代に生まれた『ラブアンドピース』の価値観が、
  今の音楽界に与えた影響はすっごく大きいんですよ!」

唯「なんと!私たちロッカーにとって、戦争ってそんなに重要だったんだね~」

梓「わかっていただけましたか?」

唯「うん!『戦争と音楽』まったく関係無いようでもいろんな出来事って複雑に絡み合ってるんだね!」

梓「はい!政治、経済、戦争、価値観、テクノロジー、そして音楽・・・全てが歴史の一部です!」

唯「よくわかった気がするよー!ありがとあずにゃん!」

梓「いえいえ」



唯「ねえ、ところであずにゃん」

梓「はい!なんですか?」

唯「今日はあずにゃんのお誕生日だったんだけど・・・あと数分だね」

梓「へっ!?」

唯「おめでとうあずにゃん♪」

梓「あぅ、もっと早く言ってくださーい!」

唯「そんな~」


おしまい!